ブログ水族館/中村 元

次回『中村元の超水族館ナイト』は2019年2月24日(日)の開催。前売り発売は1/24です

水族館素人撮影術

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先週、久々に油壺マリンパークに行ってきた。
一つ、どうしても撮っておきたい生き物の写真があったからなのだけど、それはそれとして、先日の超水族館ナイトで特ネタを披露してくれたナルくんのところに、そろそろ行かねばなあ〜との思いがあったのである。

特に、関東で唯一のオオメジロザメがけっこう大きく育ってるというナルくん情報には、ジリジリとしていたのだ。

それで、撮影を目的としていた生き物など、ほったらかしにして、まずはオオメジロザメの水槽で腰を落ち着けたカンチョだったのである。
いや、落ち着くどころか、2つの窓の間を走り回っておりましたが…w。

オオメジロザメ
※α700 18mm F3.5 1/10秒 マニュアル露出 強制発光 ISO400(レンズ:SIGMA18-50mm/2.8)
イメージ 1


実はね、今日はさっきまで、古い友人、中村庸夫さんの内閣総理大臣賞受賞をお祝いする祝賀会だった。
中村庸夫さんは、水族館や海の生き物の本も出してるけど、それ以上に船の写真がすごくて、とりわけ帆船では世界のシェアの90%だと豪語されていたことがある。
それで、海の文化の発展やら、海洋王国ニッポンの国威掲揚に貢献したとかいうことでの表彰なのだ。
それにしても、内閣総理大臣賞ってすごいよね。
胸に、燦然とその賞が輝いていましたぞ。

で、その中村庸夫さんが、ボクに写真撮影を教えてくれたのですよ。
つまり、内閣総理大臣賞を受賞した人が、ボクの師匠というわけやね。
つーことは、そのうちオデも内閣総理大臣賞か! それはないw

さて、中村庸夫さんから教えてもらったことは3回ある。
その一つ目。
当時、ビデオの撮影しかやってなかったカンチョ。
「スチルもやりたいのやけど、カメラは何を買ったらいいすかねえ?」と聞いた。
すると、
「ビデオと違って写真は露出が難しくて大切です。今は、ミノルタから出たαシリーズが露出をオートでやってくれますよ。ピントもオートだけどそれは使わない方がいい」

カンチョってば、そのたった一言で、一週間後にα9000を手にしていた(^^;
その後αシリーズは、ミノルタからコニカミノルタになりソニーになって、散々なことになったけど、今もボクの愛機がαなのは庸夫さんのせいです……。オレの青春を返してくださ〜い!

まあ、αの悲劇はミノルタのせいということにしてですな、
『露出が大切』と『オートフォーカスは使わない』の言葉は、しっかり頭に入れて、今も言いつけを守っている。

オキゴンベ
※α700 50mm F10.0 1/125秒 マニュアル露出 強制発光 ISO160(レンズ:MACRO50mm/2.8)
イメージ 2

特に接写するときには、「絞りを工夫」「眼にピン」は、とても大切。
被写界深度(ピントの合う幅)によって、表現がまったく違ってくるし、ピントが目からちょっとズレるだけで画竜点睛を欠いてしまうからだ。
それさえマニュアルでやっとけば、後は賢いストロボが、かなり正確に発光の加減をやってくれる。


さて、二つ目に教わったことは、そのストロボ撮影の方法。
「レンズをまっすぐに構えて、45度の方向からストロボを発光させたら、反射光は逆の45度の方向に逃げます。とにかく光源を写さなかったらいいのだから簡単なことですよ。」
って、今度の一言、ぜんぜん簡単やないんですけど……。

でも、水族館に撮影に来られてるのを見ているうちに、なるほどそうか、そういうことか!と理解した。
説明はたった3分くらいだったけど、プロの仕事を見ていると盗めますな〜。
(ちなみに「簡単なことですよ」は庸夫さんの口癖なのである)


最初はのうちは、広角だとどうしてもストロボの反射を拾ってしまっていたけど、そのうち、カメラの角度も変えたり、発光の瞬間にカメラを動かすという荒技で、反射を拾わない方法を自分なりに開発した。
それも、「光源を写さなければいい」という庸夫さんの核心を突いた言葉を覚えていたからだ。

