同行二輪

いつまでも若葉な中年ライダーの古社寺旧跡紀行

小豆島八十八(修行)

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夕食

○夕食

土庄のホテルに帰るため国道436号線を走っていると中川モータースという修理をやっていそうなお店があったのでバイクのレバーがないかどうか訊ねてみる。
バイクの部品は全部取り寄せになるので置いてないとの返事だった。

「ここまで曲ってるとこれを元に戻そうとすると多分折れるね。根っこから折れるともう握れなくなるから・・・」
そうなのだ。今のままなら使えることは使えるので無理に直そうとせずにそのままで走っている。修理となると交換しかないだろう。
島では取り替えるのは無理ではないかとのことだ。部品をストックとして置いてある店はないだろうと言われる。
ダメでもともとで大型バイク修理をやってる小さい店があるから行って見ては、とわざわざ場所を教えていただいた。お話をしていてレバー調達は難しそうだと分かったがせっかく教えていただいたのでバックするかっこうになるがその店に向かう。

中桐オートメカニックでもかなり探していただいたがやはりないとのこと。またまた、ここでも別のお店を教えてもらった。結局はそこにもなかったが。
どのお店にも親切にして頂いて大変ありがたかった。換えのレバーは見つからなかったが本当に心温まる体験だった。

日がすっかり落ちて暗くなった中をホテルに帰還する。10kmあまりだろうか。バイクにとっては大した距離ではない。明日の予定では残っている札所を土庄に向かって帰るように打ち進んで行くので宿を全て土庄にしたのは結果的に悪くない選択だった。島では歩きでなければ拠点をどこに置こうとあまり関係なさそうだ。なるべく便利なところに宿をとるのがいいと思われる。
家を出てからここまでの旅の積算距離359kmとツーリングとしては短い。小さな島の中を走り回っているからだろう。

今夜はホテルのレストランで高価な夕食を取る。お昼をドーナッツとペットボトルで済ませたように旅の食事には頓着しない。豪勢なディナーにも興味があるが目的が食事ではないので安いことのほうが重要な点だと思っているからだ。そのためいつもなら手軽に腹いっぱい食べられるところを探すのだが、実は夕方からあまり食欲がない。食べるところを探しに行く元気もない。動くのが億劫なのは多分疲れが原因だろう。
疲れるほどの距離は走ってないのだが何よりもこたえているのは暑さのようだ。
いくら食欲がなくても何も食べずにそのまま寝ては駄目なので館内レストランを使うことにしたのだ。
値段の割に内容は今ひとつ。予想通り。取りあえず食事だけは詰め込んだ。

ウィークエンドのため昨日は閑散としていたロビー周辺もレストランも客の姿が多い。団体も入っていて宴会が行われているようだし賑やかだ。しかしお遍路さんらしき人は見かけない。本当のお遍路はホテルでなく遍路宿に泊まるものなのだろうか。

二十三番、本堂

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○二十三番、本堂

徒歩なら近いようだが車道を通ると少し大まわりになる。このあたりは草壁の町中なので道が入りくんでいる。迷子にならないように広い道を使う。
お堂のとなりのグラウンドで野球部が練習している。元気だ。やはり若者にはお遍路よりもクラブ活動が似合う。

石段を登り驚いた。どこから見ても荒れ寺だ。
島の札所は改修中で雑然とした感じのするところはあったがどんなに小さくても村人の真心が感じられるような清潔な手の行き届いたお堂ばかりだった。それに比べてここの仏堂は建物自体は大きいのだが手が入っていないように見える。日が翳ってきて荒れた風に目に映るのかもしれないともう一度よく眺めたがやはり荒れている。ここを守っている人たちには大変失礼だが少なくとも半分放置された寺に見えた。

本堂という名前だがどこの寺の本堂なのか。
案内書によればもともとは先ほどの保育園のあった清見寺の塔中(たっちゅう)の本堂とのこと。それで庵堂というよりお寺の感じがしたのだ。なまじ建物がお堂より大きいだけにかえって荒れた印象を与えるのかもしれない。
塔中というのは主に禅宗でお寺の中の院や庵などを呼ぶ。お寺の中の小さなお寺のようなものだ。そうすると清見寺はここまで寺域があった実に巨大なお寺だったことになる。

もう少し日はあるが本日はここで打ち止めとする。

二十二番、峰之山庵

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○二十二番、峰之山庵

時間的にもうお寺の受付は終わってしまったので途中飛ばした庵堂を打つ。

国道を草壁港まで戻り左折して寒霞渓へ向かう道へ入り清見寺近くの庵を探す。
道に出ていた案内板にしたがって町中に入って行くと八幡神社の境内で行き止まりになった。丘に向かって「遍路みち」の表示があるので歩いて登る。台地の上は墓地になっていてその中に道しるべが続く。疲れた足でせっかく登ってきたのに道は急坂を下って行く。一旦登って下るのは今の体力で少々辛い。
案内書の地図と見比べると道しるべは次の二十三番への案内のようにも思える。進むべきか確証が持てない。もし道が違っていて、ここでの回り道になると体力的なダメージは倍増する。

一旦八幡の境内へ戻るがやはり周りに庵堂らしき建物は見つからない。あるのは神社で絶対に札所ではない。
お遍路の初めの頃は神社と札所を間違えたが今は違う。なぜ自信を持って札所でないと言い切れるのか。それは簡単だ。札所本堂前には必ず設置してある小坊主の看板がここにはないからだ。しかし、ここではないことがわかっても二十二番がどこか分からないことには変わりがない。

