ブログ水族館/中村 元

次回『中村元の超水族館ナイト』は2018年2月18日(日)の開催。前売り発売は1/18です

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人工尾ビレを着けたフジ。
実は、尾ビレを装着したフジを見るのは今回が初めて。
プロジェクトは着々と新しい段階に来ていて、現在は常時着用を目指しているところだとか。
※フジのお話を知らない方はこちらを。→美ら海ニュース「バンドウイルカ「フジ」人工尾びれプロジェクト」
イメージ 1

このプロジェクト、傍目にはなんとな〜く「かわいそうなフジのために、なんとかしてあげる感動プロジェクト」とか「頑張るフジの感動ドキュメント」というようなとらえ方がされたりする。
なので、カンチョとしては、今までこの話題をあまり取り上げたくはなかった。
フジは、かわいそうでもないし、特別頑張っているワケでもない、と思っていたからだ。
今回、ちゃんと担当の獣医師(植田さん)の話を聞く時間があったのだけど、スタッフの側も別段「フジを救ってあげたい」とかいうのではなく、フジと一緒に研究を進めているという姿勢だったことにすごく共感した。

いや、植田獣医、ボクが心の中で期待していた以上に、飼育スタッフとして獣医として研究者として格好イイ姿勢だった。
しかも、同行した女性ライターによれば、取材終わって第一声が「イケメンね〜!」やって。

イメージ 2←尾ビレを付けると、ジャンプもできる。

フジは、人工尾ビレがいったいどういうものなのかを、十分に認識しているようだった。
このジャンプをする前、1度目のジャンプは力をセーブしたゆる〜いジャンプだったのだ。
獣医さんによると、人工尾ビレを装着したばかりなので、まずフィットしてるかどうか(力を入れても痛くないか?とか)を試しているんだって。

イルカってやっぱりすごく賢いのね、学習能力があるだけじゃなく、段階を追って学習しなくちゃと、先を考える力もある。
ボクなんか、そういう学習ができないから、人生でいっぱい痛い目にあってるもんw。フジを見習わなくちゃ。

そして、そんなイルカに劣るボクのホントに勝手な解釈なのだけど、フジは人工尾ビレを装着されるときに、すごく積極的だったように思えた。
ついつい擬人化してしまうと、「待ってました〜!」という雰囲気だったのね。

このことも獣医さんに聞いた。
「装着時と外すとき、どちらが積極的か?」その時どきによって違うのだそうだ。
イルカは、嫌なことは嫌と主張するから、こうやってジャンプしたり、装着するときにじっと尾ビレを差し出したりするのは、「待ってました〜!」もあながち間違いではないんじゃないかと思う。

ところで、水族館に尾ビレを失ったイルカが何頭もいるわけでもなく、ましてや自然界ではすぐに生きていけなくなるから、そんなイルカをボクらが目にすることもない。
だから、こうしてフジだけのために人工尾ビレつくっていても、それが役立つことはないんじゃないかと思う方もいらっしゃるだろう。

でも、研究だとか研究成果とは、そんなもんじゃないのだ。
この人工尾ビレプロジェクトで、今まで気にもされていなかったイルカの尾ビレのさまざまな謎が解き明かされようとしている。
この尾ビレの技術が、ボランティアで尾ビレを提供し続けているブリジストンの、新しい技術に活かされるかもしれない。
この研究成果を参考に、いつか超省エネのイルカの尾型スクリューなんてものが開発されるかもしれない。

研究があるから、次の段階がある。
役に立たない研究なんてものはまずないのだ。
美ら海のスタッフのみなさんとフジ、そしてブリジストンのボランティアの方々、これからも楽しく研究を続けて下さい。

人工尾ビレを付けていないときのフジ↓
イメージ 3


ボクたちがこの写真を撮っているとき、その隣で、とあるTV番組のクルーが、スタッフとフジを追いかけていた。
有名なドキュメンタリー番組だったので、興味のある方はTV欄をしっかりチェックされることをオススメします。

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閉じる コメント(19)

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放送楽しみ〜アンテナしっかり張らないと!!!フジのプロジェクトはほんと凄いですね。これからも色んな発見を残してくれるんでしょうね。ばった日曜日に博物館の研究室の一般公開に行ってきました。イルカの解剖見てきました。亡くなってしまった者からも膨大な情報を発信してるってこと…あらためて実感してきました。感動で鳥肌ものでした。 削除

2007/4/24(火) 午後 2:47 [ ばった ] 返信する

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最初はセーブしたジャンプをするなんて、凄いですね。僕の想像以上にイルカは思考をめぐらしているのでしょうか。こうなるとますますイルカ語を理解したくなります^^;

2007/4/24(火) 午後 7:22 [ べる〜が ] 返信する

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前にテレビ(NHK?)で見たことが有ります。 獣医さん、確かにかっこよかったですね(カンチョさんの次ぐらい)。 フジにとっては、道具を使って、ただ遊んでいるって感じなのでしょうか。 テレビは、脚色が強すぎて、なるべく事実だけを追うようにしています。 削除

2007/4/24(火) 午後 10:23 [ KAZUKI ] 返信する

ぼくはエノスイでヘレンに触ることができたのが野生を考える第一歩になったと想っています。またトリーターも研究者だと知ることで研究にたいするイメージもかわりました。感動ドキュメントのように人間寄りの考え方のほうがウケますがこれはもっと大きなドラマですね。ゾンビワームを観たときにまさしく次の段階があると感じました。こんなことをしていてもムダなんじゃないかと想うときいつも浮かんで来るのは「つながるいのち」です。