※α700 15mm F5.6 1/8秒 絞り優先 強制発光 ISO400 (レンズ:SIGMA15mmFishEye/2.8)ちょっとトリミング
イメージ 3

あ、これ、先日の超水族館ナイトで、ナルくんが油壺にしかいない珍しいチョウザメと威張ってた、バルチックチョウザメね。
なんとかバルチック艦隊っぽく(ていうか宇宙戦艦大和っぽく)デフォルメして撮ろうと思って頑張ったw。
魚眼のわりにはストロボ光を拾わずにうまくやりすごせた。

実はつい先日、しながわ水族館で、写真教室みたいなのやってた人たちがいて、一人がボクの撮影法を真似てストロボ撮影を始めたので、放っておけなくなって、ストロボの使い方を教えてあげた。
「レンズをまっすぐに構えて、45度の方向からストロボを発光させたら、反射光は逆の45度の方向に逃げます。とにかく光源を写さなかったらいいのだから簡単なことですよ。」
どひゃ〜!まったく受け売りやん!
その人はぜんぜん理解できなかったけど、その教室の先生らしき人はさすがにプロ、ボクのその一言で理解して、教えなおしていた。


さて、庸夫さんに教わった3つめのキーワードは、技術や原理ではない。
一緒にガラパゴス諸島に取材に出かけたとき、ボクはアオアシカツオドリの表情が気に入って、正面からばかり狙って撮っていた。
できあがった写真を見て、庸夫さんは、
「カツオドリをこの角度で撮るのは気がつかなかった。いい表情ですね、元さんだからこその視点です」と、褒めてくれたのだ。

それからというもの、ボクの鳥写真、海獣写真は、正面から表情を撮るのがほとんどになのであるw。
特にね、ペンギンの立ち写真は、ボクの場合は正面写真多いよねえ。
一度誉められると、それがスタイルになっちゃう、カンチョ分かりやすい男ですw。


キタイワトビペンギン
※α700 200mm F4.0 1/320秒 絞り優先 補正−0.3 ISO250 (レンズ:MINOLTA80-200mm/2.8)
イメージ 4

とまあ、今日は、写真の師匠である中村庸夫さんに教わったこと(全部合わせて数分の師匠やけどw)を思い出しながら書いたのだけど……。

なんとこの会場で声を掛けていただいたのが、油壺マリンパークの元館長の磯貝高弘さんだった。
今日帰ったら、油壺の写真でもUPしようかなと思っていたから大ビックリ。

そして、今まで知らなかったのだけど、磯貝さんは水槽写真の大家だったのである。
ナショジオに掲載されていた、荒俣宏さん著による「奇跡の 海相模湾」(2008年7月号)の写真も磯貝さんの撮影だったのだ!
帰ってきてナショジオを再度見て、スゴイ!の一言。
接写の美しさ、切り取りのセンス、露出の妙…圧倒されてしまう。接写がもう芸術なのだ。

そしてなんと!そんなスゴイ写真の大家が、このブログ水族館もよく見てると言われるではないか。
え〜〜〜! 焦りまくりです。
正直言って、ボクのシロート接写なんか恥ずかしくて二度と載せられません! …とホントに思ったの。

でもまあ「ブログ水族館」は写真家のブログではなく、水族館プロデューサーのブログなんやしね、この書庫も、「水族館素人写真術」と『素人』が付いてるんやしね、結局恥ずかし気もなく接写も載せちゃいました〜w。

いつか機会をつくって、磯貝さんには接写の師匠になってもらおうと思っている。(勝手にやけどw)
ちょっと楽しみができた、いい日だったのであるw。


●油壺マリンパークの、これまでの記事と写真のリストはコチラ ⇒神奈川県の水族館記事リスト

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恥ずかしながらTwitter始めてみました…。
□オススメの水族館本(中村元著・監修)→水族館の本
■水族館を選ぶなら→WEB水族館:決定版!!全国水族館ガイド
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今日は一日、『みんなが知りたい水族館の疑問50』の改訂校正をしていました。
『中村元の全国水族館ガイド112』の余波のせいか、この夏休み中にけっこう売れたらしく、嬉しい重版になったためです。

それにしても、いったいどうしたというのでしょう!
なんでまたこんなに日々の移ろいが早いのでしょう!
ウミガメのこと書いたから、浦島太郎状態になってしまったのか〜!

