ブログ水族館/中村 元

次回『中村元の超水族館ナイト』は2019年2月24日(日)の開催。前売り発売は1/24です

命をいただきます食堂

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命をいただきます食堂、4品目はアンコウ!
アンコウは、今度の冬のメニューにしようと思っていたのだけど。。。
ダメでした、こんなすっごいアンコウさまに会ってしまったんだもの。

ボクが今まで水族館で会ったアンコウの中じゃ、飛び抜けて巨大なアンコウさま。
しかも、海底にのそりと潜んでいるだけじゃなく、突然水槽の中右へ左へ上へ下へと飛び回った!!!
まるでK1にデビューしたての元気なボブサップのごとく大暴れなのである。

昔、なんかの本に、「アンコウは時折水面に上がってきて、波間で休む海鳥を巨大な口でバクリと呑み込むこともある」なんて書いてあったのを読んで、マジっすか?眉唾もいいとこだな〜と思っていたのだけど。
う〜〜〜ん、今日のアンコウさまを見ていたら、まんざらあり得ないことでもなさそうな気持ちになってきた。

海底にじっとしているときにも、いわゆる奇怪な姿なのだけど、泳ぐとさらにすさまじい。
見るからにコラーゲンたっぷりの体がぶよんぶよん揺れて形が七変化するのだ。お腹を見れば水流でたっぷんたっぷんと波打つのがまたすごい。
そして、正面を向いたとき、足じゃ!足がある!
もはや、魚とは言い難い姿というか、いや、実にご立派!としかいいようのない姿なのだ。
このアンコウを、鍋にしていただいていると思うと、いやほんとに、ありがたや、ありがたや。

アンコウで有名なのは茨城県の大洗海岸。
西の方では、冬はてっちりだけど、関東ではだんぜんアンコウ鍋のようですね。
フグは内蔵が、毒で食えないのに対して、アンコウはすべての部位をいただける。
身に、肝、皮、鰭、卵巣、胃袋、さらにエラまで!すべていただけるから、それで「アンコウの七つ道具」なんて呼ばれている。
アンコウにとっては、ぜ〜んぜん道具なんかじゃなくて、迷惑千万な話なのだろうけれど、それでも命の全てをおいしくいただこうという日本人はエライ!
と思いきや、ヨーロッパでもスープにして好まれているのだそうだ。
やっぱり、アンコウがエライ!

アンコウのお料理といえば、吊し切り。
ぶよぶよでヌルヌルなので、まな板の上で切れないから、吊して捌くようになった。
テレビなんかでは、これができないと一人前の板前じゃないとかって、よく紹介されているのだけど、市場の専門の板前さんは、吊しもせずにまな板の上でさっさっと捌いてしまうらしい。
つまり、まな板の上で捌くことができる方が、アンコウの板前さんとしては超一流なのだ。

ところで、このアンコウ、水族館で見られるアンコウとしては相当巨大だけれど、ボクたちがいただいているアンコウにはもっと大きいのもいる。
アンコウで1m、キアンコウだと1.5mにもなるんだって。

●photo1
ふつーにアンコウだな〜と思うでしょう。
●photo2
ところが、これが泳ぎ出して正面から見れば、口に足がついた妖怪「飛び大口」い〜ひ、ひひひ〜、ぎゃおす!
となりにいたちびっこはびびって、顔がひきつってしまっていました。ちびったんだろーな。w
●photo3
体がですねー、ぶるんぶるん揺れて、形がぐにゃぐにゃと変化するのですよ。
たまたまスローシャッターにしていたところにストロボ焚いたので、その揺れがよくわかる。
●photo4
ちびっことアンコウさま。ちびっこ側から撮っているというのに、アンコウのこの大きさ!
そんなに近づくと、逆いただきますされちゃうよ!

というわけなのだけど、このすごいアンコウさま、新江ノ島水族館の「命をいただきます」のコーナーに突然入ってきていました。
今夜アンコウ鍋でも、と思っているみなさん、まず水族館でアンコウさまの神々しいほどに図太い命とご対面してきてはいかがでしょうか。
水族館のアンコウにも旬があり、早めが見頃だと思う。。。

3品目:ピラルクー

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さて、命をいただきます食堂、トラフグが来て、カキが来たら、次はアンコウかイセエビか?
な〜んて、普通にグルメな食堂と思っていたら大間違い。
Blog水族館にある食堂なのだ、カンチョが今までにいただいたものは何でも出る。
ボクはけっしてゲテモノ食いではないのだけれど、出されたものはどんなものでも、ありがたくいただくという気持ちだけは忘れないようにしている。
コウモリスープだって、アオウミガメのゆで卵だって、ジュゴンの干し肉だって、バロットだって(まあこれは半ベソでだけど)いただいた。
※バロット:孵化直前のアヒルの卵のゆで卵。

