ブログ水族館/中村 元

次回『中村元の超水族館ナイト』は2019年2月24日(日)の開催。前売り発売は1/24です

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いつの間にやら、あと2回寝たら、「中村元の超水族館ナイト2011夏」ですな。
今回は同日券どのくらい用意してるのかと思って、カルカルのHP見たら、『前売り券SOLD OUT!!当日券未定』と、なんともビミョーなことが書いてある。
当日券があると分かったら、即刻ツイッターにてお知らせします。

そんなこんなで、当日のスライドショー用に新しい写真を準備しなくてはと、フォルダを開いていたら、おおっ、1年以上前に葛西臨海水族園のストロボ解禁を祝して行った時の写真を、まだブログで紹介していないのが判明した。
ちょっとその写真の中からいくつか紹介したい。
今日は、入って直ぐのサメの水槽から。


カッコイイ、アカシュモクザメ

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葛西臨海水族園がオープンした当時、他の水族館ではシュモクザメを見かけることは少なかった。
この、いかにもヤバそうなハンマーヘッド顔は、ボクにとってはクロマグロよりもはるかに感動やったなあ。

今はわりといろんなところでアカシュモクザメを見かけるのだけど、ここのはとりわけ大きいのが、しかも群で泳いでいるから、今もシュモクザメと言えば葛西臨海水族園が一番だと思うのだ。

シュモクザメは、風貌の異様さのせいで、人食いザメの一味として恐れられている。
いや一味というよりも、人食いザメの親玉とさえ思われたりしている。

でもさ〜、人を食うにはこの口あまりにちっちゃいよ。

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かなり意識して、コワカッコイイ顔を狙ったつもりなんやけどねw。

精悍さはまああまあ出たけれど、口はちっちゃい、歯なんか人よりちっちゃい。
これじゃいくら巨大に成長しても、人の胴体までは入らないに決まってる。

この大きさのヤツと咬み合いっこしたら、なんとなく勝てそうな気さえする。(※実際にするのは止めましょう。せえへんかw)

異形の者を悪者にしたがるのは、人の悪い癖なのである。
そしてそもそも、常に人を狙う人食いザメなんていないに等しいのだ。
少なくとも、世界中の人を殺めたサメを集めても、この世界一安全と言われる日本で殺人を犯すヤツの数には及ばない。
そして、人が食うサメの数は、サメが食べる人の数の何万倍にもなる。

ホント、人食いザメって、えらい言われようやなあ。。。



●葛西臨海水族園の、これまでの記事と写真のリストはコチラ ⇒東京の水族館記事リスト




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サンシャイン水族館オープン情報を毎週書く!とか宣言しながら、
なんと、その超ライバル水族館、エプソン品川アクアスタジアムに来ちゃった〜!

エプソン品川が誇る、東日本唯一のマンタ!
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言うまでもなく、エプソン品川とサンシャイン水族館は、首都圏水族館の二大巨頭。

それでも今までは
サンシャイン国際水族館が子ども&ファミリー向け。
エプソン品川が、大人のための水族館。
と、なんとなーく棲み分けというか、エコニッチみたいなのがあったのね。

でも、ボクが新しいサンシャイン水族館に吹き込んだ新たな命は、大人のオアシス水族館。
だって、大人の人口は小さな子どもの10倍もいるんやし、大人が好きなところは子どもも好きにきまってるからね。

しかし、そのせいでエプソンとサンシャインは、どちらも狙いは大人というガチンコ勝負になった。
さあ、この夏からは、池袋vs品川の首都圏水族館戦争に目が離せませんぞ!


というわけで、そのガチンコライバルなエプソン品川に、カンチョは敬意を払い、隠密裏にスパイ視察に行ってきたというわけなのである。

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って、ぜんぜん隠密行動やなくて、なんと今回はストロボ撮影まで許可してもらったよんw。

実はエプソン品川、長らく全館ストロボ撮影禁止だったんやけど、カンチョがこっそり
「エエ写真撮ってもろてブログとかに紹介された方が、宣伝になって得でっせ、旦那。いっひっひ。」
という悪魔のささやきをしたことで、ストロボ解禁が決まったのだ。

一昨年、解禁になった葛西臨海水族園に続いてのストロボ解禁。
これで、東京都内の水族館は、全てストロボ解禁になった。
いや、マジでね、全国水族館ガイドを作っているとよく分かるのだけど、いい写真が撮れる水族館は、確実に余分にいい水族館に見える。

そんな大事なことを、ライバル水族館に教えちゃダメじゃん!と言われそうだけど、いやいやアナタ、ライバルはお互いを高め合うものなのですぞ。
お互いにいい写真が露出されることによって、ガチンコ勝負が盛り上がるのだー!
(まぁホントのところは、ボクが気に入った写真を撮りたかっただけなんやけどねw)


おかげで、イワトビペンギンは水中でも、ほ〜らカッコイイ!

