不動産うんちく話

不動産に関する話題を幅広く集めます。

人口と不動産

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歴史人口学の視点とは

 仕事柄、空き家が増えていることを感じていますので、「日本の人口が減少傾向に入った」との報道が納得できます。
歴史人口学という分野があることを知り、鬼頭宏教授の「人口から読む日本の歴史」という本を読んでみました。
私の理解した要旨は次のようなものです。
 
●世界人口は長期的な波動を描いて増加してきた。
●人口の長期波動は気候などの環境変化と文明システムの転換によってもたらされる。
●日本人口にも長期波動が認められる。
●鬼頭宏教授によると、日本人口の長期波動は4回の文明システムの転換があり、都度成長期の人口増加と成熟期の人口減少が認められる。
●日本人口の文明システムの転換は、
①縄文システム:紀元前9世紀頃人口減少、狩猟漁労採取・自然社会、伝統経済
②水稲農耕システム:平安末期に人口減少、直接農産消費・農業社会、伝統+指令経済
③経済社会化システム:江戸末期に人口減少、間接農産消費、伝統+指令+市場経済
④工業化システム:平成20年頃から人口減少、工業化社会、市場経済
 現代の工業文明システムは成熟化しつつある。
●現代の日本の人口学的地殻変動は、①少子化、②長寿化、③晩婚・非婚化、④核家族化・高齢者単独世帯の増加、⑤人口の都市集中、である。
●鬼頭宏教授が考える日本の課題
①「簡素な豊かさ」の実現。エネルギーと資源を環境循環型なものに転換すること。
②少子化の受け入れと静止人口の実現。人口減少社会、超高齢化社会に適合するために、(a)社会の再編成、地域の再統合を進める、(b)性、年齢、障害、国籍、民族の差別をなくし、それぞれに社会貢献を期待、(c)長寿化に対応した夫婦・家族のありかたを構築する。
③新しいシステムを生み出す多様な挑戦が増えるよう、公私・官民で役割を分担する必要がある。
 
大きなテーマなために個人で出来ることは限られますが、現在起こっていることへの視点として納得できます。
 
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関西学院大学・林教授の論文です。
興味を持った部分の要旨は以下の通りです。
 
地方自治体の財政基盤が揺らいでいる。
原因は複合的だが、少子化による労働人口の減少も深刻な影響を与えている。
行政サービスは住民が多いほど一人当たり経費が安くなるという「規模の経済」が働くケースが多いため、人口が減少する自治体では一人当たり経費は割高になる。
また人口減少は市場を縮小させ、企業活動の停滞にも直結するので、地方税源は縮小し税収は減少する。
こうして、人口減少は収支両面から財政力を弱めてゆく。
豊かな自治体と貧しい自治体との財政力の格差は、行政水準や税率の格差をもたらし、それが人口移動を引き起こし、ますます格差が拡大するという負の連鎖につながる。
対策は、地方交付税による地域間再配分などの行政水準格差解消策と、地域の発展力を開拓して地域振興を行うことなどである。
地域主権の改革を早急に実現すべきである。
 
この論文では地域による経済成長率の相違予想もおこなっています。
不動産需要の長期的変動の予想としても参考になると思います。
 
“成人を祝ってくれた村を捨て” (瀬戸 波紋)
“人情の豊かな里の住みにくさ” (井上 せい子)
 
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長寿命化と労働市場

日経新聞に掲載された谷内教授(早稲田大学)の論文に興味ある意見がありました。
日本の経済成長戦略の方向性を論じているのですが、民間企業の創意工夫と競争を促進し労働生産性の向上と新産業分野の創出をうながすべき、という基本的な考え方の中で、「労働政策も重要である」としています。
 
『今後増え続ける一方の高齢者が、身体能力などに応じて働き続けることは、労働の量を増やして成長を促す効果を持つ。同時に持続的な社会保障制度の維持にも役立つ。労働者の大部分を占める会社員の多くは、定年で退職し年金生活に入る。しかし、農業・漁業や自営業で働く人たちは、もともと定年はなく生涯現役で働き続ける。米国では企業が定年制度を設けることを、不当な年齢差別として法律で禁止している。日本の定年制は年功序列賃金とも関連しているので、簡単に禁止はできないが、定年廃止を視野に「生涯現役の社会」を実現する制度を作ることは成長政策という観点からも重要である。』
 