そこでそろそろBlog水族館の食堂ならではのメニュー、いただきますよ〜!ピラルクー!
一昨日に訪れてきた新屋島水族館にもいたピラルクー。アマゾンの王者とも呼ばれる超巨大魚である。
成長がすこぶる早くて、水族館の水槽程度でも2mくらいにはすぐに成長するのと、いかにも古代魚を思わせる姿に、鎧をかぶったかのように無骨な風貌で、水族館の淡水魚コーナーの王者でもある。

しかしその風貌には似合わず、数居るアマゾンの魚類の中でも、特別に美味しい魚とされていて乱獲され、今では養殖されたものしか市場には出回っていない。
さらに、あまりにも巨大で冷蔵庫に入れられないのと、そもそもアマゾン川流域には冷蔵庫も電気も少ないために、現地では巨大な三枚下ろしを塩漬けして保存食にするのが普通らしい。

ボクはそのピラルクーの天然モノ、しかも塩漬けでない身をいただいたことがある。
もう20年ほど前、アマゾン中流のマナウスから乗った船での食事だった。
その頃はまだ養殖の技術はなくて、ピラルクーの身は超高級肉だったのだけど、船室が10室ほどある木造クルーズ船をチャーターした日本人たちに、これはかなりのVIPなのだろうと思って仕入れてきてくれたらしい。
1日目のおかずに出たのが、ピラルクーのフライだった。
それまで食べていた、ナマズのたぐいとはあきらかに違う上品で淡泊な味は、日本の白身魚フライのようだった。
いや、日本ほど鮮魚流通の技術がなく、めいっぱい気温の高いアマゾンで、あれほどの美味しさということは、それはもうかなり上等の味なのに違いない。

実は、ピラルクーがとても美味しいというのはヨーロッパにも知れ渡っていて、年間2千トンものピラルクーがヨーロッパに輸出されていた時代があったそうだ。
アマゾンの先住民が捕獲して食べる分には、どれだけ捕ろうがいただこうが、大アマゾンの恵みはピラルクーを少なくすることはない。しかし、輸出をし始めたらお仕舞いだ。

同じ形でもっとひどい目にあった動物が、アマゾンマナティーだ。
マナティーもピラルクーと並んで、アマゾンの最高に美味しい肉だった。
さすがにボクもマナティーを食べたことはないけれど、アマゾンマナティーは、アメリカマナティーやアフリカマナティーとは違って、体はすべすべした感じで、いかにも美味しそうな姿をしていた。

さて、キリスト教には、肉を食べてはいけない時期とか曜日とかが流行した時代があったそうだ。けれど、それでもみんな肉は食べたい。
それで、アマゾン川に住み、魚の姿をしたマナティーは、魚として扱っていいということになったのだそうだ。
もちろん、マナティーは哺乳動物だから肉の味をしている。というか肉そのものだ。
さらに、イルカなどとはちがって草食動物だから、肉に臭みはないし硬くもない。
下手したら家畜のウシよりも上等の肉だったワケで、これもまた大量に肉にされてヨーロッパに輸出されたのだそうだ。

ピラルクーもマナティーも、そんな時代に船でヨーロッパに運んでいたらコストも余分にかかるし、いずれにしても塩漬け肉だろうから本当の美味しさなんて失われていただろうと思うのだ。
でも、きっと、アマゾンから運ぶ珍味という珍しさが、肉に「上等」という付加価値を付けたのだろう。そして価値とは「金」なのである。
乱獲というのは、食べる対象から、金儲けの対象になった時点で始まる。
「命=食べ物」ではなく「命=金」になってしまうのだ。食べ物は腐るけれど、金は腐らないからいくらでも貯められるわけ。
そしてそうなると、自動的に「いただきます」という命に対する純粋な気持ちも絶滅しちゃうのでしょうね。

