ブログ水族館/中村 元

『中村元の超水族館ナイト2017夏』6/18(日)開催。チケット発売は5/18の10:00〜です。

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水族館で、見た目がきれいな魚はとても多いけれど、その美しさは写真の中には残りにくいですね。
それは多分、ヒトの視覚がカメラよりもよく出来ているからで、脳が水のブルーを感じながら、魚の美しい模様や色を認識しているからなのです。
そんな優れた脳のないカメラで同じような感覚を残そうとするなら、被写体選びも重要です。

まずは背景。
サンゴ礁や岩などよりも、青い色をバックにすることを優先するだけで、水中の涼しくて奥深い雰囲気が出る上に、魚がキリリと浮かび上がります。
[アカマツカサ:男鹿水族館GAO]
※30mm F5.6 1/20秒 絞り優先 ISO800 強制発光(レンズ:SONY16-105mm/F3.5-5.6)
イメージ 1

そして、さらに大切なのが、青い背景に美しく浮かび上がりやすい色の魚を選ぶこと。
第一に最もオススメな色が、上のアカマツカサのように赤色の魚。

黄色の魚は見た目にとても浮かび上がりやすいけれど、写真に撮ると水槽のブルーが被ってキリリとした黄色にはなりにくい。
でも赤色というのは面白いことに、ブルーが被るとますます深い赤色になるのです。
このことは、写真をソフトで補正してる人なら、よくご存知でしょう。

ブルーの背景と合いやすいもう一つは、銀色系。[ブリ:男鹿水族館GAO]
※16mm F5.6 1/30秒 絞り優先 ISO800 強制発光(レンズ:SONY16-105mm/F3.5-5.6)
イメージ 2

銀色魚と青い色の対比は、以前にヒカリモノの撮り方でも紹介したように、撮影にはけっこう技術が必要だけど、青色バックにはとても涼しげに写ります。
さらに、このブリのように銀色と青や黄のツートンだと、我々日本人にはなんとなく美味しく見えるというのも、魚らしくていい感じ。

考えてみれば、赤い鯛型魚と、銀色+青色のマグロ型魚は、味よし型よしのいかにも海らしい魚。
背景にする青色との対比だけでなく、感覚的に「海の魚らしい」という先入観もけっこう重要なのかもしれませんね。

あと、このブリ写真で分かるように、大水槽は奥まで撮せば、水の粒子で茶色の擬岩も青くくすみます。
奥まで撮すには絞って被写界深度を深くしなくちゃいけないのだけど、それよりなにより超広角で撮せば深度は簡単に深くなります。(←この表現はカメラ技術的に合っていないと思うけどw)

さてさて、背景の青色がなかなかない場合には、思い切って水面を狙ってみましょう。
[ハナミノカサゴ:男鹿水族館GAO]
※18mm F3.2 1/80秒 絞り優先 ISO640 強制発光(レンズ:SONY16-105mm/F3.5-5.6)
イメージ 3

水面は、水面上から見ると鏡のように空や風景を映すのは誰もが知ってるけれど、水面下(裏)から見ても同じことが起こるということを覚えておきましょう。
それで、水面の裏は、水中の青い色を映す鏡になってくれているので青いというワケです。
尚、窓側から水面を見ると、光の屈折によって水面上からの光は目に届きにくくなるので、45度以内の角度なら、水槽照明がギラギラ映るということはありません。

もちろん、青い背景バックには、赤色が美しいハナミノカサゴ。
ハナミノカサゴのお腹は、赤色も回ってきていて、普通の魚のお腹のように真っ白とか銀一色になっているのとは違うので、アオリ気味で水面を向ける場合には好都合です。
尚、水面を狙うと言っても、あまり上を向けるとアクリルによって歪みが出るので、水面がなんとか写るくらいがいいですね。

クリエイティブスタイル:Vivid。[再度、イットウダイ]
※26mm F5.6 1/60秒 シャッター優先 ISO640 強制発光(レンズ:SONY16-105mm/F3.5-5.6)
イメージ 4

α700には「クリエイティブスタイル」という、被写体や作風に合わせて様々な感度のバランスを変える機能が付いています。
フィルムカメラ時代に、それぞれのフィルムによって特性や持ち味があったのと同じ感覚ですね。

ボクは、水槽撮影では、クリエイティブスタイルのVividというモードを使っています。
彩度やコントラストが高めに設定されているので、彩度、コントラスト共に水の粒子でぼやけてしまう水槽撮影にはちょうどいいのではないかという発想です。
これが、なかなかいい、というかボクのイメージにはピッタリです。
このイットウダイの写真、なんとなくビビッドでしょw。