働けない人が増えればGDPが減少するのは当然と思います。
また、高齢者にとっても、働き続けて社会に貢献することは「生きがい」の一つであり、長寿の秘訣にもなるはずです。
この提案はぜひ実現してほしいものです。
 
“七十で老人の人まだの人”    (脇 正夫)
“順調な老化と診られほっとする” (菊池 政勝)
 

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長寿命化と労働市場

日経新聞に掲載された谷内教授(早稲田大学)の論文に興味ある意見がありました。
日本の経済成長戦略の方向性を論じているのですが、民間企業の創意工夫と競争を促進し労働生産性の向上と新産業分野の創出をうながすべき、という基本的な考え方の中で、「労働政策も重要である」としています。
 
『今後増え続ける一方の高齢者が、身体能力などに応じて働き続けることは、労働の量を増やして成長を促す効果を持つ。同時に持続的な社会保障制度の維持にも役立つ。労働者の大部分を占める会社員の多くは、定年で退職し年金生活に入る。しかし、農業・漁業や自営業で働く人たちは、もともと定年はなく生涯現役で働き続ける。米国では企業が定年制度を設けることを、不当な年齢差別として法律で禁止している。日本の定年制は年功序列賃金とも関連しているので、簡単に禁止はできないが、定年廃止を視野に「生涯現役の社会」を実現する制度を作ることは成長政策という観点からも重要である。』
 
働けない人が増えればGDPが減少するのは当然と思います。
また、高齢者にとっても、働き続けて社会に貢献することは「生きがい」の一つであり、長寿の秘訣にもなるはずです。
この提案はぜひ実現してほしいものです。
 
“七十で老人の人まだの人”    (脇 正夫)
“順調な老化と診られほっとする” (菊池 政勝)
 
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三菱総合研究所では、平成224月に60歳から89歳の4640人を対象にアンケート調査を行ったそうで、その結果が日経新聞・経済教室欄に報告されていました。
 
これによると、日本の高齢者は相当に元気で自立しているようで、75歳から84歳で「要介護・要支援」に認定されている人は約2割にとどまるそうです。
70代後半から嗜好が大きく変化し、消費傾向も変わるそうで、これに適切に対応した商品・サービスを生み出せば、需要は大きいとしています。
国内・海外の旅行も74歳までは7割が実施しているものの、75歳以上になると5割以下に低下し、スポーツ観戦、観劇、美術鑑賞も同様の傾向があるという結果ですが、高齢者の余暇活動消費は年間7.2兆円、潜在需要が4兆円あると推計しています。
 
不動産に関する分野では、今の住宅に住み続けたいとする回答者が、60代前半で5割、65歳から74歳で6割、75歳以上で7割であり、高齢者になるほど定住維持志向が強く、バリアフリー向上のために約2割の人が自宅改修の意向を持つ(潜在需要5.8兆円)とのこと。
 
この他、①衣料品(潜在需要2.4兆円)や食品について高齢者に適した商品の開発余地がある。②医療費等(現状50兆円)と介護保険制度の補償範囲の明確化を行い、高齢者の生活不安を払拭することで消費を増やすことが期待される。などの提案があります。
 
10年後には日本国内に100兆円の高齢者市場が出現する。
また、日本国内でこの市場を開拓するノウハウを蓄積すれば、中国(65歳以上人口が1億人を超えた)インド(2025年に65歳以上人口が1億人を超える)などの巨大市場をリードできる可能性もある。
世界に先駆けて高齢化する日本はテスト市場として非常に高い価値を持つ、というのが三菱総合研究所・長沢氏の結論です。
 
高齢化に対し前向きに対処する姿勢が評価できるだけでなく、個人的な老後展望のためにも参考になる論文でした。
 
“おそろしい風が吹くだろ破綻する年金のため団塊世代に”(池田はるみ)
“四十年へだてて日本経済の底つくを見る眇なる一身”  (田村鋭)
 
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