ブログ水族館/中村 元

『中村元の超水族館ナイト2017夏』6/18(日)開催。チケット発売は5/18の10:00〜です。

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久しぶりに新江ノ島水族館へ行って来た。
めっちゃ暑かったけど、さすが東洋のマイアミ(古っ)江ノ島、駅に降り立ったとたん●姉妹のようなプロポーションの女性が、ゴックンな水着だけの姿で道を歩いてきたよ〜。しまった!この時期必携の視線隠しサングラスを忘れた!
この時期は、駅だろうがコンビニだろうが水着だらけ、水族館のエントランスも水着だらけ、こんな光景は、他のどこにもない!スゴイぞ江ノ島!!!

いや、そんな光景を楽しみにしていたわけではないのだった。今回は久しぶりの「いい水族館」書庫やんか!
エノスイの夏の特別展『深海生物展〜君もえのすい深海研究員〜』を見に行ったのだ。
この展示には、観覧者起点のいい要素がたくさんあって、エノスイの展示監督をしてきたかいがあったな〜と、とても嬉しかったのですよ。


エノスイの深海生物展、始まり始まり〜!
まず出迎えてくれたのが、でっかいダイオウイカ。
イメージ 1

ダイオウイカこそは、深海の大王様。
この巨大オブじゃによって、来館者が、「なんじゃこれっ?」と思うことには大きな意味がある。
理由を探せば、深海生物展が行われていることが分かるからだ。
ここからでは見えないけれど、ダイオウイカの頭の先には、「深海生物展」の大きな看板が立っている。でも、ダイオウイカで「なんじゃこれ?」と思わない限り、ほとんどの来館者は、看板なんかには目もくれずに最初の水槽に突進するのが普通なのである。

実は、この特別展示の担当責任者である北田トリーターは、ボクが展示監督で進めていた「観覧者起点の展示」をとりわけ熱心に学んでくれたスタッフだった。(※トリーターとは、エノスイ用語で展示飼育係のこと)
スタッフ研修のときに、「観覧者起点になる最も簡単な方法は、私服に着替えてお客さんの後ろを付いて回ることだ」と言ったら、次の週にはすでにその通りのことをやってくれて、「びっくりしました、ホントにこちらの思ってるとおりには見てくれてないですね」と報告してくれた。
正直言って、そんなに早く実行してくれるスタッフがいるとは思わなかったから、ボクも嬉しかったね〜w。

特設会場には、ダイオウグソクムシの実物標本。
イメージ 2

これ、触れるのである。惜しいことにもお亡くなりになったダイオウグソクムシさまには、死んでなお役にたってもらおうと、触察展示になってもらっているというワケだ。

スゴイゾ!北田トリーター!
そうなん!うしろに見える深海潜水艇の1/2レプリカよりも、水族館に来る人は、生き物に興味があるのだ。
しかもそれが触れるとなったら、動物っていうより水中気分〜♪という来館者も、ついつい引き込まれる。
ダイオウグソクムシを知らない人でも、この怪物みたいなのに触れることができたら、深海生物への興味は一気に急上昇!
※ダイオウグソクムシの生きてる姿→「ダイオウグソクムシ登場」(ちなみに手に持ってるのが北田トリーター)


さらに、触察展示で、彼がこだわったのがコレ!
イメージ 3

深海生物タッチングプールだ。
炎天下のタッチングプールで冷たい海の深海生物?そんなの無理でしょ!と誰もが思うところを、「暑い時にこそ深海の水温の低さを驚いて欲しい」と思ったところが、北田トリーターの観覧者起点魂なのね。
触ってみたら、水は本当にヒヤリとして深海からのメッセージが伝わってきた。
不可能を可能にすることこそが、水族館の展示係の使命なのである。
水族館の飼育係って、ほとんどが「それは無理」っていうのを口癖にしてるけど、それはただの飼育係だからであって、真の意味での展示係なら、絶対に「無理」なんて言わない。
北田トリーターは、その意味で、飼育係を超えたすっかり真の展示係なのである。エライ!


