さわやか易

いらっしゃいませ。名画を鑑賞するとき、その背景である歴史を考えてみたい。(猶興)

明治からの日本

[ リスト | 詳細 ]

私はこれまで歴史と言えば、幕末にしか興味がありませんでした。
しかし最近になって、明治、大正、昭和の近現代史に興味が沸いてきました。
自分の不勉強もさることながら、戦後の教育にはこの肝腎な明治時代以後の
歴史教育が欠如したままではないでしょうか。
現在の政治も経済も国際問題も、この近代の歴史を知らずして語れるものは何も無いでしょう。
今更迂遠な話ではありますが、明治以後の人物と向き合いながら、
現在の日本のあるべき姿を考えて見たいと考えた次第です。
もし良かったら一緒に考えて頂けましたら幸いです。(猶興)
記事検索
検索

大正時代の子供たち

イメージ 1
赤い鳥・創刊号
 
大正時代は第一次世界大戦、米騒動、スペイン風邪の大流行、共産主義の流入と次々と問題は多かったのだが、そんな中でも子供たちは伸び伸びと育って元気が良かったように思われる。
 
童話作家の鈴木三重吉や詩人の北原白秋は子供本位の童謡や童話を子供たちに広めようと、1918年(大正7年)「赤い鳥」を創刊した。翌年には斎藤佐次郎が「金の船」を創刊した。他にも「童謡」「婦人倶楽部」「婦人画報」でも童謡が人気を集め、一大童謡ブームの時代であった。
 
それまでは文部省唱歌である「鳩ぽっぽ」「蝶々」「紀元節」「二宮金次郎」のような官製童謡だったが、近代的な歌として「赤とんぼ」「赤い靴」「七つの子」「てるてる坊主」「椰子の実」「カナリヤ」「からたちの花」など今日にも親しまれる名童謡が次々作られた。
 
詩を作ったのは北原白秋、若山牧水、西條八十、野口雨情たち。作曲は中山晋平、山田耕作、本居長世たち。童話作家として島崎藤村、芥川龍之介、徳田秋声たち。絵は清水良雄、有島生馬たちが描いた。それぞれその時代の一流作家たちである。
 
新国劇の「月形半平太」が大ヒットし、主演の尾上松之助のチャンバラ映画により、男の子たちにはチャンバラが大流行した。女の子にはキューピー人形が流行した。
 
1915年(大正4年)から始まった全国中等学校野球大会は野球の人気を全国規模に広め、やがて夏の甲子園大会へと発展していく。
 
また東京府の中学校では夏休みを利用して農村生活を体験する課外活動が始まった。林間学校や修学旅行などもこの頃からである。
 
***  *** 上卦は沢
******** 喜び、伸び栄える、親睦を表す。
********
***  *** 下卦も沢
********
********
 
「兌為沢」の卦。和合悦楽の象。心楽しく、心豊かに暮らすことの大切さを説く。友人あい集い、切磋琢磨することは成長、向上の道である。
 
大正時代の子供たちが大人になった時、太平洋戦争という激動の時代を迎える。
 
子供時代に豊かな心を養っていたことが、きっと大きな支えになったことであろう。
 
 
 
 
 
イメージ 1
アインシュタイン1879〜1955
 
1922年(大正11年)アインシュタインは来日し、43日間日本各地を訪れている。当時の日本を紹介したのはラフカディオ・ハーン(小泉八雲)であり、それは日本への愛情にあふれたものだった。
 
第一次世界大戦が終わった頃のヨーロッパ人は、酷く荒廃し西洋文明の行き詰まりを感じていた。そんな時、東洋の日本は正に神秘のベールに包まれた理想の国に映っていた。アインシュタインも日本から招待を受けた時、子供の様に喜びまた周囲からも羨望の的になったと語った。
 
日本への航海中にアインシュタインのノーベル賞受賞が決まった。お陰で日本では大歓迎を受ける。慶應大学では休憩を挟んで6時間の講演を行ったが、2千人の聴衆は真剣に耳を傾け席を立つ者は誰もいなかった。東京大学でも、仙台、大阪、神戸、博多でも講演したが、会場は盛況で千人を超える聴衆は熱心に聞き入った。
 
講演の合間には各地を観光した。京都御所を訪問した時に、「御所は私がかつて見たなかで最も美しい建物だった。」と語り「即位の間」に約40人の肖像画が置かれているを見て、歴代の天皇ばかりでなく、中国の故人をも大切にしていることに深く感動した。日本人については「嫌味もなく、疑い深くもなく、外国の学者に対して尊敬の念を抱き、純粋な心をもつ国民は日本人以外にはどこにもない。」と語り、次のような言葉を残している。
 
「日本では自然と人間が一体化しているように見えます。小さな緑の島々、丘陵の景色、樹木、入念に耕された田畑、言葉、動作、衣服、住まいの家具にいたるまで、そこには意味と役割がある。礼儀正しい人々の絵のように美しい笑顔、お辞儀、座っている姿はただただ驚くばかりです。」
 
