kannの勝手にライトノベル書評!

次に読むラノベを探してるみなさんへ

全体表示

[ リスト ]

ヴァレリア・ファイル

二十七作目は「ヴァレリア・ファイル」にしました!

分厚いです。 そして古いです。 まだまだラノベのレーベルが少なかった時に発刊されたものですので、きっと随分と探し難いかと思います。 けれど。

面白い。 うん。 それは間違いありません!

では、書評を。


ヴァレリア・ファイル  著者 谷 甲州  中央公論新社
            イラスト 士郎 正宗

全二冊  ヴァレリア・ファイル 上・下


近未来の地球。

MKはフリーのマイナーである。 マイナーとは普通鉱石を探索、採掘する職業を指すが、MKがやっているのはコンピュータ・マイニング。 即ち、コンピュータ・ネットワークの中で廃棄された、或いは忘れ去られたデータを発掘、収集、修理して、それを売って生計を立てている。

一昔前はハッカーと呼ばれていた職で、もちろん違法行為である。

但しハッカーと決定的に違うのは、「被害者を出さない」という不文律がある事。 ハッキング対策が進んだこの世界では、企業が本気になればハッカーなど完全に駆逐されてしまう。 それでは商売ができなくなる。 だからこそ、侵入の痕跡を残さない、被害者を出さない。 それがマイナー達のルールになっている。

そのMKは、ある日不思議なファイルを発見する。 それが、ヴァレリア・ファイル。

厳重な侵入対策が施されたそれは、量としては膨大なものだろうと推測できるのだが、それがどのようなデータなのかが分からない。 だけでなく、これほどのデータが企業のセキュリティの外に、隠されるように存在していた事自体が不審である。

けれど、金になる。

MKはだから、この数日をこのファイルの解析に掛かりきりになっていた。

それが、MKを大きな事件の渦中へと誘う事になるとも知らずに。

これが、導入部のあらすじ。 というか、時間的に見た場合の始まりになります。 原作の書き始めは……うん。 掴みを意識したものになってますよ?

そんなMKの前に現れたのは、ヴァレリア、と名乗る女性。 彼女は自分があの「ヴァレリア・ファイル」の持ち主だと言う。 おかしな話だ。 誰も持ち主がいない、廃棄ファイルであったはずなのに。 けれど。

「わたしは人間じゃない」

彼女の話によれば、彼女は軍事兵器として改造された人間だとの事。 アンドロイドとか、サイボーグとか、そういうSFチックな話だ。 もちろん、MKにも信じられない。 だが、普通の人間なら絶叫してのたうち回る筈の大怪我を負っていながら平然としている彼女の様子に、MKはそれを信じざるを得なくなる。

そして。

「ヴァレリア・ファイルって何なんだ?」

それを聞く。 ヴァレリアによれば、あれの殆どは研究所から逃げ出す際にヴァレリアが金になりそうなデータを片っ端から盗んで溜め込んだものらしい。 けれど、一番重要なデータは。

「わたしの記憶。 人間だった頃の、わたしの記憶が残っているはず」

らしい。

彼女は改造される際に、脳内の記憶をデータとして吸い出され、そして忘れさせられたのだそうだ。 逃げ出したのは、このままでは自分が自分でなくなると感じたから。 自分を取り戻したいと思ったから。 だけど、彼女には追っ手が掛かっていて。

「きっと、わたしは殺される。次に会う時は、わたしはわたしじゃなくなっている。だから……」

わたしを取り戻して。

そんなお願いを残して、言葉通りにヴァレリアは、MKの前で殺される。

それを見て、MKは……。

というのが、上巻の大まかな流れになるのかな?

初版が1999年に出版されているから、きっと書かれた時はWindows 98とかが出て、漸くインターネットが広まり始めた頃だったんだと思います。 その時にこういう物語が書かれていたんですネェ。 人の想像力は時代を先取りする。 うん。 本当にそう思います。 もっとも今でも企業のセキュリティがハッカーに勝った、という話は聞かないんですけどネ。

物語のジャンルとしてはSFになるんだと思います。 まあ、そんな事に関係なく、面白い話ですよ?

興味を持たれました方々は、是非是非ご一読を!! 探してみて損はない筈です!       kann

この記事に

閉じる コメント(0)

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

.


みんなの更新記事