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種名:ジョンペリー ペンギン 全長:大140mm・小130mm 生息地:サンジェゴ シーワールド 特徴:飛んでいるペンギンの最高傑作。台座になっているのは木の根を磨いたもの。 モデル:アデリーペンギンもしくはジェンツーペンギン 発見日:1986年3月 実は、先に紹介したプンタアレナスペンギン、マガリャネスペンギン以前に手にしたペンギンがいる。 それは、別にペンギンを集めようとして買ったワケではなく、フォルムのあまりの美しさに買い求めたペンギンだ。 初めて、アメリカの水族館を視察に行ったおり、シーワールドで見つけた。 台座の左端にJohn Perryというプレートが入っているが、今も活躍中の作家らしくネットに出ている。 しかし、今の作品よりも、この作品の方がはるかに素晴らしい。 実は値段もけっこう素晴らしくて、もう20年も前のことなのに、裏に50ドルのタグが貼ってある。当時はまだ1ドルが250円前後だったから、1万円以上したんだ。 そして、その当時のボクのお小遣いは、月々3万円だったっけか。ボクにとっては目ン玉飛び出るほどの金額だった。 それでも、あまりの美しさに惹かれて買ってしまった。その頃、日本で水生動物のこんな素敵な置物はなかったのだもの。 まさかその1年後から、ペンギンを集め始めることになるとはまるで思っていなかったのだけど、この時このペンギンを買っていなかったら、もしかするとプンタアレナスペンギンからコレクションが始まることも無かったかもしれない。 ボクの超お気に入りペンギンの一つで、今もテレビの上に飾ってある。 photo上:正面。けっして写実的ではなく、むしろ抽象的なのに、とてもリアルな躍動感を感じる。 特にすごいなー!と思うのは、生き物作品に命を吹き込む眼さえ描かず、ペンギンの特徴である脚もない。それなのに、リアルなペンギンを表現しているところだ。 photo下:側面。この方向からの躍動感は、また特別素晴らしい。 水面に上がろうとしている手前、水面上から海に入ろうとしている奥のペンギン。この2羽の姿で、ペンギンが海を飛ぶ鳥だということが分かる。 |
手乗りペンギン展示室
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種名:マガリャネス ペンギン 体長:57mm 生息地:プンタアレナス空港(チリ) 特徴:焼きも塗りも粗雑ながら、うつむき一心に毛繕いする姿に、もののあはれを感じる。 モデル:マゼランペンギンの若鳥 発見日:1986年12月 初回に紹介した、プンタアレナスペンギンの2羽目を発見したプンタアレナス空港の売店にて、同時に発見した。 石彫刻のプンタアレナスペンギンもかなり無骨なつくりだったのだが、こちらはさらに粗雑。値段も、プンタペンに比べて驚くほど安かった。たぶん1羽300円くらいだっただろう。 乱暴な塗りからのぞく下地は赤煉瓦の色だ。きっと煉瓦焼き職人が、手慰みに作って焼いたのに違いない。 胸に書かれている「Magallanes(=マガリャネス)」は、マゼラン海峡を発見したマゼランのスペイン語名。 よって、モデルはマゼランペンギンと見ていいはずなのだが、これもまたマゼランペンギンの特徴はまったくない。 マゼランペンギンの特徴は、ノドの下に2本の黒い帯があるのだが、1本の帯さえないのだ。 そもそも、ペンギンの目は、だいたい黒地の中にあって、白地のところに目があるのはヒゲペンギンだけ。ヒゲペンギンにはその下にヒゲ模様があるから、それもまったく違う。 でたらめもいいところなのだけど、子どものうちは胸の帯も薄く、顔も白地が広いので、若鳥をモデルにしたのだろうとしておいてあげることにした。 しかし、感嘆すべきなのは、それら粗雑なつくりや、モデルのでたらめさにもかかわらず、2羽のペンギンたちの姿に、なんともいえぬ命の輝きと、ペンギンの生活感がにじみ出ていることだ。 この煉瓦職人は、いや煉瓦職人と決まったわけではないのだが、とにかくあまり技術のない作者でありながらも、ペンギンたちが羽毛繕いをする姿に「もののあはれ」というやつを感じたのに違いない。 その情景が、この2羽に、見事に貼り付いているではないか。 特に、2羽で少しだけ違えてある首の向きや角度、そしてなんといっても、後ろから見た丸めた背中のカーブは絶妙だ。 遊び疲れた子どものようにも、したたかなおばちゃんのようにも、色香を漂わせたおねーさんのようにも見える。 マゼラン海峡の、鉛色の空と白波立つ海に押しつぶされそうな重苦しい水平線。 夏でも防寒具が必要で、ゴーゴーと音をたてて吹きつける偏西風。 海岸には、そんな激しい気候に座礁した巨大な船の残骸がいくつも転がる。 その難破船の隣で、羽毛をふくらませて、何事もないかのようにクチバシで羽毛をつくろうマゼランペンギンたち。 マガリャネスペンギンのうつむいた姿を見るにつけ、そんなマゼランペンギンたちの面影が思い出されるのである。 