ところで、まさかピラルクーのフライが出てくるとは夢にも思っていなかったボクは、前日に日本人市場で見つけてきた出前一丁を作るよう、船のコックに頼んであった。
そして、コックに勧められるまま、そのとっても美味しいピラルクーのフライを、出前一丁の中に入れてしまったのである。出前一丁ピラルクー味のできあがり!
いや、それはとても美味しかったのですけれどね、今となってはなんだかちょっと悲しい思い出です。

photo上 浅虫水族館の巨大ピルクー。
photo下 なかがわ水遊園の真っ赤なピラルクー。
どちらも、尾の方の赤色がとてもきれいで、体の形もいい。
ピラルクーとは、ピラ=魚、ルクー=赤い染料の木の実、という意味なのだけど、赤色が出るのは、2m近くの大きさに成長してから。
身が引き締まって美味しくなるのも、1m以上に成長してからなのだそうだ。
しかし、だからといって、水族館で死んだピラルクーを食べたという話は聞いたことがない。
尚、最近ではサンパウロで日本人が養殖に成功しているのだそうだ。→コチラ

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2品目:カキ=マガキ

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いただきます食堂の2品目は、マガキ(牡蠣=カキ)
大好きなカキが、ノロウィルスとやらに風評被害を受けているらしいので、うちの食堂では大々的に出すことにしました〜!

カキと言えば広島!と思っている方は多いのだろうが、カンチョ的には、カキと言えば伊勢志摩!だ。
確かに広島のカキの出荷量は日本一。調べてみたら、なんと出荷量は7割近くが広島産なんて書かれている。
そして、牡蠣フライ、牡蠣鍋には、あのぼってりとした広島カキはとても合うとも思っている。

でも、生食するのなら、出荷までに通常2〜3年かかるところを1年で育てる、ミネラルが特別豊富な地域のカキが一番なのである。
1年で育てる方式は、伊勢志摩の的矢湾で、佐藤さんという研究者が開発した。
まあ、開発したというよりも、森に囲まれたリアス式海岸の湾内が、ミネラルたっぷりで、カキのエサである植物プランクトンが多いことを発見したわけなのだけどね。
しかし佐藤さんはさらに、カキの毒性は、エサにしているプランクトンの毒性が溜まっているだけで、実はカキはその毒性を排出することを確認。紫外線で殺菌した海水で20時間以上飼育するカキの滅菌方法を発明。
この特許を取って、超有名高級ブランド「的矢かき」が生まれた。

この方法、つまり1年で育て、紫外線海水で滅菌入浴したカキは、生でいただくとホントに美味い。
鳥羽市の浦村町は的矢かきを師匠に育った浦村牡蠣の産地で、最近では東京の高級レストランでも「浦村牡蠣」と書かれていて嬉しくなる。
浦村にはカキ養殖をしている友だちがけっこう多いのだけど、カキの時期はとても忙しくて、尋ねて行くと、カキ剥きの作業をしながらしか話もしてくれない。そのかわり、次から次へと剥いたばかりのカキが手渡される。
これがまた、カキが吸い込んだ海水の塩味だけで、いくらでもいただけるのだ。
実は、この友だちのカキ剥き工場で、カキパーティーなるものをやったことがあるのだけど、生の剥きガキだけで一人50個はいただいた。頭の先にまでグリコーゲンが詰まったようだった。

ところが、もう食えない!というときに、友だちが「いや、この方法ならまだ食えるぞ!」と言って始めたのが「蒸し牡蠣」だった。
一斗缶に殻付きのカキを一杯に入れ、フタをしてひっくりかえし、コンロに直に置くのである。
15分ほどして、一斗缶から出てきたカキは、自分の貝殻に残った海水で蒸され湯気を立てていた。
うっすらと、カキの貝殻が開き始めたところがいいのだそうだ。
その貝殻の口にナイフを差し込み開いてみれば。なんとまあ!真珠色に輝くカキの身が現れた!
もう見るからに美味しそうなのだが、いただいてみれば、海水の塩分があんばいよく効いていて、それはそれはこの世のモノとは思えない極上のお味。

ボクは生ガキで腹が破裂しそうなことも忘れ、次から次へと、その真珠ガキをいただいたのでした。
カキ漁師たちに聞けば、カキの美味しいいただきかたの順番は、まず「蒸し牡蠣」→「焼き牡蠣」→「生牡蠣」→「その他調理」(実は浦村牡蠣(的矢かきも)は、牡蠣フライや牡蠣鍋にはペケだ。)
蒸し牡蠣の美味しさを知ってから、ボクは絶対に蒸し牡蠣派だ。
家でも、古いフライパンで殻付きのカキを焼けば、ほぼ同じように蒸し上がる。