通りすがりのおばさんに尋ねるとどうやら丘の上でいいらしい。しかたがない。疲れた足で再び登る。
何のことはない、同じ道を二回も登ってしまった。墓地の中をとぼとぼ歩く。お墓参りをしているひとがいるがさぞかし元気がない姿に映っていることだろう。
先ほど引き返したところを過ぎて程なくお堂らしい屋根が見えた。
お堂前まで行くと丘の下に伸びる参道の石段がある。どうやら裏側から入ったようだ。表の石段の下は車を停めるスペースがないため案内は八幡神社境内へ導くようにしてあるようだ。

本堂に向かって右に雛壇状にずらっとお地蔵様の石仏が並ぶ。夕暮れがせまり薄暗くなりつつあるし、場所も墓地の中でのんびり出来る雰囲気とは言い難い。早々に退散。
時間は午後5時20分を過ぎている。

二十四番、安養寺

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○二十四番、安養寺

「人間とは忘れる動物である」と言ったのは誰だったか。昨晩、あせらずゆっくり巡礼すればいいと決めたのにもうすっかり忘れている。
閉門前にもう一つぜひ打っておきたい。頭のなかはそれだけで占められた。はやく行かねばと心に余裕がなくなっている。これがその後の不幸の原因だった。

案の定、またまたカーブにある案内板を見過ごした。あわてて道端のお店の駐車場でUターンを試みる。一日廻って疲れもあるし注意力も落ちていた。
バイクを回して道路に出ようと一旦停止して足を着こうとしたところ、そこには地面がなかった。正確には地面はあるのだが、足先が着かなかった。前輪と後輪の両方が少し高くなって丁度足元が低く谷状になっていたのだ。

二輪は止まるには足を着かなければ倒れる。この旅で二回目の立ちゴケとなった。やはり焦るとろくなことがない。
右に倒れているしスタンド部分が少し低くなっていて起すのが大変だ。暑さも手伝って疲労は倍増だ。
苦労してやっとバイクを立てて問題はないか見回すが、ショックが重なる。前輪ブレーキである右のレバーが転倒の衝撃で途中から90度曲っている。コンクリートの上に勢い良く倒してしまった結果だ。この状態で運転できるのか。

さいわい少し気になるが握って操作が出来る。レバーを曲げてしまったのは仕方がないがこの先運転できなければどうしようかと心配だっただけに走るのにはさほど支障がなさそうで安心した。運悪くポッキリと折れてしまうこともある。これもお遍路のおかげかもしれないと感謝した。

安養寺に着く頃にはもう閉門時間が近づいていた。駐車場から境内の横に入るがやけに犬がほえる。とてもうるさい。数匹の犬が飼ってある。一匹だけならまだしも皆が鳴きまくる。繋がれていなければ間違いなく足元までやってきて騒ぐだろう。
おつとめが気になるくらいに犬に吠えたてられる。
本堂はまだ開いているようだ。この犬達はひょっとして呼び鈴のかわりだろうか。確かにこれだけ騒がしければブザーの音より良く響きそうだ。しかし、誰も出てくる気配がない。結局はブザーを押す。

犬の鳴き声がうるさくてブザーの音が聞こえないいことがあるのではないだろうか。妙な心配をするが、昨日のことを考えると、この時間もう納経の受付が終了していることのほうを心配するべきだろう。その不安が的中したのか人の出る気配がない。あきらめかけていたところ奥からゆっくりとおばあさんが出てこられた。歩く姿からどうやら足が不自由のようだ。それで早く出てこられなかったのだ。

御朱印を頂いている間も犬は吠えるのを止めない。
「こら。吠えたらいかんので!」
一応叱っているようだが犬のほうは無視して騒ぐ。どんなに好意的に見てもここの犬たちはしつけが出来ていない。しかも飼っている犬全部に吠え癖があるというのは問題があるだろう。

心の中でここは犬の寺と命名した。既に日は西に傾いている。

二十一番、清見寺

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○二十一番、清見寺

夕方になったため打てるお寺は打っておこうと順路を少し変更する。
門前に着くと自家用車で混雑している。こんな夕方近くになって法事かと思ったが違っていた。山門をくぐると境内を子供が元気に走り回っているし開け放たれた本堂ではお絵かきの後片付けをしている子供もいる。お寺がそのまま保育園の状態になっている。

ここの子供たちはお遍路さんに慣れているようだ。突然乱入した中年男を不振がる様子もなく気にもとめていないようだ。むしろこちらが落ち着かない。
「ちょうど隣の保育園を建替え中で今はお寺を保育園として使ってるんです。騒がしいでしょう。」
と御朱印を頂きながら奥さんの話を聞く。お寺が運営している保育園だ。
今は丁度閉園時間らしい。父兄が迎えに来て園児は挨拶をして帰って行く。礼儀正しい子供たちだ。負けてはいけないと丁寧に挨拶して失礼した。

寒霞渓方面の山岳霊場を廻ったあとこの近くの庵堂を打とうと山に向かい始めた。しかし、寒霞渓の中腹にある山岳霊場は三つもあってとても全部に寄る時間がなさそうだ。考え直した末に途中から急遽変更して二十四番へ向かう。お寺で朱印を頂こう。

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