9月に入ってもうすでに3週間が経過したというのに、ブログへの記事がまだ2つ。
これはいかん!ということで、とりあえずなんか書きます。


えっとそんなわけで、実はですね、長いことずっとなんとかモノにしたいと思って、撮り方を考えてた生き物がいたのです。

それは、妖しく光るセンスガイ。

※α700 50mm F10.0 1/1.3秒 マニュアル露出 露出補正-0.3 強制発光 ISO640  (レンズ:SIGMA18-50mm/2.8)
イメージ 1


センスガイは、貝ではなく、単体サンゴの仲間。
水族館では深海生物のコーナーで、けっこう異彩を放っている生き物ですな。

こいつが、普通にストロボ撮影すると、真っ白に近い生気のない生き物に写ってしまうのだけど、水族館の照明によっては、かなりいい蛍光発色をする。

それで、その美しい蛍光発色も取り込みいの、でもセンスガイの不思議な姿も取り込みいの…というわけで、近頃のカンチョ撮影技術を進化させつつあるスローシンクロ技で試してみた。

そしたらいやはや何とも、思っていた以上にいい発色になったのですわ。



こちらは2個体
※α700 50mm F16.0 1/1.3秒 マニュアル露出 露出補正-0.3 強制発光 ISO640  (レンズ:SIGMA18-50mm/2.8)
イメージ 2


最初の1個体の奴は、なんとなく骸骨の口みたいな雰囲気だったのだけど、
触手を伸ばしてひらひらしているこの2個体は、どこかの惑星に棲む妖しいおねえさんぽい。

手前にいるセンスガイなんか、アンジーばりの唇で、「こっちへ、いらっしゃい」とかなんとか言っておりますぞ!

後ろでメタルに光るサンゴもなんか未来的。
ちょっとSF的にシュールな世界ですなあ。


ところで『みんなが知りたい水族館の疑問50』の修正してて思ったのだけど、さすがに3年経つと水族館状況が色々変化をしてますなあ。
美ら海のアクリルは世界一ではなくなったし、油壺の海洋深層水館も今は深層水をやめたし、写真もいくつか変更しました。
でも、書かれている内容は、やっぱりなかなかよかったですぞ!自分で言うのもなんやけど…w。
読みながら、「へー!水族館ってそうやったんや!」なんて驚いたり。
いや、3年前にネタにしてたことをすでに忘れてしまってるボクがダメな人だということなんよね…(T_T)。


●美ら海水族館の、これまでの記事と写真はコチラ ⇒九州沖縄の水族館記事リスト

●カンチョの水族館トークライブ第8弾『中村元の超水族館ナイト2010秋〜特ネタ大爆発!〜』10/24開催!チケット販売中⇒東京カルカル


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熱帯夜に仕事するのが嫌で、ウィスキー飲みながら写真の整理してたら、3ヶ月前に「美ら海なう!」とか言って、コンデジの写真をアップしたっきりだったのが判明。⇒美ら海水族館でジンベエに会う

そんなわけで、どうせ暑いなら沖縄まで行っちゃおう!
しばらく、美ら海特集です。

ついでに、美ら海水族館にはカメラ持って人がとても多いから、『水族館素人撮影術』的記事でお送りします。

まず今日は、エントランスで我々を迎えてくれる、世界一のサンゴ礁水槽から。
※α700 18mm F5.6 1/50秒 絞り優先 露出補正-0.3 ISO250  (レンズ:SIGMA18-50mm/2.8)
イメージ 1

この水槽は、沖縄の太陽をそのまま引き込んでいるのと、底が真っ白なサンゴ砂に覆われているから、その反射もあって、美ら海水族館では最も明るい水槽。
だから、サンゴ礁に潜ったのと同じように、すごく簡単に水中写真が撮れちゃうみたいな気持ちになる。
そんなワケで、この写真のみなさんも、ほぼ全員が写真撮ってますねw。

