ブログ水族館/中村 元

次回『中村元の超水族館ナイト』は10/5(日)の開催。前売り発売は9/15です

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1品目:トラフグ!

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さて!いただきます食堂の1品目。
なんにしようかと色々悩んだけれど、やっぱり季節モノがいいだろうというのと、
何よりも第1弾だからして、景気よく奮発しちゃいましょう!
ということで豪華にトラフグ〜!(実際にいただくわけじゃないのだけどねw)

トラフグと言えば・・・、そりゃもうなんちゅうたかて大阪でんがな。
なぜか関西人はフグが好きで、大阪のまちには、そこかしこにフグ料理屋がいっぱいある。
ボクのトラフグ初体験も、大阪の従兄弟のお兄ちゃんに連れていってもらった高校生時代だった。
「フグはな、当たったら死ぬから鉄砲言うんや。ほやからテッサは鉄砲の刺身、テッチリはな鉄砲の鍋ゆうことや。」
なんて、いかにも大阪っぽいというか、大阪のおっちゃん風のフグ料理言葉を使う従兄弟を、大人やな〜と思いつつ、とても魚とは思えない鶏肉みたいな食感に感激してたらふくいただき、勧められるまま鰭酒なるものもいっぱいいただいた。

そして、すっかり酔い酔いのフグ腹になったボクは、従兄弟のお家にたどり着いたと同時に、全てゲロゲロ〜と吐き出してしまったのでした・・・。ぐすん。
それから社会人になるまで、トラフグなんて食えなかったというのに、四半世紀にたった1度のトラフグ様を、なんてもったいないことしてしまったのでしょう。

さて、Blog水族館的にトラフグと言えば、天下のフグ中心主義水族館しものせき水族館「海響館」だ。
なんで海響館がフグ中心になったかはみなさんご存知の通り、下関がトラフグの集積出荷の地だから。

しかもただの集積地ではない。天然フグの8割は下関に集まるのだそうだ。
10年ほど前、普段は東シナ海でたくさん獲れるトラフグの漁場が、黒潮の影響で、三重県、愛知県の沖にまで北上したことがある。
やった〜三重でもフグが安く食える!と思ったのは浅はかだった。その時には、西の方からのフグ漁船団がやってきて、下関に水揚げしていた。
地元の漁師が獲ったトラフグも、なんと陸送で下関に持っていくと聞いた。
その方が値が高く売れるし、なんせフグを扱うルートも、フグを捌く技能をもった人も、下関にしかないからだとのことだった。
今では、各地の水揚げ港町で、地元名を付けたブランドトラフグにして消費するようになってきたけど、それでも8割が下関なのである。
ダイヤモンドシンジケートみたいなもんなんでしょうね。

そうそう、フグと言えば毒の話をしなくちゃならない。
フグの毒はテトロドトキシン。食べる前に舌を噛んで死んでしまいそうな名前だけど、これがまた強力な毒で、煮ても焼いても晒しても抜けない。
種類によって毒のある部位が違うのと、せっかく毒のある内臓を取り去っても、作業の途中で内臓の毒が身に付いてしまったりするから、フグの調理には特別の調理師免許が必要だ。
でも、この免許に国際免許はないようで、かつて日本人がニューヨークだかにフグ料理店を開店したところ、当局より危険な食い物のレストランとして閉鎖させられた、という新聞記事を読んだことがある。(もう15年くらい前だけどね)

養殖のフグには毒がない。これは、フグが食べ物からテトロドトキシンの原料を摂取しているからで、毒性のない餌をあげていたら無毒のフグが育つというワケ。
海響館で詳しく聞いたところ、研究解明して発表したのは長崎大学。
それで、天然・養殖とも日本最大の水揚げ県である長崎県や、フグ業界などは、養殖フグをさらに安価に普及させるべく、養殖フグは無毒なのだからフグ調理師免許を持っていなくても調理できるようにしてくれと、政府に働きかけているらしい。

