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○二番、碁石山
ふもとから離れて山道をどんどん登って行く。もちろん道は舗装されているが雑木林の中の道幅は車一台分しかない。案内書では「中型バス通行可」となっている。確かに通行は可能だがすれ違えそうにはない。車と二輪でも難しそうだ。所々にそれほど広くない待避所らしき空き地はあるが草ぼうぼうで一体どこまで乗り入れられるのか境界が見えない。それよりも雑草が生え放題なのでそこは舗装されてないだろう。すれ違いの時に入ってタイヤがはまってしまったら脱出は出来るのだろうか。不安だ。
案内書を引用すれば
「向庵より二キロの山道、常光寺登山口より、中型バスも通り、山内門前までアッと思う間につく。」
確かに車に乗っているだけならそう感じるのかもしれない。しかし、運転手はそうではないはずだ。
ともかく、対向車がマイクロバスだったりしたら本当にすれ違えない。向うから車が来たらどうしようとドキドキしながら走る。
そんなに不安になるには理由がある。
傾斜のある山道での退避や取り回しはバイクは楽ではないのだ。
ぎりぎり端に寄せてやり過ごそうとする場合、路肩は大抵舗装面より低くなっている。足先を着くのが難しくなり下手するとコケル。最悪倒れた方向がガードレールのない崖ならバイクに押しつぶされながら谷底へ落ちる。想像したくない。手前で下りて少し広い場所をまで押して道路端に寄せるという手もある。その場合は坂道だと登りに向かっては押せない。これは中型とはいえ重さは170kgを超えるので自転車を取り回すのとは勝手が違うのだ。
退避場所まで戻るにはバックしなければならないがバイクはバックギアがない。長い距離を後ろ向きで戻るのは苦しい。Uターンする場合も道が狭いと意外に難しい。バイクでも切り返さずに回るには4m近い道幅が必要なのだ。そんなに道が広ければもちろんすれ違える。結局切り換えさなければ回れないがそのときにやはり登り坂に向かっては押せない。
考えれば考えるほど不便な乗り物だ。それでも車同士が鉢合わせするよりはかなりましだろう。
車に会いませんようにとの願いがお大師様に届いたのか、すれ違う車もなくわりと広い駐車場に到着した。巨大な大師像が展望台の上で出迎えてくださる。
参道を登ると崖に張り付くようなお堂がある。中は広い洞窟でそこが本堂らしい。若いお坊さんがおられる。住職でここを任されているのかそれとも修行の一つとして寺守のようなことをしているのか。理由はないがなんとなく修行のような印象を受けた。若すぎるからだろうか。
どことなく声をかけづらくおつとめの後挨拶だけを交わしておいとました。
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