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朝日新聞2016年1月4日(月)
俳壇
金子兜太 選
荒星といふ金剛を我がものに (船橋市) 斉木 直哉
・選者評:こころ患う作者は、冴えきった冬星を己として生き耐えている。
・荒星(あらぼし)は木枯しの吹きすさぶ、荒れた夜の星のことで、冬の季語。金剛(こんごう)は最も硬いもの、きわめて強固で破れないもので、元は仏教用語から。金剛石というとダイヤモンドのことです。
流星を見てより潜るカミオカンデ (八王子市) 間渕 昭次
・スーパーカミオカンデは、梶田隆章さんのノーベル賞でまた注目が集まりましたね。岐阜県飛騨市神岡町の地下、旧神岡鉱山内に設置されたニュートリノ観測装置です。光害の少ない神岡は流星観測にも適しているのでしょう。
歌壇
永田和宏 選
・選者評:次の二首は「はやぶさ」の見事なスイングバイに感激して。
引き寄せしはやぶさの背をりゅうぐうに行っておいでとそっと押す地球
(新潟市) 古澤 康令
・ひらがなが多く、やさしい表現になっていますね。「りゅうぐう」ははやぶさ2の目的地である小惑星の名称で、昨年10月に決まりました。
逞(たくま)しき重力ありぬ衛星をあの室伏のハンマーのごと
(松山市) 宇和上 正
・地球がその重力で砲丸投げの室伏選手のようにはやぶさ2を放り投げたというのですが、最後の動詞を省略して読者の想像に任せているのがよいです。はやぶさ2は探査機なので、「衛星」は少し違うかと。
読売新聞2016年1月4日(月)
歌壇
栗木京子 選
深き闇に身を包まれて降る星の雫にぬるる清里晩秋
(狭山市) 安倍 宏子
・清里高原は山梨県にあり、八ヶ岳南麓に広がる観光地として有名ですが、光害はあまりないのでしょうか。
毎日新聞2016年1月4日(月)
俳壇
小川軽舟 選
月高し外湯をめぐる下駄の音 (神奈川) 大久保 武
・外湯(そとゆ)というからには伊豆あたりの温泉地なのでしょう。冬の満月は高く昇り、月天心という言葉もあります。11月26日が満月なので、その前後かと。
歌壇
篠弘 選
人生の半分を「王座」タイトルと共に生きたり羽生善治(はぶよしはる)は
(登別市) 松木 秀
・選者評:将棋界の第一人者。四十五歳の現在まで、二十三歳から「王座」を獲り、その大方を制してきたことへの驚き。
・すいません。天文とも科学とも関係ない、私の趣味です(^^; 羽生さんは、1992年に奪取して以来、2011年に渡辺明さんに1回取られたときを除き、ずっと王座を続けています。
「2016年を詠む」 富士 鷹羽 狩行
若井汲む人あらはれて星の下
・富士山の麓でしょうか。元旦に汲む水を若水といい、一年の邪気を払うとされます。若水を汲む井戸が若井で、若水も若井も新年の季語。
読売新聞2015年12月28日(月)
俳壇
正木ゆう子 選
なにかもかも数値化したる寒さかな (大阪市) 大塚 俊雄
・作者の嘆く数値化は科学の始まりですが、根っ子にある感覚・感性とのつながりを大事にしなければいけないと思います。
歌壇
岡野弘彦 選
この夜ごろ木に鳴く虫の音も絶えてつめたき月は皓々と照る
(東松山市) 嘉藤 小夜子
・選者評:以前は伊豆でも木に登って鳴く秋の虫の声が聞けたが、今は鳴かなくなった。作者の住むあたりでは鳴くらしい。秋が深まってその声も絶え、冬の迫る感が深い。
読売新聞2015年12月21日(月)
俳壇
正木ゆう子 選
冬星をみな竦ませて月真上 (東大和市) 板坂 寿一
・選者評:月が星を竦(すく)ませる、という表現が珍しく、かつ説得力がある。おそらくとても寒く、雲ひとつ無い晴夜で、月は満月なのだ。それらのすべてが「竦ませて」から想像される。
歌壇
俵万智 選
三日月が刃のように見える夜はハンドクリーム多めにつけん
(北海道) 吉田 桜子
・三日月の刃(やいば)であかぎれができないように。
毎日新聞2015年12月21日(月)
俳壇
小川軽舟 選
ラッパ吹くピエロ壊れて十三夜 (彦根市) 飯島 白雪
・今年の十三夜は10月25日(日)でした。壊れたピエロの人形と満月に少し足りない月の対比。
大峯あきら 選
雲を出る月のやさしき枯木かな (唐津市) 梶山 守
・この時期の枯木というといかにも荒涼としたさまを思い浮かべますが、やさしい月が照らしているのであれば大丈夫かと。
朝日新聞の12月21日付が見当たらないのですが、見つけ次第追加します。
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三日月の・・吉田桜子さんの歌がいいです🎵
2018/4/28(土) 午前 2:32 [ 根保孝栄・石塚邦男 ]
コメントありがとうございます。
ここ数か月意欲喪失して記事を書くのをサボっていたのですが、コメントをいただくとまたやる気が湧いてきます。
2018/4/28(土) 午後 7:34