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○六十九番、瑠璃堂
島を廻っていると火の見櫓を時々目にする。最近見かけないので懐かしさを覚える。しかし現在でも残っているのは島にとって水の確保が切実な問題であることを表しているのだろう。周囲を海に囲まれながら水に苦労する島の不便さがしのばれる。
四海漁港で火の見櫓の手前に札所を示す案内板があり「二輪のみ可」の表示があるので、その路地を入る。まもなく舗装はしてあるが畦道状態となり急に細くなる。しかも直角に曲っている。
どうやら二輪というのは自転車のことを指しているのだと気がついた。まあ原付なら何とかなるかも知れない。しかし、愛車のCB400SFは二輪とはいえ中型車、とても曲りきれない。全く無理だ。
免許を取る時に通った自動車教習所のクランクも狭いと思ったがここに比べたら大通りのようなものだ。当たり前だが教習所のクランクは普通に乗ったままで曲れた。ここは降りてハンドルをいっぱいにきって押しても一度では曲れない。たとえここを切り返して曲ってもその先に細い路地が待っている。
どう考えてもこの道をこのバイクで進むのは無謀だ。退却を決断したがそれから大変だった。
バックしようにも少し入ってしまったので大通りまで距離がある。その上押して歩くにも支障がある。道幅はバイクの隣に立つのがやっとの広さしかないのだ。
右側は水路になっているし左は畑で道より一段低い。おまけに道は少し水路側に傾斜している。もしバイクを倒してしまったら起こすのにとっても苦労する状況だ。多分一人では起こせないだろう。
大声で助けを呼びたかったが、世間体もありここはグッと我慢。
結局、曲がり角のところを利用して何度も何度も切り返しやっとのことで方向転換をすることが出来た。無事Uターンが完了したのはきっとお大師様のおかげに違いない。
ひとつ先の路地に別の案内板があった。普通車が入れるように案内書には書いてある。こちらは広い。広いといっても車同士のすれ違いは民家の庭に入らせてもらわないと無理な程度だ。もちろん車ならUターンも苦労すること確実だ。
高台に向かっての登り道で片方はガードレールもない崖になっている。すれ違いで避けようとして崖から落ちる危険性はないのだろうか。
山の斜面に立つ集落の軒先を縫う細い道沿いに小さなお堂がある。小高いところなので小江の漁港と瀬戸の島々が望めて見晴らしはいい。お堂前に駐車スペースはないのでやはり車で入ると難儀するだろう。
それにしてもここまで、最初に入り込んだ小道でどうやって来るのだろう。どこにもそれらしい道が見えないのだが。
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