|
現場代理人への責任なすりつけは絶対に許されない!
すべての責任は三井住友資本,日立資本,旭化成資本にある!
2015年10月24日 文責.;大和分会
私たちは、連日「横浜マンションの杭データ偽装」として報道されている問題が、1人の現場代理人に責任をなすりつけて幕をおろそうとしていることについて、激しい怒りを抑えることができません。
私たちは、長年、土木工事の杭設計や杭施工管理に携わってきた労働者として、今回の問題について徹底的に原因を解明し、真の責任がどこにあるのかを明確にする責任があると確認し、この文書を作成しました。
但し、関係者が重要な情報を小出しにしている現段階では、その都度、加筆して更新します。(加筆箇所は緑字にて表示)
[現場代理人への責任なすりつけは、新たな偽装の始まりにすぎない]
10月23日朝のワイドショーで一斉に報道された旭化成建材取締役の「説明」では、「横浜マンションの杭打ちを担当した現場代理人はルーズで事務能力に欠ける人間だった」から「悪いのはこの現場代理人」なので「この現場代理人の担当した10年分の業務を調べたところ、3040件のうちの41件だけだった」と全責任を現場労働者になすりつけてシャーシャーとしていた。この「説明」を解説した自称「業界専門家」たちも、「会社としてのチェック体制はどうなっていたのか」と述べるのか関の山で、この問題の根本原因から目をそらせることに汲々としていた。業界全体で原因を隠蔽しようとする腐敗に満ちている、と言わざるを得ない。
その翌日の10月24日には、三井不動産レジデンシャルがそれまでの「全棟立替」提案には一言も触れずに「最高評価額での買い取り」を提案してきた。もともとの「全棟立替」案は住民の分断を狙ったものであるが、それに「買い取り」案を追加することで混乱と対立を持ちこんで、あわよくば住民に時間稼ぎの片棒をかつがせようという魂胆に他ならない。
(ちなみに、全容解明前に「全棟建替え」を表明したのは、三井資本が「500本の杭全部が危険」と最初から自覚していた証拠である。旭化成建材取締役の「データを流用しても健全な杭はある」発言も、このことを裏付けている。
(これらのことについては、[設計部門と工事部門の現場労働者の団結こそが物作りの安全確保の基盤]で後述します。)
これまでの記者会見の経過を見ても、販売元の三井不動産レジデンシャル,工事元請の三井住友建設,そして2次下請の旭化成建材の親会社である旭化成の社長らは、旭化成建材に、その旭化成建材社長は現場代理人(杭打ちチームが3〜4次下請であった可能性大)に責任をなすりつける、という形で、上から下に責任をなすりつけるだけの業界の腐敗体質を隠そうともしなかった。
更に、マスコミと「業界専門家」は、なぜか1次下請の日立ハイテクノロジーズには一言も言及しようとしない。建設部門を持たない日立ハイテクノロジーズが、なぜ1次下請になれたのか?なぜそのような日立ハイテクノロジーズが「建材調達・工程確認・安全管理」業務を担当することができたのか?現場に入ることのない日立ハイテクノロジーズが、資材のコストカットと工期短縮で、現場を締め付けて甘い汁を吸うことができるのか?これらの疑問を解明することは、今回のような建築偽装の根を絶つために不可欠である。(問題発覚から、ずっと姿を隠していた日立テクノロジーは10/25決算報告後の記者会見(東京証券取引所)でアリバイ的に「一言陳謝」しただけ。しかも、マスコミはBS1局だけが杭偽装特集の中でわずか2秒報道したのみ!)
にもかかわらず、記者会見に出てきた各会社の責任者はもとより、マスコミも「業界専門家」も石井国交相もこれに一言も触れようとせず、ただただ「現場代理人の責任」を追及しているだけである。
それは何故か?
これらの疑問をクローズアップすることは、今回の根本原因が2002年の小泉規制緩和という新自由主義攻撃に発していた事実を明らかにしてしまうからである。業界どころか安倍政権を直撃する事態に発展するから、政府を先頭にして、「現場代理人の責任」追及に問題をすりかえようとしているのである。
.