「どんな状況下でも落ち着いて行動し、例え性格の合わない人たちと一つ屋根に住んだとしても個人の表情を抑えることが出来る。この国特有の優しさ、同情心はヨーロッパ人よりもずっと優っていると思います。我々には到底真似の出来るものでは有りません。和をもって貴しとする世界で、自然と和して生きているのです。」
 
「明治日本が目指した富国強兵は西洋社会の闘争的世界に日本が参加することを意味していた。世界を植民地化しつつある西洋諸国から国家の自由と独立を維持するためにはそれ以外の選択肢はなかった。しかし、闘争的世界観は和をもって貴しとする日本古来の世界観とは相容れないものであった。」
 
「日本は西洋の科学技術を学んだ。しかし、近代科学の根底には自然を征服の対象として、分析し、利用しようとする姿勢があった。それは自然と一体化しようとする日本人の生き方とは異なるものであった。」
 
「日本人は西洋の知識業績に感嘆し、成功と大きな理想主義を掲げて、科学に飛び込んでいます。けれども、西洋と出会う以前に日本人が本来持っている、生活の芸術家、謙虚さ、質素さ、純粋で静かな心を忘れないで欲しいものです。」
 
******** 上卦は天 
******** 広く大きな世界を表す。
********
******** 下卦は火
***  *** 文化、文明を表す。
********
 
「天火同人」の卦。同じ志を持つものの結集。同人雑誌の語源でもある。広い世界の下に一つの文化があり、そこに大勢の人が集まって来る。しかし、どんな優れた文化も容易には理解されない。始めは孤独に泣くこともあるが、最後には喜びが訪れる。
 
アインシュタインの観察眼は流石に的を得たものである。「和をもって貴し」とする精神に博士は尊敬の念をもって感動した。
 
今回の大震災にも取り乱すことなく、じっと耐えている被災者たちに日本人の持つ特性が顕われている。この美徳こそ日本人が永遠に失ってはならない、世界に誇るべき最大の財産ではないか。
 
 

大正浪漫の華。

イメージ 1
竹久夢二。1884〜1934
 
大正浪漫を代表する人物というと私は夢二を思い描く。美人画で有名であるが、詩人としても「宵待草」などは全国的にも大ヒットした愛唱歌である。書籍の装丁、広告、浴衣のデザインなどグラフィック・デザインの草分けでもある。
 
中央画壇からは受け入れられなかったが、夢二はもっと未来的思考を持って商業美術の分野を目指していた。そのため先進欧米諸国を視察し、この分野への夢を実現しようとしたが志半ばに亡くなっている。 
 
夢二を支えたのは常に女性であった。詩では飯が食えないので絵を描くことになる。23歳の時、絵葉書を売る店を営む二つ年上の岸たまきと知り合う。たまきは二児の子持ちで夫に先立たれたばかりの未亡人であったが、現代的な美人であり自立した考えの持ち主で夫に従うタイプではない。2ヵ月後には結婚し、2年後に離婚する。又翌年には同棲して2児を儲けている。その間の愛憎は後にたまきへの傷害事件にも発展して終わりを告げることになる。 
 
30歳の時、画学生であり、夢二のファンでもあった彦乃と恋に落ち京都にて同棲。たまきには無い優しさに耽溺する程にモデルとして絵を描きまくった。しかし売れない絵描きに紙問屋を商う彦乃の実家は猛反対し彦乃は無理やり父に連れ戻されてしまう。以後、夢二とは面会も許さない。立ち直れない夢二はさらに彦乃が結核により死亡したことを知る。彦乃25歳の若さであった。 
 
彦乃の面影を背負ったままに翌年、東京美術学校のモデルであるお葉と同棲。最も秀逸な作品と言われる黒猫を抱いた「黒船屋」はお葉がモデルであるが、実際はお葉をモデルに彦乃を描いた作品であり、夢二式美人と賞賛された。お葉との同棲は6年後に破局を迎えるが、その間にお葉の自殺未遂もあった。夢二は後に「自分は女を愛すことが出来なかった。唯、女に溺れただけだった。」と語っている。
 
 
***  *** 上卦は水。
******** 問題、悩みを表す。
***  ***
******** 下卦は火。
***  *** 文明、文化を表す。
********
 
「水火既済」の卦。完成美を表す。易の理論からすると最も理想的な卦ではあるが、一面からいうとエネルギーの喪失とも見る。完成してしまえば、それ以上はないことになり、創造のエネルギーは乏しくなる。
 
夢二の絵には時代を反映してか、脆く儚い美しさがある。明治の力強さはそこにはない。やがて訪れる暗黒の時代を予感させるように。
 
時代の寵児は常に時代を映す鏡のようなものなのか。
 
 
イメージ 1
ワルシャワ王宮前広場
 
ロシア革命が起きたのは1917年であるが、その後近隣の諸国は悲惨な目に合わされている。とくに強国の狭間に位置するポーランドは常に併合と独立を繰り返す歴史であったが、この時代はロシアからの独立を巡ってソ連と戦争が起っていた。その上、シベリアへ流刑されたままのポーランド人が家族を含め十数万人が飢餓と疫病の中にいた。
 
