さわやか易

いらっしゃいませ。名画を鑑賞するとき、その背景である歴史を考えてみたい。(猶興)

ある夫婦の物語

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これは易の下経34卦を1卦づつドラマにしたものです。
易の順番には大きな意味と教訓がありますので、連続ドラマに仕立てようと試みました。
しかし作ってみると、力不足で容易ではありませんでした。
無理やり繋げた面もあり、易の解説も稚拙なものです。
それでも一組の夫婦が大きな試練の世の中を懸命に生き抜き、「悔いのない人生」にしようと頑張る姿を感じていただけましたら、幸いです。(猶興)
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その4ー自信ー

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亨のザンビア駐在は半年間に及んだ。

ザンビア産業省からの要請でもあり、本社からの期待を一身に背負い毎日精力的に活動した。
ザンビアの産業省、建設会社、銀行、現地日本企業と交渉を重ねた。輸入契約を大幅に拡大させ、20億円を超す投資契約を本社の快諾を得て取りまとめることに成功した。

初めての現場での責任者という立場はいろいろなことを教えられた。最も亨を成長させたことは、リーダーとしての心得「任せる。信じる。」ということの難しさ、大切さを知ったことである。

亨は商社マンとして大きな自信を手にすることが出来た。

一方、半年間二人の幼児を抱えた利子は戦争のような毎日を過ごしていた。長男・龍は熱性痙攣を起し救急車を呼んだこともあり、新型インフルエンザにも見舞われた。

子育てに奮闘中の利子をK大学の親友・A子が結婚式以来始めて遊びに来てくれた。A子は外務省のキャリアとして仕事一筋の毎日を送っている。「A子、頑張っているじゃない。もう係長なんだ。」「利子も頑張っているね。すごいよ。」気の置けない関係の友達は貴重な存在である。

息子の龍はとにかく動き回る。外に出るのが大好きで小さな生き物に興味を示した。トンボ、バッタ、オタマジャクシ、トカゲを捕まえては家に持ってきた。

利子は半年間の孤軍奮闘を体験して、母親としての覚悟と大きな自信を手に入れることが出来た。(よし、私はこの子たちのために精一杯生きて行くんだ。子供の為なら、どんな苦労にも勝ってみせる。)

亨が出張に出て約半年後、ようやく帰国することになった。
成田空港の到着ロビーで亨と子供たちを連れた利子は半年振りに笑顔の再会を果たした。

***  *** 上卦は雷の卦。
***  *** 性質は活動を現す。
********
******** 下卦は天の卦。
******** 大きな陽のエネルギーを表す。
********

「雷天大壮」の卦。陽の気が壮んなる象である。力を頼んで突き進む時でもあるが、甘い気持ちでいると大失敗を招く危険も孕んでいるので要注意。

こんなことは自分では到底出来ないと思うようなことをやらされることがある。
そんな大変なことを成し遂げた時、自信という宝を手にすることが出来るものだ。

その3ーザンビアー

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結婚した亨と利子。希望と計画を持ってのスタートだったが、中々思い通りには行かない。
総合商社に勤める亨はとにかく忙しい。帰りはいつも深夜、土日の出社もある。ロンドンに10年間生活した利子にとってはいきなりの社宅住まいは戸惑うことばかり。

育った環境も家庭の習慣も全く違った。それぞれの実家とどうお付き合いしたら良いかも解らない。利子には社宅の妻たちとのお付き合いも全く勝手が掴めない。あたふたと暮らす夫婦はろくにゆっくり会話する暇もない。

結婚2年目に長男・龍(りょう)そして4年目には長女・貞(てい)が生まれた。亨にとっても利子にとっても家庭という実感が湧いてきた。

子供が出来た時、親を何と呼んでもらうかについて、亨は「日本人なら当然、お父さん、お母さんだろう」と主張する。利子は「パパ、ママ」が良いという。お互いに譲れないとがんばったが、結局男の子には「お父さん、お母さん」女の子には「パパ、ママ」と呼ばせることで折り合う。

そこに、亨のアフリカ・ザンビアへの長期出張が決まった。しかも出発は一週間後だという。こんな土壇場で利子の覚悟は決まった。(よし、こうなれば独りで乗り切ってやる。)

ザンビアは銅の主要産出国であり、日本の10円硬貨もこの国の銅を使っている。亨の目的は現地生産の工場建て直し計画をつくることである。

ザンビア滞在中、亨は生涯忘れられない体験をする。ザンビアとジンバブエとの国境に世界三大瀑布と言われるヴィクトリア滝を観光したことである。

大自然の驚異を目の前にして人間の小ささはまるで一粒の水滴に過ぎないことを実感した。そして、今までのストレス、苦労、悩みが全て消え去って行った。

******** 上卦は天。大きな世界を表す。
********
********
******** 下卦は山。動かないものを表す。
***  *** 人に配当すると少男である。 
***  ***

「天山遯」の卦。遯(とん)は遯(のがれ)るである。天の下に山がある象である。人間から見れば大きな存在である山も天から見れば小さな存在だろう。まして人間は極めて極めて小さな存在である。

現代の生活は自然の生活から遠く離れてしまった。当たり前のことが当たり前に見えない状態に置かれているのではないだろうか。
たまには毎日の生活から離れ、自然の一員であることを思い出して見よう。