これも海響館の人に聞いた話だけど、かなりの達人でも、天然フグと養殖フグを味で見分けることはできないのだそうだ。
「だから下関の人は、みんな養殖フグを食べてますよ」とのことだった。
基本的に水族館飼育係系の人たちの味覚は信じない方がいいというのが、ボクの経験上の教訓なのだけど・・・・。
でも確かにフグの身にはそもそも味わうべき味がない。フグの旨さは、あのブリブリした食感だけなのだ。鍋で出るスープもあっさり上品だから美味いのだと思う。
だからきっと、天然も養殖も、我々がいただいて見分けられるものではないのに違いない。
もしTVで、叶シスターズが、目隠しして天然トラフグを当てたら、ヤラセを疑おう。

しかしそこで、はたと気付いた。
もし、養殖フグは無毒だからフグ調理師免許を持ってなくても調理してよろしい、となったとしましょう。
でも、見た目も味も、天然と養殖の見分けがつかないワケ。
それが、どっかで入れ違ったり、混じったり、そんなことは必ずあると思うのね。
結局、フグ調理師免許は必要なくなっても、天然か養殖か見分ける免許が必要になるのではないでしょうか?

●photo上:いただき頃のトラフグ。(海響館)
フグは漢字で河豚。ブタ顔ブタ体型だからというよりも、手で持つとブーブーと鳴くからだろう。
河なのは、中国の大河にはフグが入ってくるかららしい。
●photo下:海響館のトラフグ水槽。
こんなでっかい水槽にトラフグしか泳いでいない。さらに、小型のトラフグ水槽も併設。
おそらく今後、この水槽を凌駕するトラフグ水槽は出現しないだろう。

う〜ん、ちょっと長い読み物になっちゃいましたね。
1品目だから思わず気合いが入ったというのではなく、フグって書き始めたら面白いネタが多すぎるのです。まだ書き足りない気分。でもいきなり初回から2回に分けるのもなんだしね〜。
次回からは、もっとさらっといただきましょう。

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閉じる コメント(26)

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うわぁ〜!いただきますネタは食いつき早いですね〜w。実は今日も佐賀県嬉野温泉に来ていて、予想どおり、テッサが出ました!この季節、九州の楽しみはフグ。大阪の次にフグ料理店が多いのが博多ですね。

2007/1/11(木) 午前 1:24 kapaguy 返信する

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ハゲチリ・・・。ダメよバッタさん、カワハギのネタはしっかり取り置いてあるんだからw。うん、でもカワハギはホントに美味いんです。なぜかって、おっと、それはまたカワハギの季節に。で、カワハギの季節っていつなんだろう?

2007/1/11(木) 午前 1:27 kapaguy 返信する

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小学生にフグ?そんな贅沢なことしちゃダメです!梅華さん!ボクなんか子どもたちがちびっ子の時には、寿司屋に行ったら、子どもが食べてはいけないモノ、ウニとトロ!って言い渡してありました。社会人と大学生になっている今も、ウニとトロを頼むときにはボクに「頼んでいい?」と聞き、「うわ〜すげー美味い!」と感動していますw。

2007/1/11(木) 午前 1:34 kapaguy 返信する

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Haroさん、海響館に行ったら、フグ食いたくなりますよねw。それにしても、生きてる魚を見たら即、いただきたくなる日本人って、不思議にすごい民族です。

2007/1/11(木) 午前 1:36 kapaguy 返信する

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長崎県、養殖フグこそ飛び抜け日本一ですよね。フグ養殖の家の友だちがいるヒゲナマズさんは、めちゃくちゃラッキーです。水族館やってる友だちがいても、まあそんなに得っぽくはないものね〜w。

2007/1/11(木) 午前 1:40 kapaguy 返信する

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ふむふむ、素人が捌いても固すぎるというくらいなのがトラフグなのか。ってことは、海苔天草さん、自分で捌いたことがある!スゴイ。で、コモンフグも食えるんだ。鳥羽で安いテッチリは確かクサフグだったように思います。フグの干物になってるのも、きっとコモンやクサなんでしょうね。

2007/1/11(木) 午前 1:44 kapaguy 返信する

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えっ!ぱなぺてぃさん、下関出身なんですか。そりゃ子どもの頃からフグ食べ放題だったでしょうね〜。て言うことはないですねきっと。ボクの出身は三重県の嬉野町で今は松阪市、かの有名な松阪肉の牧場が嬉野にあったのだけど、肉をいただいた憶えがあるのは、飼ってるニワトリの肉ばかりだもんw。

