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翫雀雑感
いよいよ翫雀が四代目中村鴈治郎を襲名することになりました。
翫雀という名は、「大阪の顔」と謳われた初代鴈治郎の実父の芸名で、二代目の鴈治郎も一時期、名乗っていました。
その翫雀が7月の大阪松竹座で、『伊賀越道中双六』「沼津」の平作を演じるというのには驚きました。しかも、実の息子である十兵衛の役は、翫雀の父である坂田藤十郎が演じるというのですから。人生の年輪が滲み出すような平作の役づくりを、翫雀がどんなふうにしてくれるのか、楽しみでもあります。
この「沼津」に続いて、『身替座禅』の奥方玉の井という女形を演じるのですから、もう何にでも挑戦してみせるという心意気なのでしょうか。
正式に歌舞伎役者としての道を歩み始めるのが遅れたため、ここまでの道のりはいろいろと苦労があったと思いますが(とりわけ、東京育ちながら先祖以来の大阪の芸風を継承しなければならなかっただけに)、鴈治郎襲名を機に、さらに存在感の大きな役者になって欲しいものです。
「沼津」といえば、平作と十兵衛が客席を歩いて場内を沸かせますが、私もずいぶんとこの芝居を観てきました。昭和36年2月大阪新歌舞伎座での初代市川猿翁(現猿翁の祖父)と市川寿海(市川雷蔵の養父)、昭和41年5月道頓堀中座での実川延若と二代目鴈治郎、昭和46年2月大阪新歌舞伎座での中村勘三郎(十七代目)と片岡仁左衛門(十三代目)、昭和54年11月道頓堀中座での仁左衛門と二代目鴈治郎・・・それぞれ、感慨深い舞台ばかりでしたが、二代目鴈治郎の十兵衛の飄々とした足取りが思いだされます。
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