ブログ水族館/中村 元

次回『中村元の超水族館ナイト』は2019年2月24日(日)の開催。前売り発売は1/24です

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ちょっと間が空いちゃったけど、「一眼レフ ⇒ ミラーレス一眼」への第3段。
先月の『世界に誇れ!ニッポンの水族館』でも紹介した旭山動物園の水中カバの写真です。

浮遊感たっぷりのカバの百吉。

イメージ 1

これはボクの初見の、カバの百吉この日の初潜水。
百吉の顔が楽しげに見えて、やっぱりテレビとかで観るよりも、実物を目の前にした方がはるかにいいと大感激!
まあ、そうは言ってもボクの場合は、ファインダー越しなんやけどねw。

一日のうちの初潜水は、プールに浮遊物も少なく、透明度もかなりいい。
ちょっと青色側に補正したら、水塊感さえ漂ってる。


でも、直ぐにこの水が濁るんやな。
みるみるうちに、浮遊物が増えて、水は黄色っぽくなっていく。

イメージ 2

まず、1回目のダイビングで、百吉が水底を歩き回ると、沈んでいたゴミが一斉に舞い上がる。
そして、百吉、盛大にウンコするからますます濁っていく。
いや実は、沈んでいたゴミていうのも、百吉の昨日のウンコやったりするし……。
ただまあ、ウンコっていっても、未消化の草とかが多いから牧草が舞ってるみたいな感じなんやけどね。

というわけで、カバのダイビングを撮影するのは、その日の最初の潜水を逃すなかれ!

飛んでる百吉もいいのだけど、
「巨体にかかわらず、軽やかなカバ」というのが、このプールのもう一つの見所。

イメージ 3

水底を、アニメのキラキラ目したバンビみたいに跳ねまわる。
(そのたびにウンコが舞い上がるのは、無視しようw。)

そして、ジャーンプ!

イメージ 4

軽やかなのである。
キラキラ目ジャンプなのである。

残念なのは、動物園は水槽への写り込みに気をつけたりしてないから、こんな風に目よりも首にキラキラしたギャラリー照明が写り込んでしまうこと。
さすがにこのモロ写り込みは、修正するのも面倒なんでレタッチをあきらめたよ。
(これ以降、写り込みを外したいいアングルもあったんやけど、水がもう嵐みたいに濁ってしまって、お見せできるような写真ではなくなっちゃった)

それにしても、このカバ展示は、すごく魅力的な浮遊感やと思う。
ボクは水族館の仕事では、お客さんでこれといった生物を見に水族館を訪れる人は非常に少なく、生物は「水塊」を構成する一要素と割り切った方がいい…と考えて展示を計画することが多い。
しかし、旭山動物園は、水塊を特定の動物で創り上げる。

アザラシのチューブによる浮遊感、このカバの巨体による新たな浮遊感。
この二つの浮遊感は、水を見ずとも強烈な「水塊」を感じる展示だ。

イメージ 5

動物園にはなかった、しかし動物園ならではの浮遊感と水塊が、旭山動物園にはある。
ボクが全国水族館ガイドで「水族館より水族館な動物園」と紹介したのはそこだ。

これ実は、水族館ではなかなかできないことなのだ。
動物たちが泳ぎ浮遊するのが当然である水族館では、どんな動物が水中に入っていても、とりたててインパクトを感じることがないからね。

そういうことを分析もせずに、旭山動物園のアザラシチューブをそっくり真似た水槽が、全国各地の水族館に現れたよねえw。
結果、水族館のそのどのアザラシも、旭山のこの展示↑のように人だかりがしてるわけではない。


例えば動物園では、動物の足裏でさえ驚きの展示になる。

イメージ 6

カバの足裏。
水族館では当たり前の光景が、動物園で見る光景としては興奮ものの展示なのだ。


水族館動物園のみなさん、出来上がったものの人マネばっかせずにさ、このカバの水槽みたいに今までになかった光景を実現する努力と決断力こそをマネしようや!
……と激しく願う水族館プロデューサーなのでありましたよ。


旭山動物園の、軽やかなカバの展示に敬意を表して、ペンギン展示も久々にUPしときます。

イメージ 7

心の隅に、α7の優秀さをペンギンでも見せたかったというのもあるんやけどねw。

しかし、いやはやホントに、逆光でのこのコントラストのよさは驚異的やと思うよ。

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最新のカメラを持ってる、カメラ小僧、カメラ女子、カメラマニアのみなさん、今こそカメラ持って水族館に行きましょう!
びっくりするほど簡単に、水槽写真が撮れるように腕が上がってますぞw。

