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前に一人暮らししていたアパートの大家さんが昨日亡くなった。今日はお葬式だった。
築50年ほどのとっても古いアパート。
玄関開けてすぐとんでもなく急な階段を上った二階が僕の城だった。
水はときどき少し錆びが混じっていた。
電気のスイッチは無く、すべて引っ張って点けるやつ。
窓は木枠の網戸無し。
テレビのアンテナもケーブルもネットも便利なものは何も無かった。
僕が入居するまで相当な時間「空き」だったらしい。
入居が決まり、大家さんは自ら部屋の壁を塗り、畳を新調し、
風呂も無かったらしくお風呂まで部屋を改造して作ってくれた。
住んでみると居心地は不便だけどなぜか落ち着いた。
アパート名が無く、郵便物くらいはポストに届くようにと僕が勝手に「三宅アパート2F」とつけた。
いろいろ考えたけど最終的にものすごく普通な名前になってしまった。
そこは今考えると別世界だった。近代化が進む中、本当に昭和の暮らしを体験できた。
大家さんは壁越しの隣に住んでおり、畑で採れた野菜や果物、趣味の釣りで収穫した魚をよく頂いた。
夕飯も度々ごちそうになった。奥さんは破れた服の洗濯物を見ると縫ってくれたりもした。
そこの息子さんはカメラマンで、仕事で使える知識をとことん教えてくれた。よく一緒にお酒もつきあってくれた。お孫さんはサックスをしていて部屋まで訪ねて来てくれて恥ずかしそうに披露してくれた。今は大好きだったディズニーランドで働いてるらしい。
そしてしばらくしてそこで結婚し、2人目の子供が生まれるのを機に引っ越しした。
嫁もそこでの生活は強烈に新鮮だったようで、楽しく新婚生活を送れた。
家族共々大家さんには本当にお世話になりました。
大家さんを通じて思い出いっぱいです。
ご冥福をお祈り申し上げます。
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