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エプソン品川のイワトビペンギンは、キタイワトビ。
この長い眉毛でキリリと泳いでいる姿を、ガンガン見ることができるのは、この水族館くらいなのだ。

おっと、「…この水族館くらい?」

そう「この水族館、暗い」のもエプソン品川の特長である。
どひゃ〜!めちゃブリw。

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全体的に、深い藍色に染まったイメージが、落ち着いて都会的な大人の世界を演出する。
アダルトアーバンな、つかの間のリゾート空間、それがエプソン品川の美しさなのだ。

このイメージはね、サンシャインの展示プロデューサーにとって見逃せないところですぞ。
エプソンの持ち味をしっかり把握したカンチョ、新しいサンシャイン水族館は、明るい大人狙いで勝負に出ることにした。
そもそもサンシャインていう名前からして明るい「陽光」やしね、リゾートよりもオアシスの方が、よりたくさんの人を集められるやん!と考えたわけ。

ね、ね、もうコンセプトの部分から、首都圏水族館戦争は始まってるんよ。
目ェ離せられへんでしょうが。


エプソン品川の最大の強みはコレだ!

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イルカ! サンシャインにはおらん!
しかも、年々パフォーマンス力がアップしてる!

正直言って、イルカショーのエンタテイメント性では、現在、日本で一番かもしれん。
これは強敵なんよなあ。

さあ、この強敵に互角に戦える算段は、新しいサンシャイン水族館にはあるのか?
もちろん、ある!
でもそれは、今後またおいおいと言うことで……。


あ、トークライブ中村元の超水族館ナイト、おかげさまでチケットあと10数枚しか残ってないそうです。
迷ってたけど行けそうだ!という方は、今回は特に早くゲットして下さいね。↓


●エプソン品川アクアスタジアムの、これまでの記事と写真のリストはコチラ ⇒東京の水族館記事リスト

●カンチョはサンシャイン水族館の展示プロデューサーです ⇒サンシャイン水族館オープン日決定!



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竹島水族館を5回!と言いながら、前回、4回目だったのに間違えて「深海展示5」と書いちゃってた。
すんません。4に直しました。そんで、今日のが正真正銘の5になります。

といっても、そろそろ深海展示の持ちネタが無くなってきたので、ちょっと変わったお魚たち編。

まずは、たぶんボウズカジカ。

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はい、得意の「たぶん和名」やけど、きっとボウズカジカ。
なんとなくくにょくにょして泳ぐので、こんなお坊さんは嫌やなと思うのだけど、顔は確かに坊主顔。

これもやっぱり"たぶん"なのだが、深海系って粘液が強いので、釣り上げたりすると頭がテラテラヌルヌルしているので、そのツルツルな雰囲気もボウズなんではないかしら。
どっかの高僧が聞いたら怒ってきそうな説やけどね。

ツルツルはええとして、テラテラヌルヌルな坊主ってねえ。 別のもんを思い出します。バキッ\(_;
失礼しました〜。


続いては、
めちゃ可愛いお魚。なんなん?こいつ?

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もしかしたらですよ、もしかしたら、ベニテグリかも?

昨年、タケスイに行ったときのコイツ(4番目の写真)の模様に、なんとなく似てるのだ。
もし同じベニテグリだとしたら、見る角度でえらい違うもんですな。
いや、前回も『ベニテグリ。(たぶんw)』と書いたので、"もしかしたら…かも?"に加えて"たぶん"な、めちゃええかげん話なのだが…w。

一応水族館プロデューサーとしては、名前が分からない魚は、恥ずかしいので出さないことにしてるのだけど、顔があまりにラブリーやったので、えいっと出すことにした。
なので、名前はどうでもいいから、ラブリ〜!と一言言っておいてやって下され。

ちなみに、ベニテグリとしたら、漢字で書くと「紅手繰り」
う〜ん、意味は分からんけど、なんか意味ありそうで気になる。


深海展示系はこれでお終い。
次は、暖かい海の水槽から。

チョウチョウコショウダイの幼魚

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本日やっと、"かも?"でも"たぶん"でもなく和名を出すことができたw。

でも、「町長故障大」ってねw。
カンチョがかつていた水族館の、当時の市長というのが、まあそのアレで(^^;
この魚を見るたびに「シチョウコショウダイ=市長故障大」とつぶやいては、一人笑っていたのであるw。

あ、もちろん、正しい漢字は「蝶々胡椒鯛」ですからw。



さあそして!本日の主役〜登場〜!!!

