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 今回も普通の本ではなく、人材派遣業のフルキャストに対する処分と年金改革の必要性に関する毎日新聞の社説です(http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/ )。人材派遣業に関する評価は必ずしも芳しいものではありませんが、その本質自体は経済的必要から生じているものだけに冷静な研究が必要であり、自分の勉強のために論評したいと思います。

社説:フルキャスト処分 日雇い派遣増やさない対策を
・「人材派遣会社大手のフルキャストが労働者派遣法に違反していたとして、厚生労働省から事業停止命令と事業改善命令の行政処分を受けた。登録している労働者を同法の派遣禁止対象である港湾運送業務に派遣していた。事業停止は全社的に1カ月、違反があった3支店では2カ月に及ぶ。違法な派遣に対し、厳しい処分が下るのは当然のことだ。
 労働者派遣法とその施行令は港湾業務に加え、建設業、警備業、医療業務の各分野への労働者派遣を禁じている。いずれも専門的な知識や技術が必要で、危険な作業を伴うことがあるからだ。ところが、フルキャストは昨年以降、建設業や警備業への違法派遣を繰り返し、今年3月に事業改善命令を受けたばかりだった。その後も違法派遣を続けていたことになり、極めて悪質と言わざるを得ない。
 違法派遣は業界全体で横行している疑いが強い。また、フルキャストや、やはり大手のグッドウィルでは、労働者から1回の派遣で250〜200円を業務管理費などの名目で給与から天引きしていたことも不透明だと批判を浴びた。今回の行政処分を業界全体の問題と受け止め、各社は法令順守に厳格に取り組む必要がある。
 違法派遣を受け入れてきた企業にも問題がある。厚労省は今回、派遣先の1社を是正指導した。受け入れ先がなければ違法派遣は起きないことを、各企業は十分に自覚してもらいたい。
 労働者が派遣会社に登録し、その日ごとに派遣される形態は「日雇い派遣」と呼ばれる。派遣会社から前日に携帯電話などで連絡を受けて作業現場に出向く。派遣先が禁止対象業務で危険を伴うとしても、労働者は文句一つも言えない。労災が起きても、違法派遣のために闇に葬られる可能性もある。非正規雇用の中でも極めて不安定な立場に置かれている。
 派遣会社が派遣先からマージンを得る分、労働者の給与は低く抑えられ、1日6000〜8000円が多いとされる。多数がワーキングプア(働く貧困層)となっている。仕事が回ってこない時の雇用保険も現状では適用されない。
 日雇い派遣の実態は定かでないが、厚労省の集計では、05年度の派遣労働者は約255万人に上り、そのうち派遣会社に登録している人は約193万人と、98年度に比べ約118万人も増えた。
 その急増の要因が99年の法改正だ。派遣対象を専門業種に限定してきた従来の制度を転換し、派遣を原則自由化した。さらに04年の改正で製造業への派遣も解禁した。不況下で労働者の賃金を抑え、雇用調整もしやすくしたいという経済界の要望に沿って政府が規制緩和を進めてきたからだ。
 経済界は一層の規制緩和を求めており、法改正が今後、再び焦点になる。

 異論なし。

・「しかし、改正論議では、労働者を企業が直接雇用することが労働者の権利保護の原則であることを忘れてはならない。低賃金の不安定雇用でその日暮らしを強いられる日雇い労働者をこれ以上増やさない対策が求められる。
 「労働者を企業が直接雇用することが労働者の権利保護の原則である」ことは事実だが、今、派遣業の規制を強化したところで問題の本質的な解決になるわけではない。確かに今、派遣の立場にある人々の何分の一の人々は正規雇用となる可能性もあるが、その逆に残りは企業が雇用を諦め職を失う可能性もある。このことは最低賃金の問題と共通している。
 問題は二つあると思う。第一は産業の空洞化の問題であり、第二は一般的な景気水準の問題である。
 第一については、日本の雇用の減少には産業の空洞化が大きく影響しているのであるから、この動きにストップをかけない限り、日本の雇用問題は本質的には解決しない。もちろん海外市場で売る目的で海外で生産することは何の問題もないが、ユニクロに代表されるように日本市場で売ることを目的に海外で生産することは経済的には反国民的行為であり、規制すべきである。規制するといっても特別な行為が必要なわけではなく、外国との間にきちんと為替レートが国際収支に応じて変動するようになっていれば、神の見えざる手のよって自然に解決されることである。したがって、問題はいつも言っているように、中国の人民元の問題である。
 このブログの第2回(http://blogs.yahoo.co.jp/kaneko_yoshiharu/11725914.html )や第5回(http://blogs.yahoo.co.jp/kaneko_yoshiharu/12577075.html )で何回も言ってきたように、中国が本格的に為替レートのインチキを始めた94年から日本はずっとデフレなのであり、為替レートでインチキをしている相手と貿易しても利益があるはずがなく、何としても人民元の変動相場制化に圧力をかけなければならない。
 第二については、小泉政権以降の経済政策は供給を高度化することによって需要を増やそうというサプライサイド論の色彩が強く出ているが、これは消費という最終需要を担っている国民に対する政権の政治的臆病さがもたらしているものであって、需要をいかに増やすかに経済政策の主眼を移行させていく必要がある。これについては、第13回(http://blogs.yahoo.co.jp/kaneko_yoshiharu/13398966.html )で森永卓郎氏が「世帯あたり一五○○万円を超える部分にだけ、一律三%の税率をかける」と提案している「金融資産課税」の方法によることになる。同じ需要要因として投資減税や金融支援によって投資を増やすことも可能だが、日本経済にとっては最終需要たる消費の水準の低さが成長のネックになっていると思われるので、喫緊の課題ではないと考えられる。

