同行二輪

いつまでも若葉な中年ライダーの古社寺旧跡紀行

歳時記雑考(日々雑感)

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二十三夜

今日は旧暦8月23日。下弦の月です。いわゆる半月ですね。
半月をその見え方によって上弦の月とか下弦の月と呼ぶのは、月を弓にみたてて弦を張ったように見える、その弦が上にあるか下にあるかということだと思うのですが、実際にはそうなりません。

月を見た時に弦が上にあれば上弦の月と呼ぶかというとそうでないのです。上弦の月というのは7日目ごろ半月のことを指します。そして、下弦の月というのは23日ごろの半月のことです。
七夜の半月である上弦の月は右半分が明るくなった状態で、二十三夜の半月は左半分が明るい半月で、これを下弦の月と呼びます。

問題なのは、いつでも月は東から西へ動いて行くので、見る時間によって弦が上になったり下になったりすることです。
二十三夜の下弦の月は真夜中ごろに東から昇ってきます。この時、明るい左側が下になっているので、弦は上に見えます。そして真南に南中したときに弦が垂直になって左半分が明るい状態になります。そして、その頃に夜が明けます。
何と、下弦の月は夜の間中、弦は上に見えるということになります。

一方、上弦の月の七夜では、日没時に月はほぼ南中した状態で輝いてます。右半分が明るい半月です。それから夜明けに向けて弦を上に見せながら西へ傾いていって沈む頃に夜が明けます。

つまり、上弦の月も下弦の月も、夜に明るく見える半月はどちらも弦は上に向いていることになります。

こんなことを急に思いついたのは、最近になって、二十三夜塔という石塔があることを知ったからです。
どうやら、二十三夜の月の出を待って子供の健康を祈ったりする風習のための石塔だということのようです。いわゆる月待行事です。
先に書きましたが、二十三夜の月はほぼ真夜中0時ごろになるため、月待は大変だったでしょう。多分、宵から深夜までお祭りの様相を呈していたのではないかと思われます。

二十三夜塔というのは全国にあるらしいのですが、少なくとも山陰で見かけたことがありません。実家の近くでも見ませんし、そのような風習もありませんでした。
山陰には全くないかどうか知りませんが、少なくともそれ程一般的なものではないようです。
どうやら関東に多いもののようですね。

さて、今夜は涼しくなってきた夜空に下弦の月が見えるでしょうか。

中秋の名月と満月

昨晩は中秋の名月でした。山陰では雲の間からのお月見となりました。

中秋というのは旧暦の8月のことを指します。つまり、8月15日の月を中秋の名月と呼んだのです。

古来より旧暦で7月8月9月を秋としました。今の感覚でははかなり違う気がしますが、季節の決め方は季節感で行われていたのではなく、暦で決まってました。1月から3月が春、4月から6月が夏、7月から9月が秋、そして10月から12月が冬です。
旧暦だと季節感と一致するかといえばそんなことはないです。旧暦は今の暦と比べて約5週間遅れになるだけなので、やはり現代人の思う季節と少々違います。
春夏秋冬は暖かさなどの気候変化を表すというよりも、むしろ暦の一部に過ぎなかったのです。

ともかく、7月から9月が秋とされていました。そして、8月は秋の真ん中ということで中秋とされたのです。その8月の15日が中秋の名月と呼ばれるわけです。

ところで、中秋の名月は満月ではありません。中秋の名月だけでなく、基本的には十五夜は満月にならないのです。満月は16日、つまり十六夜が一番多く、時に15日や17日になります。
これは、もちろん誤差の影響もありますが、誤差がなくても通常は十五夜は満月にはなりません。

月の周期は約29.5日です。真っ暗な新月から次の新月までを年齢に見たてて月齢と呼びます。新月は月齢0で、月齢29.5でまた月齢0に戻るのです。
当然、満月は周期の半分の月齢約14.8日になります。太陰太陽暦、つまり旧暦は月の満ち欠けをそのまま日にちに使ってますが月齢と1日ずれます。月の最初の日は新月で、月齢は0日となりますが、暦では0日はないので1日になるからです。ここで数え方が一日ずれてしまうわけです。
つまり、満月となる月齢14.8日は暦では15.8日になります。そのため、大体16日の夜が満月になるのです。

満月がいつでも16日にならないで15日や17日になったりするのは、月初めの1日を決めるところの問題になります。
月の初めの1日は、その日に月齢0日がある日ということになってますので、一日の初めが月齢が0になる場合から一日の終わりに月齢0になる場合まで24時間の幅がることになります。つまりほぼ1日の幅があることになります。そのため、満月の日が16日の前後一日ずれて15日から17日に渡ることになります。

