さわやか易

いらっしゃいませ。名画を鑑賞するとき、その背景である歴史を考えてみたい。(猶興)

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熊親分の隠退。

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ここは、知床の森。

ボスとして長年この森に君臨した熊の親分、クマ太郎は
集まった若い熊たちに向かって語った。

「ワシも若い頃はいろいろやりたいことが沢山あったよ、
母親の後ろについて歩き回ったガキの頃からこの知床の森がなにより好きだった。
美しい山と川、海が見える丘。この森こそ先祖から受け継いだワシたちの宝ものだ。

ボスに成ってからは、この森を侵略してくる人間どもが許せなくて、度々攻撃してやった。
ワシは「暴れ熊」と恐れられ、お尋ね者にされて猟銃で追われたりもした。
幸い、弾には当たらなかったが大雪山まで逃げたこともある。

ボスとして10年間この森を守って来たのだ。
でも、もうワシは老いた。ボスを引退して静かに暮らすよ。
これからはお前たちの番だ。ワシは黙って見守るだけだ。」

それだけ言うと、静かに森の奥に入って行った。

自然界の中では、世代の交代は実に見事に行われている。

ところが、人間社会ではいつまでも、退くことをしない政治家、経営者、学者、が何処にでもいる。
彼らは何時までも地位にしがみつき、実権を握り締め、次世代に譲ることをしない。
時に困った存在となっている。老害と言われることもある。
易学的に見ると、古来より常に君子を戒める言葉として、「乾為天の卦」の上九に
「亢竜(こうりゅう)悔いあり。」がある。

亢竜とは高く昇りすぎた竜である。
進むことのみを知り、退くことを知らず、剛を知りて、柔を知らず、
高く昇り過ぎれば悔いることあるべきである。
人間も時に動物たちに学ばなくてはいけない。

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