さらに…。
深海生物展は、館内のすべてで行われている。
イメージ 4

キャプションを見て欲しい。
水槽そのものは、今までと変わらないのだけど、深海生物だけが、赤色キャプションになっている。
こういう色変えキャプションが、館内のいたるところにあって、深海生物を改めてアピールしているのだ。
そして、この赤色キャプションにこそが、最初のダイオウイカで効いてくるのね。
今、深海生物展をやってるのだという前提がなかったら、赤色キャプションがなんのことなのかさっぱりわからんもの。
ちょっと惜しむらくは、入り口にあった看板も赤色にしたら、もっとこの赤色キャプションの意味が伝わったのではないかと思うけれど…。惜しい!

えっと、生きてる動物写真もなくちゃダメですね。
イメージ 5

赤色キャプションで説明されてるサクラダイです。
バックにある色とりどりの生き物たちは、深い海で太陽の光を必要としないサンゴの仲間たち。
そしてサクラダイの朱色は、光の届かない深海では、赤系の色が色を失って暗闇にとけ込むという、深海生物の基本みたいな色なのだ。


そして、もしかしてブログ水族館で初めての写真6枚目!
イメージ 6

左が水深6500mの水圧に置いた品々。
北田トリーターのおもしろいところは、この品々だけでなく、食べ物まで実験したというところ。
スイカはどうなるの?キャベツは?お豆腐は?
誰もが知りたいこのヘンな疑問に答えてくれているのが、彼のトリーター日記。

順番にぜひ読んでみて下さい。
水圧で潰れた食べ物は、ちゃんといただいてるのが彼の素敵なところ。
深海生物展通信第14号
深海生物展通信第18号
深海生物展通信第19号

深海通信第*号とあるように、面白い情報発信をどんどん続けていて、今ではすでに32号まで来ている。
興味のある方は、えのすいトリーター日記から、深海生物展通信を順繰りに読んであげて下さい。
おもしろいよ〜!

というワケで、今までいろんな水族館で、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の協力の下に行われてきた「深海生物展」なのだけど、エノスイの「深海生物展」は、北田トリーターの見事なカスタマーズ起点展示で特別に面白いものになってるのですよ。
ぜひぜひ、新江ノ島水族館に訪れてみて下さい。

尚、今の時期、新江ノ島水族館を訪れる男性諸氏は、視線隠しのサングラス必携ですw。う〜、やっぱりそこに戻るか……。

うわっ!地震や!


●カンチョの最新インタビュー記事→[http://www.magsook.jp/mokuji/nagisa/
小学館SOOK『渚でくらす』]
●カンチョ今年の最新著→『恋人はイルカ〜ドルフィントレーナーにあこがれて〜』

□オススメの水族館本(中村元著・監修)→水族館の本
■水族館を選ぶなら→WEB水族館:決定版!!全国水族館ガイド
□携帯版もできた!→水族館ワールド

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タマちゃん、エノスイの漢字表記を気に入ってくれてありがとう。あれはボクのアイデア。「ニッポンの水族館」のキャッチというかコンセプトを考えたので、その延長線上でやったの。
名前の由来が分かるので、素人的にもけっこう楽しんでくれてるみたいだよ。ボクの好きなのは、東雲坂田鮫やな…ていうか、それが頭にあったので漢字表記を提案したんや。

2008/7/24(木) 午前 1:55 kapaguy 返信する

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すごい、、水族館の企画展示はもうこんなに進んでいるのですね〜。。
トップのダイオウイカのお出迎えなんて、イカ好きまりっぺには狂喜ものです。憎い演出です。これから何が見られるのか、ワクワクさせられますよ。水族館のカスタマーズっていう視点が、不可能をなんとか可能にしたいっていう熱意に変わるんだ。。もう、美術館完敗!ポチっ!!
ところで、カンチョさん、、オキナマコって食べられるのですか(笑)?
ダイオウイカ、、食べてみたい食いしんぼうまりっぺでした(^_^;)

地震方面の水族館、大丈夫だと良いのですね、、先日の地震といい、今回といい、、岩手方面に関東のエネルギーが移行でもしてるのでしょうか。何か不気味です。

2008/7/24(木) 午前 2:09 カッパのまりっぺ 返信する

へええ〜!!
色々勉強になりますね〜!アイデアか、介護も一緒やな〜☆
水着のねーちゃん、きになります☆ワクワク
(時々、性別わからなくなってませんか??笑)

2008/7/24(木) 午前 2:33 ミーサン 返信する

ダイオウグソクムシは風の谷のナウシカのオウムのようですね〜☆
金の糸をはかないかしら??

