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若い頃、プロの写真家に教えてもらったことで一つ印象的な理論がある。 広さを表すときには望遠レンズ。 何かを強調するときには広角レンズ。 その頃のボクは逆に、広い光景を写すときには広角レンズで、ズームアップして写すときには望遠レンズだと思っていたから、なんじゃそれ?とワケ分かんなかった。 そしたらね、「写す」のと「表現する」するのとの違いなんやって。 それを今更ながら思い出して、最近では超広角(魚眼)をズームアップ用に使うことが多い。 今回は、魚眼レンズでのズームアップ効果の素人撮影術を、最近ちょっと関わっているサンシャイン国際水族館で撮ってきた写真で。 まずは一発、ズームアップ! イワシの群[サンシャイン国際水族館] ※α700 15mm F7.1 1/8秒 マニュアル露出 露出補正±0 ISO200 強制発光(レンズ:SIGMA15mmFishEye/2.8) 広角レンズは、最短撮影距離がけっこう短いのだけど、そのぎりぎりいっぱいを使えば、ちっちゃなイワシもこんなに大きくなる。 さらに、少し遠く離れたものはすごく小さく写る(パースペクティブ効果)から、その比較で視覚的にズームアップっぽい効果が生まれる。 巨大水槽でイワシの群が変化自在に形を変える様は、写真にするのが簡単で楽しいけれど、超広角を持っていればグルグル回っているだけのイワシでも、大水槽にはない迫力写真が撮れる。 それが、魚眼や超広角レンズの面白さ。 カンチョはこういう見え方がする水槽ができないかと必死で考えてるんやけどね、あと一歩で壁にぶつかる。 やっぱりこれは写真の中だからこその世界。 一眼レフの友たちよ、だからこそ楽しもうではありませんかw。 ハチビキ[サンシャイン国際水族館] ※α700 15mm F4.5 1/30秒 シャッター優先 露出補正−1.0 ISO400 強制発光(レンズ:SIGMA15mmFishEye/2.8) サンシャイン水族館は、奥行きの浅い水槽が多くて、さらに擬岩で装飾されているので、どこまでも青い水中感を出しにくい。 それで中央重点測光にして、魚が一番近く来たところでストロボ発光させるとTTLが勝手に働いて光が弱くなり、奥の擬岩が写らなくなる。 ※背景を写したくなかったこの写真と次の写真は「中央重点測光」で、群の他の個体も写し込みたかった最初と最後の写真はマルチパターン測光。 そしてさらに、青色の照明に同調させておけば、深くて冷たい海で出会ったハチビキを演出できる。 この場合はストロボ光を弱くするために、対象がスゴク近くにいる必要があって、そんなに近い相手の全身を写すことができるのは超広角レンズというワケ。 ところで、ハチビキって一匹でもハチビキなのだけど、実は「葉血引き」ていう意味らしいよ。(ぼうずコンニャクさんの図鑑より) なんとなくアジを赤くしたみたいな姿なのだけど、身まで赤くて、それで葉血引なんやって。 南の海のわりと深めに住んでいる魚で、サンシャイン水族館以外では見た記憶がない。 オデコをズームアップ! ルックダウン[サンシャイン国際水族館] ※α700 15mm F2.8 1/80秒 シャッター優先 露出補正±0 ISO200 強制発光(レンズ:SIGMA15mmFishEye/2.8) 魚眼レンズや超広角レンズには、パースペクティブ(遠近法による効果)を強調する特徴もある。 なので、形の面白い魚のその特徴の部分を強調することができる。 ルックダウンは、以前にも登場したオデコに特徴のある魚。→ルックダウンに気を付けろ! 他にも、オデコの飛び出てるアオブダイとかにも使える。→一枚目のアオブダイは18mmで撮影 最後にもう一枚、イワシの顔。 ※α700 15mm F11.0 1/8秒 シャッター優先 露出補正−1.0 ISO400 強制発光(レンズ:SIGMA15mmFishEye/2.8) この瞬間を待ってたんやけどね、これがなかなかタイヘン。 何よりもピント合わせがタイヘンよ〜。 超広角は、被写界深度が深くて、ピントの合う距離はわりあい広いのだけど、さすがにこうやって大きくズームアップするときにはそれなりにシビアになる。 いつも言ってるように、生き物は「目が命」だから、合焦地点に目が来たときに撮影しなくちゃならんわけですよ。 なので、これを狙うには、口が開くのを見ているのと同時に、目にピントが来てるのを確認しながら撮影することになる。 今回カンチョは、スローシャッターでの動き表現も出したかったのでシャッタースピード優先にしたけど、できれば絞りは絞った方がピントが合いやすくなる。 そこで、最初の写真と最後の写真はISO400まで上げて、F値をできるだけ絞り込めるようにしているというワケです。 うむむ。。。素人写真術と言いながら、なんか今回は難しいことばっか述べてしまったような気がする。 でも、文字で書くとなんだか難しいけど、今のカメラはそういうことの微調整はみんなカメラの方でやってくれるので、撮影者は「こうしろ」と命令するだけでOK。ホント楽になりました。 楽になったのだから、我々アマチュアも、ちょっとは理論を覚えておいた方がよろしいかと思うのでありますよ。 で、とりあえず一番簡単な理論だけは覚えておいて下され。 広さを表すときには望遠レンズ。 何かを強調するときには広角レンズ。 ●この書庫は、SONYからα700の提供を受けて、水族館での一眼レフ素人撮影術を紹介しています。 □カンチョの水族館写真撮影術が掲載された→『写真ライフ76』2009春号 ■オススメの水族館本(中村元著・監修)→水族館の本 |
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2009年12月20日
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