ブログ水族館/中村 元

次回『中村元の超水族館ナイト』は2019年2月24日(日)の開催。前売り発売は1/24です

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2品目:カキ=マガキ

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いただきます食堂の2品目は、マガキ(牡蠣=カキ)
大好きなカキが、ノロウィルスとやらに風評被害を受けているらしいので、うちの食堂では大々的に出すことにしました〜!

カキと言えば広島!と思っている方は多いのだろうが、カンチョ的には、カキと言えば伊勢志摩!だ。
確かに広島のカキの出荷量は日本一。調べてみたら、なんと出荷量は7割近くが広島産なんて書かれている。
そして、牡蠣フライ、牡蠣鍋には、あのぼってりとした広島カキはとても合うとも思っている。

でも、生食するのなら、出荷までに通常2〜3年かかるところを1年で育てる、ミネラルが特別豊富な地域のカキが一番なのである。
1年で育てる方式は、伊勢志摩の的矢湾で、佐藤さんという研究者が開発した。
まあ、開発したというよりも、森に囲まれたリアス式海岸の湾内が、ミネラルたっぷりで、カキのエサである植物プランクトンが多いことを発見したわけなのだけどね。
しかし佐藤さんはさらに、カキの毒性は、エサにしているプランクトンの毒性が溜まっているだけで、実はカキはその毒性を排出することを確認。紫外線で殺菌した海水で20時間以上飼育するカキの滅菌方法を発明。
この特許を取って、超有名高級ブランド「的矢かき」が生まれた。

この方法、つまり1年で育て、紫外線海水で滅菌入浴したカキは、生でいただくとホントに美味い。
鳥羽市の浦村町は的矢かきを師匠に育った浦村牡蠣の産地で、最近では東京の高級レストランでも「浦村牡蠣」と書かれていて嬉しくなる。
浦村にはカキ養殖をしている友だちがけっこう多いのだけど、カキの時期はとても忙しくて、尋ねて行くと、カキ剥きの作業をしながらしか話もしてくれない。そのかわり、次から次へと剥いたばかりのカキが手渡される。
これがまた、カキが吸い込んだ海水の塩味だけで、いくらでもいただけるのだ。
実は、この友だちのカキ剥き工場で、カキパーティーなるものをやったことがあるのだけど、生の剥きガキだけで一人50個はいただいた。頭の先にまでグリコーゲンが詰まったようだった。

ところが、もう食えない!というときに、友だちが「いや、この方法ならまだ食えるぞ!」と言って始めたのが「蒸し牡蠣」だった。
一斗缶に殻付きのカキを一杯に入れ、フタをしてひっくりかえし、コンロに直に置くのである。
15分ほどして、一斗缶から出てきたカキは、自分の貝殻に残った海水で蒸され湯気を立てていた。
うっすらと、カキの貝殻が開き始めたところがいいのだそうだ。
その貝殻の口にナイフを差し込み開いてみれば。なんとまあ!真珠色に輝くカキの身が現れた!
もう見るからに美味しそうなのだが、いただいてみれば、海水の塩分があんばいよく効いていて、それはそれはこの世のモノとは思えない極上のお味。

ボクは生ガキで腹が破裂しそうなことも忘れ、次から次へと、その真珠ガキをいただいたのでした。
カキ漁師たちに聞けば、カキの美味しいいただきかたの順番は、まず「蒸し牡蠣」→「焼き牡蠣」→「生牡蠣」→「その他調理」(実は浦村牡蠣(的矢かきも)は、牡蠣フライや牡蠣鍋にはペケだ。)
蒸し牡蠣の美味しさを知ってから、ボクは絶対に蒸し牡蠣派だ。
家でも、古いフライパンで殻付きのカキを焼けば、ほぼ同じように蒸し上がる。

ところがですね、そんな風に、生牡蠣と蒸し牡蠣は、伊勢志摩のカキが一番!と20年以上信じていたボクに、たいへんな出来事が起きたのですよ。

仙台松島のカキの再発見!
松島のカキ、なんかすごく進化して、最近めちゃくちゃ美味しくなってるんですね〜!
どうやらやっぱり、的矢かき方法らしい。
マリンピア松島水族館に取材に出かけたとき、雪の松島を眺めながらいただいた、牡蠣どんぶりは最高!
そしたら、水族館の中でも焼き牡蠣をしていて、ここで出されている牡蠣が、悔しいというかなんというか、浦村牡蠣よりわずかに勝っている気がしたのだ。

今年はまだカキの暴れ食いをしていない。
浦村に行くか、松島に行くか、それはもうめちゃくちゃ悩んでいる今日この頃なのです。
いや、その前に、時間をつくれるかどうかにもっと悩んでいるのだけど。。。

●photo上:宮島水族館で展示されていたマガキ。
カキの仲間は日本だけでも20種類ほど(世界で100種以上)あるのだそうだが、普通にカキと言えばマガキのことだ。
カキの食欲はすごい。カキ養殖の筏が浮いている海を見ると、流れの上流はプランクトンで濁りきっているのに、筏の下手の海を見ると、すっかり透き通っている。
1匹のカキが、1時間に吸い排出する水量は、約20リットルなのだとか。
広島では、カキの養殖による水質浄化や、筏に住む生物多様性が評価されているとのこと。

でも、養殖というのは、実は海底ヘドロの最も大きな原因でもあるのですね。
なぜなら、海を漂っていたプランクトンは、放っておけば分散してどっかに流れていくけれど、貝が食べれば、ウンチになってその真下に落ちるから。
このことは、また別の機会に・・・。

●photo下:仙台松島でいただいた「牡蠣どんぶり」
この身の締まった感じのプリッと感が、見るからに美味しそう。
蒸し牡蠣か、焼き牡蠣の写真があれば、よかったのだけど・・・・。

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