本当の満月のことが多い16日は、十六夜と書いて「いざよい」と読むのは有名ですね。今年の旧暦8月の満月は明日、つまり旧暦の17日になります。十七夜の月は、立待月といいます。
月の出は月齢が進むに連れて徐々に遅くなります。十七夜は月が出るのを立って待つのです。その後は座って待つ、居待月。更に月の出は遅くなって寝て待つ、寝待月となります。
毎晩、ゆっくりと月の出るのを待つ。優雅です。せめて、心の持ち方だけでもそんな風に優雅になりたいものです。

月食とラーフ

雨振りで、実際は見られなかったのですが月食の続きです。

月食と日食を起こすという計都(けいと) と羅睺(らご)ですが、このうち羅睺というのは古代インドのラーフから来てます。ラーフは日食や月食を引き起こす悪神とされました。
そして、お釈迦様である、ゴータマシッダルタの息子の名前は羅睺羅(羅怙羅らごら)です。これは、お釈迦様は肉親である息子は、自分の仏道達成の障害になるであろうと察して、名づけたとされてます。仏教は全てを捨てて出家することが第一になるので、子供が出来るとかわいく思い、家を捨てる障害になると考えたとされます。
羅睺羅は後に父であるお釈迦様について出家して釈迦十大弟子の一人とされるようになります。また、十六羅漢の一人です。

羅怙羅は少しかわってます。十大弟子と十六羅漢で両方に数えられているのは羅怙羅だけです。
また、羅怙羅尊者像には、自分の胸を両手で開いてその中に仏様の顔がのぞいているという、結構インパクトのあるものがあります。尊者の顔もかなり個性的で少し不気味にも見えますから、一度見ると忘れないでしょう。

お釈迦様から、「お前には仏性があるか?」と問われて、胸を開いてそれを証明したとされる像だそうです。
仏性というのは、仏としての性質でこの世の全てのものが持っている本質とされます。これを「一切衆生悉有仏性」といいます。
あらゆる者が仏の本質を内在しているので、全ての者が仏となれる可能性を持っているということを示しています。さらに、もっと広く生きとし生けるものすべてが仏となれるという意味ですが、場合によっては、生き物以外でも、山河大地などを含めたこの世のもの全てに仏性があると理解する立場もあります。

いずれにせよ、その仏性を仏の顔で表現しているわけです。

月食から結構、話が長くなってしまいました。

月食と羅睺と計都

昨夜は皆既月食が見えるはずで、楽しみにしていたのですが残念でした。
もちろん計算間違いで月食が起こらなかったのではなく、あいにくの雨で月が隠れていたということですが。
あの、完全に食に入った赤銅色の月というのは妙に神秘的で好きなので、ぼーっと見ていたかったのですが、本当に残念です。次の機会を待ちます。

今では、月食というのは月が地球の影に入ってしまう現象で、日食は太陽を月が隠すことなのを誰でも知ってます。どちらも太陽と地球と月が一直線の位置に重なって起きることも小学生の理科で教わります。

古代日本ではインド、中国から伝わった天文学を基礎にしていて、日食と月食は見えない惑星が太陽や月を隠すからだと考えました。その見えない惑星を、計都(けいと) と羅睺(らご)といいます。

地球は動かずに他の天体が回っているというのが天動説ですが、その星や惑星を球体にしたものが天球儀というものです。天球儀の説明は難しいというより、自分自身それ程理解してませんので、かなりいい加減です。

星座の星は地球からあまりに遠いので天球儀の上を動くことなく固定されて示されます。太陽や月は季節によって位置を変えるのですが、天球儀で太陽の移動する軌道を、黄道(こうどう)、月の軌道を白道(はくどう)と呼びます。
地球の公転面と月の公転面はかなり近いのですが、4度ほどずれてます。そこで黄道と白道が天球儀上で交わる点が二つできます。
太陽の通る道と月の通る道、その二つが交差する場所、つまり、その交点で偶然に太陽と月が同時に通過すると太陽や月がどちらかに隠されることになるのです。つまり、それが日食や月食ですね。
その交点に見えない星を設定したのが、計都と羅睺ということになります。

二つの交点は、月が白道上を移動して黄道を南側から横切る点を昇交点といって、ここに、羅睺を置き、反対の北側から横切る点の降交点に計都があるようです。ただ、二つの交点の昇交点と降交点のどちらに計都と羅睺をあてるのかは混乱しているようで、反対に書いてあるものもあります。

また、混乱といえば、日食を起こす星が羅睺で、月食を起こす星を計都としていることもあります。逆になっているのもありますが、多分これは勘違いだと思われます。昇交点と降交点はどちらも日食も月食も起こる場所だからです。

