同行二輪

いつまでも若葉な中年ライダーの古社寺旧跡紀行

小豆島八十八(発心)

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全4ページ

[1] [2] [3] [4]

[ 前のページ | 次のページ ]

六十六番、等空庵

イメージ 1

○六十六番、等空庵

田圃に囲まれたのどかな村に建つお堂なのだが近づくとどこからか何やら人の声がする。よく聞くとどうもTVの時代劇のようだ。隣の民家から流れているのだろうか。しかし、TVの音はお堂に近づくにしたがって段々大きくなる。どうやらお堂から聞こえてくるようだ。

「何故こんなところで時代劇が?」
不思議に思いつつ、さらに歩み寄ってビックリ。お堂の中は畳が敷いてあり公民館のようになっていて、その部屋のすみで横になったおばさんがTVを観ている。しかも小さな座卓の上にはお菓子の入ったお盆まであり、すっかりくつろいだ様子だ。
何だか良くわからない状況だがさっさとお勤めを終えて退散した。せっかくのんびりした午後を過ごしているおばさんに気を使わせては悪い。幸にドラマに夢中でこちらには全く気がつかない様子だった。

けだるい感じの午後に、和室風のお堂で時代劇の再放送をのんびり寝そべって観ているおばさんと、その外ではそのお堂に向かってお経を唱える中年オヤジ。考えようによってはかなりシュールな風景といえる。

イメージ 1

○六十五番、光明庵、五十三番、本覚寺

本覚寺の標識にしたがって駐車場に着くとそこが光明庵。コンクリート製で収蔵庫のようなお堂だ。奉納者に鳥取金剛会の名前を発見した。直接には何の関係もないのだが思わぬところで地元の名前を見つけてうれしくなってしまった。この後も何度かこの鳥取金剛会の名前を目にした。ここは山陰とあまり遠くないので鳥取からも巡礼が少なくないことの証拠だろう。

石段を降りてゆくと本覚寺の境内。何故六十五番と五十三番が隣り合っているのか。誰でも持つ疑問だろう。このあたりは前後の札所の番号から察すると六十番台になるはずなので、一つ手前の五十七番とここの五十三番が少し場違いということか。
巡礼では札所の番号順に廻ると大変な大周りになるため順序が乱れている霊場はここ以外にも沢山ある。順番が崩れている原因の多くは廻る手段が徒歩から車に変化したことによることが多い。利用される道が昔の人が歩いた道でなく新しい車道中心の幹線道路になって以前とは違ってしまっているからだ。しかしここでは番号のかなり離れた札所が隣り合っている。遍路道の変化だけでは説明できない。
長い間には札所となっている寺や庵が他の地から移転してくるということもある。五十三番の本覚寺がここに移転したのだろうか。

本堂は立派でよく整備されている。駐車場の完備といい経済的には余裕のありそうな寺だ。
お勤めは終わったのだが、納経所にお坊さんがいない。納経所に人がいないというこの思いがけない事態に遭遇し、ただただ戸惑う。どうしようかと考えたが朱印を受ける方法は一つしか思いつかない。庫裏のほうへまわって声をかけさせて頂いた。
ここのお坊さんは言葉は丁寧だが今ひとつ無愛想だった。各札所の対応もそれぞれで興味深い。愛想が良いいところも悪いところも、話し掛けてくるところも事務的に朱印を押すところもいろいろだ。

今回のお遍路では多くのお寺の納経所が無人だった。巡礼を終える頃には経験を積み人のいない納経所でどうしたらよいか判ってきたが一人で廻るお遍路の中には困る人も沢山いるような気がした。この点は霊場会であらかじめ教えておいて欲しいものだ。

五十七番、浄源坊

イメージ 1

○五十七番、浄源坊

民家に囲まれた空き地にある。公民館の一部にしか見えないが確かにお堂だ。境内には県指定天然記念物のウバメガシの巨木がある。天気はすっかり回復し汗ばむようになってきたが木陰は涼しい。

境内はたいして広くはないが子供が三角ベースの野球をやってる。そういえば最近空き地で野球をやっている子供を見たことがない。多分塾やTVゲームで忙しいのだろ。遊んでる姿を眺めていると昔の子供の頃とそんなに変わらない景色でどこか懐かしく思われる。これも年をとった証拠だろうか。

イメージ 1

○六十二番、大乗殿、六十三番、蓮華庵

海岸線を案内にしたがって走っていたら土庄港に戻ってきた。どこをどうやって回って来たのかロードマップを見てないのでわからない。遍路案内書だけを見ている限りは札所と札所の間の道順しか書かれてないので島のどこらあたりを走っているのかさっぱり把握できないのだ。途中で迷子になるのもしかたない。
遍路案内とロードマップと照らしながら走れば良いのだろうが、何せ一日に廻りたい札所が多い。どうしても焦ってしまうのだ。

小高い丘の上に札所であるお堂二つが隣り合って建つ。さらに境内には石鎚神社、大師堂、薬師堂などが向かい合う。
ここに石鎚神社があるのは四国八十八ヶ所と対応させているのだろう。

