さわやか易

いらっしゃいませ。名画を鑑賞するとき、その背景である歴史を考えてみたい。(猶興)

昭和からの日本

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戦後の教育では日本の近現代については曖昧なままにしてしまいました。その結果、経済だけが優先するだけで本当の日本の姿が明確になっておりません。日本は侵略国なのか、何故大戦争に突入してしまったのか?そんな疑問はしっかり勉強すれば解ることです。不勉強の身ながら、簡潔にしかし基本をはずさないようにお伝えしたいと思います。お付き合い頂ければ幸いです。(猶興)
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憂国

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三島由紀夫。1925〜1970
 
大阪万博の余韻が残る昭和45年11月、東京都新宿区にある陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地に於いてノーベル賞候補とも言われた三島由紀夫が割腹自決を遂げた。
 
三島は戦後日本を代表する小説家の一人で「仮面の告白」「愛の渇き」「潮騒」「金閣寺」などの作品がある。人気と名声を不動のものとし、殆どの作品は外国語にも翻訳され高い評価を得ていた。東大法学部を出て大蔵省にも務めたエリート。家系も名門で正田美智子さま(現皇后)とお見合いをした経歴もある。
 
文学活動以外にも大映映画「からっ風野郎」に出演したり、ボディビルで鍛えた肉体を写真集「薔薇刑」として出版するなど常に話題を集めていた。
小説としての遺作は「豊饒の海」4部作。5年がかりの大作で仏教の輪廻思想、神道の一霊四魂説、能などの日本の精神世界を描いている。第1巻は和魂、大2巻は荒魂、第3巻は奇魂、第4巻は幸魂を描いたと三島は述べた。
 
三島は当時の日本が民族の伝統と誇りを忘れ、経済成長にのみ浮かれ軽薄化していく現状に警鐘を鳴らし続ける。とくに学生運動、学園紛争に明け暮れする若者たちには減滅を感じ、国の行く末を憂いた。一方で武士道精神に日本人の美を感じ、2・26事件の青年将校たちには共感を寄せた。自らの企画で2・26事件をモデルに映画「憂国」を製作、出演。同志を集め「楯の会」を結成した。
 
 
この自決事件の前年、昭和44年2月11日・建国記念日に若干23歳で国会議事堂前にて陸上自衛隊隊員の江藤小三郎が焼身自決している。小三郎は明治維新で活躍した江藤新平の曾孫、遺書「覚醒書」をしたため日本の覚醒を促すための自決だった。三島は触発され、民族の覚醒と自らの美学を完結させるため割腹自決を計画する。
 
三島は集まった自衛官たちに決起を促す演説を行うが、自衛官たちの反応は冷ややかだった。失望した三島は総監室に戻り、計画通り「天皇陛下万歳!」と叫び割腹自決。ニュースは世間を驚かせたが、世間の反応も冷ややかであり、佐藤首相のコメントは「狂気の沙汰」だった。
 
******** 上卦は天。
******** 大きな社会。エネルギー。
********
***  *** 下卦は水。
******** 問題、悩み、憂い。
***  ***
 
「天水訟」の卦。訴訟の訟。対立、相受け入れないこと。下にある水は憂国の思いを持つ者だが、上の社会は完全に上の方角を向いている。易では「大川を渉るに利ろしからず」とあり、行動には危険としている。
 
日本の国民総生産は昭和43年よりアメリカに次いで第2位となっていた。経済発展が全てに優先し、日本人は精神文化も防衛問題もすっかり忘れきっていた。やがてそのつけが深刻な弊害となって来ることも知らずに。
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太陽の塔
 
昭和を飾る最大のお祭りは昭和45年に開かれた大阪万博である。首相は佐藤栄作、万博協会・会長は東芝会長の石坂泰三、事務総長は後に東京都知事になる鈴木俊一、建築家・丹下健三、という最高の布陣で「人類の進歩と調和」を基本理念のもとに準備が進められた
 
3月から9月までの開催期間に実に6400万人以上が入場した。日本人の4人に1人が訪れたことになる。会場内は92のパビリオン、遊園地のエキスポランド、動く歩道、自動運転のモノレール、電気自動車、時代の先を行く技術でいっぱい。人気パビリオンでは展示より数時間待ちの人の行列。
とにかく日本中が万博に沸いた。経済効果も3兆3000億円と桁外れ、高度成長期の最後を飾る大イベントであった。
 
シンボル・タワー「太陽の塔」の製作者・岡本太郎(1911〜1996)の破天荒な作品が話題になったが、彼の人生がまた破天荒なのだ。太郎の父は超売れっ子漫画家の岡本一平、母は歌人で作家の岡本かの子。この家庭が破天荒なのだ。一平は持ってる金は全部放蕩で使ってしまう。かの子は家事や子育てが全く出来ない。家には一平公認のかの子の愛人が同居している。
 