その2ー結婚ー

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亨は大手の総合商社に就職した。世界を舞台に自分の可能性を試して見たかった。

高校までは米沢。東京の大学では専らラグビーに明け暮れていたので、世界を知らない。外国と言えばK大学との親善試合に行ったロンドンしか知らない。

入社2年目にはブラジルに駐在する。ロンドンにいる利子とは殆んど会う機会は無くなった。時々のメールがただ一つの繋がりであった。

しかし、その2年後にニューヨークに転勤になる。仕事は忙しかったが、亨は時間を作ってはロンドンの利子に会いに行った。給料の大半はその飛行機代とデイト代で消えることになる。ニューヨーク時代が亨にとっても利子にとっても、最も思い出が沢山残った時期であった。ニューヨークには3年間の駐在となる。

亨が東京の本社に戻り、1年が過ぎた。久しぶりに利子が帰国した時。
「結婚して下さい。」亨は利子にプロポーズした。

利子は迷っていた。K大学を卒業後ロンドンに残り、通訳の仕事をしていた利子は毎日の刺激的な仕事に充実感を持っていた。ロンドンの生活がすっかり板についてしまった利子には結婚して日本で暮らす自分の姿が想像出来ないのだ。

結婚を決意するとき、最も影響を受けたのは尊敬するK大学のB教授夫妻である。教授は日本の武士道を日本人以上に研究し敬愛していた。そして武士を支えたのは妻たちの婦道であると言っていた。

また、自宅にまで招かれ夫人ともよく話をした。夫人は若い頃はヴァイオリニストとしてオーケストラの一員だったが、結婚を決めた動機は「家庭という音楽をつくってみよう。」だったそうである。

出会いから8年後、二人の親族や友人知人200人を超す出席者に見守られ盛大な結婚式を挙げた。

***  *** 上卦は雷の卦。
***  *** 人に配当すると長男である。
******** 性質は活動を意味する。
******** 下卦は風の卦。
******** 人に配当すると長女である。
***  *** 性質は従順を意味する。

「雷風恒」の卦。夫唱婦随の象である。感動はとかく長続きせず、解消、破滅に成り易い。一貫性、不変性、恒常性がなければ繁栄はない。そこで「沢山咸」の次に「雷風恒」があるのである。

夫唱婦随という言葉が最近聞かれなくなっている。

しかし、夫婦の安定した姿は本来、夫唱婦随であることに疑いはないのだ。

その1ー出会いー

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ここはロンドンの国立ラグビー場。日本のH大学と地元のK大学との親善試合が行われていた。

試合は10対9の接戦の末、日本のH大学が勝利した。ベンチに引き上げ勝利に沸いているイレブンに観客席から下りて来た2人の美女が「おめでとうございます。」と祝福の声を掛けて来た。2人はK大学の日本からの留学生だった。

「是非来て下さい。」と夕方から始まる親睦パーティに誘われ、2人は出かけることにした。

このパーティで二人は知り合うことになる。H大学ラグビー部主将の亨(とおる)と2人の留学生の一人である利子である。このドラマの主人公二人だ。

亨は利子に一目ぼれした。利子も亨に対しては多くは話さないが好く人の話に耳を傾けてくれる人として好感を持った。翌日、利子の案内で二人はウェストミンスター宮殿、タワーブリッジ、ロンドン塔等を観光した。亨の帰国後も二人はメール交換などで親密度を深めていった。

亨は山形県米沢市出身、下に弟がいる長男、子供のころから仲間のリーダー的存在。静かで威張らないが負けることは嫌いな少年であった。小学校の低学年の頃、クラスの相撲大会でクラス一大きい子供に負けたのが悔しかった。父親を相手に足をとり、一気に押し出すという手を何度も繰り返し練習し、次の相撲大会では勝ったことがある。

クラスでいじめがあると、亨はいじめた子に「こんどやったら、僕が相手になる。」といったので亨のクラスではいじめは無くなった。高校時代からの好きな言葉は「静かなる闘志」だった。

利子は京都の出身、上に姉がいる次女、子供の頃から外国映画が好きだった。よく親に内緒で映画館に行き、見つかっては叱られていた。中学に入ると、イギリスの王室に憧れ、イギリスに留学しイギリスに住むのが夢となった。そのためであれば、誰に言われなくても進んで勉強した。

イギリスに来た日から、この国が好きになった。出来ることなら一生イギリスに住みたいと思ったほどである。利子のモットーは「いつも前向き」である。

***  *** 上卦(上の3つ)は沢の卦。
******** 人に配当すると少女である。
********
******** 下卦(下の3つ)は山の卦。
***  *** 人に配当すると少男である。
***  ***
(易の仕組みについては書庫「八卦の説明」をご覧下さい)

「沢山咸」の卦。咸は感と同意である。感激、感動の感である。若い男女の相思、相愛を示し、男が下に在って女に思いを寄せる象である。
天地陰陽感応して万物化成する。恋愛するものは私心を忘れる。私心私情に駆られず、止まる所を知る恋愛ならば結ばれて吉。

若い男女の出会いはそのまま人生のドラマそのものである。

人生ドラマはここからスタートするのである。

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