ウケグチノホソミオナガノオキナハギ。
             
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え、えぇ〜〜〜! なんじゃその名前?

長すぎ!
しかも、五七五とミョーに語呂がいい。
漢字で書くと、こうなのだ。

「受け口の 細身尾長の 翁剥ぎ」

「わが身世にふる ながめせしまに〜」
おっと!思わず下の句を詠んでしまったではないか。

とまあ、下の句はいいとして、問題は上の句の意図する意味である。(上の句やないけど)

二節目の「細身尾長の」の部分は、まあ見るからにそうだ。
しかし、「受け口の」と「翁剥ぎ」の意味は……?

まず、「翁剥ぎ」
顔の前のひょろ長い部分を髭に見立てて、髭が生えてるから「翁」である。
そして、こいつは細いけれど、フグ目カワハギ科なのだ。 顔がハギっぽいね。
カワハギは「皮剥ぎ」(皮を一気に剥ぐことができるから…ひどいね)なので、「翁剥ぎ」


さて、「受け口の」の意味は!

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はい、全身入りました〜。 これ撮るのにけっこう苦労したんよ。

翁髭の根元付近の上に、スリットが入っているのが見えるだろうか。
これこそが口、そう、まっすぐ上に開いた口。
確かにこりゃ、すごい受け口やわ。


はい、そういうわけで、
ウケグチノホソミオナガノオキナハギ=「受け口の、細身尾長の、翁剥ぎ」の名前の意味、やっと分かりましたですな。

やっぱりさ、和名は漢字表記にすると面白い。
ウケグチノホソミオナガノオキナハギは、日本にはいないので、標準和名というわけではないのだそうだけど、そんなことはどうでもいいから、みんな和名を付けて、さらに漢字表記もすればいいと思うのだ。

エンペラーペンギンではなく、コウテイペンギン(皇帝人鳥)とかね。
それって誰にも分かりやすいユニバーサルデザインやと思うんやけどなあ……。


ところで、超水族館ナイトのチケット、発売3日目にしてすでに半分以上売れちゃったみたいです。
ご予定されてる方は、お早めに予約して下さい。


●竹島水族館の、これまでの記事と写真のリストはコチラ ⇒東海の水族館記事リスト




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マリンピア松島水族館、後編です。
前編に続きもちろん、動物たちの元気な姿を撮してきた写真で、後編は三陸の海バージョン。


松島湾、そして三陸海岸は、日本有数の豊かな海だ。
今回はその恵みの海が、突如として恐ろしい顔を見せたのだが、それでも日本人の海への感謝と畏れの気持ちはたぶん変わらない。
そして、マリンピア松島の「松島湾」の光景は健在だった。

牡蠣養殖とアマモの松島湾。
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マリンピア松島で海の展示が始まる、最初の水槽だ。

松島湾には、海の生き物たちの揺りかごとも言える「藻場」が広がっている。
牡蠣の養殖も盛んだ。

水族館では、藻場はアマモ場(甘藻場)であり、牡蠣はマガキと、展示生物になるのだが、この生き生きとした水槽にご注目いただきたい。
松島湾はこのようにして、限りなく永遠に生き続ける。

この水槽を世話しているスタッフがたまたまバックヤードからた出てきて、ボクの隣にいた親子連れに「この光景は当分の間、松島湾でみることができないと思うので、よく見ていって下さい」と言った。
そしたら、親子連れは本当に熱心に見ていた。

海に奪われた松島湾。
でも、海がまた再生させる松島湾。
きっと、親子連れには、そんな思いが駆けめぐったのだろう。

水族館の水槽があること、そして、スタッフの一言が、宮城の未来を指し示しているように感じた。
水族館って、やっぱりすごいわ。

尚、マリンピア松島には、展示用にマガキをかなり準備していたらしい。
そのため、壊滅状態になっていた牡蠣養殖業の方々に、そのマガキを種牡蠣として提供したのだそうだ。
日本中の養殖牡蠣の稚貝の7割は、宮城県から出ている。
2年後、3年後にいただく牡蠣は、この松島湾の展示のマガキの仲間から生まれた牡蠣なのかもしれない。


カレイも元気だ!