そんな家庭に育った太郎は学校にはなじめず、入学退学を繰り返す。ようやく慶応義塾幼稚舎で太郎を理解する教師に巡り合う。成績はクラス52人中の52番。51番というのが歌手になる藤山一郎だった。18歳の時、一平の仕事もあり、一家プラスかの子の愛人2人はパリへ。太郎はそのままパリで10年間、哲学、社会学、精神病理学、民俗学を学ぶ。たまたま立ち寄った画廊でピカソの作品に強い衝撃を受ける。
 
1940年(昭和15年)ドイツ軍のパリ進攻をきっかけに帰国。昭和17年から終戦まで兵隊として中国戦線、厳しい兵役生活。昭和26年、国立博物館で縄文土器を見て衝撃を受け、縄文文化を研究する。昭和29年「今日の芸術・時代を創造するものは誰か」を執筆、出版。ベストセラーに。
 
万博のシンボル・タワーの製作依頼に「とにかく、べらぼうなものを作ってやる。」と言って構想を練った。当時の知識人たちは「牛乳ビンのお化け」「日本の恥辱」「国の金を使って好き勝手なものを創った」などと批判した。太郎は「グラスの底に顔があっても良いじゃないか」と芸術の解らない知識人など相手もしない。「職業は人間 」「芸術は爆発だ!」などの名言も有名。
 
***  *** 上卦は沢。
******** 喜び、親睦。
********
******** 下卦は天。
******** 大きなエネルギー。
********
 
「沢天夬」の卦。夬(かい)は決断、決心の決と同じ意味。下からのエネルギーが正に溢れ出す象である。勝負の世界では攻めて決めることだが、大切なのはしっかりした守りがあることだ。「芸術は爆発だ!」に相応しい。
 
岡本太郎と言えば、その風貌からも破天荒の感じがする。しかし、太郎の「芸術は爆発だ!」は彼の内面に蓄積された哲学があってこその爆発である。縄文文化を愛し、クラシック音楽を愛した太郎ならではの爆発である。
 
 

グループ・サウンズ

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ビートルズ
 
昭和42年6月、ビートルズが来日し日本武道館にて公演を行った。日本のポピュラー音楽史上、そして社会的にも画期的な出来事だった。ロック音楽はそれまで不良文化として否定的な見方をされていたが、大衆の文化として広く認められるようになった。
 
ビートルズはイギリスの港町・リバプール出身の、ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターの4人組。デビュー2年目にはアメリカでもデビュー、日本を始め世界中にその人気は広がり、若者たちに新しい文化を浸透させた。
 
ビートルズをきっかけに日本でも次々とロック・バンドが結成される。彼らはグループ・サウンズと呼ばれブームを起こす。かまやつひろし、堺正章らのスパイダース、ジャッキー吉川の率いるブルー・コメッツ、沢田研二、岸部シローらのタイガーズなど全盛期には100を超えるグループがレコードを出している。ただ、ピークを過ぎた46年には殆どのグループは消滅した。
 
若者たちにはもう一つの潮流があった。フォークソングである。ギター一本という素朴な形で青春を歌うスタイルはアメリカで始まり、昭和41年頃から日本でも定着する。反戦運動や学園紛争が盛り上がるとそのメッセージがそのまま歌になった。高石友也の「受験生ブルース」、ジローズの「戦争を知らない子供たち」、新谷のり子の「フランシーヌの場合」、吉田拓郎の「結婚しようよ」、かぐや姫の「神田川」などが次々ヒットした。
 
美空ひばり、石原裕次郎、村田英雄、三波春夫たちが歌った演歌、歌謡曲とは別の世界が生まれる。新しい音楽、新しい文化を築いたのは戦後生まれの団塊の世代。彼らが技術日本の昭和・全盛期を支えていくことになる。
 
******** 上卦は天。
******** 大きな世界、社会。
********
******** 下卦は火。
***  *** 文化、文明。
********
 
「天火同人」の卦。大きな社会の下に新しい文化が生まれる象。同人は志を共にするものが集まることである。高い志を持った同志が集まり、世の中を新しく変えていくことが期待される。
 
いつの時代も新しい文化を創り出すのは若者である。閉塞感が漂う現代に求められるのは新鮮な発想を抱く若者たちだ。日本という又とない可能性に満ちた土壌に新しい文化を創って貰いたいものだ。

造反有理の学生運動

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東大安田講堂
 
学生運動は60年安保闘争以来沈静化していたが、時代の急激な変化は若者たちに苛立ちとなって具現化する。66年頃から中国の文化大革命が始まっていた。毛沢東の唱えた「造反有理」という言葉は若者の共感を得る。若者の造反にはそれなりの理があるということである。これが中国はおろか全世界にまで広がるとは不安定な時代の象徴と言わざるを得ない。
 
