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復讐の物語を好む方というのは多いのではないでしょうか? イメージ的には、男性がよく読むような、ハードボイルド小説に多いような・・。 源氏物語にも、大胆な復讐物語が隠されています。 とても雅な形ではありますが。 光源氏には親友がいましたね。 頭の中将(とうのちゅうじょう)と言います。 いわば、親友で。 源氏が一番みじめだったとき、須磨にまで来てくれたのは、頭の中将でした。 ところが。 権力奪還の過程で、源氏は、頭の中将を、ある意味裏切ってしまいます。 権力争奪の競争相手になり、露骨に争って蹴落としてしまうのですね。 ・・・これが意外な因果となって、のちに源氏に報いることになります。 プレイボーイ界のスーパースター、絶世のプレイボーイである源氏が、 晩年に苦杯をなめた事件・・・。 正妻を寝取られて、子が生まれてしまう事件があるんですね。 生まれてきた子の名前が、薫・・・。 40歳の時、14〜15歳の内親王、女三宮を正妻にした源氏。 40歳で、14〜15歳の妻とは・・今だったら、ロリコンすけべオヤジだの犯罪的だの 言われそうな感じですね・・。 源氏は、親友だった頭の中将の息子、柏木(かしわぎ)を可愛がって、 自分の屋敷の宴にも招いていました。 柏木が、源氏の屋敷にいたある日・・。 女三宮の姿が、チラリと見えてしまったんですね。 それから柏木は、夢中に女三宮を恋するようになり、 女三宮はついに、柏木の子供をやどしてしまいます。 それを知った源氏の苦々しさ、柏木に対するイジメ・・は、 絶世のプレイボーイにしては、いかにもミジメな感じです。 ・・・嫉妬は、人をミジメにしますね。 柏木は、恋のためだけに生きたような人で、恋のあとは死んでしまう・・ 泡のように消えていくのですが。 源氏が、柏木の父親である頭の中将や、自分の父である桐壺帝、桐壺帝の妻の藤壺の宮にしたことが、 還ってきた事件だった・・という設定になっています。 頭の中将が、復讐しようと思っていたかどうかはともかく、息子を通じて、復讐が成し遂げられてしまったということでしょうか。
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源氏物語
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源氏物語は、天皇の次男に生まれた光源氏が、皇位を剥奪されたものの、 その後、意外な方法で天皇以上の地位になってしまうという、権力奪還ものがたりでもあります。 意外な方法とは・・・17歳??の時の、実父であるミカドの後妻との密通ですね。 それで後妻は、源氏の息子を産んでしまい、のちにその息子が皇位につくことになります。 そして、自分の実の父は光源氏と知ったミカドは、源氏を放っておけなくなり、 太上天皇(だじょうてんのう)という、ある意味、天皇以上の地位につくことになります。 天皇以上の地位にのぼりつめた光源氏は、六条院を建てます。 春の御殿は、源氏と、紫の上。 夏の御殿は、花散里の家。 秋の御殿は、梅壺の女御が里帰りしたときの屋敷。 冬の御殿は、明石の君の家。 ・・・でしたよね? その後、内親王である14〜15歳の女三宮(おんなさんのみや)は「降嫁」して、春の御殿に来ます。 源氏は、自分の女たちを集めて、合奏会を催します。 女三宮は琴、紫の上は和琴・・。 女三宮が春の御殿にきたのち、紫の上はずつと不幸になり、源氏自身の身の不幸も、 女三宮のところから発生してしまいますが・・。 とにかく、太上天皇になって六条院を建設するという、権力の栄華をきわめた描写が あるのも、源氏物語の人気の秘密でしょうね。 個人的には、「罪悪感撲滅運動」実施中なので、 「父の妻を盗んだことで、かえって栄華をきわめる」という設定は、素晴らしいと思います。 だって・・・単純な道徳小説は、つまらないでしょう? 現実を見ても、成功の度合いと、この世の一般常識的・道徳を守ることは、必ずしも一致も比例もしていないと、私は思いますので。 しかし・・「世の中一般的」とは違う種類の「徳」が働いているような気はしますけれども。 常識で言われている「徳」とは違う「徳」が存在するような気がしていて、 そのあたりも個人的テーマだったりするので・・・。 不道徳な人が必ず、こらしめられる類の、アメリカ映画は、好きになれないんですよ。 その点、源氏物語は、やっぱり、面白い、と思うのでした!!!
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右大臣の娘、朧月夜は、光源氏との恋に堂々と溺れましたが。 朧月夜を正妻にする予定だった源氏の兄、朱雀は、朧月夜をあきらめられず。 源氏との仲を知りながら、自分の屋敷に迎えて寵愛するんですよね。 朧月夜は、大胆奔放なお嬢さんという感じですね。 自由で大胆奔放な女性が、意外と愛されるということは、古今東西、多いようですね。 女の魅力は、従順さだけではない・・のは、1000年前も同じだったのですね。 自由な魂に愛されたいと望むのは、男女ともにあると思います。 朧月夜との恋で評判を傷つけた26歳の源氏は、 自ら冠位を返上し、須磨に流れていくことになります。
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右大臣の娘、朧月夜は、源氏の腹違いの実の兄、次期帝である朱雀(すざく)の正妻なることが 決まっていました。 輿入れする3つき前、源氏に犯され、夢のようにはかなかった逢瀬を想い、物思いに沈む朧月夜・・。 そして朧月夜は、源氏との恋に堂々と溺れていき、そのことが評判となって、 朧月夜は正妻候補の地位を剥奪され、 源氏は、冠位を返上して、自ら須磨に流れることになるわけですね。 光源氏にとっては、政治的な意味で最初の挫折、 あるいは、皇家から下ったときも入れれば、二度目の政治的挫折体験になります。 お父さんや弟の女を盗んじゃう光源氏って、なんかすごい・・。
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小倉百人一首にも載っている紫式部の句、もう一度のせておきましょう。 めぐりあひて 見しやそれとも わかぬまに 雲がくれにし 夜半の月かな |