で、その節ににはまず、サンシャイン水族館とか、北の大地の水族館とかが、美しい水塊と躍動感あふれる生き物たちの姿を撮影できる、お手頃の水族館であるとオススメしておく次第ですw。


ところで、ミラーレス一眼α7になってから、いつの間に第三弾? と疑問でしょうね。
実は第一弾は、加茂水族館やったんです。
明日は、いよいよ本拠地サンシャイン水族館で撮ってこようかなと画策中。


●旭山動物園の、これまでの記事と写真のリストはコチラ ⇒北海道の水族館記事リスト

●朝日新聞土曜版be『フロントランナー』で紹介してもらいました。 ⇒ 「水塊」をつくる水族館再生人

●夕刊フジ『こんな時代のヒット力』で北の大地の水族館を紹介してもらいました。 ⇒ 職員総出の手作り水槽にドラマ

□最新刊→『水族館に奇跡が起きる7つのヒミツ』
□オススメの水族館本(中村元著・監修)→水族館の本
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■水族館を選ぶなら→WEB水族館:決定版!!全国水族館ガイド

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おひさしぶり〜!
このところ、本業はそんなでもないのに、テレビや新聞や出版やと、なんか時間に追われることばかりやらされててな。今週になってやっとそれらのほとんどが片付いて時間ができたんですわ。
それで、その中でカンチョが、一番力を入れてたていうか時間を使ってたテレビ番組をご紹介します。

今週の日曜日 8月17日(日)午後3時〜4時25分
日本テレビ系列『世界に誇れ!ニッポンの水族館〜各地で注目のすごーい展示をどんどん見せちゃいます〜』

この番組、日本テレビ系列の全国放送なんやけど、札幌テレビSTVの制作で、中村元超先生監修ですw。
今年の冬にSTVのディレクターから相談が来たときには、まだ時間枠もそもそも日テレで採用されるかどうかも決まってなかったのだけど、彼といろいろ話をして、「全国的に知られてない、スゴイ展示を開発して人気になっている水族館に絞って紹介しよう」と合意したとき、これこそボクのやりたかった水族館特集、絶対に実現させなあかん!と力入ったわけですよ。

それで、カンチョ、監修もホイホイ受けて、企画書への資料や写真も惜しみなく出して、今までの水族館特集にはなかった、現在の水族館人気の「オレは本当の真実を伝えたいだけなんだ〜!」と頑張った。
うん、『MOZU』の「オレは、本当の真実を知りたいだけなんだ!」みたいなw。

そしたら、なんと1時間半スペシャルで決まった! やった〜!
それでね、番組ではどんな「各地で注目のすごーい展示をどんどん見せちゃいます」なのかを、ここでご紹介しましょう。というわけな久々のブログ水族館です。

まずは、もちろん北海道のSTVが制作だから、ディレクターがこの番組をつくろうというそもそものきっかけとなった、北の大地の水族館(テレビの中では「山の水族館」てしょうかいされちゃうけどT_T)。

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自分で言うのもなんやけど、これこそ世界に誇れるいかにもニッポンらしい水族館よね。
というわけで、ここだけはボクも出演して、サンドウィッチマンのお二人と、小島瑠璃子くん、そしてSTVの八木アナウンサーに誇りまくったったw。⇒こんな感じで

温根湯にこんだけタレントが来てくれたのは初めてのことで、
サンドウィッチマンの伊達さん、すごく水族館好きなんやな〜。とか、
なんかしらんうちに小島瑠璃子くん、えらい人気タレントになってたんやな〜。とか、
八木アナウンサー、アナウンサーとは思えへんバラエティー司会みたいな人やなあ〜。とか、
けっこう楽しい一日やった。

そして、北の大地の水族館スタッフで全国デビューしたのが、山内妹こと一番若い展示スタッフ山内知美。
しかも、衝撃の凍る水槽潜水掃除!

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余裕かましてピースとかしてるけど、水温3℃やからね。(外気温マイナス10℃やしw)
実は、まだ番組は決まってない時期であったにもかかわらず、この番組のために特別に潜水掃除を公開して、札幌からSTVのカメラマンを呼んであったの。
ボクがいかにこの番組を成功させたいと思ってたか、STVのディレクターがいかにこの番組の採用を確信してたかわかるでしょw。


さらに、STVは北海道のテレビ局やからね、旭山動物園は動物園でもなんとか入れたいところ。
でも大丈夫!なんせ、ボクが『中村元の全国水族館ガイド』で「水族館より水族館」って紹介してるんやから。
短縮版 ⇒ Web水族館:旭山動物園

しかも、旭山動物園はまたやってくれた〜!
カバの水中展示。水族館より水族館〜!

