ブログ水族館/中村 元

次回『中村元の超水族館ナイト』は2019年2月24日(日)の開催。前売り発売は1/24です

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熱帯夜に仕事するのが嫌で、ウィスキー飲みながら写真の整理してたら、3ヶ月前に「美ら海なう!」とか言って、コンデジの写真をアップしたっきりだったのが判明。⇒美ら海水族館でジンベエに会う

そんなわけで、どうせ暑いなら沖縄まで行っちゃおう!
しばらく、美ら海特集です。

ついでに、美ら海水族館にはカメラ持って人がとても多いから、『水族館素人撮影術』的記事でお送りします。

まず今日は、エントランスで我々を迎えてくれる、世界一のサンゴ礁水槽から。
※α700 18mm F5.6 1/50秒 絞り優先 露出補正-0.3 ISO250  (レンズ:SIGMA18-50mm/2.8)
イメージ 1

この水槽は、沖縄の太陽をそのまま引き込んでいるのと、底が真っ白なサンゴ砂に覆われているから、その反射もあって、美ら海水族館では最も明るい水槽。
だから、サンゴ礁に潜ったのと同じように、すごく簡単に水中写真が撮れちゃうみたいな気持ちになる。
そんなワケで、この写真のみなさんも、ほぼ全員が写真撮ってますねw。

でも、きっとこのみなさんは、家に帰るとちょっとがっかりしちゃうことになる。
普通に撮ると、メリハリ無く色の飛んだ薄緑っぽい写真にしかならず、さらに、魚の黄色や赤色は、くすんだ緑になってしまうはずなのだ。

しかしである、
なんだ!やっぱり水中写真のようにはならないなんだ! とは思わないで欲しい。
だって水中で撮影したって、同じようなことになるんやもん。
理由は、海水が太陽から色を奪ってしまうから。
つまりいい色の出ないこの水槽は、ちゃんとした深さもあって、ホントに水中と同じ条件になっている証明なのだ。

では、なんで水中写真のサンゴ礁はとてもキレイなのか?
一つの方法は、海水が太陽の色を奪うことができないほどすごく浅い場所で撮影している。
もう一つは、強力なストロボを当てて撮影している。
美しい色の出ている水中写真は、そのどちらかなのだと考えればいい。

つまり一眼レフユーザーは、こういう明るい水槽でこそ、ストロボ撮影をするべきなのである。
そしたら、潜らなくても水中写真をゲットできるのだ。やりい!


と、そんなこと考えている場合ではない事態が起こった。
おおお…、ユウゼンや!

※α700 15mm F8.0 1/80秒 マニュアル露出 強制発光 ISO250 (レンズ:SIGMA15mmFishEye/2.8)
イメージ 2

えらいこっちゃ! ユウゼンがおる! しかもでっかい!

黒光りしている、ちょっと大型のチョウチョウウオ。
これがユウゼンですぞ!
しばし見とれてしまうカンチョ。
カンチョ、恥ずかしながら、成魚のユウゼンを見るのは初めてなのである。

なるほど、悠然と泳いでますなあ〜。 いや、悠然と泳ぐからユウゼンではない。
漢字で書けばおそらく染め物の「友禅」なのだ。
縮緬っぽい地肌に、しっとりとした黒色を、高級な着物に見立てて付けた名前なんだろうと思う。

錦絵のようなサンゴ礁魚が多い中、この渋い色模様の魚に「友禅」と付けた人のセンスのよさが素晴らしい。
会いたかったよ〜!ユウゼン。

ストロボのおかげで、ユウゼンの黒は真っ黒に、白は真っ白に、お尻の黄色は発色よく写りました。
いろいろ考えて、設定しててよかった〜。


ユウゼン、激写!

※α700 50mm F4.0 1/100秒 シャッター優先 露出補正−0.7 強制発光 ISO200(レンズ:SIGMA18-50mm/2.8)
イメージ 3

これ、なんか3Dっぽくない?

じっと見てると、ユウゼンがユラユラと動いてくる。
ホンマやって! 見てみいって。


はいはい、ユウゼンの興奮はこのくらいに、普通にサンゴ礁っぽい写真を撮りましょう。

※α700 15mm F8.0 1/125秒 絞り優先 露出補正−0.7 強制発光 ISO250 (レンズ:SIGMA15mmFishEye/2.8)
イメージ 4

ヒレナガハギ(上)とアデヤッコ(下)ですな。
アデヤッコは漢字で書けば「艶奴」。 つまり艶やかな芸妓さんの意味。
確かに、とっても艶やかではあるのやけどね、ユウゼンの美しさを見た後では、まあこんなんもおるさ…な感じw。


でも、発色いいでしょ、これも。
そこで、「はいはい、ストロボを当てれば、サンゴ礁の色も魚の色もきれいに出るんでしょ。もうできちゃうもんね〜」と、カンチョの裏技をすでに手にした気分になってるアナタ。
うひょひょひょ、ところがそうはうまくはいきませんですぞ。
 
きっと、まず、ぜんぜん色が出ないどころか、真っ黒になっちゃった。
もし色が出たとしても、水槽の雄大さがなくなって、魚だけしか写らなかった。
となることだろう。

それは、被写体が遠すぎたのだ。
そしてバックが暗くなるのは、水槽の明るさにシンクロさせていないから。
さあ、しっかり考えて、どこでどう撮影すればいいのかを考えましょうね。

実はこの水槽は、細長いように見えて、かなりの奥深さがあるから、ストロボ光など届かないのだ。
でも、サンゴ礁が岬のように目の前にまで突き出てきている場所が、左右に1カ所ずつある。
そこが狙い目だ。
2枚目のユウゼンを撮った写真は右側の岬、3枚目のアデヤッコがいるのが左側の岬。
このどちからでないと、ストロボの光は届かない。

ストロボを使わない場合も、サンゴが近ければ近いほど、カメラとサンゴの間に海水がないので、ある程度の発色が得られるので、コンデジのみなさんも、その場所を確保して撮影するのがいい。
少しでも色を拾っていると、パソコンに取り込んでから、画像ソフトで発色を出すこともできる。


ところで、この水槽の美しさは、光の射し込む透き通るような透明感と、白い砂底にある。
それが表現できる写真を、『中村元の全国水族館ガイド112』用に撮らねば、と撮ったのがコチラ。

※α700 15mm F2.8 1/125秒 絞り優先 露出補正−0.3 強制発光 ISO250 (レンズ:SIGMA15mmFishEye/2.8)
イメージ 5

自分で言うのもなんなんすけどね、きれーなあw。
いや、そもそもこれこそが、沖縄の太陽と、沖縄の海水を、そのまま使うことによって実現したこの水槽の魅力ですね。


素人撮影術的コメントとしては…
このサンゴ礁の岬は、右の岬。
白い砂を美しくするために色補正したら、特にストロボを当てていないサンゴ岬の、わずかに拾っていた色が現れた。
やっぱりねえ、ストロボ使わない場合でも、近いところにあるものを狙うというのが、とても大切なのですよ。
『サンゴ礁の色を出すには、近くに突き出た岬を狙え』覚えておいて下さい。


●美ら海水族館の、これまでの記事と写真はコチラ ⇒九州沖縄の水族館記事リスト

□カンチョの水族館写真撮影術が掲載された→『写真ライフ76』2009春号

■水族館を選ぶなら→WEB水族館:決定版!!全国水族館ガイド
□携帯版もできた!→水族館ワールド

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