宇宙とブラックホールのQ&A

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・高解像度で解剖、遠方宇宙で成長中の銀河
アストロアーツ5月22日付記事、元はすばるです。
http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/10639_uss1558

概要>すばる望遠鏡による観測で、110億年前の宇宙に存在する成長中の銀河の内部が高解像度でとらえられ、銀河の星形成領域が星の分布よりも外側まで広がっていることが明らかになった。

>東北大学の鈴木智子さんたちの研究チームが、約110億年前の宇宙に存在する、へび座の方向の原始銀河団USS 1558-003をすばる望遠鏡で観測し、銀河の内部の様子を明らかにする研究を行った。

「東北大学の鈴木智子さん」は東北大学天文学教室の研究員の一人で、次のメンバー表の下から6番目です(笑顔の写真付き)。
https://www.astr.tohoku.ac.jp/member/index.html
ご専門は「銀河形成・進化の光赤外線(と電波)による観測的研究」。
「光赤外線」の光とは可視光のことですね。
より詳しくは、ホームページ(英文)によると、赤方偏移z=2〜4(特にz=3〜4)の銀河形成・進化をすばる望遠鏡などの観測データを使って研究しているとのこと。
https://sites.google.com/view/tlsuzuki

百聞は一見にしかずというわけで、ここでアストロアーツ掲載の一番上の画像「原始銀河団USS 1558-003の全体像」をご覧ください。
個々の銀河の拡大図は高解像度です。

>観測では地球大気の影響による像のボケを補正する補償光学装置と、一部の波長のみを透過する狭帯域フィルターとを組み合わせた新しい手法が用いられ、すばる望遠鏡の大口径と合わせることによって高解像度を達成することに成功した。遠方宇宙に存在する銀河内部の星の分布だけではなく、星形成領域の分布も0.2秒角(視力300相当)という解像度でとらえられている。

遠方銀河の「星の分布」と「星形成領域の分布」を同時に捉えたという点が成果なのですね。

ここで、アストロアーツ掲載の真ん中の画像をご覧ください。
補償光学装置と狭帯域フィルターとを組み合わせるとどのくらい解像度が上がるか、よく分かる対比となっています。

>今回の観測では一度に11個の星形成銀河について、星と星形成領域の分布が明らかになった。このうち、星質量の大きい星形成銀河では、星形成領域が星の分布に対してより広がっていることがわかった。この結果は、外側に新しい星を作ることによって銀河の構造(星の分布)は内側から外側へと広がっていき、銀河のサイズが大きくなっていくということを示唆している。

星の分布よりもこれから星ができる領域の方がより広いというのは、星が外側に向かってどんどん増えていくことを意味するわけです。

>この傾向は、銀河同士の相互作用や銀河外縁部のガスの剥ぎ取りといった周辺環境からの影響を受けない、孤立した同時代の銀河にも見られる。つまり、約110億年前の宇宙では、銀河が高密度で存在する原始銀河団領域であっても、大質量の星形成銀河は周囲から何らかの影響を受けて進化しているというよりは、むしろ自身の星形成によって主にその構造を成長させていることを示唆するものである。

星どうしの距離は、同時に形成された連星以外は、互いに遠く離れていて相互作用しませんが、銀河どうしの距離は銀河の大きさに比べてかなり近くて、いったん形成された銀河どうしが相互作用する例はいくらでもあります。
今回の研究は、「約110億年前の宇宙では、銀河が高密度で存在する原始銀河団領域であっても、大質量の星形成銀河は周囲から何らかの影響を受けて進化しているというよりは、むしろ自身の星形成によって主にその構造を成長させていることを示唆」しているということです。

それを示しているのが、アストロアーツ掲載の一番下のグラフです。
「太陽の100〜1000億倍の質量を持つ星形成銀河内部における星質量密度(破線)と星形成率密度(実線)の平均的な半径方向の分布」です。
銀河中心からの距離が10kpcあたりだと、星の分布密度は低いが、星形成率はかなり高いことが分かります。
なお、1kpc(キロパーセク)=約3 260光年、10kpcだと約3万3千光年なので、わが銀河系だと太陽あたりになりますかね。

>「銀河内部の星形成領域の分布は、銀河に働く物理過程を理解する上で鍵となる情報です。より詳細な研究のためには、銀河の平均的な構造を調べるだけではなく、個々の銀河について星形成領域の構造を調べる必要があります。次世代広視野近赤外線装置『ULTIMATE-Subaru』が完成すれば、様々な環境に属するより多くの銀河について個々の構造成長の様子を詳細にとらえることが可能になるでしょう」(鈴木さん)。

次世代広視野近赤外線装置の名称は「究極のすばる」ですか。
かっこいいですね。
宇宙初期の銀河形成・進化のさらなる解明が進展することを期待します。


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