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○伊邪那美命陵と比婆山比定 その5 熊野大社元宮遥拝所 (平成18年11月5日)
熊野大社上宮旧社地横に上宮旧社地の裏山へ登る小道が続いている。上には熊野大社元宮遥拝所があるはずだ。
道には落ち葉が積っているが整備されているので登るのに苦労はない。
登り始めて直ぐに気がついた。岩山なのだ。
社叢とされているのか、手入れのされた様子のない雑木林に覆われた山なので土の山と思って登り始めたのだが岩場が非常に多い。
この山は元宮遥拝所にすぎないはずなのだが、ひょっとすると磐座としての機能も持っていたのではないだろうか。
跡地の社の背後にあたる斜面の上に巨岩があり半洞窟のような窪みをつくっている。明見水と立て札がある。眼病に効く、産婦は母乳の出がよくなるといった効験があるそうだ。
周りに小川も湧水もないのに岩から水が染み出している。確かに不思議だ。
下に石の容器があって染み出す水を受けてある。お世辞にも綺麗な清水とはいえない。近くを見るのに眼鏡が必要になって来た身としては少し効能を試したい気もしないではないが、溜まっている水を目につける勇気はわかなかった。
その前には久米神社跡の石柱。意外なところで意外な神社名に出会った。伊邪那美命陵(しざなみ)と久米神社、この組み合わせでいつかは訪問しないといけないと思っている場所があるのだ。謎がまた一つ増えてしまった。
大きな巨石を巻くように登りの遊歩道が続く。行く手を塞ぐように巨大な岩が現れた。
祓所。これより先への結界になっている。塞の神(さいのかみ)の役割をしているのだ。これより先が聖域となるのだろう。
ここで身を祓って進む。
その巨石のちょうど真上辺りに展望が開ける場所があり、そこが熊野大社元宮遥拝所だ。簡単な祭壇が設けられている。
下の旧社地正面に見えた意宇川(いう)対岸の山が熊野山と思っていたが全く違った。低すぎた。
正面に高く聳える山が熊野山。今は天狗山という名前になっている。これは天宮山が訛ったものともいわれる。そういえば伯耆会見に天宮さんがあったがあれも同じだった意味だったのだろう(伊邪那美命陵と比婆山比定 その3 天宮さん)。
結構高い山だ。元宮とされる場所には巨岩があるらしいが、見学に行くには完全に軽登山になる。気楽には行けない。
遥拝所より参拝する。
熊野神社が山の上から里へ降りたときの宮は今の熊野大社のある下宮だったともされるが、ここから正面の熊野山を眺めているとこちらこの山の麓の上宮がやはり元の里宮に相応しい気がする。
熊野山を挟んで熊野大社と山の反対側東麓にはやはり上と下の二社ある山狭神社(やまさ)があり、伊邪那美命を祀っているとされる。
熊野山の東西に上下二社を持つ伊邪那美命を祀る神社があることになる。これは偶然だろうか。
熊野山は濃厚に伊邪那美命と結びついている。
祭壇横の板の説明板は風雨で傷んでいて読み難くなっている。
熊野大社元宮遥拝所
正面の最も高く聳える山が熊野山(標高610m)で、現在天狗山といいます。奈良時代に著された出雲国風土記に、熊野山、熊野大社の社座すと記載され、山頂やや下に大きな岩盤があり、元々そこに熊野大社があったとされています。往古に思いをいたし参拝ください。
尚、毎年5月の第四日曜日(変更になる場合もありますが)に熊野山(天狗山)へ登り、元宮祭を奉伺しております。参加御希望のかたは事前に期日等を熊野大社へご照会の上当日朝まず当社へお参りください。熊野大社。
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