同行二輪

いつまでも若葉な中年ライダーの古社寺旧跡紀行

小豆島八十八(発心)

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六十番、江洞窟

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○六十番、江洞窟

海岸線に沿って島の西側を走る。
小さな漁港の奥の切り立つ岸壁に開いた岩窟に着く。道は狭く近くに駐車場はない。車の場合は県道近くに停めて歩くのがいいだろう。もちろんバイクは近くまで行ける。

どうやら洞窟そのものが札所のようだ。
何となくどこかの簡易避難所のような入り口から入る。階段を降りた洞窟の中は入り口から想像するよりかなり広い。薄暗く厳粛な行場の雰囲気を漂わせている。誰もいなくて物音といえば波の音だけだ。

満潮時は海水面より低いということだが危なくないのだろうか。

ここは海辺にもかかわらず山岳霊場の一つだ。なぜ海辺なのに山岳霊場なのか。そもそも山岳霊場とは何か。その理由は後で判明する。
しかし、この時はここが山岳霊場だということも知らなかった。

事前の情報収集はやり過ぎると楽しみが減るという欠点があるが、全然無知なのも問題だ。やはり多少の下調べはやっておくべきである、というのがここでの当たり前すぎる教訓のようだ。ある程度の知識があるとその地での感じ方が違って、やはりそれなりに楽しみが増える。
後で思い出すとここはかなり興味深い札所だったようだ。しかし、それも文字通り後の祭りだ。後悔先に立たず。

五十九番、甘露庵

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○五十九番、甘露庵

地図を頼りに道なりに走っていると土庄東港で行き止まりになった。目の前には防波堤と釣り人たちしかいない。あるべきはずの道がない。早い話が迷った。

周辺をうろうろして、少し大きな郊外型スーパーの信号を右折する道が目的の県道254号線だということにやっと気がつく。県道が直角に曲がっていたのに気がつかず直進してしまっていたのだ。迷ったのは地図のせいばかりではない。巡礼地図もわかりにくいが道路標示もわかりにくい。信号を右折する道が県道というのはやはり交差点に表示を出しておいて欲しい。
ここにあったスーパーマルナカは今回のバイク遍路で毎夜毎夜買出しに来ることになる店となった。

県道を進み案内板にしたがって村の中に入る狭い道へ突入して行く。車で進入するのはとても無理な細い道だ。
やっと着いたところは工事現場にしか見えない。実際に集会所か休憩所らしき建物の工事の真っ最中だ。端にひっそりと小さなお堂がありそこが庵とわかる。

ここはちょっと小高い所にあるので瀬戸内海が眼前に広がる。沖に浮かぶのは余島だろうか。余島を含む四島は引き潮のとき砂洲でこの小豆島とつながり砂浜から歩いて渡れるようになる。天使の散歩道「エンジェルロード」と呼ばれ縁結びスポットになっているらしい。

迷子になりながらたどり着いたが、工事中のため本尊は西光寺に安置してあるとの立て札がある。知らないうちに巡拝が終わっていたようだ。それで気が抜けたのか手袋を忘れるところだった。置き忘れていたところは藤棚の下。ここは地元では「藤の庵」と呼ばれているそうだ。季節には奇麗になるのだろう。

おつとめを終えてから一苦労する。道はこれ以上進む勇気がわかない程狭い。素直に引き返すことにする。何度も切り返して四苦八苦しながらようやくバイクを回す。このあともいろいろな札所でUターンに苦労する事態にしばしば遭遇することになる。
島は道が狭いところが多い。少なくともここにも入ってこないで県道から歩いたほうが賢明だった。

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○五十八番、西光寺、五十八番奥の院、誓願の塔

土庄の町中、商店街の路地を入った古い町並みの中にお寺はある。朱塗りの堂々とした楼門が迎えてくれる。堂内に納経の受付がありちゃんと男性と女性の二人が座っている。
納経所に納経師がいる。当たり前で見慣れた札所の風景だ。遍路や巡礼の寺では納経所にいつでも人がいるものと思っていたが、島ではそのような札所はむしろ例外だった。無人の所も多い。もちろんこの時はそんなことは知る由もない。

ここでは朱印を一気に8つも押してもらう。どうしてそんなに沢山なのか。小豆島では納経のシステムが他と違うからだ。寺で管理されている小庵やお堂の朱印もお寺で全部うけるようになっている。庵堂はほとんどが無住のためらしい。
さらに納経帳にも秘密がある。朱印帳にあらかじめ御影が印刷されていて朱印のみ頂くシステムになっている。一般的な納経帳では本尊名や宝名などを墨で書き、その上に朱印を押す。これだと数ヶ所の朱印を受け持つ寺は全部を墨書していては大変だというのがその理由らしい。
筆で書いたりしないのでそのかわりに納経代はお寺が150円、庵堂は一ヶ所50円と安くなってるのだそうだ。確かに一般的な朱印代に比べて格安だ。しかし、手間をかけないかわりに安くするというのは宗教活動というより経済活動の原理のような気がするもちろん。安くてうれしいのだが、反面何となく心に引っかかる。

霊場会を除くと二つ目の札所だというのに既に朱印は八つ。廻ってないところに押してあるのも実に妙だ。

西光寺の本堂から少し小高くなった丘に登る。朱塗りの三重の塔が曇り空の下にそびえている。これが誓願の塔だ。
塔自体は古いものではない。朱塗りの柱が目に鮮やかだ。
西光寺の奥の院ということになっているが、ほとんど境内の一部だ。どうやら塔が建てられてから札所の一つになったようだ。

