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★海と毒薬
日本映画、1986年、熊井啓監督作品、123分モノクロDVD
あらすじ
昭和20年、終戦数ヶ月前、九州のある大学医学部では、部長の後任をめぐって教授同士の画策が行われていました。第一外科の橋本教授(田村高広)も部長候補の一人です。そのため、入院患者の手術などを成功させて人物評価の点数を稼ぐ必要があります。
先ず軽度の結核患者の手術が行われます。この患者は、若くて体力もあるので手術の成功は確実と思われました。不安を感じる患者とその身内を説得して、いよいよ手術を始めます。しかし手術失敗し、患者はあえなく死んでしまいます。スタッフは失敗を隠蔽するため、患者は手術後に亡くなったことにします。
その頃、大学付近は米軍の空襲を受け、病院の一部が被害を受けます。そして次の手術予定の患者も逃げ遅れて亡くなってしまいます。これらを契機に橋本教授の評価は落ちて行き、スタッフは焦ります。そんなとき日本国内に不時着した米空軍捕虜の生体解剖が日本軍部から持ちかけられます。彼らは、一般住民を無差別空襲した罪で銃殺刑にする予定なので、生体解剖で殺してもかまわないという理由でした。
これに第一外科医学研修生の戸田(渡辺謙)と勝呂(奥田英二)、解雇された看護婦(根岸明美)らが協力を求められます。戸田は医学の進歩に貢献するという理由で承諾しますが、勝呂は悩み、しぶしぶ引き受けます。生体解剖は秘密裏に行うことになっていましたが、日本軍将校らは浮かれ気分で、その解剖に立ち会います。
連行されてきた米軍兵士は健康体そのものでしたが、健康診断すると騙されてきました。一通りの外診をすませて、さらに詳しく診断するといい手術台に寝かせます。そしてエーテルを嗅がせると、米軍兵士は暴れます。それを医局員たちは必死に押さえつけます。やがて麻酔が効いてきて、橋本教授の執刀で生体解剖が始まります。
最初、片肺が除去され、ついで心臓を5分間停止させた後、心臓マッサージによって蘇生させます。最後に残りの肺の1/3を切り取ります。これでもし兵士が生きてるならば、医学史上の大発見になります。しかし兵士は無惨にも死んでしまいます。生体解剖中、戸田は積極的に協力しましたが、勝呂は恐ろしくてまったく手出しできませんでした。解剖終了後、日本軍将校らは、こともあろうに遺体から切り取った肉を食べ、酒宴を催します。
敗戦後、事件は占領軍にバレ、関係者は取調べを受け、戦犯として刑を受けます。しかし朝鮮戦争勃発で、彼らは全員釈放されたそうです。
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