ところがですね、そんな風に、生牡蠣と蒸し牡蠣は、伊勢志摩のカキが一番!と20年以上信じていたボクに、たいへんな出来事が起きたのですよ。

仙台松島のカキの再発見!
松島のカキ、なんかすごく進化して、最近めちゃくちゃ美味しくなってるんですね〜!
どうやらやっぱり、的矢かき方法らしい。
マリンピア松島水族館に取材に出かけたとき、雪の松島を眺めながらいただいた、牡蠣どんぶりは最高!
そしたら、水族館の中でも焼き牡蠣をしていて、ここで出されている牡蠣が、悔しいというかなんというか、浦村牡蠣よりわずかに勝っている気がしたのだ。

今年はまだカキの暴れ食いをしていない。
浦村に行くか、松島に行くか、それはもうめちゃくちゃ悩んでいる今日この頃なのです。
いや、その前に、時間をつくれるかどうかにもっと悩んでいるのだけど。。。

●photo上:宮島水族館で展示されていたマガキ。
カキの仲間は日本だけでも20種類ほど(世界で100種以上)あるのだそうだが、普通にカキと言えばマガキのことだ。
カキの食欲はすごい。カキ養殖の筏が浮いている海を見ると、流れの上流はプランクトンで濁りきっているのに、筏の下手の海を見ると、すっかり透き通っている。
1匹のカキが、1時間に吸い排出する水量は、約20リットルなのだとか。
広島では、カキの養殖による水質浄化や、筏に住む生物多様性が評価されているとのこと。

でも、養殖というのは、実は海底ヘドロの最も大きな原因でもあるのですね。
なぜなら、海を漂っていたプランクトンは、放っておけば分散してどっかに流れていくけれど、貝が食べれば、ウンチになってその真下に落ちるから。
このことは、また別の機会に・・・。

●photo下:仙台松島でいただいた「牡蠣どんぶり」
この身の締まった感じのプリッと感が、見るからに美味しそう。
蒸し牡蠣か、焼き牡蠣の写真があれば、よかったのだけど・・・・。

1品目:トラフグ!

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さて!いただきます食堂の1品目。
なんにしようかと色々悩んだけれど、やっぱり季節モノがいいだろうというのと、
何よりも第1弾だからして、景気よく奮発しちゃいましょう!
ということで豪華にトラフグ〜!(実際にいただくわけじゃないのだけどねw)

トラフグと言えば・・・、そりゃもうなんちゅうたかて大阪でんがな。
なぜか関西人はフグが好きで、大阪のまちには、そこかしこにフグ料理屋がいっぱいある。
ボクのトラフグ初体験も、大阪の従兄弟のお兄ちゃんに連れていってもらった高校生時代だった。
「フグはな、当たったら死ぬから鉄砲言うんや。ほやからテッサは鉄砲の刺身、テッチリはな鉄砲の鍋ゆうことや。」
なんて、いかにも大阪っぽいというか、大阪のおっちゃん風のフグ料理言葉を使う従兄弟を、大人やな〜と思いつつ、とても魚とは思えない鶏肉みたいな食感に感激してたらふくいただき、勧められるまま鰭酒なるものもいっぱいいただいた。

そして、すっかり酔い酔いのフグ腹になったボクは、従兄弟のお家にたどり着いたと同時に、全てゲロゲロ〜と吐き出してしまったのでした・・・。ぐすん。
それから社会人になるまで、トラフグなんて食えなかったというのに、四半世紀にたった1度のトラフグ様を、なんてもったいないことしてしまったのでしょう。

さて、Blog水族館的にトラフグと言えば、天下のフグ中心主義水族館しものせき水族館「海響館」だ。
なんで海響館がフグ中心になったかはみなさんご存知の通り、下関がトラフグの集積出荷の地だから。

しかもただの集積地ではない。天然フグの8割は下関に集まるのだそうだ。
10年ほど前、普段は東シナ海でたくさん獲れるトラフグの漁場が、黒潮の影響で、三重県、愛知県の沖にまで北上したことがある。
やった〜三重でもフグが安く食える!と思ったのは浅はかだった。その時には、西の方からのフグ漁船団がやってきて、下関に水揚げしていた。
地元の漁師が獲ったトラフグも、なんと陸送で下関に持っていくと聞いた。
その方が値が高く売れるし、なんせフグを扱うルートも、フグを捌く技能をもった人も、下関にしかないからだとのことだった。
今では、各地の水揚げ港町で、地元名を付けたブランドトラフグにして消費するようになってきたけど、それでも8割が下関なのである。
ダイヤモンドシンジケートみたいなもんなんでしょうね。

