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久しぶりに「いい水族館」の書庫で・・・。 さて、もうすでに2週間も前になってしまった九州の水族館紀行のトリは、前回、水槽前ストリートライブの写真をちらっと載せたマリンワールド海の中道。 でも、わずか1時間の滞在で、今回は館長への表敬訪問が主目的だったので、新しくできた場所を案内してもらいながら撮った写真しかない。 そんな中で、カンチョ的にはかなり惹かれた新展示、タッチング水槽。 元々タッチングの水槽はあったのだけど、改装されて、新しいタッチング水槽が新設されていた。 もともと水族館素人だけに、顧客起点のプロデュースにはかなりの自信を持っているボクなのだけど、それでもやっぱりどこか供給者起点(水族館起点)になってしまうことが多い。 それを矯正するには、来館者の反応を見るに限る。 そうやって見ていて、水族館はそろそろ気づかなくちゃいけないな〜と常々思っているのが、このタッチングのコーナーなのだ。 タッチングコーナーで一心に生き物に触っている子は必ずいる。でも、よく見てみれば、ちびっ子だけであったり、さらにちびっ子の中の一部であったりすることが分かる。 ところが、この海の中道のタッチング水槽には、他では見られないくらいの高い割合で、観覧者が立ち止まっていた。 その光景だけで、ボクとしては、その謎を解かなくちゃならない使命が生まれちゃうw。 まず、高さがいい。 わりあい高い高さは、大人も覗きやすく、ちびっ子は岩に乗ればいいようになっている。 さらに、この高さと足下に空洞を造ったことにより、車イスの人だって普通に近くに寄って、生き物を触ることが出来る。伊勢志摩バリアフリーツアーセンター理事長のカンチョとしては、そりゃもういたく感心。 そして、面白いな〜と思ったのが、中央に陣取っているちびっ子。 他の観覧者の方を向いて、まるで水族館のスタッフであるかのように、生き物を得意げに見せたりしているのだ。 車イスのおばあちゃんにも、ナマコを手にとって見せてあげていた。すっかりインストラクター気分。 この子がどこかに行ったら、すかさず今度は女の子が入って、二代目(いや今日だけでもう何十代目なのだろう)インストラクターになっていた。 穴ぼこ一つで、これはなかなか面白い。 そしてさらに、車イスを寄せられる足下の空洞は、裏から見るとこんな風になっている。 こういう展示(天井水槽)は、裏を見せたい動物の水槽だとかで時折見られるのだけど、今まで見た天井水槽の中で最も小規模なこの水槽が、その効果としては最も高い水槽であると断言できる。 なぜなら、わざわざ裏から見ようとする行動が楽しいし、さらにすごく近くに見ることができるからだ。 タッチング水槽とかタッチングプールというのは、触って体感するという触察体験だけでなく、観覧者自らの主体的行動が大切だ。自ら行動するという感覚が、タッチングの学習効果を上げるものなのだ。 ※昨日配信したメルマガにそのあたりのこと詳しく書きました。 さて、もう一つ、こちらも思わずニヤリとしてしまった水槽。 以前にタッチング水槽のあった場所は、スチール製の円柱で周りを囲まれていた。 そして円柱には、小さなスリット穴がいくつも開いている。そのスリットをのぞき込むと・・・・。 これは、本物の干潟の観察を体感する展示。 フィールドでは、葦の間からそっと見なければカニたちが逃げていってしまう。それと同じ効果を出すための円柱とスリットなのね。 なるほどこうすれば、飼育されているカニやトビハゼもおびえることなく活動できる。 そしてここでも、「そっと覗く」という、観覧者の主体的な行動が引き出されるのだ。 マリンワールド海の中道は、いかにも大衆受けするような派手な展示戦略は採っていない。 でも、水槽前ストリートライブといい、この展示といい、しっかりと大衆心理を掴んだ展示を目指しているな〜と感心した。 おそらくそれは、この水族館が学校や企業などさまざまな一般社会とコラボした活動を数多く行っているからじゃないかと思う。 さて、そんな活動を精力的にこなしておられる、海の中道の館長にご著書をいただいた。 「魚のつぶやき:高田浩二著」朝日新聞に毎週3年間連載されたコラムを1冊にまとめたものだ。 