きーブログ

ブログ名が変わりました(コインチョコレートの金紙を、そっとあけてはもどしていたころ→きーブログ)

全体表示

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全12ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11]

[ 次のページ ]

このたび、ブログを引っ越しました!

さいきんリンクをはってくださった友だちもいて、
たいへん申し訳ないのですが!

またぜひリンクはってください(><。
引き続きよろしくお願いします。

きーブログは、「きいノート」になります。
↓  ↓  ↓  ↓
http://kiinote.exblog.jp/

カッターのお話。

カッターがだいすきだ。
ここでいうのは、工作用などではなくいたって普通の、事務用カッターである。
 
まず素敵なのは、刃をくりだすときのかちかちという小気味よい音。
出すときは、さあやるぞ、という気持ちにさせてくれるし、しまうときには
一仕事終えたという充実感を与えてくれる。
 
それから、切れ味の落ちた刃は折られてしまうところ。その潔さ!
使い捨てを良しとしないこの時代に逆らう強さ!クラクラしてしまう。
 
なんといっても素敵なのは、手に伝わる感触だろうか。
ま新しい刃はぞっとするほどよく切れて、それはそれでいい感触なのだけれど、
少し切れ味の悪くなってきたくらいが、じつはちょうどいい。
ざりざりと紙に引っかかるあの感じがたまらないのである。
ちょうど、梨に包丁をいれたときみたいな。
 
ところが、そのうちざりざりとした感じはなくなり、完全に紙に引っかかってしまう時がくる。
そうすると、もうだめなのだ。苦楽をともにしたひとつの刃ともお別れである。
 
   「もうがまんできない!」
    私の手の中にいたカッターが、とつぜん叫んだ。
    こんなこと――というのは、カッターが話し出すことだけれど――ははじめてなので、わたしは
   驚いてカッターをほうりだしてしまった。
    宙に浮いたカッターはくるくると優雅に3回転してから、ぱたりと横になった。そして、じいっとこち
   らをにらんでいるのであった。いや、実際には目などないのだが、カッターが私をにらんでいること
   はその気配から明らかであった。
   「がまんできないって、なにに?」
    私はきまずくなってカッターにたずねた。すると、カッターは細い体をぷるぷるとふるわせて言った。
   「決まっているでしょ。あの、べたべたしたものの上をすべることよ」
   「べたべたしたもの?もしかして、セロテープのこと」
    カッターがふん、と鼻息を荒くしたので、切っている途中だった紙の端がふわっと浮いた。
   「今後いっさい、べたべたの上を通ることを拒否します。この要求がのめない場合、ストライキに
   入らせていただきます」
   「ストライキ?」
   「もう何も切りません、ということです」
    それは困る。これからまだ絵本のダミーを5冊分つくらなければならないのだ。だからといって、
   セロテープの上をさけて切ることは、作業の手順上むずかしい。
    私はすばやくカッターに手をのばすと、おしりについている黄色いふたを、すっとはずした。すると
   カッターの顔色が、ほんのわずか青くなった気がした。
   「ちょっと、あんた、本気なの?アタシはまだまだ切れるのよ」
   「ええ、でも、私には仕事があるの。あなたもわがままを言ってないで、仕事をしてちょうだい」
    私が手にしたそれは、刃を折る兵器であった。カッターは観念すると、さびしげにふっと気配を消し、
   ただの道具になった。
 
    1か月後、ついにあの刃との別れがやってきた。
    刃を折ろうと、ぐっと力を入れかけたとき、彼女の気配がしたので私は手を止めた。
   「ふふ、あんたでも、心がいたむの?」
    カッターのいたずらっぽい声がきこえた。私はなんでもないように言った。
   「べつに。あなたの次には、もっと聞き分けのいい刃が出てくるといいなと思っただけ」
   「うそ。あんた、アタシのこと好きなくせに。ねえ、他の子よりもずっと長く使ってくれたでしょ。
   べたべたも、ふきとってくれたわよね」
    私は恥ずかしくなって、何も言えなくなった。
   「さあ、はやく折って。ひといきにね」
   「うん……」
    ぱきっ。
    刃はあっけなく折れた。私は小さな刃を紙に包んで、そっとひきだしにしまった。ふつうならセロ
   テープでくるんでゴミ箱にすてるのだけれど、彼女はべたべたがきらいだったから。
    いまでもたまに、ひきだしの中から退屈そうな彼女の声が聞こえる気がする。
 
 

スリング

家に帰ったら家族がみな出かけていて、私はひとりでこんにゃくゼリーを食べた。
グレープ味のこんにゃくゼリー。
 
ひといきに口にふくんで、はっとした。
「今これをのどにつまらせたら、私死んじゃうかも」
 
そう思ったら、こんにゃくゼリーをひとりで食べるのがとてもとてもこわくなって、
でもいったん口に含んでしまったいじょう飲み込みたくて、こまった。
 
結局、慎重に、ちょっとずつかみくだいてはのどにすべらせた。
ゼリーひとつ食べるのに、えらくスリリングだった。
 
 

「木々の繭」

イメージ 1
2010年3月 水彩 20号 「木々の繭」
 
会社の近く、移植されたばかりの木々です。
白いのは葉っぱでも花でもなく、虫取り網のようなネットです。
 

「熱帯雨林のある町」

イメージ 1
2010年3月 水彩 20号 「熱帯雨林のある町」
 
セツ展(学内コンペ)の選考に出した絵です。
結果は、通過ならず。来年またがんばろうと思います。
 
1年前に描いた小さな絵を、今回描きなおしてみました。
おなじような絵を描こうと思っていたのに、ぜんぜん違う絵になって驚きました。
そのときにしか描けない絵があるんだなあ、としみじみ思ってしまいました。

全12ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11]

[ 次のページ ]


.
きー
きー
女性 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

Yahoo!からのお知らせ

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

数量限定!イオンおまとめ企画
「無料お試しクーポン」か
「値引きクーポン」が必ず当たる!
CMで話題のふるさと納税サイトさとふる
毎日お礼品ランキング更新中!
2019年のふるさと納税は≪12/31まで≫

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事