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アザラシに続く、動物による浮遊感水塊の第二弾!

ボクのFBとかツイッターとか見てくれてるみなさんは、この春から夏にかけてボクの旭山動物園回数が多いなあと思ってたと思うのだけど、はい、この番組のせいです。

今まで、カバの足が立つ深さでの水中展示はあったけど、そしてボクもそれを水族館の技術でもっと面白くできるのに…とか思ってたけど、まさか、こんな深い水槽で展示とはまったく思いつかなかった。

坂東園長に「こんなに深くてもカバが潜るっていう情報、よく見つけてきたもんやなあ」と褒め称えたら、
「いえ、そんな情報はなかったけど、常識的に溺れるわけないだろうと信じてた見切り発車だったんです」と……。
それを聞いて、ボクは猛烈に感動したよ。
見切り発車っていっても、そうとうに考え考え尽くした末の勝負。アッパレ!
日本の動物園はみんな前例主義。日本初とか言って始めてる展示もたいていアメリカの真似やからさ。
旭山動物園のような勝負を打てる動物園って、なかなかないもんねえ。アッパレ!


さてさて、水族館もわりと前例主義者(常識展示者)がのさばっていて、まぁそのおかげでボクの、常識を覆す展示での水族館プロデューサーという仕事が成り立つ、ありがたい環境なのではあるのだけどw、
そのボクをして、アッパレ!と言わしめる開発をした水族館もやっぱりちゃんとあるんですな。

その一つが、二見シーパラダイスの「ふれあいショー」
ていうか、ボクは「柵なし展示」あるいは「柵なし、ふれあいショー」というのが的を射てると思う。

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とととと…トド! 水族館トレーナーでさえきわめて危険と恐れるトド。
そこのベビーカーのお母さん、のんびり笑ってるばあいやおまへんで!

しかし今は、この写真の当時より、はるかに過激なことになってるのに、カンチョも衝撃を受けたですよ。
その映像は、もちろん17日の放送で〜!

あのね、全国には、セイウチでふれあいショーやってる水族館がすごく増えたけど、それは全てが、ここ二見シーパラダイスの真似っこなのですよ。
ゾウアザラシ、セイウチ、アシカ、など海獣をお客さんの真ん前まで連れてくるショーは、全てこの二見シーパラダイスで、世界で始めて開発されたの。
それを、いつか全国放送で訴えたかったんよね。
この番組でやっと、オレは、本当の真実を知らせることができた。(もちろんMOZU風にw)

そうそう、こちらも最近どこの水族館にもあるカワウソとの握手。
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これも、ここ二見シーパラダイスが発明した展示なんよ。知ってた? 写真もっと見たければ⇒コチラ

二見で開発したこと柵なし展示は、みんなでっかい水族館が真似して、そっちの方が有名になっちゃう。
でも、柵なし展示で今も絶対に他の追随を許さないのが、二見シーパラダイスでもある〜!
セイウチのふれあいなんかもう、さらにぶっ飛んだことやってるから、この番組の二見シーパラダイスを見のがさないで下さい。

ていうかね、この番組を見のがすと、二見シーパラダイスが全国ネットに出るのは、またかなり先のことになってしまうからね。永久保存版にしてもええと思うよw。


世界で初めて!と言えば、名古屋港水族館のマイワシトルネードもそう!

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名古屋港水族館で、シャチだの南極ペンギンだのって紹介するんではなく、マイワシトルネードこそ「世界に誇る」展示として紹介するのが、この番組の監修者であるカンチョの強い意志の現れ。だって、南極ペンギンもシャチも、アメリカの真似やもんね。
トルネードの写真もっと見たければ⇒コチラ

このマイワシの群を操作する方法も、まぁ関東の巨大水族館とかに瞬く間にパクられてしまったけど、元祖ていうかオリジナルは名古屋港水族館なことを、みなさんに知って欲しい。
そしてさすがオリジナル。その美しさは今も、名古屋港水族館のが群を抜いて美しい!という本当の真実を知って欲しい。
関東のおみゃーさん、一度は名古屋港水族館にいってみりゃー。だがね。


常識破りと言えば、名物館長のクラゲ水族館も、わすでだらあがんべな。んがす、山形ば庄内でがす。
新しい、加茂水族館〜! (すんません、東北各県弁が混じってるみたいでがす)

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見よっ!この常識破りの超巨大クラゲ水塊!
カンドーもんです。はっきり言って、この水槽だけ見に山形県まで行く価値がある!

