さわやか易

いらっしゃいませ。名画を鑑賞するとき、その背景である歴史を考えてみたい。(猶興)

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血脇守之助1870〜1947
 
「千里の馬は有りとも、伯楽は常には有らず。」優秀な人材はあっても、それを育てる者はめったには居ない。という意味である。野口英世がまさに千里の馬だとすると、ここにそれを育てた名伯楽が居た。しかし、それは親以上に大変な苦労が伴った。
 
小学校の教頭・小林栄先生は英世の才に惚れ込み、終始英世を援助した。何度も放蕩により貸した金を使われてしまったが、「これが最後だぞ。」「今度こそ信じて下さい。」いつもこの言葉に騙された。それでも可愛くて仕方なかったのだろう。
 
そもそも英世という名前であるが、もとは野口清作という名前であった。英世が医師免許を取り、北里柴三郎が所長を務める伝染病研究所に勤めていた23歳頃の話である。坪内逍遥の書いた「当世書生気質」という小説が流行していた。そこに出てくる登場人物が「野々口清作」であり、借金を重ねても放蕩に走る自堕落な医学生を描いていた。清作は自分とそっくりな名前に驚き、自分がモデルにされたかと心配になった。(実際には単なる偶然であった。)
 
そこで、郷里の小林先生に相談する。先生も心配し、「世にすぐれる」という意味で「英世」と改名することにする。しかし、戸籍上の名を変えることは容易ではない。そこで、隣村に清作という名前の人に頼みこみ、野口性の家に養子に入ってもらい、同じ村に同姓同名がいるのは紛らわしいからと役場を説得して改名したという。
 
もう一人の伯楽は六つ年上の血脇守之助であるが、英世が守之助を頼って上京したのは守之助26歳の独身で歯科医師免許を取得し、高山歯科医学院で働き始めたばかりの頃である。院長とも相談しながら、どうにか遣り繰りしながら英世の学費をねん出した。英世の放蕩癖に悩まされながらも医師免許を取らせた。
 
医師としては優秀なのに、金を持たすと何処かへ行ってしまう英世。度々のことで、余程放り出そうとしたが、土下座して謝罪する姿を見るとつい許してしまう。守之助の結婚後は妻にまで、「いったい貴方はどこまで人がいいんですか!いいかげんにして下さい!」何度なじられたことか。
 
守之助は31歳のとき、「血脇歯科診療所」を開設。そして「東京歯科医学院」を設立して多くの若者を育てている。門下生を海外留学生として渡米、渡欧させているのである。当時の歯科医師界をリードする存在でもあった。42歳のとき、「日本歯科医学会」の会長に就任、歯学界の発展に貢献している。
 
1922年(大正11年)52歳の守之助は同志11人を伴って欧米を視察、パリ、ベルリン、ロサンゼルスを回る。アメリカで付きっ切りで世話を焼いたのは野口英世である。二人はハーディング大統領を表敬訪問した。
 
立派になった英世に対して守之助は、「このたびは大変世話になった。若いとき、君には随分苦労させられたが、もうそれも帳消しにしよう。」と申し出た。すると英世は「私は日本人です。先生の恩義は忘れていません。恩義に帳消しはありません。どうか、昔のように清作と呼び捨てにして下さい。」と答えた。
 
******** 上卦は山。
***  *** 止める、動かない。
***  ***
******** 下卦は天。
******** 陽のエネルギーに溢れている。
********
 
「山天大畜」の卦。大きなエネルギーを養っている象。偉大なる王者が優秀な人材を養い育てているとも言える。大きな長所を有する者は時に大きな短所を持っている。問題を引き起こし、危険な場合もある。それを能く蓄えてこそ、本物の指導者と言えるのである。
 
野口英世のアフリカでの客死を、小林栄先生は68歳で郷里の会津で聞いた。血脇守之助先生は58歳のとき、東京歯科医学専門学校の校長室で聞いた。
 
二人の胸の内はいかばかりであったろうか。  

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