■この書庫は、SONYからα700の提供を受けて、水族館での一眼レフ素人撮影術を紹介しています。
コンパクトデジカメの撮影方法はコチラ↓ 
LUMIX中村元の「水族館上手に撮影講座」 http://contents.npshop.jp/omomuki/


■水族館を選ぶなら→WEB水族館:決定版!!全国水族館ガイド
□携帯版もできた!→水族館ワールド

●カンチョの最新インタビュー記事→[http://www.magsook.jp/mokuji/nagisa/
小学館SOOK『渚でくらす』]
●カンチョ今年の最新著→『恋人はイルカ〜ドルフィントレーナーにあこがれて〜』

□オススメの水族館本(中村元著・監修)→水族館の本

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閉じる コメント(18)

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僕もRAWを現像するときに、わざと水を青くすることが多いです。
八景島のショープールなんかも、そのまんまだとシラ〜っとした感じになりますが、プールを青く濃くするだけで、「恋人はイルカ」の表紙みたいな鮮やかな写真になりますねヾ(⌒▽⌒ )ノ彡☆
僕がやってる作業といえば、キヤノンのDPPでピクチャースタイルを風景にするだけなんですけどね。

・・・あ、大先生!エノスイの写真展で大先生枠で展示してくださいよ〜Ψ(`▽´)Ψ
展示監督の意地とプライドを染み込ませた渾身の写真をぜひぜひヽ(´▽`)ノ
以前、パンフと一緒に上手な写真の撮り方ガイドなんか置いてましたでしょ(^-^)b

あ、そうそうそう、大先生の撮影テクにポチは当然でしょー(^¬^)

2008/9/8(月) 午前 0:53 [ べる〜が ] 返信する

べる〜がくん、RAWの現像のときにも色補正できるからね。ボクはめんどいから、RAW撮影はよほどの時にしかせえへんけどw。
写真展ってか〜?
写真だけで勝負できるほどの力量もないし、そこまで真剣に撮影してるわけやないからぜんぜん自信ないわ。
ボクには水中カメラマンとかプロ写真家の知り合いがけっこういて、写真を見る目だけは自信あるわけよ。その目で自分の写真見るとけっこう恥ずかしい。
素人としちゃ巧いと言われると安心して喜べるみたいな感じ。せやからポチは嬉しいよ。ありがとう。

2008/9/8(月) 午前 1:34 kapaguy 返信する

カンチョさんの写真の撮り方はいつも参考になります。
でもストロボ使ったものは実践できないからなぁ笑。
写真展になにか録り方のヒントを解説板や
チラシで置くのはいいアイディアですね。
楽しみが増えますね。

2008/9/8(月) 午前 7:23 [ - ] 返信する

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ハナミノカサゴ、、、いいですよね〜☆
葛西でことごとく失敗したので、記事を参考にリベンジしたいです(笑)
サカナ水槽の自分が好きなアングルは「ぶり」画像なんですが、
結構、、待ち狙いしていないと撮れませんよね?!
そこでいつも気になるのが、後に並ばれてしまう他のお客さん><。。。
ジャマになってるのか?「この人ナニ撮ってるんだろう?」とか思われるのか?って(笑)
撮影テク講座にクリック☆

2008/9/8(月) 午前 8:06 [ - ] 返信する

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ブルー、、本当にブルーですねぇ。
深みがあります。静けさも感じます。
じっくりお魚を眺めさせて頂いてます^^v
あ、ポチンだ!と思い、先に投稿ボタンを押すのを
忘れてしまいそうです〜。
でもカンチョ先生、私はカメラの眼ってすごいものを
捕えてくれるな〜ってカメラの目の意外性に感心すること多いです〜。

2008/9/8(月) 午前 9:35 maru 返信する

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カンチョ先生、こんにちは!
なるほど、背景と光を味方につけないといけませんね。
それから、魚の個性…一番綺麗に見える方向も良く知らないといけないでしょう?
水族館の方々は、それも考えて展示水槽を作っておられるのでしょう?

2008/9/8(月) 午後 4:08 夏茉莉 返信する

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深めの海を泳いでいるようです!
僕は水族館モードや水中モードで撮っていますがなかなかうまくいきません・・・
それではマニュアルモードをいじくる作業に戻りますwww

2008/9/8(月) 午後 4:39 [ キタさん ] 返信する

ゴメン!不覚にも寝てしまい、今日は今からTCAに出勤です。
授業の合間にでも返事できればいいのやけど…。

2008/9/9(火) 午前 7:48 kapaguy 返信する

ストロボを使われても立体的に写っていますね。さすがです!アカマツカとイットウダイは、鱗の一枚一枚がくっきり浮かび上がってとても綺麗ですね。ブリは良く脂が乗っていて美味しそうですし、ハナミノカサゴはお腹のほうは渦巻き模様になっているのですね。勉強になります。