そして、もちろん加茂水族館に関しては、ただ新しく常識破りの展示というだけでなく、村上館長と副館長の苦難の歴史がどうしても必要なわけ。
もちろん、そのドラマをしっかり紹介しとるからね。
なんせ、そのために、わざわざ開館前の加茂水族館にも出かけたくらいやからね。
地上波全国ネットでは、あまり紹介されてない感動エピソードなので、これもやっぱり永久保存版ではないかと。お見逃しなく!


そして、超常識破りな関東代表水族館!
もちろん、サンシャイン水族館、天空のオアシスですがなw。

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ちょっともう、サンシャイン水族館のことはこのブログで、世界に誇りすぎてるから、
こちら ⇒ サンシャイン水族館記事リストでw。
オレは、本当の真実しか書いてないから……w。


他にも、九十九島水族館海きららのイルカの「ジャンピングキャッチボール」

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こないだの超水族館ナイトでは、大反響やったですね。
関東のみなさんは、映像でもほとんど見たことのないスゴイ大技!
全国放送ではめったにない機会ですぞ。
写真もっと見たければ⇒コチラ


さらに、しものせき海響館の「ペンギン大爆走!」

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こちらは、3Dブルーレイのために撮影された美しい画像がテレビ初公開。
美しくって、ちょっと泣けちゃうよ。

……というわけで、今までカンチョが超水族館ナイトで、スゴイ展示!と紹介してきたお気に入りの展示が目白押しの番組なのが、ちょっと分かっていただけたでしょうか?
この番組はね、マジで今までの水族館番組とは違います。

ニッポンの水族館は、ジンベエザメがいなくてもスゴイ!
ニッポンの水族館は、アクリル技術によって進化してるのではない。
ニッポンの水族館は、新しい時代を切り拓く真の展示スタッフによって進化している。
……という、水族館の本当の真実を、知ることができる番組です。

つってもですな、かなりユル〜く構成されてて、まあ実に笑えますw。
視聴者カスタマーズ起点もバリバリな内容なので、ぜひご家族で楽しんで下さい。

とにかく、夏もそろそろ終盤の17日にこの番組を観て、「よっしゃっ!水族館」と出かけようではないですか。
なんと北見市なんか、北の大地の水族館割引券付チラシまで配付してる勢いやからね。
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またまた1週間のご無沙汰でした。
びんぼーヒマなしのカンチョです。

さて、先日の「青い水塊のおたる水族館」記事にて、おたる水族館で起流ポンプ『ハイドロウィザード』の道楽デモンストレーションしてきたのを、また後で報告しますわ。と言ったきりだったので、今日はそいつをちょっとご報告です。

ボクとしては、以前にも言ったように、「新しい起流ポンプで日本の水族館に展示革命を起こす!」という変革好き道楽な活動なのだけど(変態好き道楽ではない。念のため)、このデモをぜひうちでやって!と言ってきてくれた魚類展示担当者さんにとっては、道楽とかではなく超マジな仕事モード。

担当者さんは、展示をよくするために悩み考え、カンチョに相談をくれたのだ。
彼がハイドロウィザードに思い当たったそもそもは、動きが少なく、群がぼよ〜んと膨らんで締まりがなくなっていたニシンの群を、海にいるときのようにダイナミックに動かしたいという思いだった。

そこで以前にボクが、ハイドロウィザードのことを話したのを思い出してくれた。
あのとき中村さんが言ってたことがホントなら、悩みは一気に解決だ!と。
それは責任重大やんか…。

そして、ハイドロウィザードポンプを投入したのが、コチラの写真。

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ハイドロウィザードは、幅8m×奥行き3.5mの水槽の左端に付けてみたのだが、水流は一気に水槽の中全体に影響を与え、ニシンたちの動きは突然活発になり、左へ右へと大きくしかも速いスピードで移動し始めた。
強い水流のたどり着く射程距離は10m以上、これがハイドロウィザードの特徴なのだ。

まあ、ゆったらね、水中波動砲みたいなもん。
水中では水の粘性があるし、四方八方に力が拡散されるから、水流を2m届かせるのだって困難なのに、ハイドロウィザードの水流は、周りの水を押しのけて、波動砲発射!しちゃうのだ。

もちろん、その水流は、壁にぶつかれば周りに拡散されるし、押しのけられた水は動き回るから、この大きさの水槽だと、海岸の水中にいるような不規則な流れができるし、水槽の壁際に沿わせれば、グルグル回る海流だって作れる。


