年収が多い人の介護サービス自己負担は2割に上がるが…(東京都内のグループホーム)
食事や入浴に補助が必要な高齢者を支える
介護保険制度が2000年度の創設以来初めて変わる。医療介護総合推進法が18日に成立し、15年8月から介護サービスの自己負担が年収の多い人は1割から2割に上がる。団塊の世代の高齢化で介護費が膨らむのを抑える狙いだが、制度維持には、さらなる負担増や給付抑制が必要との指摘も多い。
安倍晋三首相は国会決議に先立つ17日の国会答弁で、「社会保障の財政基盤の安定性を考えると、自助の精神がなければ維持できない」と強調。介護保険の利用者負担を経済力に応じて見直し、給付を効率化する改革に理解を求めた。
制度改革の柱は4つ。第1が自己負担割合の引き上げだ。制度ができて以来ずっと一律1割だったが、15年8月からは年間の年金収入が単身で280万円以上の人を2割負担とする。夫と専業主婦の妻のモデル世帯では「年収359万円以上」に相当する。高齢者全体の約20%で、介護を受ける際の負担が増える。
自宅から車で送迎してもらい、施設で入浴や体操するデイサービスを週3回、受ける場合、利用者の支払額は月1万円から2万円に増える。在宅生活が難しい高齢者を受け入れ、食事、トイレ、入浴まであらゆる世話をする特別養護老人ホームの施設利用料も、月2万8000円から介護サービス上限の3万7200円に上がる。
第2に、特養ホームのほか、在宅復帰を目指し、リハビリのため一時的に滞在する介護老人保健施設に入所する人の食事代や部屋代の補助を縮小する。現在は世帯で
住民税非課税といった「低所得」の条件を満たせば、補助が出る仕組みだが、15年8月から、単身で1千万円超の預貯金を持つ人への補助はなくす。
第3と第4の柱はサービスの中身の見直しだ。
15年4月から障害や認知症の場合を除き、特養ホームに入ることのできる人を「要介護3〜5」と重度認定された人に限る。「同1、2」と軽度の場合、新たな入所はできなくなる。
より軽度の「要支援2」「同1」の高齢者が要介護にならないように運動指導するといった予防サービスの一部を国から市町村の事業に移す。国が決めたサービスの中身や価格では費用が高止まりするので、市町村がボランティアや
NPO、企業に委託する仕組みを導入し、効率化する。