そうそう、フグと言えば毒の話をしなくちゃならない。
フグの毒はテトロドトキシン。食べる前に舌を噛んで死んでしまいそうな名前だけど、これがまた強力な毒で、煮ても焼いても晒しても抜けない。
種類によって毒のある部位が違うのと、せっかく毒のある内臓を取り去っても、作業の途中で内臓の毒が身に付いてしまったりするから、フグの調理には特別の調理師免許が必要だ。
でも、この免許に国際免許はないようで、かつて日本人がニューヨークだかにフグ料理店を開店したところ、当局より危険な食い物のレストランとして閉鎖させられた、という新聞記事を読んだことがある。(もう15年くらい前だけどね)

養殖のフグには毒がない。これは、フグが食べ物からテトロドトキシンの原料を摂取しているからで、毒性のない餌をあげていたら無毒のフグが育つというワケ。
海響館で詳しく聞いたところ、研究解明して発表したのは長崎大学。
それで、天然・養殖とも日本最大の水揚げ県である長崎県や、フグ業界などは、養殖フグをさらに安価に普及させるべく、養殖フグは無毒なのだからフグ調理師免許を持っていなくても調理できるようにしてくれと、政府に働きかけているらしい。

これも海響館の人に聞いた話だけど、かなりの達人でも、天然フグと養殖フグを味で見分けることはできないのだそうだ。
「だから下関の人は、みんな養殖フグを食べてますよ」とのことだった。
基本的に水族館飼育係系の人たちの味覚は信じない方がいいというのが、ボクの経験上の教訓なのだけど・・・・。
でも確かにフグの身にはそもそも味わうべき味がない。フグの旨さは、あのブリブリした食感だけなのだ。鍋で出るスープもあっさり上品だから美味いのだと思う。
だからきっと、天然も養殖も、我々がいただいて見分けられるものではないのに違いない。
もしTVで、叶シスターズが、目隠しして天然トラフグを当てたら、ヤラセを疑おう。

しかしそこで、はたと気付いた。
もし、養殖フグは無毒だからフグ調理師免許を持ってなくても調理してよろしい、となったとしましょう。
でも、見た目も味も、天然と養殖の見分けがつかないワケ。
それが、どっかで入れ違ったり、混じったり、そんなことは必ずあると思うのね。
結局、フグ調理師免許は必要なくなっても、天然か養殖か見分ける免許が必要になるのではないでしょうか?

●photo上:いただき頃のトラフグ。(海響館)
フグは漢字で河豚。ブタ顔ブタ体型だからというよりも、手で持つとブーブーと鳴くからだろう。
河なのは、中国の大河にはフグが入ってくるかららしい。
●photo下:海響館のトラフグ水槽。
こんなでっかい水槽にトラフグしか泳いでいない。さらに、小型のトラフグ水槽も併設。
おそらく今後、この水槽を凌駕するトラフグ水槽は出現しないだろう。

う〜ん、ちょっと長い読み物になっちゃいましたね。
1品目だから思わず気合いが入ったというのではなく、フグって書き始めたら面白いネタが多すぎるのです。まだ書き足りない気分。でもいきなり初回から2回に分けるのもなんだしね〜。
次回からは、もっとさらっといただきましょう。
今年はなんか一つテーマを増やして、もう少し話題を広げようと思い立ち、ボクの水族館活動のテーマの一つ『命をいただきます』の書庫を増やすことにしました。
名付けて「命をいただきます食堂」 うへ〜、そんな食堂あったら入りたくないし。。。

とは言うものの、「命」と「いただきますの気持ち」を、今さら難しくこねくり回すつもりはなく、美味しくいただいた話とか、いつもいただいている生き物たちの生きている姿とか、食卓に届くまでのお話しをしながら、さまざまな命たちや、ボクたちに代わって命を奪ってくれている漁師さんや料理人の方々へ、感謝できればなあと。。。

そもそも日本にたくさんの水族館がある理由が、水産大国だったからで、日本人が水族館好きな理由の一つも、きっといつも魚介類をいただいているからなのです。

水族館の飼育係も、みんな海の幸が大好きで、食べるだけでなく釣りも大好きという飼育係も少なくない。
いや、よくよく考えてみれば、「鯨肉だけは食べられない」というイルカトレーナーにもまだ会ったことがないな〜。
というか、そんなの食べるのが当然だと思っているから尋ねたこともないからかもしれないけれど。今度から聞いてみよう!

とまあ、そんなノリで、ボクたちの生きる糧となってくれている水族館の生き物のことを、たぶん明日くらいから、ボチボチと紹介していきます。
この書庫に記事が載った日だけでも、食卓の、かつて命ある姿だった生き物たちに、そして命を奪う役目をはたしてくれた方々に、感謝を込めて「いただきます!」と言ってみて下さい。

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