ブログ水族館/中村 元

次回『中村元の超水族館ナイト』は2019年2月24日(日)の開催。前売り発売は1/24です

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マガキガイの眼

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眼のある貝。マガキガイ。
多くの貝には眼がない。ホタテガイには眼がたくさんあるけれど、光を感じるための眼だ。
いや、あのたくさんの眼が、それぞれ何か見えてたとしたら、相当複雑な脳を持っていないと処理できないだろう。

もちろん例外的に立派な眼を持っている貝がとても身近にいる。カタツムリとナメクジだ。
しかし、彼らは、貝類の中ではかなり不思議な進化をした、陸生で肺呼吸までする貝だ。
なんとなく、眼が付いていてもおかしくもなんともないような気がする。
そもそも貝の仲間は、あまり動いたりしないのだし、他の生き物を追いかけて捕食するというような種類もきわめて少ないから、光を感じる以上の眼は、それほど必要としていないのでしょうね。

ところがそんな貝の仲間にあって、あからさまに立派な眼を持っているのが、このマガキガイの仲間だ。
正しくはソデボラ科の仲間というのらしいが、この仲間は立派な眼を持っている。

眼は、目玉も立派ながら、眼の付いている眼柄がまた、長くて立派。
さらに、ゾウの鼻のように長くて自由自在に動く口も持っている。
2つの宇宙人風の眼をぎょろぎょろとさせながら、ゾウの鼻をあちらこちらに動かす様子を見ていると、貝ではないように思えてくる。

高知では「チャンバラガイ」と呼ばれて食材になる。かなり美味しいらしいがいただいたことはない。
なぜチャンバラ貝なのかと言うと、巻き貝の仲間が身を隠すときに使う貝殻のフタが、3角形に尖っていて、それを振り回すからだ。
別に怒っているとか喧嘩してるというのではなさそうなのだが、フタを振りかざしている姿は、確かにチャンバラしているように見える。

そんなワケで、水族館で展示されている貝の中では、これもまた例外的に面白い貝なのだ。
チャンバラしていなかったとしても、とにかくよく動いてくれる。
確かに牛歩ではあるけれど、こんなによく動く貝は、見たことがない。

まあとにかく、貝類の中で最も働き者だと考えればいい。
好物の藻を食べるために、敵味方の関係なく、あの長い口で岩を探ったりなめたりしながら歩み続けるのだ。
よく動くから、周囲の状況を見るための眼が発達したのだろうけれど、見るからにちゃんとした意志を持って歩んでいる貝に思える。

●photo上:これがマガキガイ。眼とゾウの鼻がとても目立つ。(新江ノ島水族館)
      この長い鼻(ホントは口)で、砂や岩に付いている藻を吸い込んで食べるのだ。
●photo中:眼のアップ。なんだかスゴイ眼ではありませんか。いったいどのように見えるのだろう?
      さらに、眼柄の途中からは、こちらもやっぱり立派な触角が出ている。
●photo下:後ろから見たところ。貝殻は、猛毒の牡蛎アンボイナに似ている。

※マガキガイのいる水族館。
ボクが知っている限りでは、新江ノ島水族館の他、k京都大学白浜水族館と、美ら海水族館、サンシャイン国際水族館で会える。もちろん小さい生き物なので、見落としているかもしれない。

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