2008/7/24(木) 午前 2:35 ミーサン 返信する

まりっぺさん、水族館は元々、博物館や美術館、動物園よりも、はるかにカスタマーズ起点ではあるのだけど、これからの時代は、まだまだ足らないと思うのです。
それにしても美術館はひどすぎるよな〜。ボクは美術館好きなんで、なんとかできないかと思ってる。どっかの美術館で、ボクを雇ってくれへんかな〜w。ポチありがと!

オキナマコ食べた人いないんじゃないかな?ダイオウイカを食べた人はいるよ。すごく不味かったらしい。
マッコウクジラは文句も言わずダイオウイカばかり食べて、えらい子ですね〜。

2008/7/24(木) 午前 3:01 kapaguy 返信する

みーさん、介護も工夫がいっぱいやね。相手によって新しい工夫が生みださなくちゃならない。それこそカスタマーズ起点の基本やな。
水着のねーちゃんを介護するときには…うふふ。あかん、また乗ってしもたやんか。

尚、ダイオウグソクムシは、金の糸どころか、普通の糸さえも出しません。オウムって、もっと柔らかそうで、でっかいカイコみたいなんやなかったっけ?つまりモスラってことか…。

2008/7/24(木) 午前 3:08 kapaguy 返信する

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え、じゃあ、ありえない事だとは思いますが、もし大王イカが
水深の浅い所、水圧のかかって無い所に住みついたら、、、。
って想像した私が○ホでしょうか^^?

2008/7/24(木) 午前 5:20 maru 返信する

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やっぱり同じ深海展でも水族館によってかなり違うんですね
近い将来大水槽で生きたリュウグウノツカイやギンザメを見てみたいです
ちょっと前に生きた元気なメガマウスが定置網に入っていたけど飼育環境が整ってなくて海に放した事があったそうです

2008/7/24(木) 午前 7:33 [ キタさん ] 返信する

深海生物展は開催前から北田トリーターが日誌に経過報告を書いて期待をつないでいました。これも彼ならではの試みです。カンチョさんも書いているとおり「なぎさラウンジ」を素通りさせない工夫が日誌からはじまっていたわけです。
その日誌のなかで北田トリーターのカスタマーズ起点を著した、ボクのお気に入りのエピソードはこちら。
http://www.enosui.com/diary.php?pageno=2&month=2007-09
2007.9.16 ファーストインパクト

それと動くダイオウグソクムシはこちら
http://blogs.yahoo.co.jp/aquariumghana/29727378.html

北田トリーターをはじめ、これからの水族館を創っていくスタッフにはこんな展示が観たい、これはこう見えたよと話をするようにしています。決して「それは無理です」と答えないのが水族館の未来につながっている気がして応援する楽しさがあります。

2008/7/24(木) 午前 8:49 [ - ] 返信する

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深海生物には、かなり執着があるので、数年前に千葉県博で企画展をやった時も、片道2時間以上かけて見に行きましたよ。
ダイオウイカの話は、ずいぶん前に窪寺先生が嬉々としてお話くださったのを、覚えています。
ダイオウグソクムシ…この類は、甲殻類なので、だいぶ見慣れました。
サヨリヤドリムシなど、未だにお魚についていると、一応悲鳴はあげますが…

水族館での開催は、『生物』が見られるから、また別の楽しみがあります。
行って見ようかな〜♪

2008/7/24(木) 午後 11:39 夏茉莉 返信する

オウムはカブトムシの幼虫のようなやわらかさはありません!!硬いですぞ!!硬いかたびらみたいなのが縮まったり伸びたりして前に進み、前の部分に少しだけ手?見たいなものがあります。まさに、ダイオウグソクムシです☆(大分ちがうけど^^;)

2008/7/25(金) 午前 3:11 ミーサン 返信する

maruさん、ダイオウイカが水圧の低いところに住み着いても、体が膨れてさらに巨大化!なんてことはないのですよ。
なぜなら水圧は水の重さでしょ。体液に満たされたダイオウイカもその水に同化してるわけです。気体は、圧縮されやすいから、潰れちゃいます。発泡スチロールでできているものは、空気の穴だらけだから深海に行くと潰れます。小さな泡は、水面に出てくると大きな泡になります。
だから、ウキブクロが付いている深海魚は、釣り上げるとウキブクロだけが大きくなって口から飛び出たりしてしまうけれど、体は大きくならないですよね。