西光寺のあるこのあたりは古い民家が密集していて迷路のようになっている。案内図によると次の札所へは町の中を通り抜けても向かえるようだが迷子になることは確実だ。もと来た道を戻ってから向かった。

六十四番、松風庵

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○六十四番、松風庵

総本院を出て国道を道なりに数百メートル。いきなり庵が見当たらない。ここらあたりと思うところを行ったり来たり。十数分うろうろさまよった挙句、あきらめて後で打つことに決めて走り始めたとたん何と案内板が見つかった。

案内書に載っているルートは地図というより略図なので方角も縮尺も正確ではない。特に目印までの距離がつかみにくい。
「この地図もなかなか油断がならない。これから地図の見方には注意して廻ろう。」
と気を引き締めるが、この後も当然のごとく次々と迷ってしまう。もちろん責任は地図ではなく自分なのだが。

案内板に従い参道の階段を登る。バイクは路上駐車。札所には駐車場がないところも多く、特に庵堂ではこの後も路上駐車を繰り返した。車の場合は注意が必要だ。
「バイクだからそんなに迷惑になってないだろう。」という言い訳はお遍路の心構えにかなっているのかどうなのか。

登りつめたところに建っているのはどう見ても天神様を祀った神社にしか見えない。あたりを見渡すが他に札所らしきお堂は見当たらない。妙だなと思いつつとりあえず経をあげて戻った。

次に行こうとして納札を納めてないことに気がついて引き返した。参道の途中に左に折れる小道があり磨り減った石碑がどうやら遍路の道標らしく横道を指し示している。そちらが本当の六十四番だった。危うく間違えたまま次に進むところだった。
まだまだ札所での行いがスムーズでないのがかえって幸いした格好だ。

しかし、場所を探すのも一苦労でそのうえお堂も間違えるとは。
打ち始めた最初からこの調子ではこの先どうなることか。実に不安だ。

小豆島霊場会総本院

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○小豆島霊場会総本院

早々に港の前のホテルへ荷物を預けて身軽になり霊場会へ向かう。場所は事前に調べてあるし国道436号線沿いなので簡単に着く。さすがに迷う要素がない。

建物はコンクリートの二階建のビルで一見すると町役場のようだ。
出てきたおじさんの声には聞き覚えがある。どうやら電話で話した人だ。他に事務職員は見当たらない。ひとりだけのような印象だ。そして暇そうだ。客足のすっかりなくなった地方の記念館のような寂れた雰囲気がただよう。年中無休とのことだが時々は臨時で留守を頼むのだろうか。

お遍路の具体的な廻り方などについて訊ねる。一枚の地図を広げて見せてくれながら、よく知っていればこれで廻れるけれど初めてだと難しいだろうと言う。細い道や路地など何の情報も書かれていない。地図というよりイラストのようなもので、確かにこれでは道を知らない人はどうやったって廻れそうにない。しかし、よく知っていれば今さら廻り方を相談はしないと思うがどうだろうか。

札所の簡単な説明とかなり詳細な道順が載っている巡礼用の本を1000円で迷わず購入。小豆島八十八ヶ所巡拝案内書、その名もずばり「遍路」。車で廻る場合、案内書の記載順に廻ってゆけば良いとのこと。これさえあれば大丈夫と思ったが実際はよく悩んだ。

案内書はここ霊場会を最初に、打って行く順番通りに前の札所からの道順と次の札所への道順が札所ごとに載っている。普通の巡礼用のガイドは札所の番号順に一番から紹介してあるものだが、これは実際に廻る順序になっている。どうも島の遍路は札所番号順に廻るのが難しいかららしい。小豆島霊場の特徴の一つだ。
大まかに島を時計方向に番号が付けられているがその付け方はかなり乱れている。もちろん全くランダムというわけではないのでどうしても順番通りに打つならば無理ではないがずいぶん大周りになり非現実的だ。車道を使うと順番通りに廻るのは難しいが歩くと順序よく打てる訳でもないようだ。要するに順打ちが出来るように番号がついてるとはとても思えない。

廻る順番はともかく、もちろん全部打てば良いだけの話なので特に問題ではない。それよりも不思議なことを尋ねられる。
「歩き?」「いいえ。」
「車はバスかマイクロ?自家用車?大きい?大型車だと廻り方が違うからね。」
「???・・・。バイクです。」
「ああ。なら大丈夫この本の通りに行けば。」
車の大きさで廻る順番が違うということなのだろうか。この会話の意味はそのうち自然にわかることになる。

地図の説明だけしておじさんは仕事を終わろうとする。
「あのー。納経帳や他に必要なものはどうなってるんでしょう。」
「ああ。そうそう。納経帳ね。忘れてた。」
普通は、納経帳のことを忘れたりしないだろう。あまり説明の手順に慣れていないように感じられた。
高価なものは不要だが安価な1000円の納経帳は表紙が画用紙のようなので、少しありがたみのありそうな2500円の錦のハードカバーにした。あとは納め札が100円。もちろん遍路装束は準備しなかった。おじさんも勧めもしなかった。白衣を着るようなお遍路には見えなかったのだろう。

納経帳の最初のページにここ霊場会本部の朱印を押していただく。
「気をつけてね。」という言葉に送られて受付を出た。

霊場会の弘法大師像の前でろうそくと線香をお供えして今回の遍路旅で最初の経をあげる。初打ちということになる。初めてのことなのでもたもたして要領も悪い。それでもどうにかおつとめを終えた。
いよいよここを振り出しにお遍路に踏み出した。

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