ゲンさん雑記帳

門を出れば 我も行く人 秋のくれ

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アポロンとダフネ

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アポロンに自分の弓矢を馬鹿にされたことを根に持ったエロス(キューピッド)は金の矢をアポロンに、鉛の矢を河の神ペーネイオスの娘ダフネに打ちこんだ。

金の矢を打ちこまれた者は相手を死ぬほど恋こがれ、鉛の矢を打ちこまれた者は絶対に相手を好きになることがないのだ。

アポロンは何度も求愛しようとするが、ダフネは彼の姿を見かけるといつも逃げてしまう。

ある日我慢できなくなったアポロンはダフネを追いかけ、やっと彼女の体に手をかけた。

逃れられぬと知ったダフネは父ペーペネイオスに向かって叫んだ。

「私はいつまでも清らかな体でいたいの。いっそ私の姿を変えてしまってください!」

ペーネイオスは即座に娘の願いを聞き入れ、ダフネの体はみるみるうちに月桂樹へと変わっていった。

月桂樹に変わってしまったダフネを見てアポロンは深く嘆き悲しみ、愛の形見として月桂冠を作り生涯身につけた。



やっとのことで追いつきダフネの腰に手をかけるアポロン。

しかしながら彼女の変身に歓喜から驚愕へと変化する一瞬の表情。

ダフネのまだ汚れを知らぬ如何にも乙女らしい体つき、硬質感のある乳房。

絶望感から父に向かって救いを求める仕草・表情。

間髪をいれずその手の先から、髪の毛の先から瞬く間に生えてくる月桂樹の葉。

カモシカのような足元にからみつく大地。

実に臨場感・躍動感にあふれていて、見るものを恍惚とさせる。


世界で最も美しい彫像の一つである。


それにしても、

すげなくされればされるほど燃え上がるのも恋の法則というものか




*ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ作、ローマ・国立ボルゲーゼ美術館所蔵

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