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カレイたちのいる水槽で、彼らはいつもよりも元気にビンビン泳いでいた。
まるで、来てくれたお客さんたちに、元気をアピールするみたいに。

海底で体色を保護色にしてじっとしているイメージの強いカレイなのだけど、このあたりに多いナントカカレイは、かなり活発でよく泳ぐのだと聞いたことがある。
実は、そういう習性を見せるための水槽も、仙台水族館の展示には入っているんよね〜。

カンチョの記憶力と知識では、このカレイが何ガレイかまったく思い出せないのが、ごめんなさい。


さてさて、お次も東北の水族館ならではの海坊主。

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ミズダコさん。(ミズダコってデカイしいかにも蛸入道なので、ついつい「さん」をつけてしまうw)

こいつも元気やねえ!
ミズダコが動いている姿は、生命感を体中にまとっていて、もうはち切れんばかりの迫力がある。

実は、マリンピア松島の西條社長は、こんな風な風貌なのだ。
ていうか、ボクはミズダコを見る度に、西條社長を思い出すのである。(ごめんなさい…w)

さて、その西條社長が今回、こんなことをおっしゃっていた。
「この大津波で、今は誰もが海を怖がっているけれど、きっとすぐにみんな海に帰ってきてくれると思う。だって、私自身が海が好きだもん」と。

海の恵みに生かされ、海で守られてきたニッポン。
とりわけ三陸は、海の恵みによって発展してきた地域である。
海と共に、再生、復興ができるだけ早く実現できることを祈るばかりだ。


マイワシの群も元気!

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この水槽はかつては、巨大なホシエイやサメたちがいた水槽であり、直近では、スタッフの献身的な努力によって、漂着鯨から奇跡的に体力を取り戻していた、あのコマッコウが展示されていた水槽だ。
しかし、この度の震災で、コマッコウは亡くなった。

漂着した鯨類が保護されて生き続けることはほとんどなく、さらにコマッコウの展示は、日本唯一だったから、それはとても残念なことではある。

でも、イワシが群遊する美しさや生命観は、やっぱり感動するよねえ。
リーダーがいるわけでもなく、1尾1尾それぞれの生きようとする意志だけによって形作られている、小魚の群は、そのことをキラキラと輝く自らの意志で伝えようとしているように思える。

三陸のみなさんにも、海の青い光の中で、いつまでもどこまでもキラキラと輝いて欲しいと、心より願っている。


●マリンピア松島水族館の、これまでの記事と写真のリストはコチラ ⇒東北の水族館記事リスト



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マリンピア松島水族館へ、再開後初の訪問をしてきた。
4月2日に罹災お見舞いに訪問してから3週間とちょっと。
マリンピア松島は、とても元気に復旧していた。
復旧作業のときにもすでに活き活きとしていたスタッフのみなさんが、さらに明るい笑顔で迎えてくれたのが無性に嬉しかった。


なので、生き物たちの"元気!"な雰囲気をみなさんに伝えたいと思いながら写真を撮ってきた。
というわけで、マリンピア松島の元気!シリーズ。まずは前編『西條直彦社長、不滅の強運』から。


マリンピア松島と言えばイロワケイルカ。(もう何度も書いているフレーズやけどw)
母子が元気にビュンビュン泳いでいました。
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そしてイロワケイルカと言えば、以前にマゼラン海峡で大嵐の中で、遭難した話をしたことを覚えていただいているだろうか。⇒イロワケイルカとマゼラン海峡(07/7/15)

その時に一緒だったマリンピア松島の西條直彦社長(館長の兄上)は、実は今回の大津波にまともに呑み込まれたのだ。
ところがしかし、社長はその現場から、奇跡的にかすり傷だけで生還されたのである。

それは大震災の直後、西條社長が仙台港の近く多賀城を車で走っている時だった。
ラジオの津波情報と、車の窓から見えるジャスコの屋上に避難している人たちの仕草で、すぐそばにかなり大きな津波が迫っているのが分かったのだそうだ。
しかし、道は渋滞して車は動かない。外に出て逃げるかどうか迷っているうちに津波はやってきた。

前に並んでいた車は、津波によって次々とひっくり返ったのだが、西條社長の車はたまたま横に街路樹があったので横転せずに浮いたのだ。しかし、そのまま車は流されてしまったのである。
そのままおよそ200mも流されると、前を流れている車が次々に横道への激流に吸い込まれていくのが見えた。
あの急流に巻き込まれたらもうお終いかも…と思っていたら、社長の車だけは奇跡的に平屋建ての家の前に吸い寄せられ止まったのだ。
しかし、車はまだ浮いたままである……。
社長はそれでも冷静に、生きるための算段を考えていた……。


