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晋の志とは、大好きだった父の意志を継ぐことである。父のMさんはNPOの一員としてアフガニスタンの農業用灌がい用水路の工事に取り組んだ。しかし、完成を祝った翌日にアメリカに加担する外国人という理由で武装勢力の手で殺害された。
亨と利子は貞からその話を聞いた時大きな衝撃を受ける。(そんな危険な処へ娘を行かせる訳にはいかない)利子は反対する。最愛の息子を事故で亡くした経験のある親にすれば当然である。
利子は晋の母親は息子の生き方に反対しないのだろうかと思う。亨と一緒に熊本でラーメン店を営んでいる母・N子さんに会いに行くことにする。
N子さんは大学生時代、友達と石仏で有名なバーミアンを旅行中、オートバイでシルクロードを踏破してきたMさんと出会った。結婚し二人でラーメン店を経営し二人の子供を育てる。
MさんとN子さんは出会いの地であるアフガンを愛していた。しかしアフガンはソ連による軍事侵攻、武装勢力タリバーンの支配、アルカイーダの暗躍、テロリスト国家としてアメリカの空爆。戦乱につぐ戦乱に民衆は彷徨える難民となり、世界中で最も見捨てられた国となっていく。
Mさんは平和な日本にいて座視して居るに忍びず、50歳を迎えた日、2年の約束で、自ら志願してNPOに参加したのだった。
N子さんは亨と利子に高校生の晋と二人でMさんの墓参りに行った時の体験を話した。
NPOの人に連れられて、Mさんが死んだ地に行くと、丸太を立てただけの墓があった。母と子がお参りしていると、子供たちが集まって来た。そして自分の頭をなぜる格好をして、「ガンバレ」「マケルナ」と言いながら何かを訴えている。
NPOの人が通訳するには、亡くなったMさんが、いつも子供たちに「頑張るんだよ。」「負けるなよ。」と言って頭をなぜてくれたそうである。それを聞いてN子さんは胸が熱くなり、晋と一緒に一人一人に、「がんばってね。」「負けないでね。」と言って、子供たちの頭をなぜてやった。
そのとき子供たちは、目を輝かし、嬉しそうな顔をして「ガンバレ」「マケルナ」と繰り返し連呼する。その光景は今でも忘れられない。晋はそのとき、父の遺志を継ぐことを決めたという。
死んだMさんは好きだった白洲次郎が学んだイギリス・K大学に晋を留学させるのが夢だった。N子さんは「晋、K大学で自分に何が出来るか、何をしたら良かかをしっかり学んで来なさい。その上で志が変わらないなら、母さんは何も反対はせんよ。」と言った。
そして、「そりゃ、夫にも長生きして貰いたかったばってん、人間はいつかは死によります。信念ば貫いて死んだ夫を私は誇りに思うております。息子には息子の人生がありますばい。男らしく生きてくれたら、それで良か。」
*** *** 上卦は雷。
*** *** 活動、行動を表す。
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******** 下卦は山。
*** *** 動かないものを現す。
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「雷山小過」の卦。動きたいものが、動かない山の上にあり、困難に直面している。少は陰のことであり、陽の光が当たらない。生きるためには、最大限の注意が必要である。
地球上には日の当たるところばかりではない。
日の当たらないところが、常に存在することを忘れてはならない。
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