伝統文芸−冠句

俳句のあと、川柳よりはさきに生まれた文芸 『 冠句 』 のブログです。

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やまざと 610号

    
                             橋本 信水 選評


 「芒揺れ」この芒が揺れていると言うドラマ背景に、何を持って来て組み立てるか、先ずシナリオ作りから始める。
 
芒揺れ  満月の子を宿しおり     平松 直樹     
 
 お月見の席で受胎を聞かされた。何というドラマチックな筋書きを考えたのでしょう。 思わず顔がほころぶ家族の喜びが、手に取る様に見える。  冠題から「意表とも思える展開に大拍手を送りたい。
 
芒揺れ  紬の君を待ちわびる     藤原 さち  
 
 つむぎと書いただけで、何か忘れ物を急に思い出した様な気持ちになる。 そこに「紬の君」と来れば穏やかでない。  恋しい人を待ちわびる心が、憎い程偲ばれる名句である。
 
ただ遠く  終宴かざる詩がない    赤江橋くにゑ 
 
 「終宴」最後の宴、作者はまだまだお若いのに、もうそんな考えまでしてと、小憎らしい表現に脱帽する。  まだ遠くまで生きて名句を残してほしい。
 
ただ遠く  病衣洗いつ泣いている   泰谷 淑子
 
 
この涙、もうあきらめの段階に入ったと見る病人の汚した衣類を洗いながら、遠い昔を思い出しつつ耐えていると言う、人間の運命の儚さを描いた秀吟。
中七の「つ」が素晴らしい「間」を作りドラマを形成している。 
 
ただ遠く  平和と言う字謎多き     小谷 武夫  
 
 人は、また政治は、口軽く平和と言う言葉を使うけれど、昔から本当の平和が何時来るのだろうか。
「平和・平和」と叫ぶ度に険悪な世界に動いてゆく。  大きな問題点に論を向けた作者の心意気を買いたい。
 
 今月も名句に支えられ、楽しいそして質の高い作品に、秋の行事の多い中で、喜びを感じながらの選であった。 

管理人注
※1 当記事に掲載作品の著作権等諸権利は作者とやまざと冠句会に所属します。 
※2 パソコン上での見易さを考慮し改行を、著作権等保護の観点から作者名をそれぞれ加えました。

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やまざと 608号より
◎山麗抄
 
   「棘刺さる」       浅田 邦生 選評
 
棘刺さる  花一輪が癒やす朝         藤森佐津子
 
棘刺さる  反旗は胸に秘めしまま       高階 睦代
 
棘刺さる  背伸びし過ぎた青春の日々    平松 直樹
 
 
      ・選後感
天 心の痛みが徐々に癒えていく朝の情景を描く視点が新鮮で、さわやかな句になった。
地 冠題がよく生かされた句で、胸深く秘めた思いが、「反旗」という語で的確に表現されている。
人 青春の日の思い出か、時を経て、かすかな悔恨とともによみがえる。
 
 
 
 
 
   「棘刺さる」       平松 直樹 選評
 
 
棘刺さる  けろりと叔母は笑みで来し     橋本 信水
 
棘刺さる  この一心は曲げられず       藤森佐津子
 
棘刺さる  いまだ不明の吾子探す       澤村 福男
 
 
      ・選後感
  人生にはいろんな棘がある様です。
天位 日常の風景が手に取るように判ります。よい親族がいて幸せですね。
地位 多少の事には負けない信念のある事象、頑張って通すことも必要ですね。
人位 震災で行方が判らなくなった子供さんがいらっしゃる、早く遺品なりとも見つかればと願う。


やまざと 609号より
 
   朝来市和田山公民館
  観月の夕べ 入選作品  {冠句の部}
 
 
   
   朝来市長賞
 
いい月夜  まだ追う夢のある余生        野中 一三
 
 
   
   朝来市議会議長賞
 
盆の月   一刻賑わう過疎の村        朝日 英子
 
 
   
   朝来市教育長賞
 
月明かり  同じ寝相の夫と児と         山本ひろ子
 
 
   
   朝来市文化協会長賞
 
満月を   下宿の孫にメールする       天野 愛子
 
 
   
   和田山公民館長賞
 
月の湖   子に押され婚五十年        杤尾 恵羊


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やまざと 607号

秀吟鑑賞
        
イメージ 1    
   雲も秋  終の住み家に迷いなし   守本 好美
 
 暑かった夏も、お盆を過ぎる頃から朝夕に秋の訪れを感じ始める。
古人は「土用の半ばから秋風が吹く」と言い伝えている様に、むっとした蒸し暑さが消え、空も空気も澄み渡って来る。 
只、陽射しはこの時期が一番厳しいのは、例年である。
 
 そんな秋を感じる句、付け句の「終の住み家」と言う言葉は、此れ迄から多くの人が使って来た。 
良い言葉でこれだけで句が深まってくる様な良い語彙である。 
座五は迷いなしと決定的な覚悟が頼もしい。
終の住み家、この地で、この家で終焉を迎えるまで何ら迷うことのない、どっしりとした決意の裏には、よき家族がある。
誰でも暮らし始めた所が一番住みよい筈である。 
その土地を離れることは、自分にまた家族に、何かの理由が生じて来るからで、作者の好美さんの幸福感が伺える。
よき祖先があり、良き家族があり、そしてよき土地のある、腰の坐った好美さんの見上げる初秋の雲は、さぞ雄大で、澄み切ったそして何ら心配のない、安心立命の境地にも似た大空であったろうと思う。
 
 たまき句会初回からの作家で、沢山の秀吟のある中での平成二十年度、やまざと賞に輝く不朽の名句である。(やまざと607号より)
 

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※2 パソコン上での見易さを考慮し改行と空行を加えました。


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やまざと 606号

 明楽句碑まつり記念大会    六月五日 於養父神社 
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  献句        順不同  全47句より抜粋


明楽句碑  先ず六百号報告す       橋本 信水
 
明楽句碑  詩魂は今も脈々と       午頭 毬子
 
明楽句碑  ああ笹百合に抱かれて    川口 未知
 
明楽句碑  ただ一筋に道照らす      山根 風子
 
明楽句碑  道はばかって白れんげ     小野山多津子
 
明楽句碑  輝きを増す白れんげ      茨木鹿の子
 
句碑まつり 微笑み匂う六百号        村上 すず
 
明楽句碑  男一代詩に燃えて       田中とみ子
 
明楽句碑  初心忘れずつらぬくや     吉井 裕美
 
明楽句碑  笑顔想うや在りし日の     藤中 雄飛 


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※2 全47句の献句より5の倍数毎の句のみ掲げたがこれは入力能力の都合。他意はありません。



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やまざと 605号より
 
        平松直樹氏の文芸塔社同人昇格の祝賀と披露

      
            文芸塔同人披露
 
 
        深き縁          平松 直樹 選
 
 
     深き縁  師を軸にして車座に     吉川 とよ子
 
     深き縁  旅の続きは又の世に     赤江橋くにゑ
 
     深き縁  住みし山河は宝物      茨木 鹿の子
 
 
         選後感
 
      同人披露の選、身に余る事です。
     冠句に出合い五年目、やまざとにお世話になって二年半、
     素敵な方々と楽しく、詩に心を奪われる日々です。
     「深き縁」の冠題、天地人を通して、やまざとのすばらしさを感じます。
     本当にありがとうございました。
 
 
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文芸塔社同人推薦状(禁転載)
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