同行二輪

いつまでも若葉な中年ライダーの古社寺旧跡紀行

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青谷上寺地遺跡展示館

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山陰に弥生の光芒 その3

青谷上寺地遺跡展示館(平成20年5月3日)

三朝(みささ)から少し主要道から離れた民家の少ない山間ルートを選択して駆け抜ける。
県道29号三朝東郷線(とうごう)を北上する。そのまま走れば東郷湖畔から国道9号線へとつながるのだが、途中から県道51号倉吉川上青谷線へ入って狭い峠越えの道を走る。距離的には遠回りになり、景色はただの田舎の山地で、特別に良いわけではない。それに、ツーリングに適しているわけでもなのだが、交通量が少なく道も悪くないので走りやすい。民家も少ない山間の細道をトコトコと流すのが好きなのだ。

青谷羽合道路(あおやはわい)の高架を過ぎると青谷の中心地。市街地といっても田舎の小さな町で華やかな商店街や繁華街などはない。
迷子になりながら、なんとかJR青谷駅前に出る。そこから一番のメインと思われる道路を北東に100mあまりで青谷上寺地遺跡展示館(あおやかみじち)。隣には地元特産品売り場、青谷ようこそ館。どうやら町の観光拠点という位置付けのようだ。

遺跡展示館は予想よりはるかに小さな施設だった。
さすがに吉野ヶ里や三内丸山のようなものは考えてなかったが、それにしても小さい。
まあ、吉野ヶ里はともかく、三内丸山は縄文遺跡で弥生時代ではないので比べるのは間違っているのだが。
知名度はともかく、発見される遺物の多さから弥生の博物館といわれこともある。日本でも有数の出土物を誇る遺跡の展示施設が、平屋で一見仮設に見えてしまうような建物とは思わなかった。

中に入っても展示物は多くない。
しかし、出土状況を見るとすごい。特に木製品の多さには眼を見張るものがある。家が丸ごとそのままつぶれたような形で出てきたりしている。確かにその出土状態は宝庫と呼ぶにふさわしい。しかし、木片が主体では華やかに見せようにも、展示の工夫も難しいのも間違いない。

木製品以外に人骨の多さも特徴だ。100体以上の人骨が出土しているらしい。また、単に数が多いだけではない。古代史に問題を投げかけたり、弥生人の生活がどうだったかを示すような骨が出ている。
中国の後漢書東夷伝(ごかんしょとういでん)に卑弥呼(ひみこ)より1-2世代前の倭国大乱(わこくのたいらん)と呼ばれる記事があり、武器で傷ついた人骨が多数出てきているのはそれを示唆させる。また、結核による脊椎カリエスと思われる変形した胸椎も見つかっていて、日本最古の結核例とされる。
しかし、何よりセンセーショナルだったのは、三体から弥生人の脳の一部が発見されたと報告されたことだ。これで一躍注目をあびた。もちろん古代人の脳が見つかったのは国内で初めてのことだ。もちろん世界的にも非常に珍しい。その一部が展示されているのが一番のメインだ。
そんな、弥生人の脳なのだが、下手なロウ細工の大きなクルミのようなものが展示ケースに収まっているだけだ。約2000年前の脳なのだが、感動が薄い。元々地味だし、単に展示物の一つだからだろう。もう少しショーアップした展示方法を考えないと、中には見逃してしまう人がいるかもしれない。まあ、この施設に入場する人が見逃すとは思えないが。

「とっとり弥生の王国の謎を解く論文、アイディア」の発表がされている。論文やアイデアを一般公募したようだ。
論文テーマは、弥生時代鳥取にはどんなクニが存在したのか?
アイデアの方は青谷上寺地遺跡で発見された遺物の謎が三つ。格子状の木製品の謎、青谷渦巻模様のある木製品の謎、土器の破片に描かれている絵の謎。
それぞれ、高校生以上の一般部門、中学生と一般の共通部門、小中学生部門となっている。
こういうアイデアはなかなか良い。費用もかからないし、それなりに宣伝になるし。何より正解があるわけではないので何時でも使える。

続いて実際の遺跡へ足を運ぶ。
くぐり抜けてきた青谷羽合道路の青谷ICから西側の高架下がその中心のはずだ。遺跡は埋め戻されているので今は単なる雑草が生い茂った空き地に過ぎない。フェンスに囲まれた一帯が発掘場所と思われる。何もない場所をフェンスで立ち入り禁止にすることはないだろうから。

弥生時代には入り江になった海岸線が遺跡の近くまであり、舟を利用した交易も行っていたと推定される。このあたり広い一帯が全て遺跡のはずだが、発見の発端は道路工事によるものなので、一部の細長い範囲が発掘されただけだ。しかも、埋め戻された後空き地として残っているのは、高架下のみ。
公園化の考想もあるようだが、今のところ利用できるのは高架下の保存部分だけだ。

青谷上寺地遺跡の資料館はパンフレットは充実している。展示物が少なく小さな建物ということからか入館も無料。無料なのはうれしのだが、やはり、有料でも良いのでもっと規模を大きくして欲しい。ジオラマを作ったり、映像館を併設したり。
しかし、それで維持経費が稼げるほど入館者があるかといえば、多分無理なのだが。

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発掘されたのですか・・・。すごいですね。
むきばんだ遺跡は、時々行ってみますが、そのたびに徐々に整備されているのが良いですね。青谷上寺地遺跡の整備は少し難しそうな印象でした。

2012/11/16(金) 午後 9:43 同行二輪


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