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6月22日まで、上野で行われていた、バルテュス展に行ってきました。
楽しかったぁ〜!!
予想以上に楽しくて、自分の世界が広がりましたし、バルテュス、なんか参考にしたい感じ!!(バルテュス展記事をお書きになった、ちゃーりーさんにも、感謝です!!)
飛び上がって、喜びたい感じ!!です。
わたしは、バルテュスのことはほとんど知らなかったのですが。 違う要素が、これでもかと、ブチこまれた絵で、 しかも、一見シンプルで、飽きないですね〜!!
わたしは、詩人のライナー・マリア・リルケのファンなのですが、 リルケとバルテュスの母親が恋愛関係にあったので、
バルテュスは、リルケを父親がわりにしていたとか。うらやまし〜ぞ、バルテュス!!
<全体の印象> バルテュスの絵は、いくつかの正反対の要素の、バランスが凄いと思います。
幾何学的な構図に興味があるのは間違いないですが、 具象を描くことを捨てないため
具象に込めやすい、文学性を感じさせます。
一方、文学性がある割合以上にならないように、注意しているように見えます。
左脳的説明にならず、右脳的・感覚に訴えかけるようになっています。
大きく線と面で構成してはいるのですが、質感の表現のヴァリエーションを試みていて
神秘的と言われるのに、現実を描くことを好み ロマンチックだけど、露骨です。
悲しみがありつつ、いつも日向(ひなた)で明るく
常に均衡している感じが、素晴らしいです。
どんなテーマも、3割以上描かないようにしているように見えます。
題材が淫靡とも言われるようですが、描線は無邪気な子供の絵のようにサッパリと、清潔な描線を選んでいたり。
バランスのとりかたが・・すごい、すごい。
バルテュスの絵、一見、サッパリした絵であるようで、
実は、情報量が多いんですね、いろんな意味で。
このバランス感覚、マネしたいです。 「こんな世界なら、私も絵を描きたいぞ」と思うくらいです。
<初期のバルテュス>
貴族の血筋であるバルテュスは、母親の恋人、ライナー・マリア・リルケの肝入りで、ローティーンのころ、イラスト作品で、出版デビューとなったものの
青年時代は貧乏画家となり、スキャンダルで話題を集める道を
選んだそうです。
どんなスキャンダルだったのかな?? 個展で、見世物小屋風に、カーテンを引いた向こう側に、エロい絵を置いたと書いてありました。
さらに・・・見たところ、バルテュスの初期作品は、「女性の股間」の描き方に個性と主張を感じさせるので、そのあたりかなと思います。
西洋絵画で伝統的には、女性の股間は、あくまでも裸体の一部として存在感を感じさせず、サラッと流して描くものですが、
バルテュスの場合は、女性の股間が、一つの存在として主張しているのですね。
伝統的に、存在感がなかったものに存在感を感じさせるわけですから・・・
実は、フェミニスト(女権論者)の画家かもしれませんね。
バルテュスは、嵐が丘とルイス・キャロルが好みだったようで、
私と同じケルト偏愛ですが、
この二つの文学は、女性が主体なので、実はフェミニズムの作品群ですね。
バルテュスの若いころの恋愛も、婚約者ありの人を好きになって、ずいぶん翻弄されたようですし・・。
この展覧会の象徴になっている、パンツ丸出しの女の子の絵も、股間を感じさせます。
最晩年のものの、最後の作品準備まで含めて、女性が片方の脚を立てて、微妙に股を開いているポーズが多いのです。
おそらく、ファンの間では、「バルテュス・ポーズ」として有名なのでしょうが、
これも・・見る人の心に、さりげなく股間の存在感を感じさせるテクニックかなと思います。
この「さりげなく」というところが、味でもあり、個性でもあり、品の良さであり、能力なのでしょう。
一方、男性の股間の表現は、見事に、ないですね。エゴン・シーレとは違います。 ナルシストではなく、女性を愛するタイプかな。
それと・・男性である自分に、コンプレックスを感じていないのでしょう。
女性を愛することに苦悩は感じても、自分が男性であるほうに、苦痛は感じない。
自身が男性であることに苦痛を感じていたとおぼしき、シーレとは違うわけですね。
多分、バルテュスの世界では、女性の股間のほうが世界の中心??なのです。
フランス文化として、伝統的にいって、ありがちと言えるかしら。
バルテュスはジョルジュ・バタイユの娘と親しかったらしく、バタイユの娘が
モデルを務めた作品があり、「へーえ」と感心しました。
先日、岡本太郎の本を読んでいたら、岡本太郎とバタイユも親しかったと
出ていました。
バタイユは、社交的だったのかな。
そーいえば、バタイユの眼球奇譚は、女性の股間が世界の中心だという
フランス的な?世界観の典型だと思います。
悪漢もの(ピカレスク)の伝統に、従っていますが。
フランス映画の最高傑作?といわれる「天井桟敷の人々」だって、
良く考えてみると、ある美人の股間とハートをめぐる、男たちの悲喜こもごもを
大変上品に、ロマンチックに、描いているわけです。
ひとりの男性をめぐる恋を描く、「源氏物語」などとは
対極の世界観ですね。
もちろん、フランスの恋愛小説には、ラクロやスタンダールなど、
プレイボーイものもあるけどね。
<中期> お金が入るようになり、余裕がでたのか??
