From ROMA-KEN(古代ローマ史探求)

…歳を重ねただけでは人は老いない。理想を失うとき初めて老いる。(Samuel Ullman, 'Youth'(「青春」より。)

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書籍の紹介です。


クリス・スカー(青柳正規 監修) 『ローマ皇帝歴代誌』 (創元社、1998年)


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今回、紹介する『ローマ皇帝歴代誌』は、初代ローマ皇帝アウグストゥス帝から西ローマ帝国最後の皇帝ロムルス・アウグストゥルス帝までの実に、総勢約80名以上にも及ぶ皇帝達を挙げ、対象とする年代も紀元前1世紀末から紀元後5世紀中頃までの、およそ500年間をカヴァーしています。

本書は、こうした皇帝達の登位に至るまでの過程から、統治の間、そして死ぬまで(*彼らの多くは政争や権力闘争の中で非業の死を遂げる。)の出来事を、時には古代ローマ時代の叙述家の引用を引きつつ、色々な興味深いエピソードを交えながら簡単に紹介しています。
その為に、各皇帝が、本書の中では非常に個性豊かに、またその時々の政治情勢の中で、各々が抱える苦悩や不安が上手く表現され人間味を持った「肉付き」のある人物像として描かれています。

また、歴代皇帝の肖像も掲載され、当時の建築物や記念碑なども様々な写真や復元図付きで紹介しているので、古代ローマ帝国とその皇帝達を知る為のちょっとした辞典の役割も果たしています。

しかし、本書は決して専門書の類ではなく、一般読者を想定して書かれているので、古代ローマ史や皇帝に少しでも関心のある方なら、楽しく読み進めて行けるのではないかと思います。

僕自身、学部の頃は特に本書にはお世話になり、また現在でも、ローマ皇帝について調べたい時には、しばしば利用しますので、やはりお薦めの書籍として紹介させて頂きます!!!


興味のある方は、是非とも一読してみて下さい!!!


以上。



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今日はポンペイの落書きに関する書籍の紹介です。


本村凌二 『ポンペイ・グラフィティ −落書きに刻むローマ人の素顔』(中公新書、1996年)



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紀元後79年、ウェスウィウス火山の噴火により崩壊し、火山灰に埋もれてしまった古代ローマ時代の都市ポンペイ。
18世紀初頭より発掘が始められたこのポンペイでは、皮肉にも(*そして幸運にも)、都市を崩壊に追い遣った火山灰に幾世紀にも渡って保護されていた為に街全体が残り、邸宅や神殿中から様々な調度品や彫刻品、フレスコ画、モザイク画が出土しました。

けれども、ポンペイ遺跡より発掘されたのは、こうした美術品として価値のあるものばかりではありませんでした。都市内の壁と言う壁にびっしりとポンペイの人々が刻んだ落書きが残されていたのです。

『ポンペイ・グラフィティ』はポンペイ遺跡に残されたこうした「落書き」に耳を傾けながら、彼ら自身に語らせつつポンペイと言う都市の歴史と日常生活を再現しようとした意欲作なのです。


余談になりますが、僕がポンペイ遺跡に深く興味を抱くようになったのも、実は学部生の頃にこの書籍と巡り会ったからです。

当時、僕は古代ローマ時代のラテン墓碑銘に関心を寄せていました。
古代ローマ時代の墓碑銘は、非常に特徴的で、死者の名前のみならず、記念者の名前が刻まれ、場合によっては、「夫婦愛」や「友情」、「死に対する恐怖や悲嘆」、「道行く人々への呼び掛け」と言った様々な「感情表現」が刻まれています。
従って、当時の墓碑銘は死を前にした古代ローマ時代の人々による最期の、そして他者に向けた「意思表明」とも言えるでしょう...


話を元に戻しますが、そうしたラテン墓碑銘に関心を抱いている時に、如何なる切っ掛けであったかは定かではないものの、ふとした時に、この『ポンペイ・グラフィティ』を手にし読み始めると、直ぐに「落書き」を通じたポンペイと言う喧騒と愛に満ちた世界に引き込まれてしまいました。
彼らが「落書き」に託し、語っているのは、一人ひとりの「意思表明」であり、「生きた証」なのです。

ところで、そもそも落書きを書いたのは如何なる人々であったのでしょうか?

