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さて、命をいただきます食堂、トラフグが来て、カキが来たら、次はアンコウかイセエビか? な〜んて、普通にグルメな食堂と思っていたら大間違い。 Blog水族館にある食堂なのだ、カンチョが今までにいただいたものは何でも出る。 ボクはけっしてゲテモノ食いではないのだけれど、出されたものはどんなものでも、ありがたくいただくという気持ちだけは忘れないようにしている。 コウモリスープだって、アオウミガメのゆで卵だって、ジュゴンの干し肉だって、バロットだって(まあこれは半ベソでだけど)いただいた。 ※バロット:孵化直前のアヒルの卵のゆで卵。 そこでそろそろBlog水族館の食堂ならではのメニュー、いただきますよ〜!ピラルクー! 一昨日に訪れてきた新屋島水族館にもいたピラルクー。アマゾンの王者とも呼ばれる超巨大魚である。 成長がすこぶる早くて、水族館の水槽程度でも2mくらいにはすぐに成長するのと、いかにも古代魚を思わせる姿に、鎧をかぶったかのように無骨な風貌で、水族館の淡水魚コーナーの王者でもある。 しかしその風貌には似合わず、数居るアマゾンの魚類の中でも、特別に美味しい魚とされていて乱獲され、今では養殖されたものしか市場には出回っていない。 さらに、あまりにも巨大で冷蔵庫に入れられないのと、そもそもアマゾン川流域には冷蔵庫も電気も少ないために、現地では巨大な三枚下ろしを塩漬けして保存食にするのが普通らしい。 ボクはそのピラルクーの天然モノ、しかも塩漬けでない身をいただいたことがある。 もう20年ほど前、アマゾン中流のマナウスから乗った船での食事だった。 その頃はまだ養殖の技術はなくて、ピラルクーの身は超高級肉だったのだけど、船室が10室ほどある木造クルーズ船をチャーターした日本人たちに、これはかなりのVIPなのだろうと思って仕入れてきてくれたらしい。 1日目のおかずに出たのが、ピラルクーのフライだった。 それまで食べていた、ナマズのたぐいとはあきらかに違う上品で淡泊な味は、日本の白身魚フライのようだった。 いや、日本ほど鮮魚流通の技術がなく、めいっぱい気温の高いアマゾンで、あれほどの美味しさということは、それはもうかなり上等の味なのに違いない。 実は、ピラルクーがとても美味しいというのはヨーロッパにも知れ渡っていて、年間2千トンものピラルクーがヨーロッパに輸出されていた時代があったそうだ。 アマゾンの先住民が捕獲して食べる分には、どれだけ捕ろうがいただこうが、大アマゾンの恵みはピラルクーを少なくすることはない。しかし、輸出をし始めたらお仕舞いだ。 同じ形でもっとひどい目にあった動物が、アマゾンマナティーだ。 マナティーもピラルクーと並んで、アマゾンの最高に美味しい肉だった。 さすがにボクもマナティーを食べたことはないけれど、アマゾンマナティーは、アメリカマナティーやアフリカマナティーとは違って、体はすべすべした感じで、いかにも美味しそうな姿をしていた。 さて、キリスト教には、肉を食べてはいけない時期とか曜日とかが流行した時代があったそうだ。けれど、それでもみんな肉は食べたい。 それで、アマゾン川に住み、魚の姿をしたマナティーは、魚として扱っていいということになったのだそうだ。 もちろん、マナティーは哺乳動物だから肉の味をしている。というか肉そのものだ。 さらに、イルカなどとはちがって草食動物だから、肉に臭みはないし硬くもない。 下手したら家畜のウシよりも上等の肉だったワケで、これもまた大量に肉にされてヨーロッパに輸出されたのだそうだ。 ピラルクーもマナティーも、そんな時代に船でヨーロッパに運んでいたらコストも余分にかかるし、いずれにしても塩漬け肉だろうから本当の美味しさなんて失われていただろうと思うのだ。 でも、きっと、アマゾンから運ぶ珍味という珍しさが、肉に「上等」という付加価値を付けたのだろう。そして価値とは「金」なのである。 乱獲というのは、食べる対象から、金儲けの対象になった時点で始まる。 「命=食べ物」ではなく「命=金」になってしまうのだ。食べ物は腐るけれど、金は腐らないからいくらでも貯められるわけ。 そしてそうなると、自動的に「いただきます」という命に対する純粋な気持ちも絶滅しちゃうのでしょうね。 ところで、まさかピラルクーのフライが出てくるとは夢にも思っていなかったボクは、前日に日本人市場で見つけてきた出前一丁を作るよう、船のコックに頼んであった。 そして、コックに勧められるまま、そのとっても美味しいピラルクーのフライを、出前一丁の中に入れてしまったのである。出前一丁ピラルクー味のできあがり! いや、それはとても美味しかったのですけれどね、今となってはなんだかちょっと悲しい思い出です。 photo上 浅虫水族館の巨大ピルクー。
photo下 なかがわ水遊園の真っ赤なピラルクー。 どちらも、尾の方の赤色がとてもきれいで、体の形もいい。 ピラルクーとは、ピラ=魚、ルクー=赤い染料の木の実、という意味なのだけど、赤色が出るのは、2m近くの大きさに成長してから。 身が引き締まって美味しくなるのも、1m以上に成長してからなのだそうだ。 しかし、だからといって、水族館で死んだピラルクーを食べたという話は聞いたことがない。 尚、最近ではサンパウロで日本人が養殖に成功しているのだそうだ。→コチラ |
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今CATVのヒストリーチャンネルで鳥羽水族館を放映中です。流民さんはなかなか登場しませんネ、もう寝てしまいそうです。
2007/1/21(日) 午前 3:33 [ ムラ@岡山 ]
「水の惑星紀行」ですね。鳥羽を辞めたの、もう5年近く前だからね〜。いくらヒストリーでもそろそろ出さないでしょうw。でも、あの番組を企画して、CATVにOK出させるまでは大変でした。まさか水族館の僕が連続番組を作れるなんて先方は思ってないからw。今は、水族館のかつての部下とCATVで育てたスタッフが、しっかり続けてくれているようです。ボクはボクで、千葉県で新しく番組つくっています。
2007/1/21(日) 午後 0:26
現在東京でしたね、カンチョさんの近況を全く理解しておりませんでした。とんちんかんなコメントを付けまして失礼しました。
2007/1/22(月) 午前 2:50 [ ムラ@岡山 ]
ピラルク泥くささはないですかね?オオウナギ食べたとき、何日間も臭さから脱却できませんでした。ラーメンに入っちゃもったいないですね。刺身でめしあがれ〜。ボラっぽいかも〜。
2007/1/22(月) 午後 11:57
いえいえ、ぜんぜん泥臭くはなかったです。そもそも泥の中にいたりする魚じゃないしね。ところで、川の魚は、基本的に刺身でいただくのは止めた方がいいです。特にアマゾンとかは人知を超えた寄生虫がいるから。寄生虫がヒフの下で蠢くなんてホラーなことも現実に起こるらしいよ〜w。
2007/1/23(火) 午前 1:49