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先日から、手乗りペンギン展示室をオープンして、最初にチリのプンタアレナスのペンギンを紹介してたら、写真撮りながらいろんなことを思い出しました。 なるほど、お土産とは、こうしてその地の記憶を思い出すキーワードなのですね。 チリでは、ホント死ぬかと思った007みたいな思い出がいっぱいあるのだけれど、ペンギンののんびりした顔を眺めていたら、思い出されるのは食べ物が美味しかったことばかり。 ※007話は、こちら「旅の手帖」に連載していた1996年の5〜8月のエッセイを読んでいただけばと思う。 チリにはピスコという強い蒸留酒があって、食事の時にはまず、ピスコを卵白とレモンとソーダで割ったピスコサワーをいただく。 そして、今日のオントレは何にしよ〜かな〜?・・・なんてメニューを眺めるのだ。 お気に入りの前菜は生ウニだった。なんと、10個分くらいの生ウニがボールに一杯出てきて1人前。それに半切りのレモンをジャーと搾った贅沢でワイルドな一品。 そんなもったいない、生ウニには醤油とワサビでしょ!と思うだろうが、こんな大量のウニを醤油で食べたらエグくてしょうがない。レモンが一番なのだ。 でも、そんな贅沢生ウニを差し置いて、ボクが特別気になっていたのは、子どもの拳くらいもある巨大なフジツボを茹でた料理だ。名前をピコロコという。 フジツボの富士山の噴火口のところから、これまたでっかい爪が覗いていて、そいつを引っ張り出すと、カニコロッケの中身を小ぶりにしたみたいなのが出てくる。 うげ〜!これってまるでカニみたいやん! いや、カニみたいなのではなく、フジツボはカニやエビと同じ甲殻類、カニの仲間そのものなのだ。 よって、お味の方もエビカニ系。とても美味しい。 店主に生きているのを見たいと言ったら、市場にいけばいくらでも売ってるというので出かけた。 そしたら、大量のウニやイカ、ホヤなどといっしょに、この巨大フジツボ「ピコロコ」がたくさんいた。 そっとのぞき込むと、生きている奴の爪は、ちょっと毒々しいようなカラフルさで猛々しい。 そして、3cmもあるその爪がニューっと出てきてひっかくそぶりをした。突然、まわりのフジツボまでもが同じように騒ぎ始める。 うわっ!こいつらフジツボのくせに、明らかにオレを攻撃しようとしている。 それ以上近寄ったらこいつでザクッとやってやる!という彼らの意志をありありと感じた。 味が似てるからというよりも、この瞬間、フジツボがカニの仲間なんだと強烈に印象づけられた。 チリを離れてから、ピコロコの名前は、ピスコの名前と共に忘れてしまっていたのだけど、一昨年、葛西臨海水族園のチリ沿岸の水槽で再会した。 魚名板には「ピコロコ」と書かれていた。あぁそうだったそんな名前だった。しかも料理名でもなかったらしい。 ボクは、水槽の中のピコロコに見入ってつぶやいた。「美味かったよな〜おまえ。」 不思議なことに、すっかり忘れていたピスコの名前も思い出していた。 ピスコサワー、久々に呑みたいな〜。ピコロコをいただきながら・・・w。 ところで、フジツボ、日本でも食べられます。 1年前の冬、雪の青森県で、ふらりと入った郷土料理のお店にありました。 ピコロコにはおよばないけれど、西の海ではみかけないほどの大ぶりのフジツボ。ミネフジツボという種類だそうです。 爪もけっこう大きくて、美味しくいただきました。 ●photo上:ピコロコ(葛西臨海水族園) フジツボはカメノテなども含めて、蔓脚目=まんきゃく目。まつげのような脚をだしてエサを捕るのだけど、こいつはこんなでっかい爪も持っている。 チリの市場には、大人の拳に近いくらい大きいのもいました。 ●photo下:青森県でいただいたミネフジツボ。 スープがまた、すごく美味しいのですよ。 でも古くかららの郷土料理ではなく、かつては船底や漁具に着くやっかいものだったのを、ある料亭の主人が、カニの仲間だったら食えるかも?と考えて調理したのが始まりだとのこと。 今じゃ養殖もしてるとかw。 ※この書庫「命をいただきます食堂」の説明はこちら。
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2007年01月29日
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