でも、きっとこのみなさんは、家に帰るとちょっとがっかりしちゃうことになる。
普通に撮ると、メリハリ無く色の飛んだ薄緑っぽい写真にしかならず、さらに、魚の黄色や赤色は、くすんだ緑になってしまうはずなのだ。

しかしである、
なんだ!やっぱり水中写真のようにはならないなんだ! とは思わないで欲しい。
だって水中で撮影したって、同じようなことになるんやもん。
理由は、海水が太陽から色を奪ってしまうから。
つまりいい色の出ないこの水槽は、ちゃんとした深さもあって、ホントに水中と同じ条件になっている証明なのだ。

では、なんで水中写真のサンゴ礁はとてもキレイなのか?
一つの方法は、海水が太陽の色を奪うことができないほどすごく浅い場所で撮影している。
もう一つは、強力なストロボを当てて撮影している。
美しい色の出ている水中写真は、そのどちらかなのだと考えればいい。

つまり一眼レフユーザーは、こういう明るい水槽でこそ、ストロボ撮影をするべきなのである。
そしたら、潜らなくても水中写真をゲットできるのだ。やりい!


と、そんなこと考えている場合ではない事態が起こった。
おおお…、ユウゼンや!

※α700 15mm F8.0 1/80秒 マニュアル露出 強制発光 ISO250 (レンズ:SIGMA15mmFishEye/2.8)
イメージ 2

えらいこっちゃ! ユウゼンがおる! しかもでっかい!

黒光りしている、ちょっと大型のチョウチョウウオ。
これがユウゼンですぞ!
しばし見とれてしまうカンチョ。
カンチョ、恥ずかしながら、成魚のユウゼンを見るのは初めてなのである。

なるほど、悠然と泳いでますなあ〜。 いや、悠然と泳ぐからユウゼンではない。
漢字で書けばおそらく染め物の「友禅」なのだ。
縮緬っぽい地肌に、しっとりとした黒色を、高級な着物に見立てて付けた名前なんだろうと思う。

錦絵のようなサンゴ礁魚が多い中、この渋い色模様の魚に「友禅」と付けた人のセンスのよさが素晴らしい。
会いたかったよ〜!ユウゼン。

ストロボのおかげで、ユウゼンの黒は真っ黒に、白は真っ白に、お尻の黄色は発色よく写りました。
いろいろ考えて、設定しててよかった〜。


ユウゼン、激写!

※α700 50mm F4.0 1/100秒 シャッター優先 露出補正−0.7 強制発光 ISO200(レンズ:SIGMA18-50mm/2.8)
イメージ 3

これ、なんか3Dっぽくない?

じっと見てると、ユウゼンがユラユラと動いてくる。
ホンマやって! 見てみいって。


はいはい、ユウゼンの興奮はこのくらいに、普通にサンゴ礁っぽい写真を撮りましょう。

※α700 15mm F8.0 1/125秒 絞り優先 露出補正−0.7 強制発光 ISO250 (レンズ:SIGMA15mmFishEye/2.8)
イメージ 4

ヒレナガハギ(上)とアデヤッコ(下)ですな。
アデヤッコは漢字で書けば「艶奴」。 つまり艶やかな芸妓さんの意味。
確かに、とっても艶やかではあるのやけどね、ユウゼンの美しさを見た後では、まあこんなんもおるさ…な感じw。


でも、発色いいでしょ、これも。
そこで、「はいはい、ストロボを当てれば、サンゴ礁の色も魚の色もきれいに出るんでしょ。もうできちゃうもんね〜」と、カンチョの裏技をすでに手にした気分になってるアナタ。
うひょひょひょ、ところがそうはうまくはいきませんですぞ。
 
きっと、まず、ぜんぜん色が出ないどころか、真っ黒になっちゃった。
もし色が出たとしても、水槽の雄大さがなくなって、魚だけしか写らなかった。
となることだろう。

それは、被写体が遠すぎたのだ。
そしてバックが暗くなるのは、水槽の明るさにシンクロさせていないから。
さあ、しっかり考えて、どこでどう撮影すればいいのかを考えましょうね。

