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サンシャイン水族館オープン2:大海の旅(サンシャインラグーン) 屋内に入って、ます最初に出迎えてくれるのが、サンシャイン水族館で一番明るい『サンゴ礁の海』水槽。 明るいのは当然! 生きた造礁サンゴを育てているから。 造礁サンゴの育成は、めちゃ大変。 なぜならサンゴは基本的に移動のできない生物で、太陽の光で光合成をし、海水のプランクトンを食べているからだ。 ところが、サンシャイン水族館の屋内は太陽光も入らなければ、新鮮な海水もなかなか手に入らない。 そんな悪条件であるにもかかわらず、造礁サンゴの育成を大々的にやってるスタッフはエライ! なので、お客様が最初に目にする水槽は、この造礁サンゴの水槽にしようとを早々に決めたのだ。 ただ、工事が遅れたことと、秘密兵器に用意したポンプがいきなり壊れてしまったため、当初予定していたほどにはサンゴが育っていないのであしからず。 ところで、この背面の奥行き感のある海。ちょっといいと思わん? これには、マジで苦労しましたぞ。 サンゴたちに水流をあまさず行き渡せるために水槽の奥行きはかなり狭い。でも、コンセプトは『水塊』を見せること。ところが、水槽が明るすぎるために、生半可な照明効果では奥行き感を作れず、コストの問題もクリアせねばならない。難問山積! でもね、今までの水族館の展示にはあり得ないほどの奥行き感のある背景を作ることができた〜! はい、進化系水族館。中村元的には、ここがこの水槽の肝だったりしますw。 サンゴ礁水槽も以前にあった展示を進化させたものだけど、こちらの展示も以前にあった展示を進化させたもの。 ん?こんなコブダイいなかったって? いえいえ、これはイワシのグルグル水槽ですよ。 正直なところ、リニューアルではなく「まったく新しい水族館」を作らねば集客を望めないことが分かっている展示プロデューサーとしては、過去の展示の踏襲はやらないようにする必要があった。 イワシがグルグル回っているだけの水槽は、古いタイプの展示方法だし、そのままなら止めるしかないですよ。と言ったら、担当者が提示してきたのが、そのグルグルを乱す暴れん坊将軍を入れるという手だったのである。 さらにこの水槽、上にラッパのように広がる円錐形になっているので、水中がとても近くなり、広さも感じることができるようになった。(これは、水量をしたの狭い場所では減らすという役割も担っている) あのですね、1年前に閉館時のTBS「Nキャス」で、ボクが「マンボウなんかいらないやん」とか言って、展示スタッフをいじめてるみたいに見えたのは、そういう展示の進化のためのやりとりだったのですよ。マジで。 さてこちらは、まったく新しい水槽『ヤギ水槽』。 もちろんメェ〜のヤギではなく、真っ赤なウチワみたいな刺胞生物のヤギ。 ヤギの真っ赤とか、キサンゴの黄赤を際だたせ、お客さんの興味を引き寄せるために、水槽の設定は海底洞窟にした。 こちらの担当者は、遠近法にこだわる担当者だったので、石筍の大きさや位置を決めるために何度も手製の模型を作ってくれた。 ボクもね、奥行き感を演出するためならなんでもやりたいタイプ。 というのは、水槽の内部は光の屈折のせいで、陸上の3分の2程度の距離感に縮まってしまう。でも逆に広さを演出したいから、2倍の工夫が必要なのだ。 それで、担当者が苦労してつくった遠近法をさらに効果的にするために、水中照明によって陰影を付けることにした。 この擬岩の制作のために、何度擬岩工場に通ったことか。 はい、もちろんこの水槽の中村元的肝は、そこにありますw。 そして! サンシャイン水族館のフラッグシップ水槽である『サンシャインラグーン』水槽。 フラッグシップ水槽とは、カンチョの当初からの思いです。 それは、「集客できる水族館には、印象に残るその館ならではの『水塊』の水槽がある」という考え方です。 美ら海水族館の「黒潮の海大水槽」、旭山動物園の「アザラシチューブ」、アクアマリンふくしまの「潮目の海」、新江ノ島水族館の「相模湾大水槽」など、工夫を重ねたことで、その水族館の方向性を明らかにし、その水族館の顔にもなっているような水槽。 それが、かつてのサンシャイン国際水族館にはなかった。 そこで、今回のリニューアルでは、「これぞサンシャイン水族館の水塊」と言われるような水槽が一つどうしても必要だと考えたわけ。 もちろん、サンシャイン水族館の条件は厳しすぎる。 10階11階という決められた天井高がある、柱がいっぱい通っている、水量はたくさん使えない、さらにコンクリートもたくさん使えない…という厳しい現状があるのだけど、それらを克服してお客さんに強い印象を持たせる水槽はできるはずだと、ボクは思ったのだ。 