田舎にアトリエを移したバルテュスは、風景を、描きまくります。
お金が入ってから田舎に行ったのは
「田舎に引っ込む」と「隠遁生活をする」ことが、
バルテュスのもともとの志向だったのだろうと思います。
線と面で構成した風景画に、「質感」の表現をこれでもか、とブチこんだ
作品に目が行きます。
質感を徹底的に追求しているから、バルテュスの絵は、飽きないのでしょう。
色彩も・・やたらなコントラストはつけません。溶け込むような、自然な色彩の
対比にしている作品が多いです。
質感の表現について言いたいことは・・
ベルナール・フジタなどもそうですが・・。
質感の天才という領域まで行ったら、その人の絵は飽きられないかもしれないと、
思うのです。
「結局、構成と、質感の表現と、この二つだけできれば、なんとか画家になれる
だろうな」と、ナメたことを考えました・・・笑。
田舎に引っ込んだバルテュス。
隠れたことに注意を払う人だと思います。
バルテュスの絵を見た人は、「描かれていない、半分以上」のほうに気持ちが行ってしまうと思いますし、そこがバルテュスの魅力なのではないかと思いますが、 それは、画家が、ちゃんと、「描かないで済ます半分以上」を、常に意識しているのだと思います。
彼の気持ちは、常に、「描かれていない部分」「隠れているもの」のほうにあるように気がします。 だからこそ、バルテュスの絵に、人々は深みを感じるのではないでしょうか。 <後期> 52歳の時に、まだ20歳だった日本人の節子さんと出会い、
5年後に二人が結婚してから、約四半世紀は、最晩年であり、
後期といえるのでしょうね???
バルテュスは、もともと、こどものころから東洋に興味があり、
父親がわりのリルケとともに、岡倉天心を読んでいたというのですから、
彼の東洋興味は、根っからなのでしょうね。
若き日のバルテュスが洋服ダンスに東洋風の模様を描きこんで
東洋趣味のタンスにしていた
その洋服ダンスも、展示してありました。
画風としては、後期は、初期と中期の合体なのですが、
バルテュスの集大成なのでしょう。
バルテュスの作品は、
決してテーマがアイマイではないのだけど、
特定のテーマの【説明】の割合を多くせず
あくまでも光を見せる絵画、
線と面で構成を見せる絵画、
質感を見せる絵画
だけど、具象も物語性も捨てません。
こういった
バルテュスの・・生涯を通じた個性が、よく出ています。
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以上。わたしは、バルテュスについての評論を読んだことはないし、
バルテュスの本も読んだことはないですが、
雑感として、書いてみました♪
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まだやっていたら、行ってみたいですね。画集を買う手もありますね。男のその殆ど頭はは女性の股間が中心に動いています。本当です。私はそうでした。セックスのことしか考えていない時期ががありました。革命組織を抜けて普通の社会人になってからです。日本の男にとってクリスマスイヴは彼女とディナーをしてセックスをする日なのですから、頭の中は女性器のことしか考えていないのでしょう。
2014/6/26(木) 午前 8:09 [ aja 1951 ]
今日たまたま、撮りだめしてあったNHKの番組「書は呼吸する〜和の美を伝える」を観ていたら、バルテュスの奥さま節子さんと娘さんハルミ(春美)さんが出ていました。バルテュスは、生前「美しい線が大切。絵を描くならば、絶対に日本の書を勉強すべきだ」と言っていたそうです。ところで、番組に出てくる節子さんは、常に和服を着ていらっしゃいました。
2014/6/26(木) 午後 9:31
カヲルさんも絵描こうよ。
2014/6/26(木) 午後 10:04 [ 易坊 ]
私はバルテュスはずーっと昔から好きでしたけど、生い立ちとか伝記とかは全く読んだことがなくって展覧会の解説と図録を読んでいろいろなことを知りました。