釣り欄の掲載で「魚のつぶやき」の題名なくらいだから、魚、魚、魚、ときおりマダコというほどに魚の本だ。それが、その魚からの自己紹介という形でつづられている。 実はカンチョもかつて毎日小学生新聞とかに3年間毎週連載したことがあるから分かるのだけど、毎週ってそりゃ大変。しかもボクは海獣からペンギンや無脊椎動物まで含めてのなんでもありで、それでもこれ以上はもう無理!と何度も思った。 それを魚だけで150回とは・・・。 そして、素人が読んでも十分面白い。 高田館長、さすが!なのである。 こうして人に何かを伝えることを、さまざまな方法で試みる高田館長の姿勢、それがマリンワールド海の中道の展示にもいきづいているからこそ、あのタッチング水槽が誕生したのだろうと思うのです。 ■今年のカンチョ本2冊新発売! ◎みんなが知りたい水族館の疑問50」(サイエンスアイ新書)著・写真:中村 元 ◎The水族館(三推社◎講談社)監修ほか:中村 元。 □「水族館の通になる」(祥伝社新書)と「全国水族館ガイド 2006-2007」(SoftBank Creative) も読んでね!全国の図書館にも置かれてます。 |
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海の中道の今までのタッチングは私にとっては物足りないものでした。新しくなったようですので次回はジックリ観察してきたいと思います。
2007/9/6(木) 午後 10:45
そう!高さ! わたしが見たタッチング水槽は床にありました。ですから子供がチャプチャプするのは絵になるけれど、大人にはできませんでした。そして身を乗り出さないといけない奥行きでした。つまり、奥にいる生き物にさわろうとすると、おっきなお尻が後ろを通る人に丸見えになるのでした。 つまり、わたしできませんでした。
でも、この子供が入っている筒に大人は入らないだろうなぁ…。入らなくてもいいか…。
2007/9/6(木) 午後 11:36 [ sak*ra2*06*30 ]
ニヤニヤして読んでしまいました。体験型施設はついつい、にやけてしまう仕掛けや細工が必須。触りたいのは子どもだけじゃないんだよね、幅広い年齢層が何度も来たくなるのが面白所。サービスを提供する側が新鮮なニヤニヤ心を忘れないのがお客さんをひきつけるのでしょうね。
2007/9/6(木) 午後 11:51
ノリさん<海の男ノリさんを、水族館のタッチング水槽で満足させるのは至難の業でしょうけれど(^^;、でも、物足りるか物足りないかの意見を漁師さんに聞くというのはgoodなアイデアですね。
「漁師さんがみんなに知って欲しい生き物たちの姿や感触…」これは今まで考えつかなかったな〜〜〜。ちょっといただき!ですw。
2007/9/7(金) 午前 0:45
sakuraさん、大人もやりたいよね〜タッチング。w
しかも水族館に来る人の7割以上は大人。なのに、タッチング水槽は、子どもの中でもさらにちびっ子対応になっているのは何故なの?
そういうのが、供給者起点の勝手な考え方なのです。
飼育係をやって一番最初に感動したのが、ウミウシの感触だった。あまりの手触りのよさに、思わずエッチな想像を…ポッ(^^;
2007/9/7(金) 午前 0:51
カナーさん、ニヤニヤして読むって感覚わかります。いい展示を見るとやっぱりボクもニヤニヤしてしまう。
平日というのに水族館に一人で来ている男が、水槽見てニヤニヤしてる図というのは、●曜サスペンスの犯人の横顔みたいなんやろな〜w。
いやしかし、「水族館のスタッフにニヤニヤ笑いを…」このフレーズも、いただき!です。
2007/9/7(金) 午前 0:57
最近はよく触ってるんですが、サメにですよ。大人は触りたい対象がちがうと触らないみたいですね。海水に手をつける行動が気持ちいいと思えるような水槽だと手が伸びるのかなと思いますね。湧き水や清流に手を入れたらサメが気持よさそうにいたので触っちゃった的発想のタッチプールです。まず最初に触れるのは海水ですからね。
2007/9/7(金) 午前 2:10 [ - ]
僕の小さい頃はコレデモカ!ってほど地元の玉野市の小さい水族館でタッチしてました。ナマコをギュ!って握ってピューピューやってました。