2008/9/9(火) 午後 8:00 眼とろん星人 返信する

ghanaさん、今回のテーマ、青に赤、青に銀色は、ノーストロボでも威力を発揮するのよ。ボクは一応仕事人やから、できるだけ発色よくストロボ使ってるけどね。
例えば赤は、http://blogs.yahoo.co.jp/kapaguy/52962918.html の3枚目。
例えば銀は、http://blogs.yahoo.co.jp/kapaguy/51531590.html
赤と銀は、照明の光を反射しやすいのと、青色がかぶっても発色がいいということなのです。江ノ水にはいい被写体がけっこう多いですよ〜。

2008/9/10(水) 午前 0:13 kapaguy 返信する

ふぉとせんさん、クリックどーもありがと。
後ろに並んでいるお客さんね、それはマジで気にしますね〜。だから仕事でどうしてもという時以外は、土日に撮影はできるだけ避けるし、周りに人がいない時まで待って撮影します。あとね、どうしてもという時には、しゃがむのが一番。
しゃがんで水槽にべったり貼り付いてしまえば、かなり混んでいても、周りの人たちにじゃけんにされることもなく撮影できますよw。

2008/9/10(水) 午前 0:20 kapaguy 返信する

maruさん、ポチンありがと〜!
カメラの目ね、それはきっとヒトの目が脳で処理することによって常識でしか視ないのを、カメラは写ってるもの全てを平等に表すので、見えてなかったものが見えるという世界ですね。スローシャッターにすると時間の経過まで映してしまうというのも同じこと。そういう感覚がヒトの目にはない面白さですね。

もう一つ、ヒトの目は視角をズームできないのね。これもやっぱり一点を見つめる、あるいは広く見るという脳の働きによって変化させてる。
ところがカメラの場合は、それを広角〜望遠といった画角によって変化させます。そこにレンズの特性が発揮させられる。だからここにもカメラの目という異質の視角が生まれるというわけです。
ヒトの目は、デジタルズームと似てるのですね。
※以上カンチョ説で、正しいかどうかは責任とれませんw。

2008/9/10(水) 午前 0:30 kapaguy 返信する

夏まりさん。そうなの、水槽作りというか「展示」というのは、かなり意図して、いかにリアルに見せるかとか、いかにクローズアップさせるかとかを考えてやります。
でもまぁ、それをやってない水族館が多いから、ボクの仕事が成り立っているとも言えますねw。
ボクが写真撮るのは、水槽展示の延長線上です。だからこれも展示。
写真の展示をしてるんやなくて、動物や海の世界を写真という媒体によって展示しているのです。

2008/9/10(水) 午前 0:34 kapaguy 返信する

コリドラスくん、水族館モードとかは、水族館で撮るのに最も失敗をしにくいモードということなので、作風を狙った撮影には、マニュアルで設定するなり、ぜんぜん別のモードを試してみるなりするのが近道やね。
例えば、夜景モードなんかは、スローシンクロのこと。シャッタースピードが遅くなるので、バックの青色も出やすくなるよ。

2008/9/10(水) 午前 0:40 kapaguy 返信する

眼とろんさん。ストロボ使っても立体的、そう!それこそ最近のボクが目指してる写真なの。そんな風に評価してもらえるとうれしいな〜w。
特にマツカサウオのウロコは、赤い色とともに、松笠と称されるほどに特徴的なウロコなので、これをいかにも大きくて分厚くて強そうなウロコに見せられるかというのは、「写真でも展示」を信条とするボクにとっては、かなりお気に入りなところです。
いずれも、よくぞ気づいてもらえました。
ボクの写真は、気軽に見て何かを感じてくれるみなさんを対象にした写真なのだけど、撮影意図が伝わる人に巡り会えるのも嬉しいことです。逆ポチしたいくらいですわ。

2008/9/10(水) 午前 0:49 kapaguy 返信する

やはり、青って目も心も癒されますねぇ〜^^
最近、仕事で悩んでばっかりなんで…
ありがとうございます^^ノ

2008/9/12(金) 午後 1:09 ミーサン 返信する

みーさん、精神的に疲れてるの?うん、なんだかいつものハジケぶりがないね。
お疲れさま、水族館写真でゆっくりと癒されてください。
人類水中進化説を支持するボクは、水中の青が空の青よりも癒し感があることこそ、水中で進化した証だと思ってます。

2008/9/14(日) 午前 4:15 kapaguy 返信する

この前、パチンコの海物語ってあるでしょ?
あれ、すごく人気があるってことやけど…ブルーを基調にしているから癒し効果が抜群でってことで脳波の検証とかしてました★
だから人気があるとか…
設定甘くしたら、それが人気でるのにね〜^^笑

2008/9/17(水) 午前 10:32 ミーサン 返信する

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