実はこの水槽は、細長いように見えて、かなりの奥深さがあるから、ストロボ光など届かないのだ。
でも、サンゴ礁が岬のように目の前にまで突き出てきている場所が、左右に1カ所ずつある。
そこが狙い目だ。
2枚目のユウゼンを撮った写真は右側の岬、3枚目のアデヤッコがいるのが左側の岬。
このどちからでないと、ストロボの光は届かない。

ストロボを使わない場合も、サンゴが近ければ近いほど、カメラとサンゴの間に海水がないので、ある程度の発色が得られるので、コンデジのみなさんも、その場所を確保して撮影するのがいい。
少しでも色を拾っていると、パソコンに取り込んでから、画像ソフトで発色を出すこともできる。


ところで、この水槽の美しさは、光の射し込む透き通るような透明感と、白い砂底にある。
それが表現できる写真を、『中村元の全国水族館ガイド112』用に撮らねば、と撮ったのがコチラ。

※α700 15mm F2.8 1/125秒 絞り優先 露出補正−0.3 強制発光 ISO250 (レンズ:SIGMA15mmFishEye/2.8)
イメージ 5

自分で言うのもなんなんすけどね、きれーなあw。
いや、そもそもこれこそが、沖縄の太陽と、沖縄の海水を、そのまま使うことによって実現したこの水槽の魅力ですね。


素人撮影術的コメントとしては…
このサンゴ礁の岬は、右の岬。
白い砂を美しくするために色補正したら、特にストロボを当てていないサンゴ岬の、わずかに拾っていた色が現れた。
やっぱりねえ、ストロボ使わない場合でも、近いところにあるものを狙うというのが、とても大切なのですよ。
『サンゴ礁の色を出すには、近くに突き出た岬を狙え』覚えておいて下さい。


●美ら海水族館の、これまでの記事と写真はコチラ ⇒九州沖縄の水族館記事リスト

□カンチョの水族館写真撮影術が掲載された→『写真ライフ76』2009春号

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5年ぶりの須磨海浜水族園

須磨といえば、巨大ピラルクー!
しかし、この5年間で寿命が尽きたのか、大きいのは1尾だけで、他はみんな小さかった。
それで、広角レンズと人を使って、少しでもピラルクーの巨大さを表せるように撮影。

※α700 17mm F5.0 1/4秒 絞り優先 露出補正-0.3 強制発光 ISO320 (レンズ:SIGMA17-70mm/2.8-4.0)
イメージ 1

このピラルクーは実は体長1mくらいしかないのだけど、トンネルの中の人と比べることで大きく見える。

構図に関しては、こんな風に広角のパースフェクティブ効果を使えばいいのだけど、ここで大切なのが、背景もちゃんと写る明るさにして、さらに背景よりもピラルクーの色や形をくっきり出すこと。
それで、露出を背景の明るさに合わせて、ストロボ同調させた。

ところで、トンネルの中にいるのは、地元のミーサン!
ちょうどショーが始まって観客がいなかったので、エキストラを引き受けてくれたのだ。
撮影に付き合ってくれて、ありがとね〜!

水族館写真家として、もう一つ気を付けなくてはならないことがある。
それは、観客の顔をはっきり写さないことだ。
特に、カップルだとか親子連れには要注意ですぞ!
不倫関係だったりしたら、タイヘンなことになっちゃうし、
そうでなくても近頃では、その後に別れただの離縁しただの普通にあるからねえ。

いや、他人のこと言えた義理ではないんやけどさ(^^;、それだけにカンチョは注意を払うのですよ。
そんなワケで、ミーサンの可愛いお顔はぼけています。
みなさん、その絶世の可愛らしさを想像してくださいw。


ピラルクーはお尻の方が頭よりはるかに大きいから、お尻が近くに来た時に狙うという手がこちら。

※α700 17mm F2.8 1/15秒 絞り優先 露出補正+0.3 強制発光 ISO800 (レンズ:SIGMA17-70mm/2.8-4.0)
イメージ 2

最初の方の写真は、カンチョ作風で動きのあるピラルクーにしたのだが、コチラは印刷物用などのことを考えて、ISO感度を上げてシャッタースピードを少し速くした。

実は、向こうにいる赤色がくっきりしたピラルクー。
あいつが唯一の2m越えピラルクーなのだけど、どうしてだか近くには来てくれない。
でも、広角で撮ったこの構図で手前のピラルクーと変わらない大きさなんだから、かなり大きい。