さて、ニシンの水槽で、おたる水族館の館長や担当者他、多くのみなさんから満足な反応を得た後、こちらの大物水槽に向かった。

そう、あの、青さがステキになった、パノラマ水槽だ。

イメージ 2

この水槽は、おたる水族館最大の魚類展示水槽。
超でかホシエイや、格好いいクロヘリメジロがいて、魚類的にもまあまあ見応えはある。
そして、青く生まれ変わって、水中感や奥行き感はぐっと増えた。

でも、やっぱり魅力的な『水塊』には、惜しいぞもう一歩!なのだ。
それは、なんていうかな、ホシエイやサメたちの動きと、青い水中に一体感がない。つまり別々の魅力となっているためだろうと思う。

例えば、サンシャイン水族館サンシャインラグーン水槽だとか、新江ノ島水族館の相模の海大水槽だとかは、水中の風景と魚たちが一体化することで、『水塊』そのものが生きているという感じになっているはずだ。
「水槽が息づいている」とでも言うと分かりやすいだろうか。

おたる水族館の魚類担当者は、そのことに気づいていた。
そこで、「惜しいぞもう一歩!」のもう一歩を、この起流ポンプ「ハイドロウィザード」に期待していたのだ。


しかし、この水槽はデカイ。
横幅は24m、奥行きは9m、水量400トンを超える水槽。なんと、サンシャインラグーンの倍近いではないか!

はたしてこんな巨大水槽に、小さなハイドロウィザードは、影響を与えられるのか?

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来た〜!
いきなり来ましたぞ!

何が来たってね、まずサバの群が来た!
それまでは、ほとんど水槽の中央から右の部分だけを使って、まったりと行進していたサバたちが、まるで龍のごとく帯になって、水槽全体を大回遊し始めたのだ。

さらに、けっこう休み時間の多かったエイやサメたちも、わやわと表舞台に出てくることが多くなった。


今までは、小樽市から祝津にいたる道の交差点のようだった水槽だけど(すんません祝津のみなさん)、
それがこんな風に、渋谷駅前の交差点みたいになっちゃった!

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おおぉ! 大渋滞!

泳ぐスピードだってね、もう明らかに違う。

全体的には強い水流は起こっているはずはないが、今までのほぼ止まっている水とはぜんぜん違うのだろう。なんだかみんな、生き生きしているのだ。

ポンプの真ん前は当然、強烈な水流になっているのだけど、1尾のクロヘリメジロが、なんどもその前に行ってみては、横面を水流に殴られ、びっくりしたみたいに戻ってくる。
もしかしたら、水流で遊んでいるのか?


そしてやっぱり何よりも、サバの群のダイナミックさは特筆ものだ。

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ポンプをウェイブモードにして造波すると、群が2つの帯に分かれたり、ぶつかってまたひとつになったりと、動きと変化が美しく面白い。

実は、この群の動きというのが、『水塊』を息づかせる大きな要素なのである。
パノラマ水槽の『水塊』は、サバの群で動き、息づいた。
この日、おたる水族館のパノラマ水槽は、生き物たちが躍動する水中世界、まさしく『水塊』となったのだ。

小さな起流ポンプ「ハイドロウィザード」は、この400トンを超える水槽に、『水塊』の命を与えることに成功した。
担当者も館長もたいへん満足されたようである。どうやら来年の導入に意欲的なようだ。
もちろんカンチョも大満足w。

実は、東北のある水族館でも、ハイドロウィザードの実験をしてもらった。
そちらは、海藻を動かしたいとのことだったのだが、ビデオを見せてもらったら、普通のコンブの水槽がもののけが潜むインパクトある『水塊』へと変化しているのがありありと分かった。
もしかしたら、この水族館が日本初の導入になるか?