2008/7/25(金) 午前 4:48 kapaguy 返信する

コリドラスくん
》同じ深海展でも水族館によってかなり違うんですね
深海生物展の胴元は海洋研究開発機構だけど、そこから何を引き出すのかとか、どうやって面白い展示にするかとかは、それぞれの水族館や博物館のやり方次第なのね。
これは、よくあるパッケージものの巡回展示とはぜんぜん違って、とても面白いやり方だよね。

2008/7/25(金) 午前 4:51 kapaguy 返信する

ghanaさん、さすが自称「えのすいを背負っている男」…自称ですよ、無理に背負い込まなくていいからねw。
北田トリーターの日記は、展示前広報として、とてもいい見本です。
全国の水族館が、こういうことをみんなで積極的にやれば、水族館はまたたくまに動物園を引き離しちゃうんやけどね。
でもまあ、それができないからこそ、ボクの仕事もあり得るんだと、思わなくちゃいかんのやけど…えへへ。

2008/7/25(金) 午前 4:55 kapaguy 返信する

夏まりさん、なんだかホントに深海生物好きなんですね。それはもう、近いんだしエノスイに行くべし、行くべし、行くべし!
ところで、ボクも寄生虫系さんたちとか、脚の多い系さんたちは、イマイチちょっとダメですね。ぞぞぞ〜とする。でも、そんな異形の者たちの存在を確認できるのも、水族館特に深海生物の面白さではありますね。

あ、エノスイに行くときには、湘南っ子らしく、ぜひ水着でw。

2008/7/25(金) 午前 5:04 kapaguy 返信する

みーさん、オウム
》硬いですぞ!!
そうでございましたか。
ナウシカは中途半端にしか観てへんだからゴメン!
》まさに、ダイオウグソクムシです☆(大分ちがうけど^^;)
「まさに」なのに「ちがう」?いったい、どんな日本語なん?うぷぷ…。今日も寝る前に笑わせてくれてありがとw。

2008/7/25(金) 午前 5:10 kapaguy 返信する

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そうなんだ〜〜。陸上の生きものより、水中の生き物の方が
順応していくための進化がすごいような気がする〜。
水圧も想像でしかわかりませんねぇ。

ありがとうございました!

ちなみに私も浮き袋をいつも巻いてる状態です〜、笑。

2008/7/25(金) 午前 6:02 maru 返信する

maruさん、すっごい深海の生物は、細胞そのものが圧力に耐えられるようになってるらしいですよ。やっぱりあまりの高圧力だと、ボクらの想像を絶する進化があるのでしょうね〜。

浮き袋、ボクも近ごろちょっと気になってきたw。スクワットがいいらしいです。そろそろまたやんなくちゃな…。夏はスリムに進化じゃ!

2008/7/25(金) 午後 3:22 kapaguy 返信する

ダイオウイカの吸盤の跡がマッコウクジラについてたりしますね。深海でどんな戦いが繰り広げられるのでしょう。深海生物展カラフルですね。水圧のかかった、カップヌードルの容器はテレビで見て面白かったけど、実物展示があるのですね。

2008/7/30(水) 午後 10:38 眼とろん星人 返信する

眼とろんさん、マッコウクジラとダイオウイカの戦い、ボクが想像するに、マッコウクジラのかなり一方的な戦いではないかと思うのですよね。
ダイオウイカにとっては、勝ってもクジラを食えるわけじゃないんだから、逃げられるかどうか?以外に意味ないものね。
カップヌードルの容器での深海圧縮実験、実はすでに絶滅の危機というか絶滅します。
なんでかと言うと、地球にやさしいカップヌードルになるため、今までは容器が発泡スチロールだったのが、紙に変わったからです。
発砲スチロールのように中に空気のすき間がないと縮まないんです。
…というようなお話しは、ぜひぜひ今週の日曜日夜8時から、テレビ朝日「ジキル&ハイド」をご覧下さい。スタジオに深海圧縮実験装置がやってきています。

2008/7/31(木) 午前 0:35 kapaguy 返信する

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