1920年(大正9年)「ポーランド救済委員会」の会長・ビエルキヴィッチ女史はせめて親を亡くした子供たちだけでも本国へ送り届けたいと、欧米各国に救いを求めた。しかしソ連とのトラブルを恐れて、ことごとく拒否される。窮余の一策にまだ国交のない日本政府に窮状を訴えた。
 
外務省は日本赤十字社とシベリア出兵中の陸軍に連絡、異例のスピードで孤児たちを救出することになった。合計765人の孤児たちはウラジオストックから敦賀に運ばれ手厚い保護を受けることが出来た。
 
民間からも協力者が次々現れ、医師や歯科医師の手当て、熱湯消毒された衣類の提供、飴や菓子もどっさり、散髪を提供する者もいた。到着時には痩せこけていた孤児たちもすっかり元気を取り戻した。
 
横浜から出発するときは、洋服を新調され、毛糸のチョッキ、玩具、お菓子、バナナの贈り物を貰った。孤児たちは「アリガトウ」を繰り返し、「君が代」を斉唱して精一杯の感謝の気持ちを表した。
 
祖国に帰った孤児たちはその後の戦争も懸命に生き抜いた。
 
それから75年経った1995年のことである。日本で阪神淡路大震災があった。翌年夏に震災孤児の30人がポーランド政府に招かれ、3週間、各地で歓待を受けた。
 
帰国のお別れパーティの席に、歩行もままならない4人のかつてのシベリア孤児が近づいて言葉をかけた。「貴方たちはかつての私たちです。どうか負けないでね。」震災孤児の一人一人に泣きながら花束を手渡していた。
 
***  *** 上卦は水。
******** 問題、艱難に陥ること。
***  ***
***  *** 下卦も水。
********
***  ***
 
「坎為水」の卦。「習坎」ともいう。一難去ってまた一難。つぎつぎと艱難に陥ることである。状況を変えることは出来ない。勇気を養って困難に立ち向かい、人間を大きくすることだ。
 
ポーランドはナチス・ドイツの侵攻により、首都は壊滅した。その後再びソ連の支配下となり苦難の時代が続いた。
 
しかし、ポーランド人の国民性は「一度受けた恩は忘れない国民」である。 
 
イメージ 1
チャップリン。1889〜1977
 
大正時代に日本でも大流行した娯楽は無声映画である。当時ハリウッドで大活躍していたのが「世界の喜劇王」と言われたチャールズ・チャップリン。イギリスの旅芸人の子として生まれ、幼い頃から人生の辛酸を舐めたチャップリンの喜劇には、常に涙と社会風刺が含まれている。
 
「人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇である。」と語ったチャップリンは大の日本贔屓だった。きっかけは当時ハリウッドで人気を二分していたライバルが日本人の二名目悪役俳優・早川雪洲であり親友でもあった。
 
又、運転手として雇った日本人の高野虎市さんが運転から経理までこなし、マネジャーとなり大変有能だった。日本人がすっかり気に入り10人いた使用人を全て日本人にしたという。
 
昭和に入ってからだがチャップリンは度々日本を訪問した。歌舞伎、相撲、茶道などの日本文化にすっかり魅せられた。料理では天ぷらが大好物だった。
 
世界が暗黒の時代に突入し、ヒトラーのポーランド侵攻のニュースを聞いてチャップリンは怒りに震える。「ヒトラーの愚考を糾弾するには言葉が必要だ。」と初のトーキー作品「独裁者」を製作。彼の願いは映画史上に残る名シーンとなる。「私は皇帝などにはなりたくありません。誰を支配することも征服することもしたくありません。私たちは、他人の不幸によってではなく、他人の幸福によって生きたいのです。」
 
チャップリンの訴えも空しく、世界は第二次世界大戦へ突入。広島、長崎に原爆が投下され、愛する日本は殲滅した。チャップリンは戦後の1作目に「殺人狂時代」を作り、ラストシーンで「1人を殺せば悪党で、100万人を殺せば英雄になるのか。数が殺人を神聖なものにするのか。」と訴え、アメリカ政府を痛烈に批判した。その結果、チャップリンはアメリカを追われてしまう。
 
******** 上卦は火。
***  *** 文化。文明を表す。
********
******** 下卦は山。
***  *** 社会、国家を表す。
***  ***
 
「火山旅」の卦。易の旅とは旅行ではなく、放浪を表す。国を追われ、孤独な旅に出る。失恋による旅にも言える。そんな時はあせることなく、受身で対処することだ。いつか道は開けるものだ。
 
アメリカ政府はチャップリンを追放したが、アメリカ国民はチャップリンを忘れなかった。長引くベトナム戦争でチャップリンの反戦運動が見直され、20年ぶりに迎えられることになる。「殺人狂時代」にはアカデミー特別賞が贈られ、偉大な功績が讃えられた。

.
kan*u*uuk*u
kan*u*uuk*u
男性 / AB型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

幕末の歴史。

ファン登録

標準グループ

ブログ作成

1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
11/30まで5周年記念キャンペーン中!
Amazonギフト券1000円分当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事