私たちは、今こそ一切の原因が新自由主義を推進してきた資本家階級にあることをハッキリさせなければなりません。
現場代理人に責任をなすりつけることは、2005年に発覚した姉歯耐震偽装問題を見るまでもなく、新自由主義による新たな偽装の始まりになるからです。
[杭データ偽装は、新自由主義による外注化攻撃の必然的帰結である]
4年前の福島原発爆発後の原発労働者からの告発によって既に明らかになっていたことだが、今回の件で、現場で働いているのは第3次〜5次の下請労働者であり、その労働者個人に全ての矛盾と責任を集中させる仕組みが、全産業に広がっていることが、改めて明確になった。
土木分野での私たちの経験から言えば、物を実際に作る仕事は、手を抜けば必ず完成までのどこかで不具合が発覚するという仕組みがあったが、30年前の国鉄の分割民営化攻撃以降、「会社の看板だけを変えれば責任を免れる」として新自由主義が蔓延した結果、下請に丸投げする外注化が全産業で横行してきた。
「バレなければ何をやってもよい」〜「バレたら現場の労働者の責任にすればよい」が資本家階級の合言葉となって、現場労働者を締め付けてきたのだ!
しかし、本来、物作りとは、立案〜設計〜製作・施工〜点検〜維持管理の全プロセスが一体のものとして進行することによって、はじめて安全が担保されるものであるのに、そのプロセスを幾重にも寸断すれば、不具合や瑕疵を事前に見つけることも、それらによる事故を防止することも到底不可能となる。
今回発覚した問題は、新自由主義による外注化攻撃の必然的帰結に他なりません。動労千葉や動労水戸を先頭とする動労総連合のように、外注化(=総非正規職化)攻撃と徹底的に闘うことが、安全を確保する原点だということを、私たちは今回の事故で改めて確認しました。
[設計部門と工事部門の現場労働者の団結こそが物作りの安全確保の基盤]
前述したとおり、今回発覚した事態は単なる「杭データ偽装」に止どまるものではない。ましてや、1人の現場代理人に責任をなすりつけて済むことではない!
それどころか、この問題を曖昧にしたら、世界恐慌に行き着いた新自由主義の外注化攻撃によって、職場や労働組合の団結が破壊され、労働者がバラバラにされていく限り、事故はなくなるどころか、今後もっと大規模化していく。
今回のように、現場の労働者に一切の発言権を与えず、「計画どおりの施工」を強制し、挙句の果てに、事故の全責任を現場の労働者になすりつけるというのであれば、物作りに責任を取ろうとする労働者は現場には居られなくなるからである。
そのうえで、では、今回のような事態を未然に防ぐにはどうすべきだったのか?
言うまでもない事だが、すべての建築物の基礎は地球の地盤上にある。しかし、意外に知られていないのは、基礎に耐えうる地盤の構成や形状は、それぞれの場所によってすべて異なるという事実である。特に、不断の地殻変動によって形成された日本列島の基礎地盤の形状は、極めて複雑である。したがって、そのような地盤上に構造物を構築する場合、事前の土質調査によってどこまで地盤の構成と基礎地盤形状を正確に把握できるかが、設計の土台中の土台となる。土質調査が不十分であれば、どんな建物も砂上の楼閣と化す恐れが高まるからである。
今回のマンションでは、700戸という大規模建築物であるにも関わらず、基礎杭設計に必要な土質調査箇所数が決定的に不足していたことが、問題の出発点である。
そのうえで、仮にそれなりの土質調査が行なわれていたとしても、500本全部の杭位置で土質調査しないかぎり、多くの杭の設計に使用する数値は調査結果に基づく想定にすぎず、「工事現場で実際に掘ってみたら想定外だった」というリスクが常に含まれている。そこで、このリスクを解消するためにどうしても必要となるのが、工事現場の数値を設計にフィードバックして基礎工事計画を見直すという体制である。
そもそも、地表上からは見えない土中に基礎を施工する基礎工事には、「当初計画どおりの施工」など、はじめからありえないからだ!