そんなタッチングプールでも、「これは!」と思ったのがエノスイのサメタッチでした。そこらの水族館ではヒトデやらナマコが多いのですが、エノスイは面白いですね〜。オトナにも改めて好奇心を湧かせてくれます。でも究極のタッチングは ふれあいラグーン かもしれませんが。
そういえば、ウチにもタッチング水槽がありますよ〜。
ガーパイクとかポリプテルスにタッチできます。といっても掃除のときに気まぐれで触れるくらいですが^^;
ふれあいアクアリウムです(^o^)丿
2007/9/7(金) 午前 2:30 [ べる〜が ]
ん〜〜、、まりっぺみたいに海のそばで育ってて、ナマコやウミウシやら触りまくって大人になると、このタッチング水槽のレベルにも高いものを要求しちゃいますね。。サメに触れるところがあるんですか〜。。
そうだ、イソギンチャクに触りたい♪。。すぐに弱っちゃうんでしょうね、、(笑)
2007/9/7(金) 午後 4:56 [ カッパのまりっぺ ]
ghanaさん<「海に触る」というのもいいキーワードですね。例えば、よくやられる田植え体験とか芋掘り体験も、稲や芋のことを学ぶ以前に、土と触れる感触を学ぶことが大切。と、気づきました。
2007/9/8(土) 午前 0:16
べる〜がさんは、玉野海洋博物館育ちやったんや。あの水族館は小さいながらもなかなかいい水族館だと思う。タッチング系はとても充実してるしね。
玉野海洋博物館→ http://web-aquarium.net/aquarium/aq_176.html
2007/9/8(土) 午前 0:19
まりっぺさん<そうそう!そこなの。タッチングに高いレベルを要求する客の姿勢というのも大切ですね。
そうすれば、自然と水族館のタッチングコーナーはいずれ良くなっていくはずです。
2007/9/8(土) 午前 0:22
タッチングプールも進化してるんですね〜。
なんか感心…&関心。久しぶりに行ってみようかな?日帰りできるかな!?
コチラでは相変わらずのスタイルなので…
こないだ自分が休みの日にタッチングプールのザリガニを屋根の上に放り投げてるコドモがいたみたいで、実習生がかなりショックを受けてました…。ザリガニたちは☆になり・・・。
自分もショックだったなぁ…。
2007/9/9(日) 午前 1:50 [ さつん ]
さつんさん<タッチングプールってもう、限りなく自然に近づけるという方法しかないのかと思っていたのだけど、なんとまだまだ改良の余地があったのですね。
これには、ボクも刺激を受けたというよりも、タッチングに対してすでに見限っていたことを反省しちゃった。
ザリガニを屋根の上にね〜〜〜。
いや、実はそんなことボクだってやったよ。ハサミもいでまた放したりとか…。
ザリガニには悪いけれど、ザリガニやカエルや昆虫たちは、子どもの残酷な遊び相手になることで、子ども達の良識を育ててきてくれたのだと思うのね。
ただ、誰にでも簡単に捕まえられるようになっているタッチングプールのザリガニ相手ではタダの虐待やイジメになってしまう。
タッチングプールを、服を濡らしたり、ハサミで手を挟まれたり、釣りで工夫したり、苦労しなくてはザリガニを捕まえられないような形に変えたらどうでしょう。
そしたら、きっと、捕まえてからもあんまりいいかげんなことはできないと思うし、捕まえるまでのホンマもんの体験学習ができるでしょう。
2007/9/10(月) 午前 10:28
ふふふ。そんなわけで、今月の連休、私は某遊園地でざりがにと遊ぶイベントをやります。つったり触ったり、一緒に水に入ったり。水槽の外からタッチじゃなく、中に入って遊べるようにします。
ザリガニは死なせても、持ち帰っても、食べても?OK。怪我の苦情覚悟でやるです!
2007/9/10(月) 午後 1:18
おぉ!カナーさん!さすがやね!それは素敵なイベントです。
苦情なんて大丈夫大丈夫、今までザリガニに挟まれて死んだ人はいない!入院した人もたぶんいない!救急車に運ばれた人もきっといない!と思う。
いや、最近のうっとうしいニッポンぶりでは、けっこういるかもしれんな〜〜〜。そんなやつら蹴散らして頑張ってねw。
2007/9/11(火) 午前 0:16