興味深いことに、様々な階層の人々、富裕層から自由市民、被解放自由人や奴隷まで、ありとあらゆる人々が日々、街中の壁と言う壁に自らの「名前」を残し、「罵声」を浴びせかけ、「選挙での支援」を訴え、「愛を謳歌」したのです。


古代ローマ時代におけるラテン墓碑銘が人生最期に発した「意思表明」であり、幾分か(*あるいは相当に)「理想化」された一人ひとりの「生きた証」であるとするならば、ポンペイに残された無数の「落書き」は、日々、人々が悩み、苦しみ、愛を懇願し、希望を託し、自らに課せられた境遇の中でそれでも懸命に、あるいは楽しく、そして美しく生きようとしていたことを訴えた、ささやかな、けれども人間味に溢れた「意思表明」なのでしょう!


残念ながら、こうしたポンペイ遺跡に残された「落書き」は、空気に触れたり磨耗の為、年々、薄ぼけてゆき、中には消滅してしまったものもあります。
そうした中で、本書は、過去の考古学者や碑文学者、ローマ史家が写し取り記録した「落書き」を紹介しつつ、ポンペイの人々が生きた世界を彼ら自身の「肉声」を通じて我々一人ひとりに伝えてくれます。


本書の締めくくりとして、本村氏は以下の「落書き」を引用しています。

admiror, pariens, te non cedidisse ruinis, qui | tot scriptorum taedia sustineas
(*Diehl 668 = CIL IV 1904)

「おお壁よ! こんなにも多くの落書き人の愚行に力をかしたことによってお前はくずれ去ってしまわないのだろうか。」(*本書、225頁。)


古代ローマ時代の日常を生きた名も無き人々の「肉声」にも、時には耳を傾けていたいものですね...
そう言う方には、是非、本書をお薦めいたします!!!


尚、ブログ管理者が運用するサイト内の



のページ内にも、ポンペイの落書きや広告ポスターの事例を若干掲載していますので、興味のある方は、是非、当ページ内にお立ち寄り下さい!


以上、紹介でした。



今日は書籍の紹介です。


島田誠 『コロッセウムからよむローマ帝国』(講談社選書メチエ、1999年)


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コロッセウムと言えば、しばしば血腥く凄惨な殺戮を繰り返す「死のゲーム」とも呼ばれる剣闘士闘技が行われた舞台であるローマの円形闘技場のことですが、本来は「フラウィウス円形闘技場」が正式名称です。
この「フラウィウス」と言う名は、紀元前1世紀末頃にアウグストゥス帝によって興されたユリウス・クラウディウス朝が、紀元後69年のネロ帝の死によって終わりを迎え、その後にローマ帝国を継いだティトゥス・フラウィウス・ウェスパシアヌスによって興された「フラウィウス朝」期に建てられた(*奉献式は紀元後80年。)ことに由来します。因みに、この円形闘技場は約5万人の観客を収容することができ、現代の競技場と比較しても遜色ない規模であったと言えるでしょう。

コロッセウムの名がついたのは、おそらく中世の頃であり、元々、この近辺に「ネロ帝の巨像(colossus)」が建てられていたことからいつしか、この大円形闘技場がコロッセウムと呼ばれるようになったと言われています。


ところで、この書籍は、しばしば血腥く凄惨であった剣闘士闘技そのものに関する内容が書かれているわけではありません。
寧ろ、アウグストゥス帝代における「ユリウス劇場法」の制定以来、円形闘技場や劇場において観客席が身分に応じて厳密に分けられるようになり、視覚的にも「身分秩序の体現の場」となった「見世物」に集う観客の社会階層の分析を通じて、「ローマ社会」の特質を問うた内容なのです。


古代ローマ社会、とりわけ帝政前期においては、身分制は厳然たる事実としてそこに生活する各人に重く圧し掛かっていました。そして、その身分制度は皇帝を頂点として、元老院議員、騎士、都市参事会会員、そして一般のローマ市民、それ以外の自由人、被解放自由人、奴隷と言うピラミッド型の構成となっていました。

しかし、こうした身分制はいわゆる「アンシャン・レジーム」のような固定的で不変なものではなく、「社会的流動性」が非常に活発であった為、奴隷から解放されて被解放自由人となり、やがて彼らの子供がローマ市民となり、場合によっては、3代後には、騎士や元老院議員になることも不可能ではなかったのです。
そして、この身分制におけるもう一つの特徴は、帝政前期には官僚機構と言うものが存在しなかった為、こうした官僚の役割を果たすのが、servus augustilibertus augustiと呼ばれる「皇帝家の奴隷や被解放自由人」達であり、皇帝との個人的な結び付きも非常に強く、彼等はしばしば自由人や騎士、元老院議員よりも強い権勢や財産を誇ることもありました。