社説:年金改革 本物の「百年安心」に汗をかけ
・「保険料の記録漏れ、制度改革、財源問題。年金をめぐる与野党攻防は秋の国会に舞台を移す。選挙中に盛り上がった熱気を冷まさず、深くて濃い議論を期待する。
 だれのものかわからない宙に浮いた記録の名寄せは、安倍晋三首相が公約したように「最後の一人」まで突き止める作業を急いでほしい。同時に、進ちょく状況を国民に明らかにする必要がある。ガラス張りの作業は国民の不安を軽減する一助となる。
 政府は参院選投票日近くになって第三者委員会をせかせ、記録の消えた人に対し、さかのぼって給付する判定を次々出した。選挙向けパフォーマンスに終わらせず、引き続き精力的な審査を促してほしい。消えた記録の一因に社会保険庁職員の着服が指摘されている。12年間で総額1億3000万円が着服されたというから驚く。
 制度改革は与野党の違いが大きい。与党案は年金財政を保険料と税金でまかなうミックス方式、一元化の対象は会社員の厚生年金と公務員の共済年金だけだ。自営業者の国民年金は所得捕捉が難しいと外しているが、将来どうするのか。いつまでもだんまりを決め込むわけにいくまい。2年後、基礎年金の国庫負担は半分(現在3分の1)に引き上げられる。その手当て分2兆5000億円の出所は依然としてあいまいだ。
 民主党案は、国民、厚生、共済の三つを一元化し、基礎年金部分を全額税でまかなう。給付については、所得制限を設け年収1200万円超はもらえない。実現すると無年金者はいなくなるが、消費税を上げずに年金財政を運営できるという主張には与党ならずとも首をかしげざるを得ない。
 制度設計で隔たりが大きいので、与野党が折り合うのは現実問題として考えにくい。双方とも、本当に信頼の置ける、持続可能な制度なのか、もう一度総点検して直すところがあれば補強すべきだ。その上で税制との関係を含めて国会で徹底的に議論しなければならない。それが年金選挙に報いる政党の責務だ。

 異論なし。

・「選挙を通して、歩み寄れる論点も浮かび上がった。現行制度は25年間保険料を払い続けないと受給資格が得られない。これは終身雇用を前提とした設計だ。リストラされる人が増えた社会状況を考慮すると、納付期間の短縮は早急に検討すべき問題でないのか。未納の保険料追納を現行2年からもっと長期間にさかのぼる改正や年金保険料を給付以外に使用できなくする目的外使用禁止法も国民の理解は得られやすいだろう。
 年金制度については、第28回(http://blogs.yahoo.co.jp/kaneko_yoshiharu/14581253.html )で「国民年金の全額税負担化」と「報酬比例年金の民営化」を主張したが、全額税負担化になれば、「納付期間」や「未納」の問題はなくなるし、民営化になれば、「目的外使用禁止法」の問題もなくなるので、制度の合理化が期待できる。全額税負担化というとすぐに払わない人がもらうのはおかしいと主張する人がいるが、保険料でとるか、税金でとるかは本質的な差はないのであり、住民税に年金分として入れておけばよいだけのことである。

・「ただ、年金、医療、介護の個人情報を同じ番号で管理する社会保障番号制導入は、管理する側は楽だが、一方で病歴情報などプライバシーが丸裸にされる危惧(きぐ)もつきまとう。さまざまな面から慎重に議論するテーマだ。
 「病歴情報」を役所が管理する必要がそもそもなぜあるのだろうか。きちんと所得保障がなされていれば、お金の使い方は自由なはずでそれに役所が口を挟む余地はない。むしろきちんと所得保障がなされていないからこそ、そのような不必要な情報を役所が管理しなければならないのだろう。

・「与野党とも、のど元過ぎれば熱さを忘れたり、論議の先送りは約束違反であり許されない。
 異論なし。

 さて総括すれば、フルキャストの件では、制度そのものより、制度を担っている企業自体の体質が大きいと思われます。また、年金の件については、既得権を配慮した小手先の改革では制度自体の永続性もないし、国民の福祉にも貢献しないので、抜本的な改革が必要だと思われます。

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