トンネルの中の観客は、知らない人。
でもいい具合に、トンネルが光ってるところに顔があるおかげで、顔が隠れましたぞ。
実はカンチョ、使いたい写真に観客の顔がバッチリ写ってたりした場合は、わざわざ光の写り込みをよそからもってきて重ねたり、そこだけ暗くしたりすることもある。
けっこう気をつかっているのですよ。


しかしさてところで、新しいガイドで使う須磨水のピラルクー写真。
ミーサンバージョンにするか、お尻バージョンにするか、ちょっと悩みどころなのである。



さてコチラは、須磨水オープン当初から、長い時間をかけて大きく育ったサンゴ礁の水槽。

※α700 17mm F2.8 1/100秒 絞り優先 露出補正−1.3  ISO250 (レンズ:SIGMA17-70mm/2.8-4.0)
イメージ 3

これがホントになかなか立派な大きさである上に、円柱水槽なのでググッと拡大されて、須磨水の中では非常に印象的な水槽なのである。

でも、そのまま撮っただけでは、大きさがまるで分からない。
そこで、ここでもやっぱりミーサンにエキストラ出演をお願いして、ボクからちょっと離れ気味に立ってもらった。
これでサンゴたちの大きさが分かるようになった。
いや、実際に見た感じは、もっと大きく見えるんよね。
水族館で実際に見て感じた印象を、いかに写真に表すか…。
これってけっこう難しくて、日々精進のボクのテーマです。

この写真でもミーサンの顔は暗く落としたのだけど、ミーサンの許可さえ得られれば、ガイドなどではもっと明るい写真を使いたいと思ってます。


ところで、今回持っていったレンズは、新兵器レンズ。『SIGMA17-70mm/2.8-4.0』
今まで使っていた18-50mmよりも、広角側で1mm、望遠側で20mm広がり、さらにマクロの最大倍率が1:2.7と0.3も小さくなった。
望遠側で暗くなってしまうのが難点なのだけど、値段はとにかくメチャ安い!

このレンズのおかげで、ボクの撮影レンズ簡易版セットはすごく身軽になりました。
コレと100mmマクロの2本だけで、水族館の生物と水槽は、ほぼすべて撮影できることになります。
水族館撮影には、とてもオススメのレンズです。

□カンチョの水族館写真撮影術が掲載された→『写真ライフ76』2009春号

●須磨海浜水族園のこれまでの記事はコチラ→関西の水族館の記事リスト

News:次回トークライブ『中村元の超水族館ナイト2010夏』は6月19日⇒東京カルチャーカルチャー(お台場)

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若い頃、プロの写真家に教えてもらったことで一つ印象的な理論がある。
 広さを表すときには望遠レンズ。
 何かを強調するときには広角レンズ。

その頃のボクは逆に、広い光景を写すときには広角レンズで、ズームアップして写すときには望遠レンズだと思っていたから、なんじゃそれ?とワケ分かんなかった。
そしたらね、「写す」のと「表現する」するのとの違いなんやって。

それを今更ながら思い出して、最近では超広角(魚眼)をズームアップ用に使うことが多い。
今回は、魚眼レンズでのズームアップ効果の素人撮影術を、最近ちょっと関わっているサンシャイン国際水族館で撮ってきた写真で。

まずは一発、ズームアップ!
イワシの群[サンシャイン国際水族館]
※α700 15mm F7.1 1/8秒 マニュアル露出 露出補正±0 ISO200 強制発光(レンズ:SIGMA15mmFishEye/2.8)
イメージ 1

広角レンズは、最短撮影距離がけっこう短いのだけど、そのぎりぎりいっぱいを使えば、ちっちゃなイワシもこんなに大きくなる。
さらに、少し遠く離れたものはすごく小さく写る(パースペクティブ効果)から、その比較で視覚的にズームアップっぽい効果が生まれる。