マリンピアと言えば、熱帯淡水魚。
ピラルクーも元気ですぞ。
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松島湾内の津波が比較的低かったとはいえ、この水槽のあたりは1.5mほど水没し、水が引いた後はヘドロがいっぱいだったそうだ


さて、車中の西條社長、車はだんだん沈んできて、車内の空気はすでに顔までしか残っていない。外からの水圧でドアも窓も開かない。
そんな絶体絶命のピンチのときにふと後ろを見たら、リアウインドウに何かが当たったらしく窓が割れていたのだ。それでリアウインドウまで泳いで外へ。

しかし、隣の家の屋根に渡るにも、車から少し離れていて移ることができない。
ところがまた運のいいことに板が流れてきたのだという。西條社長はその板をなんとか拾って、車と屋根との間に橋を架けて乗り移ったのだ。


ドラドも、金色にビカビカ光って元気に泳ぎ回っていました。
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平屋建ての屋根に乗り移った西條社長のその後。
車から脱出できたはいいのだが、全身ずぶ濡れで凍える寒さのところに雪まで降ってきた。その状態でブルブル震えながらおよそ1時間。津波の水はまだ引いていく気配もない。
このままでは凍死する…と思っていたところに、隣の二階建ての窓が開いて声が掛かったのだ。

しかし、避難している屋根と隣の間は離れていて、雪で滑る上に体力も落ち、飛び移れるかどうか微妙なところだったのだそうだ。
それで、電気の延長コードを持ってきてもらい、腰に巻いて命綱にしてから飛んだ。
案の定、飛び移れずに海に落ちてしまったらしい。(それは雪のせいばかりではなく、社長の体力的な要因も大きかったのでしょうけどねw)
しかし、命綱のおかげで流されることなく助かったのである。


大水槽のタマカイ。いつも、水底にデーンと居座っているのに、この日はグングン泳いで大サービス。
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ところで、前回のお見舞い時には、西條社長とは会えなかったので、今回が震災後初のご挨拶だった。

社長はボクの顔を見るなり「マゼラン海峡以来の危機だったよ」とおっしゃったのだが、いやそれはずいぶん違う。
マゼラン海峡では、船長の諦めない気持ちと行動だけが我々の命運を開いてくれた。
しかし今回は、西條社長の諦めない気持ちと行動が、何度も何度も運を拾い、その積み重ねで奇跡の生還を遂げたのだ。

マリンピア松島の今回の超早期復旧とオープンも、その気持ちの延長線上にある。
水族館の正面玄関の上には、『マリンピアは不滅です!』と書かれた横断幕。
不滅なのは水族館ではなく人なのだ。
この奇跡の運を切り開いた社長以下、館長や館員のみなさんの不滅の精神がマリンピアを不滅にした。
そして、そうのような不滅な心を持つ人たちが、水族館を通して多くの人々の不滅な心を支えることができる。

訪れた日は平日だったが、おそらくほぼ全員が宮城県民のとても多くのお客さんたちが訪れ、弾けるような笑顔で楽しんでいらっしゃったのが印象的だった。
水族館が人々に伝え与えることのできることは限りない。と、確信したのでした。


アオッアオッ、アオッ!♪ 元気に行進するアシカたち。
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アシカたちの獣舎は最も海に近いところにあって、完璧に水没したのだけど、さすが海獣。
同じ時刻の社長の危機一髪も知らず、「うひょっ!プールが広くて深くなったぞ〜い!」とか言いながらはしゃいでいたのかもしれないなあw。


さて、今回、なんで西條社長の強運危機一髪物語を詳しく載せたのかというと、
一度ならずこれだけ修羅場をくぐり抜けるだけの、精神力と運を持った人だから、仙台水族館計画も必ずや成就すると言いたかったのw。
しかも、マゼラン海峡危機一髪をくぐり抜けてきた相棒のボクがプロデュースなんやから、強運+悪運のよさで、もう鬼に金棒、ダースベイダーにライトセーバーみたいなもの。

不滅のマリンピア松島から、東北の人々の心と未来を支える水族館の誕生へ、一気に駆け抜けますぞ!…の予感なわけです。



●マリンピア松島水族館の、これまでの記事と写真のリストはコチラ ⇒東北地方の水族館記事リスト



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