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種名:マガリャネス ペンギン 体長:57mm 生息地:プンタアレナス空港(チリ) 特徴:焼きも塗りも粗雑ながら、うつむき一心に毛繕いする姿に、もののあはれを感じる。 モデル:マゼランペンギンの若鳥 発見日:1986年12月 初回に紹介した、プンタアレナスペンギンの2羽目を発見したプンタアレナス空港の売店にて、同時に発見した。 石彫刻のプンタアレナスペンギンもかなり無骨なつくりだったのだが、こちらはさらに粗雑。値段も、プンタペンに比べて驚くほど安かった。たぶん1羽300円くらいだっただろう。 乱暴な塗りからのぞく下地は赤煉瓦の色だ。きっと煉瓦焼き職人が、手慰みに作って焼いたのに違いない。 胸に書かれている「Magallanes(=マガリャネス)」は、マゼラン海峡を発見したマゼランのスペイン語名。 よって、モデルはマゼランペンギンと見ていいはずなのだが、これもまたマゼランペンギンの特徴はまったくない。 マゼランペンギンの特徴は、ノドの下に2本の黒い帯があるのだが、1本の帯さえないのだ。 そもそも、ペンギンの目は、だいたい黒地の中にあって、白地のところに目があるのはヒゲペンギンだけ。ヒゲペンギンにはその下にヒゲ模様があるから、それもまったく違う。 でたらめもいいところなのだけど、子どものうちは胸の帯も薄く、顔も白地が広いので、若鳥をモデルにしたのだろうとしておいてあげることにした。 しかし、感嘆すべきなのは、それら粗雑なつくりや、モデルのでたらめさにもかかわらず、2羽のペンギンたちの姿に、なんともいえぬ命の輝きと、ペンギンの生活感がにじみ出ていることだ。 この煉瓦職人は、いや煉瓦職人と決まったわけではないのだが、とにかくあまり技術のない作者でありながらも、ペンギンたちが羽毛繕いをする姿に「もののあはれ」というやつを感じたのに違いない。 その情景が、この2羽に、見事に貼り付いているではないか。 特に、2羽で少しだけ違えてある首の向きや角度、そしてなんといっても、後ろから見た丸めた背中のカーブは絶妙だ。 遊び疲れた子どものようにも、したたかなおばちゃんのようにも、色香を漂わせたおねーさんのようにも見える。 マゼラン海峡の、鉛色の空と白波立つ海に押しつぶされそうな重苦しい水平線。 夏でも防寒具が必要で、ゴーゴーと音をたてて吹きつける偏西風。 海岸には、そんな激しい気候に座礁した巨大な船の残骸がいくつも転がる。 その難破船の隣で、羽毛をふくらませて、何事もないかのようにクチバシで羽毛をつくろうマゼランペンギンたち。 マガリャネスペンギンのうつむいた姿を見るにつけ、そんなマゼランペンギンたちの面影が思い出されるのである。 ところで、マゼランは英語表記のMagellanの日本語読みでマジェランが正しいのだそうだ。 でも、チリはスペイン語圏であり、マゼラン海峡を発見したのはスペインの船団だから、現地では、このペンギンの胸の字で「マガリャネス」と呼ぶのがもっと正しい。 もうひとつおまけにところで、スペインのセビリア万博で、マゼランたちが乗った船の復元船を見たけど、ニホン人もびっくり!なほどに小さな帆船だった。こんなので、あの年中嵐のマゼラン海峡を乗り越えたのは奇跡でしかない。 でも、チリ人に聞いたところによれば、マゼランたちがマゼラン海峡を通った時、年に1〜2度しかないほど静かな天候だったのだそうだ。それで嬉しくて、マゼランは自分の名前を付けたのだとのこと。 この話をしてくれたチリ人は「マゼランは奇跡の日に遭遇した」と言っていたから、ホントに奇跡だったのだろう。 ●photo上:いかにも手作り風な良さとチープさがいい感じでミックスされている。 2羽は同じではなく、違うポーズをとっているのがまた、リアル感あふれている。 左のペンギンの足先が折れてしまっている。 もろい焼き物な上に、新聞紙で巻いてくれただけだから、日本に着いたらすでにこうなっていた。 ●背中の丸め方も、ペンギンの哀愁というか、どこか胸に来るものがある。 数あるペンギンモノの中で、背中で語れる手乗りペンギンは、めったに見つからない |
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2007年01月21日
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