ホントはこのポンプ、一番最初に使うのは、ボクが関わってる北見市おんね湯の新水族館にしたいという気持ちも強かったんやけどね。 ハイドロウィザードと温根湯水族館⇒「超進化系水族館:北見市温根湯の水族館」]
でもまあ、『日本の水族館の水槽展示に革命を起こす!』のができれば、その方が面白いではないか。
オレは、変革的道楽が好きなんじゃ〜! (何度も言うけど、変態的ではないからね)

イメージ 6


さてところで、写真ではハイドロウィザードの威力が、ぜんぜん伝わらないので…。
本邦初公開! おたる水族館でのデモンストレーションの様子の動画がアップされたので、興味のある方は見て欲しい。
やっとできた「ハイドロウィザード」のHP
おたる水族館ハイドロウィザードの動画へ直接ならコチラ


●おたる水族館の、これまでの記事と写真のリストはコチラ ⇒北海道の水族館記事リスト




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長いこと、放り出しててごめんなさい。
サンシャイン水族館の仕事が終わったら、ありがたいことに「じゃあ暇でしょ」と持ち込まれる仕事案件がいくつかあり、「ヒマっちゃうわ!ほっとけ!」と思いながらも、やっぱりとてもありがたいことでございましてなあw。
その始まりの月ということで、めちゃ忙しい今日この頃なのですわ。


さてそんな中、先週末には、おたる水族館まで行ってきた。
これは仕事にはほど遠い、「新しい起流ポンプで日本の水族館に展示革命を起こす!」というボクの道楽系。…って、そんなことやっとる場合か???

でまあ、その起流ポンプの件はまた後で報告するとして、今回おたる水族館に入って、おぉ!と叫んでしまったことがあった。

それがコレ。

イメージ 1

なんと、魚類のメイン水槽である『パノラマ水槽』が、大きく変わっていたのだ。
北海道で初お目見えのウシバナトビエイ!
ではなく…。

水が、青い!青い!青い!

今まで赤緑色してイマイチ『水塊度』が感じられなかったこの水槽、照明を青色基調に変えたらしいのである。
そしたら突然、水塊度の高い素敵な水槽に早変わり。



シノノメサカタザメも笑ってたよ〜!

イメージ 2

いやあ、美しいなあ……。
ていうか、めちゃくちゃうれしいなあ。

おたる水族館に行くたびに、スタッフのみなさん10人ばかりと飲みに行ったりするのだけど、ただの飲み会に終わらず、いつも水族館をどう進化させるかという話しで盛り上がる。
そして、おたる水族館の展示は実際に、少しずつ着々と進化しているのだ。


おたる水族館の水槽は、だんだん『青い海』になってきている。
半年前に、ほほー、これはええやん。と思ったのがこちら。

イメージ 3

これは、シマソイかな?
流氷の下で、豊かな北海の海を謳歌している姿を、北海道の水族館らしく描いている。

実はボク、サンシャイン水族館のバイカルアザラシ展示の擬氷(⇒コチラ)で、この擬氷よりスゲーのを作ってやる!とライバル心を燃やして、半透明にこだわったのw。

こういうライバル心って、進化系水族館づくりには、すごく大切。
だから、うれしいんよね。


今回は、こっちの水槽も『青い海』になっていた。

イメージ 4

「寒い海の魚たち」水槽。
ホッケがねー、いかにも冷たそうな青色の水中と、そこに射す光に浮かび上がって生き生きしてるの。

ホントのことを言えば、養分の濃い海の色は緑色なのだ。
さらにたぶん、ホッケたちは太陽光の届くような浅い場所にはいないかもしれない。

しかし!
日本人の感覚というのは、「海=青」「冷たい=青い」「自然=陽の光」なのだ。
水槽に、『自然を模写した光景をつくるか』or『自然を想像できる光景をつくるか』という点で、展示をプロデュースするボクは後者を追い求めてきたのである。
そういう意味で、この展示はとてもいいと感じたのだ。

水槽展示ではしょせん本当の海はつくれない。
水族館の場合、写実派よりも印象派の方が観覧者に伝える力があると、近ごろ常々思っている。


サンゴ礁の海も、青色がとてもよかったよ。

イメージ 5

クロホシイシモチだと思う。

こちらの水槽は、他の濃い青色の水槽と違って、とても明るい薄い青色に染まっている。
青色の濃さで、深い浅い、冷たい暖かい、といった感覚が生まれるのだ。

多くの日本人が水中感を感じる青色を使って、こんな風に展示の構成を組み立てると、『水塊』にあふれた水族館にすることができる。
おたる水族館、古いと思ってたら大間違い、どんどん進化してますぞ!


起流ポンプの実験の超面白い結果他、おたる水族館での記事は、また続けて報告します。
…できるだけ早くねw。
あ、アクアワールド大洗の写真も整理しなくちゃあかんのやった……。

そんで、今日からまた北海道北見市です。
いってきま〜す!