アメリカでは長期化したベトナム戦争に反対し、徴兵制度反対に発展。フランスではパリ5月革命となって、ドゴール体制を崩壊させた。日本でも学生が実力闘争を始めた。理由は何でも良い、闘争することに意味があると錯覚しただけなのだ。
 
昭和42年10月、佐藤首相の東南アジア歴訪に反対。11月、首相の訪米に反対。43年1月、原子力空母エンタープライズの佐世保寄港反対。2月、成田空港建設反対。その都度、ヘルメットの学生たちは火炎ビン、角材、投石で機動隊と衝突、ケガ人を出した。最大の衝突は43年10月、国際反戦デーに起きた新宿駅騒乱事件である。
 
学園内での紛争もエスカレート、学費値上げ反対、研修医制度の改革などで、東大と日大を中心に全共闘結成、全国の100以上の大学に広がる。学園紛争の山場は、44年1月の東大安田講堂攻防戦である。機動隊と学生の攻防戦はテレビで中継され、日本中がその激しい攻防戦を観戦した。高度成長によるマスプロ教育、学歴権威主義、精神教育の形骸化などを露呈した事件でもあった。
 
殆どの学生には政治的ポリシーはなく、やがて社会の一員となっていく。一部の過激派たちは連合赤軍などとなり、「よど号」ハイジャック事件、あさま山荘事件、連続企業爆破事件を引き起こす。また日教組などで左翼寄りの活動を継続し、子供たちに深刻な影響を与える者もいる。
 
******** 上卦は火。
***  *** 文化、文明。中女。
********
***  *** 下卦は沢。
******** 喜ぶ、親睦。少女。
********
 
「火沢睽」の卦。睽(けい)はそむく、反目すること。不和、意見の食い違い、矛盾相克である。火は上に、沢の水は下に向かうので、互いに和合しない。殆どの反目は誤解から生じている。わだかまりを水に流し、疑心を去ることである。
 
「造反有理」は中国の文化大革命のスローガンである。紅衛兵によって、メチャクチャな文化大破壊が行われ、その犠牲者は1000万人とも言われる。歴史を知らない国民は又どんな所で落とし穴に落ちないとも限らない。

東京オリンピック

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東洋の魔女・金メダルの瞬間
 
昭和34年に1964年(昭和39年)の東京オリンピック開催が決定した。メインスタジアムは神宮外苑競技場、選手村は代々木と決められた。既に始まっていた東海道新幹線建設や首都高速道路、地下鉄建設も開催日までの完成を目指すことになる。外国人観光客を当て込んだホテルの建設ラッシュなど日本中がオリンピック準備に沸き立った。
 
10月10日、雲一つなく晴れ渡った空の下、オリンピックは開催された。大会は、参加国94か国。参加選手役員7495人。五輪大会としては史上最高規模となった。日本選手の活躍は目覚ましく、メダル獲得数は合計29個(金メダル16個)、アメリカ、ソ連に次ぐ第3位の大健闘だった。
 
中でも女子バレーボールは大会前から話題を集めていた。大松監督率いる日紡貝塚バレーボール部は公式試合に4年前から連戦連勝し、国際大会を含めて200戦以上負けたことが無かった。1962年の世界選手権でも決勝で宿敵ソ連と全勝同士で対決したが負けなかった。チームは「東洋の魔女」と恐れられていた。
 
オリンピックでもソ連との全勝同士の対決となった。日本が順調に2セットを連取し、3セット目も14対9とマッチポイントを握った。しかし、ここからソ連の粘りが続いた。日本中が手に汗を握ってテレビを観戦する。試合を中継した鈴木文弥アナが「金メダルポイント」を6回も繰り返した末に、ついに金メダルを獲得した。日本中が歓喜した瞬間でもある。
 
マラソンではエチオピアのアベベがローマ大会に続いて2連覇を成し遂げ、日本の円谷幸吉は銅メダルを獲得した。チェコスロバキアのチャフラフスカが女子体操で華麗な演技を披露し話題になる。因みに東洋の魔女・日紡貝塚チームの連勝は1966年8月まで続き、1959年11月から公式戦連勝は何と258試合の伝説的記録を作った。
 
******** 上卦は火。
***  *** 文化、文明。
********
******** 下卦は天。
******** 大きなエネルギー。
********
 
「火天大有」の卦。盛大、盛運、真昼の太陽の如し。長い間の苦労が実り、大輪の花が満開になる。君子は天の恵みに感謝を捧げるのである。
 
開会宣言は昭和天皇が務めた。焼野原の終戦から19年、よくぞここまで復興を遂げたものか。天皇も日本人を誇りに思ったことだろう。名実ともに日本の発展を世界に示し、日本人の底力を証明する出来事だった。

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