彼を取り巻いていた環境は実にユニークで、画風がどう確立されていったのかに更なる興味がわきました。少女と股間へのこだわりは彼の絵をもっとも特徴づけていることの代表ですよね。そして光。題材が比較的スキャンダルなのに全く下品にならないのは光のおかげでしょう。
TBお返しします〜^^
2014/6/27(金) 午後 2:02
バルテュスの事はまったき知りませんが
このポーズいいですね!なんか引き寄せられます(汗)
2014/6/28(土) 午前 11:24
絵画関係も興味あります。
去年はラファエロ、行きましたよ〜
いろいろ教えて下さいませ。。
2014/7/2(水) 午後 11:57
ajaさん、若い男性のその話は・・ある意味怖いですよね^^
ガードする立場からすると、凶器でしょうか・・。いえいえ・だからこそ、人類は繁殖してこれたのでしょうね^^
まあ・・男性は、サッカーみたいに、ゴールをキメることばかり考え、女性は、ゴールキーパーみたいに頑張るという・・それで人類はバランスをとってきたのでしょう。
でも・・男子はそういう人が多くて、時々、ノイローゼになりそうでしたよ・・。若いころ、男性のお友達(←ジャスト・フレンドです)が多かったので・・。
今でも心のどこかに、恐怖が残っているようです・・・笑。
2014/7/9(水) 午前 6:18 [ カール(カヲル32) ]
genteelさん、ありがとう♪
genteelさんのコメントのおかげで、バルテュスの奥さん節子さんと、御嬢さんの春美さんが出演した、「書は呼吸する」を録画することができました♪
まだ見ていないのですが♪楽しみにそのうち・・見たいと思います♪
2014/7/9(水) 午前 7:29 [ カール(カヲル32) ]
genteelさんのところで、ジェーン・オースティンの記事も
読みました♪
わたしは・・実は、おととしの秋くらいから、ジェーン・オースティンがけっこうブームでして・・。
マネして、19世紀風のワンピースを着ていたくらい(笑)、ブームで・・。
でも、全然ブログには書いていなかったのですが・・。
書いてみようかなと思いましたよ。
2014/7/9(水) 午前 7:32 [ カール(カヲル32) ]
易坊さん、わたしの勝手な分析では・・。
バルテュスって『巨匠がしてはいけないこと』を10個くらい??
絵にブチこんでる気がしたの・・。
「そーか、巨匠がしてはいけないことを、一度に10個くらいブチ込むと別の巨匠になれるのか・・」と感動してしまい(笑)
「これなら私も絵、描けるかもーー」と、思いましたよ♪
2014/7/9(水) 午前 7:36 [ カール(カヲル32) ]
ちゃーりーさん、TBありがとうございます〜
バルテュスって、裕福な、貴族の家に生まれたわけでしょう?
「スキャンダラスなことをしても、生まれのリッチな人は、結局、また新しいリッチな地位を得てしまう」という法則がある気がしていまして・・・。
オノ・ヨーコなどもそうですが・・・。
その法則が気になるところです・・。
地位から出発した人は、地位に還れるのかなと・・。
もちろん・・ビンボーから出発して、地位を獲得する人もいるわけですが・・
世の中、家柄のいい人が成功する確率が高いと思うんですよね・・。
2014/7/9(水) 午前 7:44 [ カール(カヲル32) ]
myokazuさん、あは。
エロいっすね〜(^^;;
『巨匠がやってはいけないことを、10個くらい絵にブチ込むと、別の種類の巨匠になるという法則』
つまり、バルテュスの法則と私が名づけた法則が存在するのかどうか、確かめてみたいです・・。
2014/7/9(水) 午前 8:15 [ カール(カヲル32) ]
オデオンさん、ラファエロ、いいですねーー。
ラファエロには惹かれるところがあります・・・。
あのブルーがいいし・・。飾るなら、レオナルドよりラファエロかなーーと思ってしまいます・・る
2014/7/9(水) 午前 8:43 [ カール(カヲル32) ]