2007/1/11(木) 午前 1:48 kapaguy 返信する

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トラフグって、つんと突付くと目を閉じたり(フグの瞬き)したりして、個人的には食べるより「付き合う」な関係なのです。金ないし、食べる環境じゃないんですが。ディオドンより懐こくはないけれど、フグ族は好きです。カワハギ類も。

2007/1/11(木) 午前 1:59 [ dan**ian*6 ] 返信する

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ディオドン?そ、それは何者ですか?思いの外、魚類に詳しくないカンチョです。すんません。でも、確かにフグの仲間は、なんとなくカワイイですね。ボクはハコフグ系がすごく好きです。

2007/1/12(金) 午前 1:13 kapaguy 返信する

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かんちょうさん、こんばんわ。 初、書き込みします。 来週末、職場の新年会のテーマがふぐです。 たま〜に海の中で、はこふぐちゃんに出会います。 かわいいです!! 削除

2007/1/12(金) 午後 9:55 [ たま ] 返信する

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はいこんばんは、たまさん。ようこそです。新年会のテーマがフグとは?不思議な職場ですね。しかもテーマって、食事のテーマではなく、隠し芸大会のテーマ?海の中のハコフグも知っていて、まさか海響館の方では?てなことはないですねw。だって、海響館では今年だけでなく毎年の新年会のテーマがフグだから(ウソです)w。

2007/1/13(土) 午前 1:11 kapaguy 返信する

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ふぐの身って、かなり長い時間ねかしておかないととてもじゃなく硬くて美味くないととある居酒屋のご主人に聞いた事があります。それってトラフグの事だったのかなって、読んでておもいました。 カワハギの季節…わあばったにもわからない。でもいつも冬に食べてた気がします〜。カワハギネタも楽しみです♪。 削除

2007/1/14(日) 午前 1:59 [ ばった ] 返信する

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ボクの知ってる限りでは、居酒屋さんでトラフグ捌いているという話は聞いたことないですねえ。専門店以外でトラフグを捌くのは、原価的にけっこう勇気いると思うのです。昨日テレビを見ていたら料理人さんが、トラフグに匹敵するのがマフグだって言ってました。でも値段は10分の1くらいなのだとか。これ、かなり使われてるんでしょうね。

2007/1/14(日) 午前 3:47 kapaguy 返信する

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ディオドン属は新江ノ島水族館で、「こんなのも食べられる」にいる、ハリセンボン系ですぅ。可愛いんですが、毒はないし食し易いでしょうね。可愛い上に馴れるので、食べるのは忍びないです・・・。

2007/1/14(日) 午後 11:29 [ dan**ian*6 ] 返信する

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カワハギはさばくのが大変ナンだス。フグはアバサー(ハリセンボン)が楽です。でも食べるとこ少ない。

2007/1/15(月) 午前 0:02 御前加那子 返信する

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ディオドン属、なるほどハリセンボン科のラテン名なのですね。勉強になりました(忘れちゃうだろうけどw)。可愛いですよね。膨らむと怒っているというよりあっぷっぷやってるみたいだし。でも、食べるの忍びないと言ってるそばから、梅華さんがアバサーにして食べる話してます。w

2007/1/15(月) 午前 0:12 kapaguy 返信する

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カワハギさばくのって、皮剥くだけじゃないでしたっけ。初めてでもけっこう簡単だったような。でも、皮が剥ぎやすいからカワハギって、ひどい名前ですね〜。ところでボクは実は、アバサーまだいただいてないんです。沖縄に行く度に狙ってるのだけど当たらない。居酒屋とかで出てくるような料理ではないのですかね〜。

2007/1/15(月) 午前 0:17 kapaguy 返信する

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カワハギの皮がうまくむけないのは技術力だったのか・・・アバサーは居酒屋で食べられますよ。イルカは本部マデ行って食べたほうがいいです。アバサーは公設市場の2階でも新鮮よ〜。

2007/1/17(水) 午後 2:10 御前加那子 返信する

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今、ちょっと沖縄の仕事が入ってきそうな気配です。アバサーいただきに行きます!

2007/1/18(木) 午前 1:05 kapaguy 返信する

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何何?ちゅらうみっちゃうんですか?いい子にするから連れて行ってくださ〜い。

2007/1/20(土) 午前 0:54 御前加那子 返信する

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