がフラッグシップ水槽。 そして、担当者と共に知恵を絞りまくってできたフラッグシップ水槽が、この「サンシャインラグーン水槽」 こいつには、いろんな工夫がしてあるんよ〜。 ・この水槽の前面だけ、床を取り払って天地を最大限深くした。(床の存在を見つけた時には嬉しかったw) ・奥に行くほど浅くして、遠近法を取り入れたした。(それにより水量も減らせた) ・サンシャイン=陽光が絶対必要だと思い、輝く白砂を敷いてラグーンを演出した。(白砂はさまざまな場面で使った) ・水槽内に2本も入っている柱を、擬岩と照明でなかったことにした。(探してみて下さいw) ・擬岩のゴニョゴニョをムニャムニャした。(これ、ボクの企業秘密だから明かさないw) など、ホントにさまざまな方法で、目の錯覚を最大限に駆使して、本当の大きさの2倍近く見える水槽を成功させたのだ。 これはねえ、マジで画期的な技術ですぞ。 どのくらいこれが成功したかと言うと、ダイバーがこの水槽に潜ったときに、ボクの顔が青ざめたくらい成功した。 なんとね、目の錯覚で奥行きを演出しているため、リアルなダイバーが奥の方に行くと、巨大化しちゃうのw。 ボクはもう、バレてショックやら、自分の目までだませていたことに嬉しいやら、困りましたw。 今は、ダイバーさんは、奥の方では立たないこと。…水深がバレちゃうから。 出来る限り端っこの方を通って、すぐに一番深いところに来ることを、意識してやってくれているので、まあそんなにわかんないと思うけど、ダイバーがいたらよーく見てみて下さい。 この水槽が、サンシャイン水族館ならではのフラッグシップ的水槽として、いかに工夫されているのか実感できと思いますよ。 このサンシャイン水族館で一番巨大な水塊を使って、こんな水槽もある。 『チョウチョウウオの舞』の水槽。 こちらの水槽も、水量の関係と、美しいチョウチョウウオたちをお客様に近くでよく見てもらいたいということもあって、奥行きのとても薄い水槽だった。 でも、サンゴ礁魚類なんだし、それなら上記の「サンシャインラグーン」の水槽を借景にしたらいいよと、背面の壁を透明なアクリル板にしてあげたのだ。 この手は、すでに他の水族館でも、いくつか行われてはいるのだけど、ここのはマジで気づかないよ。 これを繋がっているために見せるよう、擬岩のゴニョゴニョをムニャムニャしてあるし(w)、 なんせ、サンシャインラグーンを見る前にこの水槽があるから、まさか借景とは思わない。 さあ、今日はここまでにしておきましょう。 この後はまた、明日か明後日に。 ところで、ボクが新しい水族館を紹介すると、やっぱり展示プロデューサーとしてのコンセプトやら、水塊の見せ方の工夫を中心に語っちゃいます。 ホントは、今日紹介した水槽には、水族館の展示スタッフが開発した、面白い行動展示の手法もいっぱいあるのです。それらの紹介は、また後々やりますね。 ブログ水族館では、新しいサンシャイン水族館の誕生を、ゆっくりと楽しんで行きたいと思っています。 あ〜!また今夜もこんな時間。 今日は、オープン前日のサンシャイン水族館に、NHK「あさイチ」の取材に出かけねばならないのです。 放送は、確か23日なので、まだまだ先ですな。 あ、そういえば今日は、フジTV「知りたがり!」で、11時を挟む頃に10分ほどサンシャイン水族館の紹介がされます。今日はボクがちゃんとしゃべってると思うんやけどなあ。。。 ●サンシャイン水族館リニューアルの展示プロデューサー中村元によるサンシャイン水族館の全て! ⇒天空のアシカ/サンシャイン水族館アクアリング(2011/8/1) ⇒サンシャイン水族館オープン2:大海の旅(サンシャインラグーン)(2011/8/3) ⇒サンシャイン水族館オープン3:クラゲふわりうむ(2011/8/5) ⇒サンシャイン水族館オープン4:水辺の旅(2011/8/8) ⇒サンシャイン水族館オープン5:バイカルアザラシと湧水水槽(2011/8/15) ⇒サンシャイン水族館オープン6:サンシャインラグーンのトビエイとドクウツボ ⇒サンシャイン水族館オープン7:タカアシガニとシオマネキ(2011/8/26) ★東京カルチャーカルチャー『中村元の超水族館ナイト』が、オープン直後のサンシャイン水族館に3夜連続やってくる!⇒『中村元のサンシャイン水族館ナイト』8月8,9,10日夜19:00〜 ●サンシャイン水族館の、過去の記事と写真はコチラ ⇒東京の水族館記事リスト |
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