さらに混乱しているのは、日食と月食を起こすのが羅睺で、計都は彗星や流星のことだとされているものもあるようです。
何だか、よくわかりません。

ところで、昨夜の月食は羅睺と計都、どちらが起こしたものなのでしょうか。

お盆に思う

今晩の送り火でお盆が終わりますね。お休みだった人も多いでしょうし、まだお休みの企業もあるのではないでしょうか。個人的には暑さでばててました。

年末年始、ゴールデンウイーク、そしてお盆。まとまった休みには日本中で里帰りなど民族大移動が起きます。
このうちでお盆だけが祝日ではないです。これはどうしてかというと、お盆は8月13日の迎え火から8月16日の送り火まで長いからというのではないです。
お盆は本当は8月15日前後ではないからです。

お盆というのは仏教の盂蘭盆会(うらぼんえ)という行事に、日本古来の民族行事の祖先崇拝が加わったものです。この盂蘭盆会を略してお盆と呼ぶようになったとされています。

盂蘭盆会というのは安居(あんご)の最後の日に僧侶たちが一緒になって飲食をする、あるいは在家の人が僧侶に食事などの供養をしたというものだったらしいです。
安居というのは、ある期間、僧が一ヶ所に集まって集団で修行をすることで、特に夏の雨季に行われることが多かったため夏安居(げあんご)とも呼ばれました。その時期に集団生活する理由としては、雨季の間は托鉢など屋外での修行が行いにくいからという説や、雨季には多くの植物が芽を出して小さな虫なども沢山出て、そういう昆虫などを誤って殺してしまうことが多くなるために無用な殺生を防ぐ目的で外出を控えて一ヶ所に集まったという説などあります。
何れにせよ夏安居が終わる日に行われるのが盂蘭盆会という行事だったわけです。

これに盂蘭盆経などに説かれる目犍連(もくけんれん)尊者の亡き母への供養の話が加わります。
神通第一とされた目犍連尊者は、亡くなった母親が餓鬼道に堕ちて飢えで苦しんでいるのを神通力で知り、何とかしたいと思ってお釈迦様に相談します。お釈迦様は、安居の最後の日に他の僧に食べ物を施せば母親もその施しの一部が食べられる、と説きます。これが盂蘭盆会での飲食供養の根拠とされます。

ただし、この有名な話のある盂蘭盆経は、インドから伝わったお経ではなく中国で作られた偽経とされます。本来、インドでの仏教には祖先崇拝の要素はないようです。
日本では古来より先祖を迎えて、また送り出すという行事があり、それが盂蘭盆会と習合して御墓参りなどの仏教行事として定着していきました。

この安居の最後の日は解夏(げげ)ともいいます。某歌手が書いた小説の題名で映画化もされましたね。それはともかく、その日は7月15日とされます。
今ではお盆といえば8月15日、ではどうして8月15日になったのか。

今まで何度も書いてますが、明治まで使っていた日本の暦と今の暦では約5週間のずれがあります。昔の暦を旧暦と呼んだりしますが、今より5週間ほど遅く正月が始まるのです。
そのために、それまで7月15日に行っていた行事を今の暦で行うと季節が少しずれてしまいます。旧暦で行事を行えば問題ないのですが、現行暦では旧暦の7月15日が毎年違う日になってしまいます。例えば旧暦7月15日は、今年は8月27日になり、去年は8月8日でした。
つまり、旧暦で行事をするには常に旧暦を用意しないと、今の暦で何時なのかがわからないのです。これはとてもめんどくさいです。
そこで、現在の暦と旧暦のずれが約5週間だということから、大体一月遅らせれば近くなるということで、様々な旧暦の行事が月遅れで行われるようになってきました。それがお盆にも適用されて8月15日になったのです。
つまり、今のお盆は本来の日より月遅れで行っているため8月15日になってしまったということになります。
地方によっては、今の暦の7月15日にお盆の行事を行ったり、またきちんと旧暦の7月15日に行ったりしているところもあります。
そんなことで、お盆は国民の祝日にはなり難いのです。

ところで、全国的にお盆が8月15日に定着したのは戦後です。これは、月遅れが生活に便利ということ意外に終戦と関係していると思われます。
もちろん8月15日は終戦記念日です。この日にお盆をするというのは、戦没者慰霊と重なっているのだと思います。
日本国民ほぼすべての人に何らかの形で戦争で亡くなった家族、知人などがいたのが太平洋戦争です。その慰霊と古来からの祖先崇拝が重なったのが、この日がお盆となった理由なのでしょう。
お盆には亡くなった人の霊が帰ってくるという考えが、ひょっとすると戦地で亡くなったと伝えられた親兄弟や夫など肉親がひょっこり元気で帰ってくるような希望と重なったとしても不思議ではないような気がします。

お盆とは切り離して8月15日を終戦の日として祝日にするのもいいですね。

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