今回マンションのように、複雑な支持層形状であるにもかかわらず、不十分な土質調査から推定された数値を使って設計するのであれば、フィードバックに要する時間を見込んだ工程としておかなければならない。さらに、今回のように基礎杭形式として、工場で事前に製作される既成杭を選定した場合は、1本掘削する毎に設計にフィードバックして、杭長と杭強度を設計し直して、工場で作り直すというサイクルを工程の中に予め見込んでおかなければならない。逆に、その余裕のない工程であれば、そのような支持層の現場では既成杭は選定しないのが、設計の常識である。
つまり、今回マンションの基礎杭に引き寄せて言えば、①不十分な土質調査②複雑な支持層形状の地盤に既成杭を選定した設計ミス、という上流側の技術的な原因をホウカムリしたまま、最下流側の施工現場に責任をなすりつけるなど言語道断の態度と言うべきである。
今回のような軟弱地盤上の大規模マンションであれば、最初の設計から東海地震を想定した3次元動的解析が必要だが、三井住友建設資本は現場の支持層形状が複雑であることを知りながら、設計コストカットを優先してして当初から底版ブロック当り1本のボーリングデータだけで2次元静的解析でお茶を濁したうえ、杭種として工期短縮を優先してPC杭を選定するという2重3重の設計ミスを犯している
いずれにしても、工事現場とりわけ基礎工事の現場は、いつでも新たに判明した地盤条件をフィードバックできる設計部門と一体で作業を進めなければならない。ところが、現実には、どの現場でも設計部門にフィードバックできる体制を持っていない。それどころか、それぞれが複数掛け持ちで、追いまくられ、それぞれの仕事で手一杯の状態だ。
しかし、このような状態は自然にできたものではない。新自由主義を推進してきた資本家階級が、労働者の団結を破壊するために意識的に作り出したものだ。
このような状態の中で、工程も資材もガンジガラメにされたうえ、どこにもフィードバックできない現場代理人が、ただただ設計図どおりに工期内に仕事をするしかなかったとしても、誰がそのことを責められるのか?
少なくとも、本来一体で進めるべき仕事を外注化で寸断したうえで、現場労働者を工期と資材の両面でガンジガラメに縛った三井資本,三井住友資本,日立資本,旭化成資本をはじめとする資本家たちに、その資格がないことだけはハッキリしている!
責められるべきは、この状態を作り出してきた資本家階級と中曽根以来の新自由主義政権です。
資本家どもが、このこと(土質調査不足〜設計ミス〜下請イジメ等)を自覚していることは、「傾きは西棟のみ」と言いながら、いち早く「全棟建替え」と言い出し、「データを流用しても健全な杭はある」「今すぐ倒壊する危険はない」などと開き直り発言したことからも明らかです。
資本家どもには、この事態を生み出したのは自分たちであるという「自覚」があるのだ。だからこそ、自らの罪をごまかすために、「1人の現場代理人の責任」を追求しているのです。絶対に許せません!
[外注化・総非正規職化と闘うことが、労働者の生きる道]
今回発覚した事態は、建築現場だけの問題ではありません。
新自由主義の下で、安全崩壊は、全産業で日々進行しています。安倍政権は、「アベノミクス」と称して、福島復興特需とか「巨大地震」対策とか「オリンピック景気」とかの予算(元々は税金だ!)を人為的に作り出して1%の資本家階級が私腹を肥やしていくことを追及して、安全崩壊に拍車をかけています。
最近頻発しているJRでの重大事故は、動労千葉が指摘しているとおり、JR資本による外注化によって生み出されたものです。
しかし、動労千葉は中曽根の国鉄分割・民営化(=資本家階級による公共資産の私物化)攻撃に対して、「反合理化・運転保安」を掲げたストライキで真正面から立ち向かい、分割民営化攻撃の狙いが労組破壊と安全破壊であったことを明らかにしてきました。今日のJR資本による外注化攻撃に対して、正規・非正規の枠を超えた新たな組織拡大を実現して、団結を発展させています。
動労千葉の闘いに続いて、東京西部ユニオンの鈴木コンクリート工業分会が、非正規でストライキに立ち上がり、地労委〜地裁での連戦連勝を勝ち取って、非正規の闘いを広げています。
新自由主義・安倍政権が今後ますます外注化〜総非正規職化を推進しようとしている時、現場から闘いを起こしていくことが、労働者として生きていく道だと思います。
今回発覚した事態は、現場労働者をガンジガラメに縛っている鉄鎖を断ち切って自らを解放する以外に生きる道がないということを突き出しているからです。
非正規職撤廃を実現する労働組合として、私たちとともに、現場から闘いを起こしましょう!
|
関西合同労組北大阪支部
[ リスト | 詳細 ]
|
9.10判決弾劾!裁判長・的場を打倒したぞ!
|
|
9.10判決に臨む岡田分会長の決意
|
|
裁判長・的場の9.10控訴棄却策動を粉砕するぞ!
|
|
傍聴団・怒りの爆発で裁判長・的場の本 性を暴いたぞ!
|


