ブログ水族館/中村 元

次回『中村元の超水族館ナイト』は2019年2月24日(日)の開催。前売り発売は1/24です

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加茂水族館「クラゲドリーム館」グランドオープンまであと2日!
6月1日に、あのクラゲ水族館「加茂水族館」が奇跡のグランドオープンを果たす。

長いこと、ほったらかしにしていたブログ水族館だけど、不屈の精神の大先輩である村上龍男館長の夢が叶おうとしている時だから、なんとしてでも書かなくちゃあかん!
そんなわけで、とにかく応援ブログを書かねばと、先日はオープン前の内覧会に出かけていったのです。

じゃーん!

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順番違うけど、この世界最大クラゲ水槽からいっちゃおう!
ていうか、いかずにいられないこの水槽。

う〜ん、ミズクラゲの浮遊感が天界まで届くような浮遊感。
すごい! すごいのだ!
新館が誕生したばかりだというのに申し訳ないのだけど、もうこの水槽だけ見ることができれば、他は全て付け足しみたいなくらいにすごいのだ。

1ヵ月ほど前に、テレビのロケハンで訪れたときに、村上館長は『クラゲプラネット水槽』ていう名前にしよと思ってるとおっしゃってた。
うん、ええやんそれ! クラゲの地球や!クラゲの宇宙や!

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水槽の前に立てば、クラゲしか見えなくなる。

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クラゲで立ち直った水族館だから、だれも考えたことのない世界一のクラゲ水槽をつくる!
ただただ、そんな少年みたいな情熱で、直径5メートル以上もあるクラゲ水槽をつくってしまった。

村上館長のその情熱と、それを可能にさせた奥泉副館長の情熱がこの水槽からほとばしっている。
ずっと観てるとね、なんか涙が出てきそうになっちゃうんよ。ボクは。

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加茂水族館は、すでに誰もがご存知のとおり、廃館になる寸前からクラゲで立ち直った水族館だ。
その廃館になる寸前に、ボクは訪れたことがある。
そして、その頃連載していた『旅の手帖』に書いちゃったのだ。
『日本海の荒波にさらわれてしまうかのような、小さくて古い水族館があった……』と。ひどい!

そしてなんと、村上館長はそのエッセイを読んだらしい。
それが、館長とボクとの最初の接点だった。
いやはや、村上館長はそのことを今でもネタにして、「中村元がなくてもいい水族館と書いた」とか思いっきり盛って、その頃の水族館がダメな水族館だったと話されている。
そのためにテレビや新聞から、旧水族館をこき下ろした張本人ということで、ひどいコメントをくれという取材がいくつもあったくらいw。

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ボクは村上館長が、そのエッセイを読んだってことはずっと知らずにいたのだけど、その後全国水族館ガイドを書くようになってから、あの本当に日本海に流されてしまいそうだった加茂水族館が、クラゲ世界一を目指し、クラゲアイスを食べさせているという情報を知って、がぜん興味を持った。

そして、これは面白い!と思い、週間朝日のグラビアや、テレビのベストハウス123で、「有名じゃないけれどすごく面白い水族館」として紹介したのだ。
全国ネットの媒体に載ったことでお客さんが増えたとかで、村上館長はたいへん喜んでくれて、それから仲良く付き合わせていただいているのだけど、くだんの旅の手帖のエッセイのことを聞いたのは、それからかなり後、なんと超水族館ナイトに村上館長をゲストでお招きしたときのことだった。

ゲスト登場でいきなり、村上館長はその話をされましてね。
超水族館ナイトでボクのドヤ顔が引きつり固まったのは、あれが最初で最後の出来事ではないかとw。

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さて、荒波に流されるがごとく印象以上に、加茂水族館の窮乏は、それはもうハンパじゃなかった。
起死回生を狙って入れた高額なラッコの借金や、当時の親会社から背負わされた負債などを抱え、村上館長は自分の家を抵当に入れてまで資金繰りをしていたのだ。

旭山動物園が閉園の危機にあったとか、そんな甘いレベルではないよ。
スタッフに来月支払う給料をどうするか?動物の餌代をどうするか?借金がかさむばかり。
しかし、水族館を廃館にしたら、抵当に入っている館長の家は銀行に取られてしまう。
崖っぷちギリギリというか、すでに崖から落ちてますよね?それ。というような状況だったのだ。

そんな状況から、クラゲを始めた。

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最初はクラゲの種類日本一を目指し、そして世界一を目指し…。

でも、クラゲの種類が日本一になっても、誰も興味ないよね。
案の定、日本一になった年は、前年比割れの入館者だったらしい。

でも、そこからが、村上館長の奇跡の物語の始まりなのだ。

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村上館長が取り組んだのは、クラゲと食を繋げる話題づくり。
「クラゲを食べる会」を主催して、クラゲのヘンテコ料理をつくらせたり、みんなに食べさせたり。
そんな中から、あの有名なクラゲアイスが発明され、ボクはそれにつられてまんまと取材に行っちゃったというわけ。

ところが、クラゲアイスってさ、アイスクリームにクラゲをぶつ切りにして混ぜるだけやったからねw。
まあしかし、それがまた面白いわけでw。

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いや、なんにせよ、展示生物だけに頼らず、展示生物に関わる話題を自ら作り、マスメディアに注目させて集客に繋げるのは、ボクの水族館プロデュースにおける、集客成功への道ヒミツ作戦その一なのだ。
そんなヒミツ技を、失礼ながらボクより一回り以上ものお歳の、さらに失礼ながらあの田舎の水族館の館長が、次々と成し遂げてこられたのはそれこそ奇跡的な才能を持った方だと思うのだ。

そんな村上館長のハチャメチャな努力が実を結び、加茂水族館は奇跡のV字復活を遂げた。
そしてついに、念願の新水族館グランドオープンである。

ボクは思う。
加茂水族館がクラゲで復活したのではない。
村上龍男館長の不屈の闘志が、加茂水族館を復活させたのだと。

でももちろん、一人でそれが成し遂げられるわけではない。
難しいクラゲの飼育と展示を、知識も機材もない中で実現させた奥泉副館長という相棒がいた。

村上館長の少年のような情熱と、巧みなパブリシティ術。
その情熱を、飼育と展示の技術を開発することで可能にする、奥泉副館長のやっぱり強い情熱。
その二つの情熱が実を結び、今、新しい加茂水族館はグランドオープンを迎えようとしている。


ドヤ顔で立つ村上館長と奥泉副館長。  (ボクまでドヤ顔する必要あったんかw)
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このクラゲプラネット水槽の前に立つと、村上館長と加茂水スタッフの不屈の情熱が伝わってくるのです。
みなさんも、その魂を受け取って欲しいと願っています。

ところでね、そんな自分の身体と人生を張って加茂水族館に奇跡を起こした村上館長が、なんと鶴岡市から退任勧告を受けているというではないですか。 え〜!そんなアホな!
鶴岡市のみなさん! そんな全国に恥をまき散らすようなことにはならないようにして下さい。

そもそも、新しい水族館ができた直後には集客は簡単でも、あの不便な場所にいつまでも人を呼ぶことができるのは、村上館長なくして誰にもできません。
なによりも村上館長は、鶴岡市の宝であり、山形県の宝であり、そして日本の水族館界の宝なのです。
鶴岡市民のみなさんが立ち上がってくれることを心より期待しています。

※この記事の後編はこちら⇒新・加茂水族館、本日オープン【後編】

●加茂水族館の、これまでの記事と写真のリストはコチラ ⇒東北の水族館記事リスト


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□オススメの水族館本(中村元著・監修)→水族館の本
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