ところで、マゼランは英語表記のMagellanの日本語読みでマジェランが正しいのだそうだ。 でも、チリはスペイン語圏であり、マゼラン海峡を発見したのはスペインの船団だから、現地では、このペンギンの胸の字で「マガリャネス」と呼ぶのがもっと正しい。 もうひとつおまけにところで、スペインのセビリア万博で、マゼランたちが乗った船の復元船を見たけど、ニホン人もびっくり!なほどに小さな帆船だった。こんなので、あの年中嵐のマゼラン海峡を乗り越えたのは奇跡でしかない。 でも、チリ人に聞いたところによれば、マゼランたちがマゼラン海峡を通った時、年に1〜2度しかないほど静かな天候だったのだそうだ。それで嬉しくて、マゼランは自分の名前を付けたのだとのこと。 この話をしてくれたチリ人は「マゼランは奇跡の日に遭遇した」と言っていたから、ホントに奇跡だったのだろう。 ●photo上:いかにも手作り風な良さとチープさがいい感じでミックスされている。 2羽は同じではなく、違うポーズをとっているのがまた、リアル感あふれている。 左のペンギンの足先が折れてしまっている。 もろい焼き物な上に、新聞紙で巻いてくれただけだから、日本に着いたらすでにこうなっていた。 ●背中の丸め方も、ペンギンの哀愁というか、どこか胸に来るものがある。 数あるペンギンモノの中で、背中で語れる手乗りペンギンは、めったに見つからない |
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種名:プンタアレナスペンギン 体長:79mm 生息地:プンタアレナス市街およびプンタアレナス空港(チリ) 特徴:石を削ってつくられた稀少タイプ。 モデル:土地柄マゼランペンギンのはずだが不明。 発見日:1986年12月 まず最初に展示を始める手乗りペンギンは、ボクがペンギンコレクションをするきっかけとなったペンギン。 それまでも、ペンギンの置物を買ったことはあった。でもそれは、純粋に土産としてセンスがよかったからだ。 実はこのペンギンは、センスとしてはかなりビミョーだ。 しかも、これを見つけたプンタアレナスには、マゼランペンギンしかいないというのに、クチバシと翼がついていることと、直立していることくらいしかマゼランペンギンの特徴を表していない。 しかし、世界最南端のこの土地、チリのプンタアレナス市には、えらい苦労をしてやってきた。 成田からロスを経由し、ブラジルのリオまで28時間、乗り換えに5時間くらいかかってから、リオからチリの首都サンチアゴまで4時間。 サンチアゴで1泊し、翌朝国内線で南下して6時間。そこがやっとプンタアレナス空港だ。 その上、当時の自宅から成田までは5時間以上かかっている。 さらに、マゼランペンギンを撮影するために、一度は嵐のマゼラン海峡で遭難しかけ、一度は四輪駆動車で真っ暗な草原をさまよいタスマニアのミイラとなりかけ、一度は無謀操縦のヘリコプターで無人島に降りたった。 だから、とにかく何か、なんでもいいからペンギンの記念が欲しかったのだ。 もう二度と来ることはないだろうと思われるこのまちの、生きる姿をしっかりと見せてもらったマゼランペンギンの、その記念の品はペンギンモノしかないと思っていた。 そして町中のどこだか小物や本を置いているところで、このどちらかを見つけたのだ。 無骨だし、マゼランペンギンの面影もないけれど、ずっしりと重い石づくりがなかなかよい。 お腹にPUNTA ALENAS・CHILEと書いてあるのも記念っぽい。 聞けば、胸にあるRECUERDOとは、スペイン語で「記念」とのこと。 ようするに、修学旅行のときに買った、「東京タワー記念」と書いてある東京タワーみたいなもの。 しかし、RECUERDOが「根性」とかでなかったことだけは、今になってみるとよかったと思う。 で、とにかくボクは、この時に初めてペンギンを探して、ペンギンを買ったというわけなのだ。 そして、帰国の日。 プンタアレナス空港でブラブラとしていたら、なんと、もう一方のペンギンを見つけたのだ。 胸に輝く「プンタアレナス記念」の文字は、ぜったいに同じ人が書いたものだ。 そう思って買い求め、家に帰ってみれば、みごと、同じ種類のプンタアレナスペンギンだった。 それ以来、この2羽は常に並んで暮らしている。 そして、この2羽の出会いに感動したボクは、その後、ペンギンの置物を見かけると欲しくなる人になってしまったというわけなのである。 ●photo上:プンタアレナスペンギン よく見れば、かなりいい石なのである。胸に手書きで、プンタアレナス記念とはすごいけれど、ローマ字だとなんだか、それも芸術かな〜と思ったりするのが不思議。 でも、やっぱりセンス悪いよねえ。 ●photo下:プンタアレナスペンギン
白黒の方、前から見ても、ぜんぜんマゼランペンギンではないのだけど、背中から見たらペンギンでさえない。 |
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実はカンチョ、ささやかなコレクションがある。 |





