同行二輪

いつまでも若葉な中年ライダーの古社寺旧跡紀行

宍道湖中海巡礼記2003

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加茂岩倉遺跡

イメージ 1

○文化財点描(2) 加茂岩倉遺跡 (平成15年10月4日)

考古学ファンや古代史に興味のあるものなら出雲で絶対に一度は訪れたい地として荒神谷と加茂岩倉ははずせないだろう。近くに住んでいるとかえって疎遠なことがあるが、加茂岩倉には今まで一度も行ったことがない。
平成15年10月4日、秋晴れの中午後から出雲方面に向かい国道9号線の裏道であるいつもの農道を西へ走る。

国道54号線に入り中国山地へ向かって南下してしばらく行くと案内板が出る。あとはそれにしたがえば部分開通している高速道路の尾道松江線の陸橋をくぐり駐車場へ着く。まず間違えようがない。

バイクを停めて工事現場へ続くような砂利道を歩く。数分で右手の山の斜面に登る階段が現れる。その上が銅鐸発見現場だ。
遺跡は発掘の跡で埋め戻されているのだが、発見当時の状態がレプリカの銅鐸で再現してある。道路工事作業中の発見なので重機によって斜面が掘り起こされたところなどもそのまま表現されていて、偽者とわかっていてもなかなか臨場感がある。このような再現展示はあまりお目にかからない。その時の現場にいて発見に参加している気持ちになれる。遺跡の整備にはあまり凝った物よりもこういったものの方がファンには喜ばれるのではないだろうか。良いアイデアだ。

道に戻って一番奥に見える加茂岩倉遺跡ガイダンスに向かう。道は山を切り開いた所へ続き、その切り開きをつないぐ格好で道の上に橋のように建てられたコンクリートのユニークな建物だ。
中にはいくつかの出土品レプリカが展示してあり、あとビデオ上映がある。正直施設内容は乏しすぎる。見るべきものがほとんどない。荒神谷遺跡が史跡公園として整備されているのに比べて見劣りがするのは否めない。町の力の入れ方が違うのだろう。遺跡自体を整備しすぎるのはどうかと思うが、さすがに附属施設はもう少し充実させたほうが良いのではないだろうか。

先客の夫婦連れと入れ違いとなり管理人にお茶を勧められた。大量の銅鐸が出てくるような所だから今は田舎だが昔はこの辺りは賑やかだっただろう、などとたわいもない話を聞かされる。
加茂岩倉遺跡は平成8年(1996)10月14日、農道の整備工事中に大量の銅鐸が見つかる。昭和59年(1984)に300本を超える銅剣が発見された荒神谷遺跡と並んで日本考古学史上稀に見る大発見となった。歩いて来た道がその作りかけの農道でガイダンスのある小山の向こうの集落へ通る予定だったそうだ。窓の外から今来た道の反対側を眺めると砂利道は山を下って続いている。農道はほとんど完成していたらしい。遺跡が出土したため道路の整備は途中で中止され道も未完成のままで使用されていないと言う。せっかくここまで出来ているものを放置するのはもったいない気がする。よく考えればこんな田舎の山の中に隣の集落とを結ぶ道路を作る方がよっぽどもったいないことに気がついた。地元民でもそれ程の必要性を感じない道路だろう。無駄な道路工事のおかげで世紀の大発見が出来たわけだ。いっそのこと国土交通省と文化庁を統合するともっと遺跡発見ができてよいかもしれない。

日本考古学史上を揺るがした荒神谷遺跡と加茂岩倉遺跡。二つの遺跡は直線距離にして約3キロで出雲国風土記に神奈備山として登場する仏経山の山裾に位置する。このことから両遺跡を神奈備である仏経山を聖なる山とみなしてそれと関連した埋納遺跡とする見解がある。
しかし本当に山と関連するのか。少なくともここからは手前の小高い山に遮られて仏経山は全く見ることは出来ない。単純に神奈備崇拝の遺跡ではありえないというのが現地での印象だ。

荒神谷遺跡と加茂岩倉遺跡。この遺跡をめぐる論争は専門家も素人ファンも百家争鳴。今後どういう所に落ち着くのか。
記紀で多くの神話が語られる出雲にはこれまでその記述量に相応しい勢力を示す考古学的遺物が乏しいと言われてきた。しかし、この二つの遺跡の発見で出雲は大和が侮れない程の力を持っていたということが明らかになったとだけはと言えるのではないだろうか。

駐車場近くの車止めが銅鐸の形になっているのが少し楽しい。


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