石鎚神社といえば西日本最高峰の石鎚山をご神体とし山頂に奥の宮を擁する四国有数の神社で、神変大菩薩の称号を持つ役行者が奥の宮にお祀りされている。もちろん役行者は修験道の開祖とされる役小角のことだ。石鎚山は神道と仏教を合体させた神仏習合の考えから神社の奥宮であると同時に仏教的にも修験道の聖地とされる。そのため、神社なのだが四国八十八ヶ所霊場と関わりあいは深い。

石鎚山頂の石鎚神社奥の宮を奥の院と称している四国の札所は六十番横峰寺、六十一番香園寺、六十四番前神寺だ。
四国にならってここ小豆島では六十番に近い札所で少し小高いところにあるここを石鎚山に対応させて石鎚神社を勧請したのではないだろうか。

納められている札に目が行った。名前の横の年のところは年齢ではなく「生まれた干支」を書くと初めて知った。また日付に「吉日」と書いてあるものを見ていつでも使える上手い方法だと感心した。必ずそう書かなければいけないものかどうか分からないが習慣だろう。
帰った後で調べてみた。戊戌(つちのえいぬ)生まれ。当然、自分は戌年生まれだとは判っていたが十干は知らなかった。十二支は知っていても十干は知っている人のほうが少ないのではないだろうか。

更に興味深い札も発見。住所氏名がスタンプで押してある。これは便利だ。大体、納札はあらかじめ名前などは書いておくのが普通でその場で書いて納めるのは結構面倒で手間取る。特にここ小豆島では一日に廻る札所が多いので納札の用意が大変だ。
今日はいきなり廻り始めたので準備しておく時間がなかった。今晩の仕事が一つ出来た。

中には赤色の納札も混じっている。札の色は廻る回数によって違う。四回目までは白、七回目までは緑、二十四回までは赤、四十九回までは銀、九十九回までは金、そして百回以上は錦。大体こんな分け方になっているらしい。赤い札ということは少なくとも八回以上廻っているということだ。
今回納めているのはもちろん白。最初の一回目は若葉マークが付いているといいかも知れない

さすがに錦は見当たらない。もっとも錦の納札はそれ自体がお守りになるといわれていて、四国霊場などでは納札入れを探して納められた錦の札を持って行く不心得者がいるとのことなので、ここでも盗まれているのかもしれない。確かに百回以上廻った人のお札には霊験がありそうで何かの機会で渡されれば喜んで頂きお守りにするかも知れないが、納めてあるものを取って行く気にはならない。まして納札入れの中を引っ掻き回して捜すとなると論外だ。もちろんそこまでして錦の札を手に入れたいとする人には何か切羽詰った事情があるのだろうが、やはりそれは間違っていると思う。

時刻は既に二時をまわっている。途中に食事の出来そうなところが見つからなくてこの時間になってしまった。空腹で頭がボーッとなりそうだ。ようやくフェリー乗り場の土産物屋の一角で四百円のきつねうどんを見つけた。値段と味に多少不釣合いと思うが、ともかくほっと一息つく。

島に渡ったときには空は厚い雲に覆われていたが、この頃には雲が途切れ陽が射しはじめて気温はどんどん上昇して来た。少なくとも雨の心配はなくなってきたが今度は暑さがこたえ始めていた。一応食事もして気力回復。
次の札所に向かう途中で「土淵海峡」を通過。ギネスブック公認の世界一狭い海峡の前で記念写真。どう見ても川にしか見えない。幅は9.93m。川にしてもそんなに広いとはいえない。

六十一番、浄土庵

イメージ 1

○六十一番、浄土庵

ここは小豆島霊場で最西端に位置する。もちろん島のほぼ一番西だ。庵の名前と御本尊はその地理上の特徴きていると考えられる。
仏教の諸尊は方角と関連している場合が多い。四天王のようにはっきりと東西南北の四方を守るように配置されているのが典型だが、それ以外でもある程度関係していることが多い。それにはもちろん曼荼羅などいろいろな影響がある。
特に阿弥陀仏と西との結び付きは非常に強い。

「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えれば誰でも往けるという極楽浄土は西の遥か彼方にあるとされる。島で一番西の端のここがその極楽浄土に見立てられて浄土庵と名付けられているのだろう。あるいは、ここから海の遥か西方の彼方の極楽浄土を望むことから名前が付いているのかも知れない。何れにせよ、小豆島の最西端にあるためにこの名前が付いているのは間違いない。
もちろん御本尊は極楽浄土の教主である無量寿仏(阿弥陀如来)となっているはずだ。

庵自体は道端の小さな建物で、特に浄土系の派手やかなお堂ではない。

開く トラックバック(1)

全4ページ

[1] [2] [3] [4]

[ 前のページ | 次のページ ]


.
同行二輪
同行二輪
男性 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

Yahoo!からのお知らせ

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
11/30まで5周年記念キャンペーン中!
Amazonギフト券1000円分当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事