この『コロッセウムからよむローマ帝国』において主眼が置かれているのは、コロッセウムに集う観客の中でも、特に帝政前期における、「被解放自由人」達と、社会的流動性の中で「元老院議員」となった人々と社会や帝国との関わり方を史料を通じて分析しつつ「ローマ社会」が変貌してゆく様相を描き出そうとしている点です。

以上で述べてきたように内容自体はどちらかと言えば硬めなのですが、「古代ローマ社会」の本質を理解してゆく上では、非常に貴重な入門書となるのではないかと思います。
また、この書籍の前半部分では、ある程度、「剣闘士闘技」に関する説明にも頁が割かれていますので、剣闘士闘技について知りたい、と言う方にも無論、十分に読み応えのある書籍と言えると思います。


尚、円形闘技場と剣闘士闘技に関しては、ブログ管理者の運用するサイトの


のページ内でも述べておりますので、興味のある方は、是非、お立ち寄り下さい!!!


以上、書籍の紹介でした。



本日2件目ですが、今回は少し変わったサイトについて紹介します。


ドイツ・ミュンヘン大学の古典学教授にWilfried Strohと言う方がいるのですが、その教授によるウェルギリウス作『アエネイス』第4巻「アエネイスとディドーの恋愛と別れ」を朗読した


と言うサイトがあります。

古代ギリシア・ローマ文学の深みを理解するには、本来、「韻律論」を学ばなければならないのですが、当然、見たことも聴いたこともない初学者や門外漢にとっては、全く理解しがたい分野です。
(*当然、僕も「韻律論」を本格的に学んだことはありません。)

そこで、上記のサイトでは、『アエネイス』第4巻を韻律の規則に則って古典学教授が朗読されている為、当時の完璧な再現とまでは行かないのでしょうが、当時の人々は、『アエネイス』などのテクストを、こうしたリズム感と躍動感を以って朗読していたのだろう、と何となく想像することができます。


僕自身は、この『アエネイス』第4巻で、特に気に入っている朗読の箇所があるのですが、それは、

アエネイスがディドーの元を去った後、ディドーがおのが髪を掻き毟り、胸を激しく打って、

"Sol, qui terrarum flammis opera omnia lustras,..."
”おお太陽よ、地上の全ての働きをその光でお調べになられる方(よ)...”(邦訳)

と神々に祈りながら、呪詛の言葉を投げかける件です。

この時のディドーの絶叫は、非常に激しく感情豊かで、アエネイスに裏切られた(と考えた)ディドーの怒りと悲しみが深く深く伝わってきます。
(*この件は、朗読がなく、単にテクストを黙読しただけでは、そこまで深くは感じ入ることが出来なかったでしょう。)


古代ローマ時代の文学や詩は、「愛と別れ」、そしてそこから生じる「心の葛藤」、「激しい情念」や「飽くなき情欲」、「憎悪」や「絶望」、あるいは「恋する喜び」や「希望」に満ち満ちています。
その意味では、ラテン文学とは、時には、あるいはしばしば神話に託しながらも、「人間の本性」を赤裸々に炙り出したものと言えるでしょう。
古代ローマ時代は、その点においても、現代の我々に、今尚、強く訴えかけているのではないでしょうか。まさに「途絶えざる歌」です...


話が逸れてしまいましたが、


を参考までにリンク貼り付けしておきますので、ラテン文学やラテン語に興味のある方は、是非、テクストを目で追いつつ耳で朗読を聴いてみて下さい!!!


以上。



今日は主に古代ギリシア・ローマに関する研究向けホームページの紹介です。


早稲田大学地中海研究所が運営しているホームページ


は、古代ローマ、ギリシア、エトルリア関係の遺跡に関する豊富な画像を取り揃えた


や、毎年研究論文を発表した紀要


など、一般向けにも研究者向けにも役立つ情報が満載されています。

特に紀要に時折掲載される小林雅夫氏(現・早稲田大学文学学術院教授)の古代ローマ時代の「医師と教師」「ローマ・ヒューマニズム」に関する紀要論文は、国内に、この分野について研究する他の研究者がいないこともあり、非常に貴重かつ示唆に富んだ情報を与えてくれると思います。


興味のある方は、是非、上記サイトをご覧下さい!!!
(*尚、「地中海研究所」が所蔵・管理している画像の取り扱いなど、上記サイトに関するご質問等は、直接、「地中海研究所」のサイト管理者にお問い合わせ下さい。)


以上、紹介でした。



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