2007/4/25(水) 午前 9:11 [ - ] 返信する

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へ〜、ばったさん、イルカの解剖見たんや。解剖は何度か立ち会ったけど、その度に体が固まったものです。生きて動いて、いくらかは心が通い合っていたと思っていた者の体を開く気分が強いのですね。でもしばらくすると、研究者の目と思考になり、少しは冷静に観察することができるようになります。ヒトは根っからの探求者であるのでしょう。研究とはヒトの探求心を満足させるものなのね。そしてその探求心が今のボクたちの暮らしと未来をつくっていく原動力だと思うのです。

2007/4/25(水) 午後 0:39 kapaguy 返信する

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べる〜がさん、あくまでもカンチョ説なのだけど、イルカの方でもきっとヒトと話をしたいと思っているんじゃないかと思うの。よく窓の向こうから一生懸命話しかけてるみたいだものね。でもそれは超音波でやってるから返事できないヒトを、「こいつら知能はあるみたいなのに、会話はできないんだ、可哀想だな〜」なんて思ってるのかもw。しかもイルカの方ではヒトが出す合図だとか覚えちゃうワケで・・・。会話というか意思表示のパターンはヒトのようには複雑じゃないだろうけれど、伝えあっている内容は想像するよりも深いのかも。

2007/4/25(水) 午後 0:56 kapaguy 返信する

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kAZUKIさん<テレビではずいぶんやってますね。道具を使って遊んでいるという感覚は、その通りなのかもしれません。獣医さんの控えめな表現では「少なくともフジは嫌がっていない」でした。テレビとか確かに脚色強すぎますね。でも、そうすることで興味を持つ大衆がいることも確かで、ボクなんかも展示をついついドラマ化しちゃいますw。そのあたりのことを、見る側としてもKAZUKIさんのように自分なりの基準を持つことが必要だろうと思います。

2007/4/25(水) 午後 1:04 kapaguy 返信する

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ghanaさん<そう、ゾンビワームを飼育したり研究したり、ましてや公開することって、直接的にはなんの役にも立たないのです。でも、地球や命をより深く知ることの第一歩となり、一般人には地球や命をさらに広く実感させることができる。アポロが初めて月に降り立って、石ころしか持って来れなかったけど、それが人類の未来には大きな一歩だったというのと同じですね。

2007/4/25(水) 午後 3:55 kapaguy 返信する

カンチョさん、みごとに次につながりました。いいヒントありがとうございます。記事が書けなくてずっと考えていたのですがタイトル決まりました。「太陽の塔と月のイシ」です。なににつながるのかわからなくても役に立たないものはないですね。

2007/4/25(水) 午後 7:02 [ - ] 返信する

私もこの話をテレビで見たことがあります。F1にタイヤを供給しているブリジストンが『やってやろうじゃないか』というプライドと職人根性を発揮したチャレンジのお話だったという印象があります。試作品があっけなく壊れたシーンなんか、どれだけイルカの尾が柔軟で強靭にできているか改めて感心したものです。『これだったらどうかな?』と試行錯誤する人間と『まだまだだねえ』というフジ君のコミュニケーションがとっても素敵でした。F1だって本質は趣味だものね!

2007/4/25(水) 午後 9:35 眼とろん星人 返信する

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何年か前にテレビで紹介されていたのをみましたよ。ブリヂストンのボランティアとは、、確かにぴったりの素材なので、感心。。どういう経緯でそこに話が至ったのか興味深いものがありますね。。研究することにすぐ結果を求めたがる企業が多い中、、そういう環境ならば作ってる人も楽しいでしょうねえ〜〜いい仕事してるなあ〜〜〜〜

2007/4/25(水) 午後 9:38 カッパのまりっぺ 返信する

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「太陽の塔と月のイシ」なんの記事か知らんけれど、タイトルも決まってよござんした。ボクのBlogも役に立たないものじゃなくてよかったですw。

2007/4/26(木) 午前 1:58 kapaguy 返信する

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眼とろんさん<そうです。あっけないほど簡単に壊れるんですね。600kgの力に耐えられるのが、1発のジャンプで破壊されたそうです。今は1tonの衝撃に耐えられるのを使っているとか。イルカ、F1より恐るべし!K1ならキック一発で全員KOですw。

2007/4/26(木) 午前 2:05 kapaguy 返信する

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まりっぺさん<ブリヂストンもボランティアで休みを使っている技術者の方々も立派ですね。でももう一つ立派なのが「これやれば企業イメージアップは間違いなしですよ!」と半分ほら話のような交渉をしに行った獣医さん。水族館は研究費を出してくれないからつまらないなんて言ってるスタッフには、そのあたりを見習って欲しいな〜と思います。あ、これは「いい水族館」ネタですね。そのうち書こうっと。

2007/4/26(木) 午前 2:12 kapaguy 返信する

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フジはまだ,美ら海水族館 にいますか? 削除

2009/5/29(金) 午後 5:46 [ まくら ] 返信する

はい、いるはずですよ。

2009/5/30(土) 午前 2:09 kapaguy 返信する

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私は、本で見ました 削除

2009/5/31(日) 午後 10:00 [ カンチョ ] 返信する

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はじめまして秋です。
いきなりなんですが、フジって何歳ぐらいなんですかねぇ・・・?
どなたか知っています?? 削除

2010/1/16(土) 午後 8:59 [ ] 返信する

秋さん、ようこそです。
フジはそろそろ40歳くらいの年齢のはずです。
ちなみに、美ら海水族館にやって来たのが1976年で、すでに大人だったようです。

2010/1/18(月) 午前 0:09 kapaguy 返信する

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