●おたる水族館の、これまでの記事と写真のリストはコチラ ⇒北海道の水族館記事リスト



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サンシャイン水族館のことは、まだまだ書きたいのだけど、9月になったことだし、ちょっと別の進化系水族館の話題も。

ボクのサンシャイン水族館リニューアルの展示プロデューサーとしての仕事は、実はオープンをもって終了している。
だから、ボクの仕事のことをよく知ってる人は、「中村元は今はヒマだろう。きっとまたNPO道楽三昧始めるんだろうなあ」と思っているに違いない。
まあ確かにね、それは言えないこともない。今日だって、三重県に行って新しい事業のプレゼンをしてきたしw。

しかしだ!
中村元は水族館人なのである!
水族館の仕事をしてなかったら、水槽を上がった河童になってしまうのである!

…と言うワケで、もう一つ、昨年からやってる水族館プロデュースがありますぞ。
ほら、前にもちらっと明かした、北海道は北見市の温根湯(元留辺蕊町)にある「山の水族館」の建て替え。
この工事がもう始まっているのだ。

もちろん、工事が始まるというからには、すでに設計図は出来ている。
そのいくつかを、ご披露しちゃおう。


まずは「北の大地の水槽」

イメージ 1


うん? サンシャイン水族館では、極力減らそうとした半水面の水槽ではないか?
『水塊』が好きな中村がどうした?と思われるかもしれない。

でもさ、よ〜く見て欲しい。
雪が積もってる。
そして、水面下に分厚い氷が張ってるでしょうよ。
しかも、これ、本物の氷、本物の雪ですぞ。

日本初いやおそらく世界初の、水面下の氷結を横から見ることのできる水槽なのだ〜!

実は、この新水族館の工事費は3億円ちょっとという、ハンパなく超低予算。
水族館新設には数十億〜100億越えというのが当たり前の世の中、名古屋港水族館なんか400億円ばかしかかってる…というのに、たった3億円。ビンボー!
白バイ一台で盗める金額(古いか)、ちょっとした豪邸を建てる金額、それで新しい水族館を建物から造らなくちゃならんってどうよ!まいったか!

しかもね、この温根湯(おんね湯)というところ、北海道の中でも最も寒い町の一つなのだそうで、この温暖化の時代にも毎年しっかりマイナス20℃以下を何度も記録している。
なのに、なのにそんな真冬にも開館したいって言い出すってどうよ。まいったか!


いやはや、水族館プロデューサー中村元、かなりていうか超まいったですよ。
しかし、超まいったんなら、超水族館プロデューサーに変身してやっつけてやろうと考えた。

⇒でっかい水槽をいくつも作る金はないから、庭を掘って水槽にしちゃおう。
⇒その水槽では、河岸林が美しくて四季折々の表情を見せる北海道の川の風景を見せよう。
⇒そして、北海道の四季といえば冬。そんなに寒いんなら、川が凍り付くのを見せられるようにしよう。

と、そんなことをデデデデーと発想して計画したのがこの、氷結する川の展示。
こんな水槽ができたら、みんな冬にこそ見に来たくなるだろう。マスコミは毎年取材に来るだろう。
どうだまいったか! まいったか! まいったか!!!

幸いにも、濾過の必要のないきれいな地下水が、バッカバッカと湧く井戸を掘り当てた。
これはね、北海道の淡水魚を展示するのであれば、濾過循環の設備はまったく必要ないということなの。
つまり、どんなに水量の必要な水槽を作っても、コストにはほとんど響かない。

これぞ、「金はない」+「目玉生物はいない」+「寒すぎる」の三重苦の逆境を、たった一つの小さな取り柄「地下水」でもって、他の水族館ではできない進化を遂げた『超進化系展示』『超進化系水族館』なのだ!なのだ!なのだ!


さてしかし、ちょっと問題がある。
このあたりはあまりに寒いので、氷はどんどん分厚くなり、水底まで届いたりガラスを割ってしまう可能性があるというではないか。

そこでだ、すごいポンプの登場。
「ハイドロウィザード」なるドイツ製の起流ポンプ。 日本の水族館ではまだどこも使っていない。

イメージ 2

このうねりを見よ! (海響館のペンギン水槽にて実演したときの写真)

これ一台で、最大1秒間に3.3メートルの流れを作り、しかもそれが優れた整流機能によって5メートル以上もまっすぐ届くという、水の粘性を知っていればウソでしょ!というような超起流ポンプなのだ。
さらに、コンピューター制御で、無段階に強弱を付けられるので、様々な波も作れる。(バカ高い造波装置はもういらない!)