巨大水槽でイワシの群が変化自在に形を変える様は、写真にするのが簡単で楽しいけれど、超広角を持っていればグルグル回っているだけのイワシでも、大水槽にはない迫力写真が撮れる。
それが、魚眼や超広角レンズの面白さ。
カンチョはこういう見え方がする水槽ができないかと必死で考えてるんやけどね、あと一歩で壁にぶつかる。
やっぱりこれは写真の中だからこその世界。
一眼レフの友たちよ、だからこそ楽しもうではありませんかw。



ハチビキ[サンシャイン国際水族館]
※α700 15mm F4.5 1/30秒 シャッター優先 露出補正−1.0 ISO400 強制発光(レンズ:SIGMA15mmFishEye/2.8)
イメージ 2

サンシャイン水族館は、奥行きの浅い水槽が多くて、さらに擬岩で装飾されているので、どこまでも青い水中感を出しにくい。
それで中央重点測光にして、魚が一番近く来たところでストロボ発光させるとTTLが勝手に働いて光が弱くなり、奥の擬岩が写らなくなる。
※背景を写したくなかったこの写真と次の写真は「中央重点測光」で、群の他の個体も写し込みたかった最初と最後の写真はマルチパターン測光。
そしてさらに、青色の照明に同調させておけば、深くて冷たい海で出会ったハチビキを演出できる。

この場合はストロボ光を弱くするために、対象がスゴク近くにいる必要があって、そんなに近い相手の全身を写すことができるのは超広角レンズというワケ。

ところで、ハチビキって一匹でもハチビキなのだけど、実は「葉血引き」ていう意味らしいよ。(ぼうずコンニャクさんの図鑑より)
なんとなくアジを赤くしたみたいな姿なのだけど、身まで赤くて、それで葉血引なんやって。
南の海のわりと深めに住んでいる魚で、サンシャイン水族館以外では見た記憶がない。


オデコをズームアップ!
ルックダウン[サンシャイン国際水族館]
※α700 15mm F2.8 1/80秒 シャッター優先 露出補正±0 ISO200 強制発光(レンズ:SIGMA15mmFishEye/2.8)
イメージ 3

魚眼レンズや超広角レンズには、パースペクティブ(遠近法による効果)を強調する特徴もある。
なので、形の面白い魚のその特徴の部分を強調することができる。
ルックダウンは、以前にも登場したオデコに特徴のある魚。→ルックダウンに気を付けろ!
他にも、オデコの飛び出てるアオブダイとかにも使える。→一枚目のアオブダイは18mmで撮影


最後にもう一枚、イワシの顔。
※α700 15mm F11.0 1/8秒 シャッター優先 露出補正−1.0 ISO400 強制発光(レンズ:SIGMA15mmFishEye/2.8)
イメージ 4

この瞬間を待ってたんやけどね、これがなかなかタイヘン。
何よりもピント合わせがタイヘンよ〜。
超広角は、被写界深度が深くて、ピントの合う距離はわりあい広いのだけど、さすがにこうやって大きくズームアップするときにはそれなりにシビアになる。
いつも言ってるように、生き物は「目が命」だから、合焦地点に目が来たときに撮影しなくちゃならんわけですよ。

なので、これを狙うには、口が開くのを見ているのと同時に、目にピントが来てるのを確認しながら撮影することになる。
今回カンチョは、スローシャッターでの動き表現も出したかったのでシャッタースピード優先にしたけど、できれば絞りは絞った方がピントが合いやすくなる。
そこで、最初の写真と最後の写真はISO400まで上げて、F値をできるだけ絞り込めるようにしているというワケです。

うむむ。。。素人写真術と言いながら、なんか今回は難しいことばっか述べてしまったような気がする。
でも、文字で書くとなんだか難しいけど、今のカメラはそういうことの微調整はみんなカメラの方でやってくれるので、撮影者は「こうしろ」と命令するだけでOK。ホント楽になりました。
楽になったのだから、我々アマチュアも、ちょっとは理論を覚えておいた方がよろしいかと思うのでありますよ。

で、とりあえず一番簡単な理論だけは覚えておいて下され。
 広さを表すときには望遠レンズ。
 何かを強調するときには広角レンズ。

●この書庫は、SONYからα700の提供を受けて、水族館での一眼レフ素人撮影術を紹介しています。

□カンチョの水族館写真撮影術が掲載された→『写真ライフ76』2009春号

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