この優れもの起流ポンプを使ってですな。
・氷の張らない春から秋にかけては、このポンプので怒濤の川の流れを演出する。
・そして、気温が0℃を下回るようになったら、いったんポンプを止めて氷を張らせ始める。
・氷が張ってきたところで、ガラス面と底面に沿わせて、ポンプで緩い流れを作り出す。

これで、氷の厚さや幅を調節できる!(…はずやと思う)


さらに、このポンプはこちらの水槽でも活躍する。
『滝壺水槽』

イメージ 3

こちらは、滝なのに半水面ではない水槽。

超水族館ナイトでもお話したことがあるが、日本の淡水魚のコーナーはお客さんが止まってくれないので、半水面にして陸上の景観とりわけ滝を付けるのが流行っている。

しかしカンチョ、最初にプロデュースした某水族館で、水族館最大の滝水槽を企画してちょっとマイッタことに気がついたのだ。
観覧者は、見事な滝に本物みたいだと感心してくれるのだけど、肝心の魚はほとんど見てくれないではないか。
(これ、どこの水族館の滝水槽でも同じ現象が起こってるw)

このときの反省が、新江ノ島水族館で展示監督をしてたときの、「川魚のジャンプ水槽」の開発に繋がった。

でもね、中村元という奴はけっこう執念深い。 いつか滝の水槽でリベンジを果たしたかったんよw。

そのリベンジが、この滝壺水槽。
滝壺の下から滝を仰ぎ見る展示だ。
この中に、オショロコマとかイワナとかが必死で泳いでいれば、そりゃもうみなさん銀鱗の踊り輝く姿に見とれてくれるだろう。

これもまた、豊富な地下水あっての発想なのだが、いくら水量が豊富だからと言って、さすがにこのパース絵ほどに気泡を含んだ激流をつくれるほどではない。

そこで登場するのが、またまたハイドロウィザードさん。

イメージ 4

ポンプを水面近くに置けば、水面から空気を渦のように引き込んで、こんななんちゅうか波動砲発射!みたいな泡の炎を吐くことができるのである。

こういう泡が暴れる水。そこを遡る銀鱗。
これこそ、カンチョの言う『水塊』なのである。

この起流ポンプ「ハイドロウィザード」、発売と同時に欧米の水族館では続々と導入されて、進化系水槽をいくつも実現させているが、日本では販売代理店ができたばかり。
実はカンチョ、このハイドロウィザードを紹介されたとき即座に、「このポンプは水族館の展示に革命を起こす!」と確信し、水族館文化を考える水族館プロデューサーとして国内で普及させなくてはと決意したのだ。

そしてそれと同時に、ビンボーなこの水族館でも秘密兵器として使えることに気付いたのだ。
だって、いろんな効果が生み出せるのに、めちゃくちゃ安いんやもん。

展示を進化させるには、巨額のお金があればいいというものではない。
弱点だらけの苦しい環境を、豊富な井戸水とか、新しいポンプとかいった、ちょこっとしたもので、弱点を強みに変えればいいのだ。


というわけで、超進化系展示をいくつも持った、超進化系水族館。
ほらほら、来年の完成の暁には、きっと見に行く!と思ってきたでしょ?
さらに、冬にもいかなくちゃなあ…と思ってきたでしょ?

実は、この他にも、まだまだ秘密兵器がてんこ盛り。
超ビンボー水族館を、いかに超モテモテ水族館にするか、これから10ヵ月ばかり楽しみにしててね〜。


そういや9月と言えば、映画「LIFE=ライフ」が公開されてるのでしたね。
この映画はネイチャーモノとしては最高です。
「ディープブルー」から始まって「皇帝ペンギン」「オーシャンズ」と、どの試写会でも見事にウトウトしてしまったボクが、ウオーと唸って魅入った映画でした。
実は、この映画の試写会の一つで、ボクは上映前のトークというのをやったのですよ。
映画好きな人が、映画の前に水族館プロデューサーくんだりの話しなんか聞いてくれるわけないよなーと思いながらやったのだけど、いやけっこうウケておりました。

生き物たちの凄さ、自然の奥深さを、いかにして見せようかと死力を尽くしているネイチャー映画の制作者に刺激され、ボクも展示の進化を追求する心に再び火をつけられた次第です。
生き物に感動したい人も、水族館の展示を感動の展示へと進化させたい業界の人も、ぜひ映画館に足を運ぶよろしですぞ。


★トークライブ『中村元の超水族館ナイト』は次回で10回目。2011年10月に開催!


恥ずかしながらTwitter始めてみました…。
□オススメの水族館本(中村元著・監修)→水族館の本
■水族館を選ぶなら→WEB水族館:決定版!!全国水族館ガイド
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